ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄32
 海人の屋敷の一室に、屋敷の主と宝蔵院姉妹の姿があった。

 患者である雫は海人の治療が一段落したところで意識を失い、現在眠っている。
 その寝顔は安らかで、少し前まで瀕死だったとは思えないほどに血色が良い。  

 脈拍を始めとした検査を一通り終えたところで、海人は心配そうに妹を見守る刹那に声をかけた。

「とりあえず、もう大丈夫だ。槍でも降らん限りもう心配あるまいよ」

「あ、ありがとうございます! 散々御迷惑をおかけした上にここまでしていただいて……感謝の言葉もございません!」

「あー、そんなにかしこまるな。それと一応言っておくが、私の魔法の事は他言無用で頼む。
雫嬢が起きたら彼女にも言っておいてくれ」

「分かりました」

「感謝しよう……で、色々聞きたい事があるんだがいいか?
あの時はそれどころじゃなかったから聞けなかったが、幾つか知りたい事がある。
どうしても答えたくない事ならそう言ってくれれば詮索しない。どうだ?」

「いえ、どんな質問でもお答えします。なんなりとお訊ねください」

「まず一つ目だが、血を飲んでから私の匂いを嗅ぎ取るまで少し時間があったと思うんだが……」

「嗅覚に関しては能力を発動しない限り、血を飲んでから現れるまで少し時間がかかるのです。
と言っても長くて数分の話ではありますが……」
 
「なるほど……もう一つだが、雫嬢が冒険者達を殺し始めた時に妙な言葉を聞いた。
『やっぱり悪党の血は美味い』だったか?」

「……はい、実は吸血族が血を吸う相手の人格や身体的特徴などに一定の好みがありまして、
それに応じた特徴を持つ人間は個人差はありますが大体美味なのです。
あの、勝手ですが、これと先程の嗅覚については他言しないでいただけますか?」

 刹那は、縋るような眼差しで海人を見つめた。

 今海人に言った内容は、本来同族以外には口外してはならない内容である。
 適合がある程度判別可能であると知られると、吸血族全体に偏見を向けられる可能性がある。
 現状でさえ吸血族と知られた途端に密かに自分の血を狙っているのではないか、などと誤解される事がある。
 これが公表されてしまうとどうなるかなど、想像するまでもないだろう。 
 それを避けるために、一族の秘密として扱われているのである。

 今回刹那が海人に話したのは、あまりに迷惑をかけすぎた詫びと、彼ならば口外しないと信頼しているためだ。

「分かっている。知られれば碌な事にならんだろうからな。
しかし、そうか……だとすると雫嬢に適合していたのは当然か。私は紛れもなく悪党だからな」

「いえ、そもそも特徴による適合はその特徴の強さを示す物ではありませんし、
雫にはもう一種類好みがありますので、そのせいかと」

「もう一種類?」

「はい――戦闘における強者です。
海人殿のあの御力を考えれば十二分に適合しているはずです。
あの戦法を見た段階でお話しておくべきだった上に――あの状況に至った一番の原因は拙者の致命的な失態です。
あそこまで接近に気付かぬなど……!」

 ミシ、と刹那の両手が鳴った。

 海人に雫の悪癖を話さなかった事に関しては、酌量の余地がないわけでもない。
 雫は瞳の色が戦闘時でさえほぼ黒のまま、と非常に精神が安定していた。
 あの状態からなら、例え悪癖が出ても見境なく殺しまくる程暴走する可能性はなかった。

 雫が血を飲む事を看過してしまった事も大失態ではあるが、酌量出来ないわけではない。
 たしかに吸血すると血を飲みたい衝動に駆られるが、普段ならば雫も悪癖と同時にそれが出たところで理性は飛ばない。
 というより、雫の悪癖はあくまで趣味なので能力を発動しない程度の理性は常に残っているのだ。
 残念ながら、姉に刃を向けないという理性は残らない事が多々あるが。

 しかし、そもそもの原因となった冒険者達の襲撃を察知できなかった事は言い訳しようが無かった。
 こればかりは微塵の言い逃れも許されない、完全な刹那の大失態なのだから。

「そうだな、そこが分からなかった。なぜ二人共あの連中の接近に気付かなかったんだ?」

「申し上げませんでしたが、自分に向けられていない殺気でも悪癖を刺激する事はたまにあるので、
雫は森に入ってからは意識的に感覚を鈍らせていました。なので、雫が気付かないのは当然なのです」

「ん? おかしくないか? 魔物に何回か襲われたが、君より雫嬢の方が先に察知している事が多かったはずだ」

「ええ。鈍らせていても雫は鋭いので、近くであれば強い殺気はすぐさま察知してしまうのです。
元々拙者の察知力は雫には劣りますので、距離によっては鈍らせている雫に後れをとる事もあります」

「待て、おかしい。それだけ鋭いのに、どうしてあの連中に気付かなかった?」

「は――? あの、どういう意味でしょうか?」

 海人の問いに、刹那は申し訳無さそうに聞き返した。
 質問の意図が掴めなかったのか、その目には明らかな困惑がある。

「いや、それだけ鋭いなら私にあっさり殺される程度の冒険者に気付かないはずが無いと思うんだが」

「あ、なるほど。そういう事ですか。
海人殿にはお分かりにならないかもしれませんが、魔物の殺気は非常に察知しやすいのです。
ほとんどの魔物は強烈な殺気を隠さず狙いを定めて襲ってきますので。
それと比較すると人間の殺気の察知は難しくなります。
人間の場合はそれなりの達人でなければ、そもそも強い殺気を出す事すら出来ませんから。
付け加えますと、殺気の察知よりも気配の察知の方がさらに難度が高くなります」

 一挙に説明を終える刹那。

 専門職の戦士以外にはよく誤解されることだが、弱者の殺気は強者と比較すると悟りにくい。
 理由は単純で、強者のそれと比較するとあまりに弱々しいからだ。
 殺気消しを不得手とする一流の傭兵が殺気を消した状態と、三流の傭兵の普通の殺気でようやく互角程度なのである。
 
 そして、魔物の殺気は平均して人間のそれよりはるかに強く、どういうわけかあまり隠そうとしない。
 ゆえに魔物の殺気を感知するよりも、人間の殺気を察知する方が難しいのである。

 さらに、殺気と気配では性質がまるで違い、後者の方が読み辛い。
 前者は危険を感じる直接的なものだが、後者は存在を感じるという非常に曖昧なものであるためだ。
 
 そのため、魔物の殺気の察知と人間の気配の察知では天と地ほどに難度が違うのである。 

「……となると、君は人間の気配を察知する事は出来ないのか?」

「いえ……確かに苦手ではありますが、意識していればそこそこ広い範囲でも察知可能です。
今回気付かなかった理由は、最後の鉱石を掘り出したところで気が抜けていたためです。
真に、申し訳ございませんでした」

 再び、深々と頭を下げる。

 今回は雫の悪癖が出る可能性を少しでも減らすため、刹那が警戒役を担当していた。
 気配察知の技能においては雫の方が刹那よりも上なため、そのせいで普段よりも警戒の精度が落ちていた事は事実。
 しかも三流の人間の殺気、それも軽い気持ちで横取りを企んでいた人間なら些少の気迫すらなく余計に察知は難しい。

 だが、それでも刹那がまともに警戒していれば距離があっても即座に気付けた。
 確かに気配察知は不得手だが、それでも彼女は集中していれば半径三百m以内の生物の気配全てを察知できる。
 広範囲を察知していると一つ一つの精度は下がるが、それでも危険域に入った対象を見逃すなどありえない。
 あんな距離まで寄られて気付かないなど、切腹ものの失態でしかなかった。

