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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。
というわけで、番外編になります。
定番ネタですが、ほんの少しだけいつもと展開違うかもしれません。

次話ですが、一応着実に書き進めてはいます。
いつも通りキャラが勝手に愉快に暴れ回るのをなだめるのに苦戦してますが(汗)
大人しくしてほしいけど、暴れてほしくないわけじゃないんですよねぇ……。
いずれにせよ、上手い具合に調整できるよう頑張りたいと思います。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。



 番外編


 とある日、海人の屋敷の地下室。
 海人はその中央に腰を下ろし、部屋を見渡していた。 

「うむ……なかなか楽しかったな」

 海人がそう呟き天井を見上げたところで、

「ゲ~ム、ゲ~ム♪ 今日も楽しいゲ・エ・ム~~♪ って、どしたんですこれ?」

 軽い足取りで部屋に入ってきた雫が、思わず目を見開いた。
 
 普段なら広々と見えている床が、まるで見えない。
 それも時折ある海人の走り書きの山などではなく、どれも物々しい物体。
 銃や剣、手甲など明らかに武器と分かる物ばかりであった。

「私用の新装備、その実験作だ」

「へえ~っ! そりゃ凄そうですね!」

「いや、気分転換を主目的に深く考えず設計したんで、どれも使い物にならんぞ」

 好奇心に目を輝かせ始めた雫に、海人は釘を刺す。

 現在床に転がっているのは、どれも気分転換で作った物。
 ちょっとした思いつきに従って開発しただけで、作り込みは一切していない。
 話のネタとしてはともかく、実用性は非常に怪しいものばかりだった。

「そうなんですか? これは?」

「ああ、それか? 魔力を流し込んでみろ」

 雫が拾い上げた物を見て、海人は軽く指示を出す。
 雫が言われるがまま拾った物に魔力を流し込むと、ブゥンという音と共に物体から光の柱が生じた。

「おおっ!? こ、これは……!」

 手の中で正体を現した物を見て、雫は思わず目を輝かせた。

 海人の世界の娯楽作品でおなじみの、光線剣。
 まるで御伽話の聖剣を思わせる輝きと、メカメカしい魅力を併せ持つ武器。
 ゲームの中では飽きるほどに振ったそれが、一度は使ってみたいと思ったそれが、今雫の手元に現実として存在している。
 
 軽く振ってみれば、驚きの軽さ。
 愛用している小太刀よりもずっと軽く、まるで小枝を振っているかのよう。
 どれほど疲れたとしても、いつの間にか構えた武器が下がっているなんて事もなさそうだ。
 
 目立ちすぎる外見が難点だが、それでも非常に魅力的な武器に思える。
 雫は思わず、剣を握りしめたまま海人に詰め寄っていた。 

「これあたしの予備武器として貰えませんか!?」 

「それはいいが、魔力固めただけだから切れ味は一切無いぞ。
もっと言えば、発生速度を優先したんで強度も低い」

 海人は、淡々と雫が握る武器について解説した。

 一見すると雫がゲームなどで見慣れた光線剣だが、実態は見掛け倒し。
 それっぽく見えているが、円筒状の無属性魔法障壁が柄から生えるだけだ。
 それも光線剣っぽさを強めるために発生速度を優先した事で、武器としての性能はなかなか悲惨な事になっている。

 一応武器として使えなくもなさそうだが、一定水準以上の武人なら肉体強化しただけで通じなくなる。
 雫の技量があれば格下相手の受け流しぐらいには使えるだろうが、予備の小太刀を用意しておく方が余程有用だ。

 使っていると自分の気分が盛り上がりそうな武器。
 そんな、コンセプトと呼ぶのも烏滸がましい衝動に従って作った粗製品である。 

「……つまり、ただの光る脆い棒?」

「その通り。そして一度魔力を流し込めば3分使えるが、そこで一度棒が消える。
追加で魔力流し込めば再起動は可能だしそこそこ早いが、鍔迫り合いにでもなってたらそのまま真っ二つになるだろう。
もっとも、それの強度だと鍔迫り合いになる前に棒ごと斬られるだろうが……欲しいならやるぞ?」

