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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。
というわけで番外編になります。
特に珍しさはない定番ネタになります。
一応ちょい実験してる部分ありますが、微々たるものなので。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


てぃしぃさん

前科は膨大ですが、どれも一応わざとではないんですよね。
あれで妹大好きなので、次があるかどうかも分からない物取り上げたりはしないのです。
もっとも。仰る通り意図はどうあれ前科多すぎて雫の疑心は必然なんですが(笑)

コスモさん

限界ギリギリ&転んでもただでは起きたくない性格&次があるかどうかわからない食材への執着ゆえに起きた暴走ですね。
よりにもよって、勝てるならそもそも追い詰められてないという大前提を忘却してしまいました(笑)
刹那が回避に徹する訓練は雫の反応が面白そうなんで、そのうちやるかもです。

各個人描写からの集合描写……楽しそうですが多分番外編の長さに収まらないので、やれるのは年末年始ぐらいかもです(汗)


最新話修正ですが、結局微修正程度にすることにいたしました。
どうしても良い案が出てこなかったので、修正とちょい加筆して切り替えます。
次話は、割と順調というか愉快な事になってます。
色々手間取ってるのになぜか筆は進むという珍現象が起きてまして(汗)
変なやらかしがないか注意しながら、書き進めていきたいと思います。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。





 番外編


 海人の屋敷の地下室。
 そこで新たなゲームに取り掛かっていた雫は、呆然としていた。

 これは、最近ではかなり珍しい事だ。
 海人の世界のゲームにどっぷり浸かった今の雫の適応力は、極めて高い。
 単純な高難度やジャンルの幅広い体験数に留まらず、リアルタイム準拠の植物育成ゲー、
バグによって魔物と人間の区別すらつかないゲーム、文字通り己が身一つで世界統一を目指す蛮族ゲーなど、
開発者の頭を疑いたくなるゲームも数々プレイしてきている。
 おかげで並大抵の事態では動じなくなっており、体力ゲージゼロになった敵が襲い掛かってこようが、
ラスボス討伐直後に仲間が背後から襲い掛かってこようが、慌てずきっちり対処できるのだ。
 
 そんな雫が数秒唖然とした後、こてんと首を横に傾げた。

「……バグ?」

「いや、正常に動いているはずだぞ」

「いやいや、ゲーム開始と同時にゲームオーバーなんてあるわけないでしょ?」

 苦笑しながら返ってきた海人の言葉に、雫は思わず反論した。

 どう考えても、バグとしか思えない。
 なにせ雫がゲームを始めて周囲を確認しようとした直後、画面が暗転したのだ。
 そしてなにやら咀嚼音っぽい音が響く中、浮き上がってくるゲームオーバーの文字。
 そこまでの時間、どう長く見積もっても5秒程度。
 ゲームオーバー確定までの時間は、はたして1秒あったかどうか。
 
 これでは対応策もへったくれもなく、ゲームとして成立しない。
 バグでもない限り、こんな事はないはずだ。

「普通はないが、このゲームでは大概の人間が体験する通過儀礼だ」

「どんだけクソゲーですか!? ってか何が起こったんですか!?」

「気持ちは分かるが、私が言うべき事は一つだけだ――――説明書はちゃんと読んでおいた方がいい」

「いや、説明書なんて読んでも……っ!?」

 横に転がっていたパッケージを開けて説明書を読み始めた雫の手が、唐突に止まった。

 そこに記されていたのは、このゲームのプロローグ。
 主人公は、今まさに敵国に攻め滅ぼされんとしている王国の王女。
 追いつめられた彼女は、一か八かの逆転策として王家に伝わる禁術で魔界の怪物を召喚。
 だがそれは強大極まりない力を持つが、一度呼び出したら腹が満ちるまで全てを喰らう怪物。
 雲霞の如き兵士達、人智及ばぬ怪物、王女はそれらの魔の手から逃げ延びる事ができるのか。

 ――――この文言で、雫は事態を理解した。

 一度呼び出したら腹が満ちるまで全てを喰らう怪物。
 おそらくその対象に例外はなく、召喚主である主人公も喰らおうとする。
 というか、むしろ召喚現場にいるはずの主人公こそが、最初の犠牲者筆頭候補なのだ。  

「お分かりいただけたようだな? つまり、開始直後からダッシュしなければ即怪物の胃の中だ」

「クソゲーにも程があるでしょおっ!?」

 説明書を床に叩きつけて叫ぶ雫。

 雫がこれまでやったゲームは、説明書を読む必要などなかった。
 とりあえずゲームを始めればどんな内容か、どんな操作が必要か分かる物ばかり。
 何も知らなければ開始と同時にゲームオーバーなんて、理不尽どころの騒ぎではなかった。

