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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄64

 カナールの町。
 そこはかつて商業界に名を馳せた四人の大商人が共同で作り上げた、森の中の町。
 場所柄交通の便は良くないのだが、それでもこの町には多くの人が訪れる。
 
 が、今日はいつにも増して活気に満ちていた。

 屋台はどれも休む間が無い程の大繁盛。
 固定店舗も人がひっきりなしに入れ替わり、中には行列が出来ている店さえある。
 特に食べ物系の勢いが凄まじく、どの店も大混雑である。

 昼間っから心地良さそうに酒を飲む者達もちらほらと見え、
孫に酒を勧めて娘に蹴っ飛ばされている老人や、酔い潰れて爆睡している父の膝で一心不乱に御菓子を貪っている女の子、
果ては眠ったまま妻らしき人物に引きずられていく青年までいる。

 そこには、騒がしいながらも笑顔が満ち溢れていた。 

「ふむ、やはりこういうお祭りの活気は良いものだな」

 広場の片隅で人ごみを眺めながら、天地海人が呟く。
 その目は優しげに細められ、心からこの風景を楽しんでいる事が窺える。
 
「確かに。まあ、それを考慮してもあれははしゃぎすぎだと思いますが」

 主の言葉に同意しつつ、雑踏の方に目を向ける宝蔵院刹那。

 彼女の視線の先には、あちこちの屋台で食べ物を買い漁っている妹――――雫の姿があった。
 楽しげにあちこち食べ回っている姿は微笑ましいのだが、頬にたっぷり食べかすが付いている。
 一応年頃の乙女なのだから、もう少し気にしてほしいものだ。
  
 そんな事を考えていると、雫が戻ってきた。

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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学



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