 怒鳴りつけられるのを覚悟した刹那が身を固めていると、 

「嘘ではないようだが、それだけでは無さそうだな。全部言ってくれ」

 その言葉に刹那の体が微かに揺れた。
 
 ――確かに海人の言葉は正しい。
 
 だがそれは言ったところで弁明にもならず、むしろ人として言ってはならない事であった。
 
「――確かに仰る通りですが、言い訳にすらならないものです。
話したところで、不快な思いをされるだけでしょう」

「まったく……勘違いがあるようだから言っておくが、私はそれに関して咎める気はない。
むしろ理由が分からん方が気持ち悪い。はよ答えてくれ」

「――森にいる間……あれほど雫が楽しそうに笑い続けていたのは本当に久しぶりだったのです。
しかも心配事だった悪癖の露呈もせず無事に最後の採掘が終わり――そこで気が緩んでしまいました。
おそらく、あの連中は穴を埋め戻している最中に遠くから鉱石の光を見て寄ってきたのでしょう」

 ギリ、と苛立たしげに歯が鳴る。

 刹那達が採掘していたミドガルズ鉱石の発光は、その純度の高さゆえに非常に強かった。
 入れてあった布袋越しであっても遠目からそれと分かるほどに。
 その光に寄せられて横取りを狙った他の冒険者が寄って来る事は、
最低でも森を出るまで警戒していなければならなかったのだ。 
 
 だが、刹那はそれを怠ってしまった。
 仕事が無事一段落した、と早過ぎる安堵をしてしまったために。 

 己の罪を懺悔するかのように、彼女は言葉を続ける。
 
「最悪でも、埋め戻しを終えた時に気を引き締め直していれば確実に察知出来たはずです――完全に、拙者の失態です」

「だーからそう落ち込むなと言うに。私も私で君らとの会話に気を取られて周囲の観察を疎かにしたんだ。
あれだけ近くに人間か来てて気付かなかったなど間抜け極まりない。ま、お相子という事だ」

 軽い口調で語る海人。

 刹那と雫の警戒がなかったところで、海人が周囲を観察していれば近くに人がいる事ぐらいはすぐに分かる。
 気配察知の技能などは微塵も持たない彼だが、その尋常ならざる観察力がある。
 きっちり観察さえしていれば、周囲の光景の違和感に高確率で気付いていたはずだ。
 あんな状況になる前に何らかの手を打つ事は出来たはずなのである。

 刹那への慰め以上に、この言葉は己への反省の意味合いが大きかった。

「で、ですが――」

「くどい。それだけでなく、話を総合すれば私が余計な手出しをしなければ雫嬢の暴走に至らなかった可能性すらある。
森に入る前に手出しをしないと言ったにもかかわらず、手出しをしてしまったんだから私にも十分な非がある。
あれで君らまで虚を突かれ、雫嬢の自制のたがが緩んだ事は否定できまいし、
そこで血を飲んでさえいなければあの事態には繋がらなかっただろう?」

 これもまた、事実。

 あまりに都合の良い生贄の登場に、あの時の海人は少し浮かれてしまっていた。
 余計な事を考えず、刹那達に対処を任せていれば良かったのだ。
 そうであれば、刹那が雫の悪癖が出る前に動いて終わりにしていただろう。 
 
 それでも勿体無いからと生きている間に流れ出た血を飲む可能性が無いわけでもないが、
全員が死んでいれば能力発動には至らなかった。
 雫が発狂したところで、もっと格段に楽な対処が出来たはずなのだ。

「そんな事はありません! 拙者は雫に気を取られ、あまりに対応が遅れてしまいました!
本来であればあの男達が現れた瞬間、雫が動く前に拙者が皆殺しにしていれば済む話だったのです!
海人殿に動く暇があるような状況を作ってしまったのは拙者の失態です!」

「それは――いや、やめよう。これ以上は不毛だ。責任の奪い合いなどあまりに馬鹿げている。
結果としては全員無事に済んだ事だし、お互い反省はしても謝罪は無し。そういう事にしよう。
これ以上は疲れるだけだからな」

「――はい」

 刹那は沈痛な面持ちながらも、頷いた。
 いまだ今回の責任は全て自分にあると思っているが、意固地になって海人を困らせるのでは本末転倒。
 彼女はそう思いながら両手をきつく握り締め、俯いたまま猛省した。

(……しかし吸血族の能力発動。知識としては知っていたが、あれほどとはな……)

 深い悔恨に囚われている刹那を眺めながら、海人もまた自戒していた。

 今回、探索に同行するにあたって海人は色々と準備を整えていた。
 最悪の場合独力で森の中から帰って来れるだけの装備を。
 防具は一目で異質と思われてしまう物ばかりだったため防刃に優れた愛用の白衣のみだったが、
武器は拳銃二丁とその予備弾倉や手榴弾から神経ガスの類まで幅広く用意していた。
 
 しかし、どれも使う事が出来なかった。

 最初の冒険者達に囲まれた際はわざわざ手札を披露せずとも対処できると踏んだ為だったが、
雫の暴走後はまるで違う。

 拳銃は海人の射撃の腕の関係上どう弾道がぶれるか分からず使用不能。
 手榴弾は爆発の範囲が広すぎて良くても雫の死亡が確定、
最悪の場合爆風で視界が遮られるだけになり自分達の死に直結しかねなかったため使用不能。
 神経ガスの類は素の状態でロゼルアード草を食べて余裕で生き延びる少女に効くとは思えず、
効かなかった場合は煙で視界が遮られるうえ、風向きの変化次第でこちらの死が確定しかねないため使用不能。

 つまるところ、用意していた準備はどれもこれも役立たずでしかなかったのだ。
 
 さらに言えば魔力砲もイメージで撃てる為狙いは外れないという事で逃走途中に使ったのだが、
視界を遮らない範囲で溜めた魔力では意にも介されなかった。
 
 使えたのは雫の動きを遮るための防御魔法ぐらいだったが、これもまたあまり役に立たなかった。
 逃げる途中にも使ったが、その時は雫に加速があったためかあっさりと破壊され、あまり役に立たなかったし、
雫を止める際の刹那への援護にしても、海人の血が彼女に適合していなければああも上手くはいかなかった。
 適合していなかった場合はあの時点で創造魔法を使い、輸血を行いつつ刹那の能力を発動させる事も考えていたが、
雫が追いついてきた時間を考えると打ち合わせする余裕まであったかどうかは疑わしかった。

 つくづく今回の自身の不甲斐なさを思い知らされ、海人は思いっきり肩を落とした。  
 
 その時、ベッドの布団がごそごそと動いた。

「ん……あれ? ここは……」

「お、目が覚めたか。痛みはあるか?」

 海人の声に、寝惚けていた雫の意識が一瞬で覚醒した。
 自分のしでかした事を思い出し、雫は俯きながら答えた。

「あ……ありません」

 傷の痛みはないが、目の前の男の穏やかな言葉が痛かった。
 自分の罪深さを、何よりも深く思い知らされるがゆえに。  

「それは重畳。私特製の軟膏を塗っといたから、傷も残らんはずだ」

「――――どうして、怒らないんですか?」

 耐えかね、雫はついに海人に問いかけた。
 その瞳には涙が滲み、全身が震えている。

「ん?」

「あた、あたし……海人さんを殺そうとしたんですよ!? 
何も悪い事してない貴方を! ちょっと血を吸っただけで! 
あっという間に理性飛ばして殺そうとしたんですよ!?」
 