「……遊び道具として貰っときます。こっちの狙撃銃は?」

 玩具としては悪くなさそうな物を懐に仕舞いつつ、雫は今度は狙撃銃を手に取った。

 基本は、海人の世界の狙撃銃。
 全体が重々しい黒色の金属で出来ており、打撃武器としても使えそうな外見。
 スコープなどのオプションパーツも実用美を強調し、洗練された佇まいになっている。 

 が、おかしな事に弾倉らしき物が見当たらない。
 その代わりに本来なら弾倉がありそうなグリップ部分に、宝石が埋め込まれていた。
 
「魔力によって弾丸を形成して撃ち出す、魔力式狙撃銃だ。
魔力ある限り弾数は無限、そして威力の方もおそらくは鉄皮族の頭もぶち抜ける」

「いや、凄いじゃないですか!? あたしとお姉ちゃんはともかく、海人さんが使うなら実用性高いでしょ!?」

 淡々と語られたスペックに、雫は思わず叫んでいた。

 鉄皮族の皮膚は、天然の防具と称される強度。
 肉体強化すればその強度はさらに高まり、並大抵の防具では遠く及ばない。
 そんな鉄皮族の頭をぶち抜けるとなれば、まさに必殺武器。
 剛人族だろうがなんだろうが、当たれば余程の規格外相手でなければ確殺だ。

 そして、魔力ある限り弾数無限。
 多少しくじってもやり直せるという余裕は、確実に狙撃の精度を上げる。
 想定外の増援が出てきた時でも、焦りが多少は少なくなるはずだ。 

「その威力ゆえに反動も並ではなく、私が使うなら限度越えの肉体強化必須だ。
しかも一発撃つのに最低100万以上の魔力が必要だから実際の弾数は少なく、魔力消費時の虚脱感も怖い。
近くの的ならともかく、遠くで動いている人間に当てるにはかなりの練習が必要になるだろう」

 海人は種明かしをすると、大仰に肩を竦めた。

 このライフルは、今回試作した中でも特に酷い出来だ。
 弾丸の作成にも発射にも魔力を用いるため、消費が凄まじい。
 そのせいで折角の魔力駆動式だというのに、実際に撃てる弾数は少ないと本末転倒な事になっている。
 そして一発の魔力消費が海人でも消費時に軽い虚脱感を覚えるため、狙いが狂う可能性が高い。
 そこを耐えて狙いを定める事は不可能ではないかもしれないが、できるようになるまでの労力と成果がどう考えても見合わない。

 魔力のみで稼働する銃。
 そんな大雑把極まりないイメージで作った結果である。 

「えーっと……反動緩和とかできないんです?」

「術式盤を用いているせいで仕込むのが難しい。
現段階では、全体が巨大化して携行が無理になるな。
というか、そもそももっと大きな問題があるぞ」

「と言いますと?」

「現状、手持ちの銃の方が全面的に優れている」

 両手を上げ、投げやりに語る海人。

 この銃最大の問題は、海人が改良した魔力不使用の銃に遠く及ばない事だ。
 いつぞや鉄皮族の頭に当てても一撃必殺できなかったので威力を向上させたそれは、装填弾数も三十。
 反動は強いが通常の肉体強化で耐えられる範囲で、発射時の虚脱感もなく外す要素は射手の技量のみ。
 なんだったら、実用的な範囲の肥大化で射手の技量を補うギミックも複数搭載できる。

