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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄34
 二時間後、カナールの町。
 ルミナス達は衆目を集めながら町を闊歩していた。
 美青年一人に対し美女・美少女四人という比率は人通りが多く賑やかなこの町でも目立っている。
 その中の二人がやたらと薄汚れている事もまた一因であろうが。

 そんな中、薄汚れた人間の片割れ――海人がぽつりと口を開いた。

「……なあ、シリル嬢」

「なんですの?」

「いくらなんでも着替える間も与えてくれなかったのは少し酷いと思うんだが、どうだろう?」

 その言葉に、一番先頭を歩いていたルミナスの肩がぴくっと震えた。
 が、彼女は冷や汗を垂らしつつも振り返る事なく先頭を歩き続けた。
 
 その背中を追いながら、海人と同じく薄汚れたシリルは疲れきったような声音で海人の問いに答えた。

「同感ですわね。まるで仕事直後の冒険者のような酷い姿ですもの。
一応淑女である私としては、こうして町中を歩いているだけでも恥ずかしさで死にそうですわ」

 すん、とこれ見よがしに軽く鼻をすするシリル。
 その声に再びルミナスの肩が揺れるが、やはり振り向きはしなかった。

「しかもすぐ横でまともな格好で歩いているのがいるから、余計に目立つしな」

「ほとんどいじめですわね」

 その言葉を合図に、海人とシリルは同時に深い溜息を吐いた。
 まるで世を儚むかのような哀愁に満ちた吐息。
 聞く者が聞けば即座に演技だと分かるそれだが、御人好し過ぎる女性には効果抜群だった。

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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学



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