「あんなもんただの事故だろうが。刹那嬢にも言ったが、私も色々反省すべき点があったしな。
結果としては全員無事だった。それでいいだろう?」

「何で――! 何でそんなに冷静でいられるんです!
ただでさえ殺戮狂なのに、そのうえ匂い嗅いだだけで発狂して襲い掛かるなんて、完全な化物じゃないですか!
あたしなんかあそこで殺しておいた方が――」

 言葉の途中で、雫の頬が激しく鳴った。
 
 それを鳴らした人間――海人は振りぬいた手を痛そうにぷらぷらと振りながら、雫を睨みつけた。
 その目に秘められた圧力に、向けられた雫だけでなく刹那までもが気圧される。
 それを生み出している、あまりにも圧倒的な意志力によって。
  
「言っておくが、私は自分にとって価値がなければ聖人だろうがなんだろうが迷わず見捨てる。
あの状況で助けようとしたのは、君にそれだけの価値を感じているからだ」

「だ、だって――」

「それで不満ならさっきからそこで呆けとる刹那嬢も理由に付け加えよう。
彼女が妹を喪う嘆きに沈んで立ち直れなくなる事を防ぎたかった、といったところでどうだ?」

 その言葉に、刹那が顔を顰めた。
 声に偽りの響きを感じないだけに、辛かった。
 今回の事態を招いたのは、全てが自分の失態にあると自覚しているがゆえに。
 深すぎる悔恨に、握り締めていた両手から微かな血が滲み出ている。

「そ、それでも……」

「む、まだ足りんか。なら、世の中容姿に優れた女性は非常に貴重だ。
現在も目の保養になり、将来はまた別の美を見せてくれるであろう人材の保護――これでどうだ?」

「……へ?」

 雫の思考が、一瞬停止する。
 先程までと同じ真面目な表情と口調だったが、やたらアホらしい事を言われた気がする。
 勘違いかもしれないと内容を反芻していると、海人はさらに淡々と付け加えた。

「それでも足りんのなら、どう考えても性格悪いくせに自分の人格の素晴らしさを教えてやるなどと
身の程知らずな事をのたまった珍獣の保護も付け加えようか。
常人ならちょっと恥ずかしくて言えない事を胸を張って言う度胸は、観察対象としては割と興味深いぞ」

「あ、あの~……」

 おずおずと声を出そうとするも、海人は意に介さなかった。
 雫の言葉が出る前に、言葉を続ける。

「まだ不足か……ならばそこの今までよく生きてこれましたねと言いたくなるほど、
ある意味天才的なおっちょこちょいである姉の面倒を見続けてきた人生経験を聞くためも付け加えよう!
どう考えても余人ではありえない話を聞けそうだし、貴重だぞ!」

「え、えっと、え~っと……」

 色々言いたい事はあるのだが、何から言うべきか判断に困り虚しく言葉が空回りする雫。
 視界の隅で的確ながらも無惨に酷評された姉が派手に椅子から転げ落ちているのだが、それが気にならないほどに混乱していた。
 だが、それにも構わず海人はさらなる熱弁を振るう。 

「まだ抵抗するか……よかろう、ならばこれだ!
金銭感覚はまともなのに知識に欠け、半裸で平気なほど羞恥心にも欠けるお間抜けさんな姉と
基本小悪魔なくせに天然な姉に逆に振り回される事がある妹との面白おかしい漫才コンビをもっと見ていた――」

『いったいどういう評価されてるんですか!?』

 ついに姉妹仲良く海人を怒鳴りつけた。
 あまりといえばあまりな評価に、突っ込まずにはいられなかった。
 なんというか、人として。

 が、海人は部屋が振動する様なその怒声をまるで臆さず、むしろ笑みを浮かべた。

「やれやれ、二人共――やっと顔を上げたな」

「あ……」

 刹那が、思わず声を漏らす。
 海人の笑顔はそれほどに柔らかく、穏やかだった。 

「刹那嬢。失敗なんぞ人間いくらでもやる。取り返しがついているのなら、次からやらなければいいだけだ。
次からは絶対に同じ事を繰り返さない。必要なのはそれだけで、そこまで落ち込む意味はない」

 海人は優しく刹那の頭を撫でた。

 一度の失敗で全てを失った経験を持つ海人であるがゆえに、その言葉には重みがあった。
 失敗というものの重みを、押しつぶされそうなほどに知っている彼だからこそ、言葉に何よりも強い説得力を込められた。 

 刹那の顔に若干の明るさが戻った事を確認すると、海人は雫の方へと顔を向けた。
   
「雫嬢。色々言ったが、まとめれば『助けたいから助けた』だ。文句あるか?」

「で、でも……!?」

 なおも言い募ろうとした雫だったが、その前に海人にひょいっと抱えられた。
 そして、そのまま頭を首筋の方に――吸血族にとって一番美味な吸引箇所へ押し付けられる。
 
 その意味するところを悟り、雫は思わず海人の首筋に顔を埋めた。
 そのまま身を震わせ、海人の首筋を涙で濡らす。

 しばらくそうしていた後、雫は赤くなった顔を海人に向けた。
 海人はそこに笑顔が戻っている事に満足気に頷いた。  

「ま、この程度の事は躊躇なくできるぐらいには信用もしている。
まだ不満……が、が、ががががががっ!?」

 海人の言葉は、途中で悲鳴に転じた。
 再び海人の首に甘えるような抱擁を始めた雫の絶大な腕力によって。

「……馬鹿です、海人さんはホントに馬鹿ですよ、もう……」

「痛だだだだっ!? 首が! というか肩と首が砕ける!?」

「かっこつけるからですよーだ。
海人さん悪人顔ですし、性格もあたしと大差ないんですから、まるっきり似合ってません。
三文芝居見せられたような不快感の憂さ晴らしです――我慢してください♪」

 ミシミシッ、と不吉な音を立てる海人の骨格。
 傍目には子供が甘えているようにしか見えないが、その実雫の抱擁は殺人技と化している。 

「理不尽すぎるぞ!? 治療までしたのになんで痛めつけられなきゃならん!?」

「やりたい事やっただけなんですよねー? ならあたしが恩に感じる事なんてないですよねー?」

「そこは恩に感じるべきじゃないか!? そんなんだから性格が悪いと言うんだ!」

「そーいえば好き放題言ってくれましたよねー? ちなみにどんぐらい本音混ざってました?」

「全て嘘偽りない本音だ」

 馬鹿正直な男は、自らの死刑執行礼状にサインをした。
 雫はそれを聞き、姉に視線を向ける。
 刹那はそれに苦笑交じりに肩を竦めて応えた。
 好きにしろ、と。

「そんじゃ、このまま砕きまーす♪」

「待て待て待て! まだ用事があるからせめて後回しに!」

「へ? 用事ですか?」

「……あー、実はあの場にローラ女士も居合わせていてな。
彼女にも創造魔法の話はしてなかったから、説明せにゃならんのだ。
しかも別室で待ってもらってるから、あまり遅くなると怖い事になりそうでな。
それじゃ、また後で」

 力を緩めた雫をベッドに転がし、海人は部屋を出た。
 
 とりあえず二人共普段の調子に戻ったので、こちらは片付いた。 
 後は、おそらく本日最大の難関たる美貌のメイドのみ。

(――ま、ここからが本番だな)

 軽く肩をほぐして顔を引き締め、海人はもう一人の客人の待つ部屋へと足を向けた。

 




















 海人が部屋に入ると、ローラは立ち上がって優雅に一礼した。
 彼女が座っていたソファの前には三段の重箱と湯呑み、そして急須がある。
 どれももうすぐ空になりところであった。 
 