 改良を進めれば話は変わってくるが、それでも手持ちの銃を押しのけるには相当な時間を要する事は疑いようもなかった。

「あー……そういや、あっちも鉄皮族の頭かち割れるように作ったって言ってましたね。
そっかぁ……でもそうなると、マジ意味ないですねこれ」

「だろう? 他にもこれとか、我ながら何で作ったのか疑問に思うレベルだぞ」

 呆れ交じりに呟く雫に苦笑しながら、海人は足元の手甲を拾い上げた。
 指先まで金属で覆うシルエットだが、どこかドラゴンの鱗を思わせるデザインだ。

「どんな物なんです?」

「魔力を流し込む事で、疑似的な爆破魔法を使用する為の装備だ」

 手甲を右手に填めながら、端的に解説する海人。
 先程と同じく、語った機能に一切の偽りはない。
 
「魔力だけで魔法使わずに? それだけ聞くと凄そうですけど、どんなオチが?」

「これは大雑把に言えば手甲に流し込んだ魔力を掌の部分に超圧縮し、それを解放する事で爆発を起こす武器だ。
そして仕組み上、爆発を起こす場所は常にこの掌になる」

「なるほど……海人さんの腕がもげると」

 雫は溜息を吐きながら、推測したオチを口にした。

 どんな威力かは知らないが、掌でしか使えない欠陥となれば相場は決まっている。
 爆発に耐えきれず武器が壊れる、それを通り越して使った本人までダメージを受ける、そんなところ。
 ゆえに先程までの残念仕様から更に一歩先を読み、使用者が洒落にならないダメージを受ける、と読んだのだ。
 
 が、この武器は雫の想定を上回るほどにアホだった。

「いんや。敵諸共私が消し飛ぶ」

「そんなもん付けないでくださいよ!? ってか威力下げればいいじゃないですか!?」

 感情の赴くまま、海人の手首から手甲を引っこ抜き床に叩きつける雫。

「いやその調整が難しくてな。
威力を下げる事自体は容易なんだが、魔力圧縮の最低消費魔力が大きいんだ。
実用レベルまで威力を下げると、肉体強化して殴った方がよほど効率が良くなる」

 はっはっは、と何やら楽しそうに笑う海人。

 この手甲の欠陥は言うまでもない。
 良くて敵諸共心中、最悪自分だけ爆死という護身用武器の風上にも置けない仕様である。
 ついでに言えば、自爆武器としても海人が元の世界で使っていた爆弾を腹に巻いて起爆する方が余程高性能だ。
 この手甲では使用前に海人が殺される可能性があるが、爆弾ならデススイッチなどで確実に敵を道連れにできる。 

 結局、この後雫は小一時間ほど床に転がった武器の説明を聞いたが、どれもこれも海人が言った通り使い物になりそうになかった。  

「はあ……なんでまた、こんなしょーもないモンばっか作ったんです?」

「最初に言った通り、気分転換だ。作りたい欲求を満たしただけとも言う。
いやはや、創造魔法があると材料が勿体ないとか考えなくていいから、爽快感が凄いな」

 疲れきった様子で尋ねる雫に、やたら満足気な表情で答える海人。

 元の世界では、何かを開発するにも材料調達自体が一苦労。
 金は有り余っていたが、大金を払っても時限爆弾付きなんて物が届く事も珍しくない状況。
 そして護身手段の開発を怠れば、自分の命という代償を支払う事になりかねないという危機意識も強かった。
 そのせいで、何かを作るのなら売るなり使うなりである程度の有益さを求めざるをえなかったのだ。
 
 失敗は目に見えていても、とりあえず作るだけ作りたい。
 そんな衝動に身を任せ、案の定な結果になったり、はたまた予想しなかった結果が出たりを楽しむ。
 そういった無駄とも言える非効率な遊びは、両親失踪以後どんどんやる機会が減っていった。
 
 それを、創造魔法と基本平穏な生活を手に入れた事で取り戻せたのだ。
 
(や、魔力と時間は勿体ないでしょ……まあ、海人さんが楽しいならそれでいっか)

 子供のように楽しそうに笑う主を見て、雫もまた小さく微笑んだ。

コメント

最初と狙撃銃以外使い物にならないですねぇ……いや、爆発する小手は洗脳したモルモットを自爆特攻させるのに一応使えるかな?

しかし、この書き方なら微妙に成功作編・成功作編も出来ますね

追伸
海人の世界の旬の食材と全く同じ種類のこの世界の食材の食べ比べネタはいかがでしょうか?
[2023/11/13 05:04] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


魔力を流すだけで起動する小型溶鉄バーナーとか使い勝手よさそう、熱で内部構造が自壊する程度の使い捨てならば強度問題も最低限で済むし武器にもなりうる、切り替え式で全方位に放熱する焼夷手榴弾にも使えるとかだと回収されるリスクも最低限で強い、科学兵器だとリスク的に外部に持ち出し辛いものな、カイト氏が楽しそうで善き
[2023/11/16 08:35] URL | Gentle #- [ 編集 ]


子供を作り心に余裕が出来そしてお母さん候補をそろそろ探していいころじゃないかな(正妻戦争)
[2023/11/17 02:18] URL | #- [ 編集 ]


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