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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄113
 海人は宿に戻るなり自室からバッグを持ち出し、そのまま厨房に入っていった。

 レザリア達は何か手伝うか申し出たが、大した作業ではないとあっさり断られ、
大人しく食堂で待つ事にした。

「しかし、何を作られるんでしょうねぇ……これといった食材は買ってらっしゃいませんでしたが」

「おそらく、今日食べ残していた菓子を使うのではないかと。
手を付けていない物がいくつかありましたから」

 レザリアの疑問に、刹那が答える。

 今日は道中で食べようと海人は色々菓子を持ってきていたが、消費は少なかった。
 主に馬車で食べるつもりだったのだが、同乗者と雑談をしていたら思わず話が弾み、食べ忘れてしまったのだ。
 一番消費しそうだった雫も、海人の膝に頭を乗せて熟睡してしまったので、ほとんど丸々残っている。

 帰り道で海人が買ったのは油と小麦粉だけで、他には何もなかった。
 となれば、残っているそれを使う可能性は非常に高い。

「あたしはそっちより海人さんの言ってた飲み物の方が気になるかな。
口の中の油綺麗に流せるなら、普段使いにも良いだろうし」

「もっともだが、おそらく今回は持ってきておられんだろう」

 刹那達がそうこう話している間に、海人が厨房から台車を押して戻ってきた。
 その上には、艶のある茶色の菓子が乗った皿と、紅茶よりも深い茶色の液体が入ったカップがそれぞれ四つ載っている。

「ほい、待たせたな。揚げ饅頭と飲み物だ」

「なーるほど、御饅頭を油で揚げたんですか。これは考えなかったなぁ……」

「熱々の方が美味いから、早めに食べた方が良いぞ」

 海人がそう促すと、雫達は一斉に目の前の菓子に手を伸ばした。

 そして、揃って目を見開きながら固まる。
 たかが油で揚げただけで、こうも変わるものかと。

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