「待たせてしまったか?」

「いえ、和菓子と緑茶があまりに美味しかったのでついつい手が伸びてしまっただけです……私の話はお察しいただけていますね?」

「一応な。とりあえず、時間を空けてくれた事には礼を言っておこう」

「? 意味が理解できないのですが……?」

「いや、正直あの場で創造魔法使ったら三人まとめて殺される可能性が高いと思ってたんでな」

 頬をかきながら、海人は苦笑を浮かべた。
 
 海人としては、我に返った後のローラの態度は意外そのものだった。
 雫の治療が一段落したところで、彼女は真っ先に海人の屋敷に運び込む事を提案したのだ。
 曰く、森の中で魔物に襲われれば何が起こるか分かりはしない、と。

 海人としても異論は無かったため素直に従ったが、予想より丸い対応にかなり意表を突かれていたのだ。

「――お待ちください。何故そのように思われたのです?」

 ローラの目がかすかに細まった。

 分かりにくいながらも若干柔らかかった雰囲気が、一気に引き締まっている。
 まるで捨て置けない、あってはならない盛大な誤解を聞いたかのように。

「何故って……いつでも自分と大事な者を瞬く間に抹消できる危険人物など、早々に処理した方がいいだろ?
利用価値はあるだろうが、ルミナス達がいない現状まで含めるとこういう機会はあまり無いだろうしな」

 ローラの問いに、海人は困惑した様子で答えた。

 海人が使う近代兵器と創造魔法の組み合わせは、他に類を見ないほど凶悪極まりない。
 書類仕事から何から利用価値も多々あるだろうが、それを差し引いても放置しておくリスクが大きい。 
 海人を生かしておく事は、多大な利益をもたらす代償にいつ爆発して国を消すか分からない爆弾を置いておくに等しい。

 先程刹那達諸共殺しておけば冒険中の事故で片付ける事が可能で、ルミナス達が戻ってきた時も追及をかわせたはずだった。
 ルミナス達がまず問い詰めるとすればシェリスであるが、彼女はまだ何も知らないのだから。
 ローラを怪しんだにしても、証拠がない状態で二人が仇討ちにかかるはずもなく、大きな問題にはならない。 

 海人はローラにそう考えられると分析していた。

「なるほど――本気で愚かしすぎて思わず撲殺したくなるような勘違いですね」

「は?」

「今仰った考えは貴方様の人格に対しての信頼が低いという前提で構築されている、違いますか?」

 ローラは軽く瞑目し、淡々と問いかけた。

 海人の考えは明らかに自身の人格評価が低い事が前提だ。 
 それも並程度ではなく、最悪に近いレベルに低いと考えている可能性が高い。

 並程度の評価があれば、いくら能力が危険だからと言って即座に殺す事はありえない。
 それでいちいち殺していては何千人殺しても足りないし、かえっていらぬ災いを呼び込みかねない。
 いくら海人の頭が戦闘の疲労によってありえないほど鈍っていたとしてもその程度の事は分かるはず、
とローラはその予想に自信を持っていた。

 ――非常に不本意ではあったが。

「違わんが、それがどうかしたのか?」

「もう一度、冷静に、今まで私共と関わった時の事を思い出してください――どうすれば低くなると?」

 その言葉と共に普段の倍以上に冷たい視線を向けられ、海人は今までの事を回顧した。

 まず、プラス要因になりそうなものを考える。
 
 果物を始めとした食料関係の卸し、こちらの医術では死を待つだけだったシェリスの使用人達数人の治療、
カナールで起きた戦いにおける援護とドラゴン退治、肺死病の特効薬の提供の約束、書類仕事の大規模な処理、
シェリスを始めとした彼女の屋敷の人間への授業――意外に多い。

 次いでマイナス要因になりそうなものを考え――そこで思考が停止した。
 
(……ほとんど無い? いや待て――特効薬の製法――は、そもそも解決したか。
まだシェリス嬢には話を通しとらんが、ローラ女士とは交渉を終えている。
他に人格評価に影響しそうな点――殺人? んなもんいちいち気に留めんよな。
となると後は素性を誰にも教えとらんぐらい――どういう事だ?)
 
 考えているうちに、海人はなぜ自分に信用が無いと思ったのかが分からなくなった。
 そもそも、思い返すまでもなくシェリスの態度もローラの態度もかなり好意的である。
 強いて言えば以前トラウマを作ってしまったシャロンが時折腰が引ける程度だが、その彼女もそれ以外の時は特に問題ない。
 そんな事を考える事自体がおかしい。

 可能性として考えられるのは、今日一日で凶事が続いたせいで物事をマイナスに考えた挙句、
雫を助ける時の脳の酷使で思考が鈍った末に間違った結論に行き着いた事。
 そしてその考えがそのまま固定してしまったという事だが、それだけではない気がした。

 海人が首を捻っていると、ローラが淡々と、それでいてどこか哀れむような響きがある声で彼に語りかけた。
 
「おそらく、いつぞや仰っておられた気を引き締め直した、というのが非常に歪んだ形で出ておられるのかと。
貴方様のように能力が高すぎると余人なら感謝される事をしても勘繰られる事が多かったでしょうから、仕方ないのでしょうが」

 その言葉で、海人は納得した。
 
 元の世界での海人は、表立って才能を発揮して以降は何をやっても勘繰られた。
 大学時代に同学年の人間の課題を手伝った時は己の才能を誇示して年上を見下すのが目的と言われ、
特許料で入った金の一部を孤児院への寄付に回したらそこの子供を密かに人体実験に使うつもりだと噂され、
終いには何か新しい研究を始めただけで、その分野の研究者を絶望させるためとまで言われた。

 そのため、昔の海人は他人に信用されるという希望は捨てていた。

 海人はこの世界に来て以降緩みすぎていた気分を引き締め直そうとしていた。
 だが、明確な敵がいない状況で無理に警戒心を高めようとしたため、妙な部分だけが昔に戻りかかっていたのである。
 それも亡き妻と出会ってからは少しづつ改善されていた事を考えると、それ以前――六年以上前に。
 おそらくは一番自棄になり、人間不信が酷かった時期に。
 いくらなんでも戻りすぎである。

 それに気付いた海人が自身の間抜けさに頭を抱えていると、

「この際ですので明言しておきますが、私も主も貴方様の人格にはかなりの信頼を置いております。
権力などという面倒な物は欲しがらないでしょうし、むやみやたらに争いを望むとは思えません。
他の望みもある程度は創造魔法でなんとでもなるはずです」

「それはありがたいな」

「さらに付け加えますと、いつぞや私が提示した条件はルミナス様達が敵国に雇われた場合のみの想定です。
他の場合ではそもそも貴方様が明確に私共の敵になる可能性自体が見当たりません。
あくまで推定ですが――シェリス様を含めた屋敷の者の事も、かなり気に入っておられるでしょう?」

「まあ、な」

 頬をかきながら、海人は肯定した。

 授業をしていて分かった事だが、シェリスの使用人の大半はかなり素直な性格をしている。
 それぞれ個性は強いのだが、誰一人として嫌な空気がない。
 気が向いたら手助けぐらいはしてやるか、と思える程度に好印象を抱ける人材が揃っている。
 利害が衝突しない限り、協力こそすれ海人から敵対する事はありえない。

 当たってはいるが、海人は見透かされている事に若干の悔しさを感じていた。

「総括いたしますと、貴方様はこちらから積極的に貴方様やその友人に害を成さなければ、
多大な利益を惜しみなく与えてくれる人間という事になります。
何か異論はございますか?」

