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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄110

 シェリスの言葉に海人はふむ、と軽く頷き、ソファーにかけ直した。

「王都か。目新しさという点では悪くあるまいが……実際どうなんだ?」

 僅かに身を乗り出しながら、海人は尋ねる。

 シュッツブルグ王都セルトリティア。
 言うまでもなく、この国の中心である大都市だ。
 食事に限らず高品質の商品が集まる場所でもある。
 目新しく、かつ良い物を求めれば普通はそこにいきつくだろう。

 が――――普段海人達が行っているカナールと比較すればどうなるかは分からなかった。

 カナールはこの国にある四つの大商会の創業者達が一から作り上げた町。
 彼らが各々の商人としての目利きや人脈を活かした結果、あの町には最高品質の商品が数多出回っている。
 食事においても例外ではなく、高級店から大衆店までハイレベルな店が軒を連ねているのだ。 
 
 雫の要望的に目新しさは大事だが、普段行っている場所より質が落ちるとなれば話は別。
 海人のそんな懸念を見透かし、シェリスはたおやかに微笑む。
 
「ふふ、御心配なさらずとも王都は王都の名に相応しい店が揃っており、料理店も例外ではありません。
それにカナールの店はどれも素晴らしいですが、王都に比べれば広さで劣りますし、どちらかと言えば商業都市。
賑やかさや活気では劣りますが、街並みを含めた華やかさにおいては王都が上です。
目新しさを加味すれば、貴方達にとってはカナールよりも訪れる価値がある場所でしょう」

 静かに、だが確かな自信を感じる口調でシェリスが語る。

 カナールは確かに国内有数の素晴らしい町だが、非の打ち所が一切ないというわけではない。
 町の歴史がまだ短く、街並みにも町を運営している長老達の影響が強く出すぎているのだ。

 街並みは考えられてはいるが、どちらかと言えば美しさよりも清潔感重視。
 もっと言えば、常に町全体の清潔感を保つ為、掃除のしやすさが重視されている。
 その為、実用美は文句なしだが少々華やかさに欠ける仕上がりになっているのだ。

 対して王都は国の象徴としての側面が強く、風格と造形美が重視されている。
 歴史ある街並みの風格はそのままに、それに馴染ませるよう徐々に取り込まれていく最新の美意識。
 住まう人間が不便を感じない程度の実用性を残し、残り全てを造形美につぎ込んだそれは、カナールでは及ばない。

 そして、そこに軒を連ねる料理店もその風格に相応しい店になっている。
 店の内装や接客は言うまでもなく、出される料理も高品質。
 大衆店であっても例外ではなく、何も言わずとも観光客に再訪を促せる店ばかりだ。
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