「ごもっともだが、説明書を読み込んでからプレイする前提なら君は結構楽しめると思うぞ」

「ええ~……?」

「やっていけば分かると思うが、まあ無理強いはせんよ」

「……とりあえず、やってみます」

 どこか面白がるような海人に怪訝そうな目を向けつつ、雫は再びコントローラーを手に取った。











 そして一時間後、雫は海人の言葉の正しさを実感していた。

「っしゃあ! 次の獲物発見っ!!」

 雫の叫びと同時に、主人公に向かって三人の兵士が剣を振りかぶる。

 雫はそれに対し、警戒どころかむしろ笑みを浮かべてコマンドを入力した。
 直後≪プリンセス・スライディンッ!≫という女性音声が響き、兵士達の足を払いながら、
主人公が彼らの足元を滑り抜けていく。
 兵士達の驚愕の声が一拍置いて悲鳴に変わり、えらく生々しい粉砕音と咀嚼音が響き渡った。
 ほぼ同時に、何やら背後から飛んできた赤い液体が主人公の前方の壁に飛び散っている。

 が、雫操る主人公は意にも介さず、そのまま豪奢な廊下をハイヒールで駆け抜けていった。

「ふははははっ! 王女様のお通りだぁぁぁぁぁっ!!」

 前方に人影を確認し、雫は再び獰猛な笑みを浮かべた。

 海人の言う通り、かなり楽しめるゲームだった。
 主人公は一応非力な王女様であり、殺意満々な兵士達とまともに戦う事はできない。
 なので背後の怪物を利用して兵士達を始末する事になるのだが、これが絶妙。

 足を止めると怪物に喰われるので、走る足は止められない。
 ゆえに走りながら兵士の間をすり抜けるなどする必要があるのだが、これが楽しかった。
 すり抜ける場所に対応したボタンを押してから、表示されるコマンドを入力する必要があるのだが、これがなかなかスリリング。
 猶予時間がほとんどない上に入力コマンドもランダムなので、雫でさえミスする事もあれば、拍子抜けするほどあっさり抜けられる事もある。
 運要素が強いくせに、技量次第でハズレを引いても強引に打ち砕く事ができるのだ。
 おかげでハズレでも理不尽さは感じず、むしろ適度なスパイスになっている。  

 そして、一定数の兵士が怪物に喰われた時に生まれる休憩時間。
 この間に怪物から距離を取っておきたいが、そうすると兵士と接触した段階で終わり。
 すり抜ける事はできるが、兵士が生きているので背後から斬られてしまうのだ。 
 ゆえにこの時間に進路と兵士の位置確認をしつつ、必要に応じて怪物の近くにおびき寄せねばならない。
 なのでセーブポイントを兼ねたこの休憩時間も、色々と試行錯誤をして楽しめるのだ。   

 なにより、主人公の成長が面白い。
 最初は無様にヘッドスライディングしながら兵士の股潜りをしていた王女が、今や華麗なスライディングで足を払う。
 どうも選んだ行動ごとに経験値が溜まって変化するようだが、どんどん動きが洗練されて華麗になっていく。
 あくまでも兵士をすり抜けるための動きだけではあるが、表情一つとっても恐怖に満ちた顔からキメ顔になったり、芸が細かい。
 この後主人公の動きがどう変化していくのか、それだけでもかなり楽しみだ。

 少し難度は高めだが、夢中になれるゲームだった。

(予想通り適応したな……割と好み分かれる内容なんだが)

 高笑いしながら次々に兵士を怪物にプレゼントする雫に、海人はうむと一つ頷いた。

 このゲーム、全体としては良い出来だ。
 キャラデザも良く、CGの出来も同人としては破格。
 主人公の各種モーションの作り込みに至っては、商業も見習えなどと言われたほど。
 音楽の評判は高くないが、印象に残らない代わりに邪魔にもならない。
 
 なのだが――――人を選ぶ。
 
 まず、残酷描写。
 兵士は背後で食われる上に丸ごとなので亡骸が出る頻度は多くないが、後で戻ると律儀に食べ残しが散らばっている。
 実物よりもグロテスクと言われるそれは、耐性の無い人間を失神させる程のインパクトがある。
 そして音楽の評判は今一つにもかかわらず、効果音は迫力抜群。
 兵士が背後で食われる際の音は特に顕著で、気の弱い人間はそれだけで震えが止まらぬ程。
 なにより兵士の声を担当した製作者の熱演により、バリエーション豊かな悲鳴がどれも生々しく、
嘘か真かうっかり大音量でプレイした者のせいで警察騒ぎになった事もあるという。

 そしてなにより、非常に高難度。
 兵士の間をすり抜ける位置の選択時間でさえ非常に短いのに、
選択しなかったりボタンを押し間違えればそこでゲームオーバー確定。
 その後のコマンド入力にいたっては、運が悪い時はクリア不能と言われていた。
 慣れた人間でも一周クリアするまでに百回ゲームオーバーなら上々、そんな難度なのだ。

 なので残酷描写への強い耐性と、高い技量に負けん気の強さを併せ持つ人間以外には概ね不評だった。
 
(雫は全部該当するから大丈夫だと思っていたが……まさかクリア不能レベルでも稀にミスる程度とはな。
これなら、問題なく楽しめるだろう)

 自分の予想以上に楽しんでいる雫を見て、海人は小さく微笑んだ。 

 
コメント

RTAで動画出したら非常にバズるか色々と疑われまくるかの二択になりそうですねw
まぁ雫の反射神経ならさもありなんて感じでしょうか

所で海人のレパートリーにはエロ有りな同人ゲームはあるんでしょうか…?

追伸
花粉症ネタはいかがでしょうか?
[2024/02/12 06:47] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


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