「ま、完全に信用はできんが、反論も出来んな」

「それで十分です。ところで、創造魔法に関して主は――」

「知っている。あと知っているのはルミナスとシリル嬢だけだがな」

「なるほど。私も沈黙していた方がよろしいのでしょうね」

「ああ。何か交換条件が欲しいか?」

「はい。ミドガルズ鉱石を複製していただきたいのです。
諸事情で数が不足しておりまして、できれば今回皆様で集めた倍の量をお願いしたいのですが」

「分かった。っと、そうなるとわざわざ場所を移動した理由はなんだ?」

「ただ一つの単純な質問です――シズク様が私共に害を成す危険性はどの程度でしょうか?」

 海人の目を真っ直ぐに見据え、ローラは問いかけた。
 その視線は相変わらず平坦だが、有無を言わさぬ強さがある。

「それを私に聞くか?」

「本人達に訊ねたところで、返答の信用性は疑わしいので」

 特に逡巡もなく、ローラは断言した。

 事実、直接二人に問い質したところで嘘を吐かれる可能性があるし、本人達の認識の問題もある。
 過小評価、過大評価、どちらも判断材料としては心許ない。 

 この場合は一応第三者に近い目の前の男に聞くのが最善であった。

「ふむ――とりあえず、極小ではある。
ただし冒険者として運用するのであれば、どんな形であれ他の冒険者と組ませる事は避けた方が良い。
実力はあるようだし、それでも有用だろう?」

「一応お訊ねしますが、具体的な理由については?」

「それは私が答えていい事ではない。知りたいなら直接聞け」

「でしょうね。まあ、今回はカイト様を信用させていただくといたしましょう」

 予想していた答えに、ローラはすんなりと諦めた。

 海人の表情を見る限り、嘘は言っていない。
 さらに言えば目の前の男は話さないと決めたら、拷問にかけられても絶対に話さないだろう。
 問い詰めるのは時間の無駄以外の何物でもない。
 
 そしてなにより、正気を失わない限りあの二人は敵になりえず、失ってもローラの敵には値しない。
 宝蔵院姉妹が吸血族である事は、先程の戦いの際の瞳の色ですぐに分かった。
 ならば、頭を潰せば殺害は容易。
 身体能力は脅威だが、正気を失っていればいくらでも対処できる。
 部下達では対処が難しかろうが、それも一対一の場合のみ。
 屋敷内の実力上位が五人程いれば、殺害には十分すぎる。
 とりあえず、主と部下達に二人の種族について伝えておけば何の問題もないのだ。
 
 ――それをわざわざ目の前の男に伝える気もないが。

 そんな事を思っていると、
 
「種族をバラす程度なら仕方あるまいが、早まった真似はするなよ?」

 あっさりと見破られ、釘を刺された。

 当然だが、海人は状況からローラが種族は掴んでいる事は察していた。
 森の広さからして、あの場に偶然居合わせる可能性は極めて低い。
 間違いなくローラは騒ぎを知って駆けつけたはずである。
 そうであれば遠隔視の魔法で状況を確認していないはずがなく、二人の瞳の色を見ていなかったはずもない。

 そして、海人の予想は全て的を射ていた。  

「――貴方様の言が正しければ何の問題も起こらないかと存じます。
幸い、屋敷には種族に偏見を持つ者はおりませんので」

「結構。で、他には何かあるか?」

「いえ、特にはございませんが……少々個人的に質問したい事がございます」

 その言葉と同時に、室内の空気が変わった。
 適度に緊張感が緩んでいたそれから、姿勢を正さずにはいられないものへと。

 同時にローラの様子も変化していた。
 先程まではどこか悠然とした余裕を漂わせていたが、
今はやたらと真剣に海人の目を見つめている。

 が、海人はその変化に動じなかった。

 ローラに気圧されなかったわけではないが、彼は元々一つ質問される可能性は考えていた。
 さらに言えば、先程彼は自身の間抜けさゆえにその質問が出る可能性をさらに高めてしまっていた。  

「なぜあの場で創造魔法を使ったのか、か?」

「はい。非常に馬鹿馬鹿しい勘違いとはいえ、貴方様は殺される危険を覚悟の上で使われたという事になります。
それほど長い付き合いでもない――それもルミナス様とは違い、命の恩人という要素も無い御二人。
何故、命を賭けてまで助けようと?」

「二人の人格的な要素があればこそだが……出会ったタイミングだな。
私はこれでも根性無しの寂しがりやなんだ」

「――ルミナス様達と離れ、この広い屋敷に一人暮らしになって人恋しくなったとでも?」

「実を言うと似たような状況になったのは三度目だが――前の二度がキツい体験だったんでな」

 海人は苦笑しつつ、天井を仰いだ。
 
 三度目。そう、実に三度目であった。
 広い屋敷に急に一人で暮らす事になる、というこの状況は。

 一度目は十二の時に両親が失踪した時。
 学校から帰ってきても、誰一人として出迎えてくれない広い屋敷。
 前にも両親が揃って家を空ける事は何度かあったが、長くても一週間。
 しかも二日に一度は必ず様子を確かめる電話がかかってきていた。
 
 だというのに、電話はおろか手紙すら来ない。
 両親の金に手をつける勇気も無く、屋敷に常備されていた非常食と貯めていたお年玉で飢えをしのいで親の帰りを待つ日々。
 当時手がけていた研究にのめりこんでごまかそうとはしたが、半年経つ頃には食事のたびに寂しさで涙が止まらなかった。
 それが、海外に渡る事を決意する一年後まで延々と続いた。

 当時幼い――それも平和な国の普通の子供として育っていた彼には非常に過酷だった。 
 
 二度目は妻を喪った事故の時。
 かつてに比べれば些か賑やかさには欠けるものの、温かさが戻っていた屋敷から再びぬくもりが消えた。
 朝の挨拶も聞こえず、食事を作る音も聞こえず、聞こえるのは広い屋敷に響く自身の足音のみ。
 妻の遺品や近々生まれてくるはずだった子供のために用意した品々を手に取ると、全てが氷より冷たく感じた。

 数多の人生経験によって海人の精神は常人のそれよりはるかに頑強になっていたが、
自分の失敗という底知れない罪悪感と幸福の絶頂から絶望のどん底に叩き落とされた衝撃は、それを容易く粉々にした。

 そして三度目が、今。
 無論、今回はなんら辛い事は起きていない。
 若い独身女性の家に居候という非常識な状況から常識的な状況になっただけだ。
 
 しかしそれでも笑顔と温かさで満ち溢れていた環境から広い屋敷での一人暮らしという落差は、覚悟はしていても辛かった。
 前が楽しい生活であっただけに、否が応でも前の二度の孤独を想起させられてしまう。
 それを表に出さない程度の自制心はあるが、決して和らぐ事はない。

 そこに現れたのが、刹那と雫だった。
 
 最初に出会った時はルミナスの家を出て間もない頃だったため、海人はまだ広い屋敷の寒々しさに順応していなかった。
 その時点では自覚が無かったが、二人との昼食は気分を非常に和らげてくれたのだ。
 それだけでなく、二人共基本的な性格が良いので話していて非常に楽しかった。
 
 だからこそ、海人は二人を深く受け入れてしまった。
 自覚はせずとも、ほとんど身内に近い感覚で。
 助けられるなら助けたい、そう思ってしまう程に。
 その甘さを抑制できるような記憶を回顧してもなお、助けたくなってしまった。

 おそらく、ローラがもう少し早く書類を持ってきていれば話は違っただろう。
 赤の他人でしかなかった二人より、面識がある似た者同士のローラの方が親しみを得やすい。
 刹那達の印象は弱まり、代わりにローラに対する親近感が増大していたはずだ。

