fc2ブログ
ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄132

 一週間後の正午、カナール。
 昼食時だけあって、どこの飲食店も混雑している。

 店舗型は、ほぼ例外なく満席。
 提供速度が自慢の軽食主体の店でさえ、十人待ち。
 じっくり腰を据えて食べられるような店になると、二十人待ちすらあった。
 コース料理のみを提供する店の一部には行列がないが、それは単に完全予約制なだけである。
  
 屋台ですら、その大半は行列が絶えない。
 配膳や片付けの手間がない分、店舗型より提供速度は圧倒的に早いにもかかわらず。
 その最大の理由は提供速度ゆえに行列の消化も早く、店舗型から溢れた客がここならばと殺到しているからだ。
 カナールの屋台に外れなし、と言われる程に高い評判も、それを後押ししている。

 結果――海人達一行は、人混みを前に揃って唸っていた。

「元々賑やかな町だが……今日は一段と凄いな」

「これじゃのんびり気分転換ってのは無理ねぇ……」

 海人とルミナスが、揃って溜息を吐く。

 今日ここに来たのは、主に海人とシリルの気分転換。
 ここのところ連日花火の事で口論を続け、話が徐々に堂々巡りし始めていたのだ。
 なので一度カナールで美味しい物を食べながら気分転換、という話になったのだが、少しばかり当てが外れた。

 昼飯時にカナールの飲食店が混雑する事自体は、いつもの事だ。
 店の数自体は多いがそれ以上に客が多く、どうしても溢れてしまう。
 
 が、それでも普段ならば少し待てばどこかしらの店に入れる。
 商魂逞しい店が多く、日々改善を重ねて客の回転率を上げているからだ。

 それが、今日に限ってはいくら待っても店に入れる気配がない。
   
「ん~……どうもどっかの貴族がここに美味い店があるって言ったみたいですね。
ただ、店の名前までは言わなかったみたいで、結果として町全体が混雑した、と」 
続きを読む


プロフィール

九重十造

Author:九重十造
FC2ブログへようこそ!



最新記事



カテゴリ



月別アーカイブ



最新コメント



最新トラックバック



FC2カウンター



検索フォーム



RSSリンクの表示



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QRコード