 それでも刹那達に好感は持っていただろうが、己の命を懸けてまで助けようとは思わなかったかもしれない。

 ――そんな事を考えている海人を、ローラはかなりの苛立ちを胸に見据えていた。

 彼女は海人の両親の失踪の話は知らないが、妻を亡くした話は聞き及んでいる。
 そこから考えれば、今回の海人の行動の理由は想像がついた。
 それだけに、自身のあまりのタイミングの悪さを呪わずにはいられなかった。

 ある意味、今回一番不運だったのはローラだ。
 たった一日のズレで、彼女が得られたはずの好印象を刹那達にほとんど持って行かれてしまった。
 そのうえ、今日も数分のズレで好印象を得られる機会を逃した。
 雫の暴走を止める際に協力できていれば、かなり心証が良くなっていたはずだ。
 片方でもあれば今後の関係にどれほど有益だったかを考えると、凄まじく口惜しかった。

 だが、ローラは早々に気分を切り替えた。
 過ぎた事を悔やんだところで時は巻き戻らない、と。 

 それよりも、今はやるべき事を優先する事にした。
 
「そんな感傷で自殺の危険を冒したと?」

「自殺とは酷いな。抵抗ぐらいはできるかもしれないのに」

「そうお思いでしたら――どうぞ、そのポケットの道具でお試しください。
現実を教えて差し上げます」

「ならば遠慮なく」

 海人の両手が動き、ポケットの拳銃を引き抜いた。
 そのまま狙いを定める事も無く、デタラメに引鉄を引――

「遅すぎます」

 引鉄が引かれるよりも早く、海人の両手両足に強烈な痺れが走った。
 同時に天地がひっくり返ったかのような眩暈に襲われる。
 
 それが両手両足に打ち込まれた打撃と頭蓋を揺らされた事によるものだと認識する前に、海人の呼気が止まった。
 いつの間にか背後に回っていた、ローラの右手によって。

「――ですから自殺と申し上げたのです。
見えてはいても体の反応が追いつかない貴方様が、この私に微かでも抗えるとでも思っておられたのですか?」

 ギリリ、と海人の首が軋む。
 
 肉体強化を使ってはいるが、所詮ローラと海人では地力に天地の差がある。
 細くしなやかでありながら強靭極まりない魔指は、海人の首に少しづつめり込んでいく。
 両腕は動かず、首の力ではローラの握力に対抗できない。
 体を左右に揺さぶって緩めようとしても、その手は微塵も揺らぎはしない。
 魔力砲を使おうとしても眩暈で集中できず、どうにか体の外に魔力を溜め始めてもローラが放った魔力ですぐ霧散させられてしまう。
 
 が、打つ手が無くなった途端、ローラの手が離れた。

 彼女は咳き込みながら酸素を取り込む海人を見下ろし、
 
「お分かりいただけましたか? 
いかに貴方様が危険人物であっても、この距離まで近寄れば恐るるに値しません。
武器を使う暇を与えずに殺せばそれで済みますし、これだけ無駄な攻撃をしても非常に余裕があります。
どれほど御自分が、馬鹿げて、無謀で、身の程知らずな賭けに臨んだか、御理解いただけましたか?」

「……それは重々承知しているつもりだがな。
まあ、この距離まで君に近寄られれば、どう足掻いても私の命は無いということだけは良く分かった」

 そう言うと、海人は深い息を吐いた。

 防御魔法は海人の反応速度の遅さをある程度補えるが、ローラ相手の近距離では発動時間が長すぎる。
 目の前の戦女神は、コンマ一秒あれば海人を二十回は確実に殺せる。 
 この距離で出来る事など、現状ではデススイッチを使った自爆による道連れしかない。

 分かっていた結果ではあるが、改めて突きつけられるのはなかなかに堪えた。

「それでも不足です。今と同じ事はシャロンでも可能ですし、動かれる前に首を刎ねるだけなら主ですら可能です。
身の安全を保ちたいのであれば、接近戦に特化した護衛が必要です」

「……何が言いたい?」

「丁度都合の良い人材がおられるでしょう?
危なっかしいシズク様はともかくとして、セツナ様は最適です」

「――ま、もっともだな。ただし、雇うとすれば二人共だが」

「馬鹿ですか? 事情は存じませんが、シズク様が正気を失って貴方様の命を狙った事は事実。
いつ同じ事が起こるか分かりません」

「条件は分かっている。今回のは極稀な不運と不注意が幾つか重なった末の事故だ。
それを知った上で動いていれば同じ事は起きない」

「甘いですね。事故などというものは頻発するものです」

「だとしても、結論は変わらん。
大体、あの仲の良い姉妹を引き離せば間違いなく精神面に悪影響が出る。
んな不安定な護衛に命を預ける気になるか」

 これは事実だ。
 仮に刹那だけを雇って雫と引き離した場合、雫の悪癖を心配して刹那の集中力はガタ落ちするだろう。
 ただでさえムラがあるというのに、それが何十倍に増大してはもはや命を預ける事など出来はしない。 

「そのために、いつ己の命を奪うかもしれない人間を雇うと?」

「まさか。それ以上に雫嬢に信が置けるからだ。
確かに正気を失っていたが、彼女はそれまで必死で堪えていた。
理性が完全にぶっ飛んで、飢えた野獣が可愛く見える程に狂うようなものをだぞ?
結果はああなったわけだが、将来的には今回の事態を自力で押さえ込める可能性もあると私は読んでいる」

「――お優しい事ですね。そんな不確定極まりない可能性を信じるなど」

 軽く瞑目し、ローラは呟いた。
 その声には彼女にしては珍しい、小馬鹿にするような響きが含まれている。 

「たまには不確定な話も信じなければ人生つまらんさ。
ついでに言えば、あくまで仮定の話だろ。
私が雇いたいと言ったところで、二人が受け入れるかは別の話だからな」

 が、嘲笑うような彼女の態度を海人は飄々と受け流した。
 嘲弄するようなその言動の中に、消しきれなかった優しい響きを感じたがゆえに。
 
「確かにその通りですね――では、少々試してみましょう」



























 刹那と雫は特に会話をするでもなく、黙々と過ごしていた。
 二人共自虐的な思考はどうにか打ち切ったが、罪悪感は消えなかった。
 海人の前ではかなり明るく振舞ったが、やはりしこりは残っていたのである。

 そんな時間がしばし過ぎ、やがて刹那が口を開いた。
 
「……やはり、今回の事はきっちりと償うべきだ。
海人殿は気にされないかもしれんが――それだけの事をやってしまった」

「同感だけどね……創造魔法がある以上お金は不自由しないだろうし、
あんだけの美形なら女の人だって選び放題だろうし……何もできなくない?」

「その分、武力には欠けておられる。別に冒険者稼業に未練はないだろう?」

 刹那は重々しく語った。

 海人が創造魔法の使い手となれば、平穏な人生を送れる可能性は低い。
 なにせ経済から軍事に至るまで幅広い応用が可能な、ある意味では特殊属性で最も凄まじい魔法。
 どう転んでも先の道程は決して安全にはなりえないだろう。
 幸福に生きる事を望むなら、災厄から身を守るための手札は多過ぎるという事はない。 

 元々二人が修行しつつ冒険者稼業をやっていた理由は雫の悪癖を抑えるためだ。
 刹那は武力でもって強引に妹を止めるため、雫は精神修養で自制心を高めるため、旅を続けていた。
  
 ならば、海人の手札となって生きるのは別に悪い選択ではない。
 修行など、その気になればどこでも出来るのだから。

「そりゃあたしも少し考えたけどさ。それだと住み込み以外ありえない。
でも、海人さんの一人暮らししてる理由が創造魔法だけじゃなかったら無理だろうし、
そもそも海人さんがあたし達を側に置いてくれる気になるかが問題だよ?
ま、それがクリアできればあたしらも楽しいだろうし、万々歳だけどさ」

「とりあえず、後で海人殿に――!?」

 言葉の途中で、刹那の目が一気に見開かれ、椅子を蹴倒した。
 ほぼ同時に雫もベッドから飛び出し、近くに置いてあった小太刀を手に取る。

 理由は、唐突に屋敷を蹂躙した凄まじい殺気。
 それはあまりにも鋭く、一瞬で全身を切り刻まれたかのような錯覚を彼女らに与えた。

 どれほど鈍い人間であっても察知させてしまうそれは、探るまでもなくその発信源を二人に教える。
 直後、二人はドアを蹴破って一直線に廊下を駆け抜けた。

 
 
 


























 
 その頃、海人は首を傾げていた。
 試してみる、と言ったローラに動きが無い。
 音も立てず、冷めてしまった緑茶の残りを啜っているだけだ。  

「何かやるんじゃなかったのか?」

「はい。今終わりました」

 湯呑みを置き、和菓子を頬張るローラ。
 相変わらずほとんど表情が動かないが、かすかに微笑んでいた。

 彼女の行動の意味が分からず海人が困惑していると、
どこからとも無く何かを破壊する音が聞こえ、次いで凄まじい轟音が廊下から響いてきた。
 その音は瞬く間にドアの前に到達し、 

「海人さん! 無事ですかっ!?」

 真っ先に雫がドアを蹴破って部屋に飛び込んできた。
 彼女は既に小太刀を抜いており、僅かに遅れて入ってきた刹那も拳を構えている。 

 明らかに剣呑な空気の二人、そして破壊された――おそらくは自分が直さなければならないドアを見て、海人は毒づいた。

「……おいこら、そこの無表情メイド。何をした?」

「少々殺気を出してみました。予想以上に早かったですね」

 お茶を飲みながら海人の冷たい目線を受け流すローラ。
 その様子にはまるで悪びれた雰囲気が無い。

「……あの、どういう事なのでしょう?」

「心配かけてすまないな。そこの腐れメイドの悪戯のようだ」

「腐れメイドとは酷い言われようですね。
さて、御二人に質問なのですが、カイト様が住み込みの護衛を欲している、と聞いたらいかがなさいます?」

 その言葉で、刹那達は事情を悟った。
 
 誘いに乗せられたのは不愉快だったが、良いタイミングでもあった。
 胸を張り、粛々と二人は己の意思を表明する。 

「――拙者に否はない。むしろ、頭を下げてお願いしますと言うべきところだ」

「あたしも同じですねー。でも、海人さんの意志次第ですけど」

「だそうですが、どうなさいますか? 御二人共間違いなく破格の実力者ですが」

「二人が受けると言うのなら、私としても異論はない。給料はそんなに出せんかもしれんが、衣食住は保証しよう。
ついでに、武具も創造魔法によるコピーで良ければ支給する」

 その言葉に、刹那と雫は迷う事無く頷いた。
 今までそれすら保障されていない生活だったので、彼女らにとってはむしろ地獄から天国ぐらいの破格の条件であった。

 一方で、海人もまた安堵していた。
 ギリギリで教室の工事が終わっており、既に消してあるため二人に工事ロボットを見られる心配は無い。
 地下の方は入らないように言っておけばすむので、タイミングは丁度良かったのである。
 
 そんな事はおくびにも出さず、海人は挑むような笑みをローラに向けた。

「やれやれ……これで君も安心か?」

「ええ。護衛無しではとても安心できませんので、助かりました」

 海人の探るような問いに、ローラは事も無げに答えた。

 創造魔法の使い手と分かり、ただでさえ高かった海人の重要度がさらに跳ね上がった。
 しかも、折角シェリスが巻き込まれないよう海人の観察力について刹那達に伏せていたにもかかわらず、
見事に巻き込まれ、シェリスの予想をはるかに上回るトラブルにまで発展している。

 こんな危なっかしい重要人物にはなんとしても護衛を付けたいところだが、
海人がシェリスの屋敷に住み込むはずがないし、こちらに人員を回すわけにもいかない。
 
 そこで、刹那と雫である。
 彼女らなら実力的には申し分なく、創造魔法の事も知っているため気を煩わせる必要がなくなる。
 そのくせ、シェリスの息がかかっていない、純粋に海人の味方になりえる人材。

 二人が引き受けさえすれば、海人、ローラ、どちらにとっても都合の良い話だった。
 そして、二人の海人への態度を見ていた限りでは、引き受ける可能性は決して低いものではなかった。

 唯一の難点は自分を殺そうとした雫を海人が護衛として本当に受け入れられるかどうかだったが、
先程試した結果は見事に問題なかった。

 やるべき事が終わった事を確認し、ローラは最後のお茶を飲み干した。

「……それでは、用も済みましたのでそろそろ失礼させていただきます。
主には一通り話を通しておきますので、ご心配なく。
ミドガルズ鉱石に関しては後日、私が注文した分とまとめて持ってきてくださるようお願いいたします」

 そう言い残すと、ローラは一礼してすたすたと部屋から去っていった。
 なお、重箱にまだ少量残っていたはずの和菓子は、残らずその姿を消していた。





























 ローラが去った後の応接間で、三人は壊れたドアを片付けていた。
 無残に壊れたドアは金具ごと破壊されており、修理にはかなり手間がかかる。
 海人が心の中でローラに呪詛を唱えていると、
 
「あの、今更言うのもなんですが、本当に雇って下さるのですか?」

「ああ。というか、冷静に考えてみたら他に選択肢がないな」

「へ? どういう意味ですか?」

 海人の言葉に、雫は戸惑った。

 悪戯っぽい笑みを浮かべているので悲観的な話では無さそうだが、
彼の言葉の意味がまるでつかめない。
 横を見れば姉も困惑した顔をしている。
 
 そんな二人に、海人は実に楽しそうな笑みを浮かべた。

「それじゃヒントだ。私の魔法について他言されては困る。
他人に知られれば余計な揉め事が山のように押し寄せてくるだろうからな」

「それは分かりますけ――あー、そういう事ですか。確かに住み込ませる以外に選択肢がないですね」

 海人の言葉の意味を悟り、雫はうんうんと頷いた。
 その口元には海人と同じような、性悪の笑みが浮かんでいる。

「むう……海人殿は拙者共の口の固さが信用できないと仰るんですか?」

「違うよ。信用されてないのとは少し違うし、問題があるのはお姉ちゃんだけだよ」

「何? あの、海人殿、差し支えなければ教えていただけると――」

「――私の口から言うのか? ちょっと泣きたくなるかもしれんぞ?」

「覚悟の上です」

「では言うが――君はおっちょこちょいすぎるからな。口が滑る可能性がどーしても否定できん。
薪を調達しようとして頭上の枝を蜂の巣ごと落っことすお間抜けさんだからなぁ……」

「うぐっ!?」

 痛い所を突かれ、刹那は呻いた。
 森の中にいた時、彼女はよりにもよって海人の頭上に蜂の巣を落としてしまったのだ。
 当たる前にすかさず海人を抱えてその場から逃げ去ったが、間抜けな事には変わりがなかった。

「というわけで、色んな意味で君らには住み込みで働いてもらわんと困る。
刹那嬢は目を離すわけにはいかんし、それでも防げなかった場合に備えて雫嬢も必要だ。
私の反応速度では刹那嬢の言葉を止めきれるとは限らんからな」

「喜んで請け負いまーす。あ、そーいえば海人さんあたし達の主になるんですよね?」

「ま、雇い主ではあるな」

「んじゃ、これからは呼び捨てで呼んでください。一緒に暮らすんですし、堅苦しいです」

「あ、拙者も呼び捨てでお願いします」

「分かった――刹那、雫。これからよろしく頼むぞ」

『はい!』

 海人の新たな同居人は、揃って仲良く返事をした。

 



テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

コメント
サムライ
なんというか、浪人の二人が侍になった話、ですかね。

無論、この世界の『ヒノクニ』にサムライが居ればの話ではあるけど。
まぁそもそもこの二人の場合は侍と言うより忍者っぽいけどね。
[2010/08/25 23:41] URL | 無刃 #pOiywxxs [ 編集 ]


しずく&せつな が なかまになった
[2010/08/25 23:58] URL | てぃんく #lwdeC1mQ [ 編集 ]


  更新お疲れ様です。
今回もとても楽しく読ませていただきました。
刹那の折れた武器のかわりにもとの世界の刀とか
だした時の反応とか見てみたい。あまりの感動で刹那がなにか
こわしそうだなー。
[2010/08/26 00:01] URL | ヤッホー #- [ 編集 ]


今回は話が長く読み応えがありました。結末がいいと自分では感じておりとてもよかったです。次回の更新も楽しみにしています。
[2010/08/26 00:04] URL | 死識 #- [ 編集 ]

すばらしい
まずは大団円ですね。
輸血用パックで自分の血液ご褒美にあげたりしたらおもしろそう。
[2010/08/26 00:10] URL | ななし #nmxoCd6A [ 編集 ]


これでこの章も終わりですね,お疲れ様でした!

しかし、何と言うかローラさんドンマイです,タイミングが悪い(涙)

次章では使用人授業等で関わりが少しは増えるかな?
次も楽しみにしています!!
[2010/08/26 00:12] URL | さとやん #6x2ZnSGE [ 編集 ]


お久しぶりでーす
今使ってるパソコン、調子が悪いのでコメント無理かと思いましたけど何とかなりそうなんでコメントを

これで一区切りですね
今回もおもしろかったです
てか、海人の想像と性格のせいでローラなら切り捨てそうと思いましたけど確かにプラス面のことって多くしてたんですよね
なんか狐につままれた気分です

刹那と雫が住み込みですか
……あれ?ということは次の章はホントにルミナス達との修羅場?
うわっ!そうだと超楽しみです!
修羅場にならなくてもどういう反応をするのか見てみたいですね
あ、そういえば今更ですけどローラのケーキのことを知ったらルミナス達はどういう反応をするんでしょう?

次回の更新も楽しみにしています
[2010/08/26 00:22] URL | 華羅巣 #zR7lJLBY [ 編集 ]


つまりルミナス達が帰ってきて・・・みんなで大乱闘をし家が崩壊フラグDeathね。
[2010/08/26 00:35] URL | umi #- [ 編集 ]


更新、お疲れ様です。

ついに次は修羅場ですかね?(笑

というか刹那と雫はカイトの血が最高レベルの適合者なんでしょうか?
描写的にはかなりのレベルで適合してるっぽいですが…

創造魔法で創れるんだし報酬はカイトの血でいんじゃないだろうか?(笑
[2010/08/26 00:43] URL | ひるまん #JalddpaA [ 編集 ]


第三部完結おめでとうございます。
タイミングが少しずれていればローラさんENDがみれたかもだったのかw

次回からはルミナス&シリルも帰ってくるということで、賑やかな明るいお話(修羅場?w)期待してます。 これからもがんばってください。

追伸
読み返してて思ったけどルミナス&シリルってレールガンの美琴と黒子に似てる気がするww
[2010/08/26 03:04] URL | あさり #GAkJEmLM [ 編集 ]


よーし! 次章はラブコメですねwww
自覚無しにむかつくルミナスとか、王道パターンでしょうか?
[2010/08/26 18:05] URL | ぼるてっかー #USanPCEI [ 編集 ]

第三部完、次はシリアスかコメディか、それとも…
色々、総括と設定の解説と今後の人物の立ち位置が決まった回、と言う感じがしました。

宝蔵院姉妹を雇ったことにより護衛の心配は無くなったのか、それとも不必要なトラブルを抱え込む事になったのかは今後の海人の行動次第でしょうか。ルミナス&シリルが「女に手をだすのが早い」と呆れる可能性は有りそうですが…。海人側に恋愛感情は無くても女性側は分かりませんから。

ローラは思ったよりは「人間出来ていた」と言うか「壊れた人物じゃなかった」と言うか。まあ一応貴族に仕えるメイドのTOPなんだから当たり前か。シェリスと海人の事について今後相談するのかな、色々と。

ミドガルズ鉱石での武具作成、結局どうなるのかな。創造魔法がバレた件もあり他に刀向きの材料があるのなら材質をミドガルズ鉱石に拘る理由は特に無いだろうし。ルミナスの剣と同じ材料とかもありえるのか・・・あるいは海人が元の世界独自の材料を使うことも有るかも知れないし(ただ創造魔法がバレやすくなるのでこの可能性は低いかな)

とりあえず海人の動物性の食材確保の心配が無くなった事と、宝蔵院姉妹が定住の地が確保された事は良い事だと思おう。海人の研究室(隠し部屋)への出入の件、宝蔵院姉妹はどうなるのかな。

では更新楽しみにしています。

一つだけ気になったのが海人が「はよ答えてくれ」って言っている所は普通に「はやく答えてくれ」で良いなじゃないかと。一瞬「海人のセリフ?」って違和感が有りました。
[2010/08/26 19:45] URL | 戸次 #Wjzbkqqg [ 編集 ]


海人なら近距離ローラさんを倒せる道具を作れると信じている!

元の世界で海人はどんな分野でどの程度のことをしてたんですか?

ドラえもん作れますか、秘密道具も
[2010/08/26 21:23] URL | 煉恋々 #h2YGRmSs [ 編集 ]


更新お疲れ様です。
いやはや良い感じに落ちつきましたな。
最初はどうなる事かと思いましたがwww
雫嬢の暴走予防の為定期的に血液提供とかしたりするんですかね?
・・・カイトが貧血通り越してカラッカラになりそうですなwww

>どれほど鈍い人間であっても察知させてしまう~
カイトどんだけ鈍いのかとwww

>和菓子は、残らずその姿を消していた
ローラさんちゃっかりしてなさるwww
[2010/08/26 21:29] URL | ズー #B1FehmyE [ 編集 ]


タイミングが少しずれてればローラに対するカイトの好感度が上昇してたのですね。
まあ、カイトのローラにたいする好感度上昇がローラENDにつながるかは不明ですが・・・

あと住み込みで刹那と雫が働くみたいですが屋敷が破壊されないか大変心配です。
[2010/08/27 11:06] URL | リゼルグ #dS5vVngc [ 編集 ]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2010/08/28 14:12] | # [ 編集 ]


更新お疲れ様です。

前半部分の冒険者うんぬんとローラへの誤解はちょっと、後付感が強い気がしますねw
でも、書き溜めではなくリアルタイムで更新されているようなので、矛盾が出てしまうのは仕方ないでしょうし、放置せずうまくフォローするのは大変だろうなと思います。

後半部分はローラさんの無意識っぽい嫉妬が透けて見えてニヤニヤで最高でしたw
姉妹もレギュラー確定となり、ルミナス達が帰ってきてからの展開が今から待ち遠しいです^^

次回の更新を楽しみにしています。
[2010/08/29 02:26] URL | ガヤ #64TjWBNY [ 編集 ]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2010/08/30 03:06] | # [ 編集 ]


もしローラの方が早かったらみたいなifの話が読んでみたいです
[2010/08/30 16:56] URL | #- [ 編集 ]


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