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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄37
 ルミナスとシリルは刹那の言葉に、どう反応すべきか迷っていた。
 
 彼女の問いは、以前自分達もぶつけた事のある疑問。
 海人にしては珍しく答えを拒否したため、あえて二度は問わなかった事である。

 だが、常々気になっていた事でもある。

 歩く理不尽としか表現できない目の前の男がどこの出身であるのか、
なぜこの年まで世に名を知られずにこれたのか。
 推論だけなら幾つかあるが、どれも確証はない。
 それらのどれかが当たっているのか、それとも全く別の理由なのか、興味が尽きるはずもない。
 
 それでも海人本人が拒むなら無理に訊ねるつもりはないのだが、
理由は不明ながら今回は海人が即答せずに何やら考え込んでいる。
 前に訊ねた時は逡巡もなく言えない、ときっぱり断ったというのに。

 散々悩んだ末に、彼女らは若干の期待を込めて海人を見つめる事を選択した。
 
  


 刹那は急に重くなった空気に、自身の失態を痛感していた。
 
 海人の素性に何らかの深い事情がある事は、さほど世情に詳しくない刹那も察していた。
 普通に考えれば創造魔法などという公表しただけで英雄扱いが確定するような特性を、彼の年齢まで隠し通せるはずがない。
 赤子の時に戦災孤児になった者でさえ魔力属性はほぼ確実に子供のうちに調べている。
 そしてその時に判明していればとうに世界に知れ渡っているはずなのだ。
 付け加えるなら、護衛の話が決まってから新たに渡された情報に関しても不可解な点が多すぎたのだが。 

 とはいえ未開の土地や大陸は未だかなりの数があるため、そこの出身であるなら頷けない話でもない。
 だが、それでも未だ交流もない秘境からどうやって、何のためにこの大陸に来たのかという疑問が生まれる。

 どこをどう考えても、海人は冗談のように謎に満ちているのだ。

 しかし、刹那はそれを極端に深刻な話だとまでは思っていなかった。

 現状誰かに狙われているにしては自分達はあっさり受け入れられすぎている。
 何度となく無防備な背中を見ているし、雫に至っては時折子犬のように体をすり寄せて甘えている。
 どちらも気紛れ一つで海人の命など造作もなく断てる状況だ。

 だからこそ、刹那は誤解した。
 いまだ素性を語ってもらえていないのは、言いそびれたかそこまでの信用を得られていないからだと。
 二ヶ月以上の同居生活と家族同然のような信頼関係を持つルミナス達ならば、当然聞かされているだろうと。
 
 そう――あくまで彼女は自分達の信用度を確かめるための試金石のつもりだったのだ。

 だというのに、三人共何を語るでもなく黙り込んでいた。
 海人は腕を組んで考え込み、ルミナスとシリルはそんな彼をどこか憂いを帯びた視線で見つめている。
 刹那が自分の失言を自覚するにはそれで充分であった。

 が、同時に発言の撤回もし辛い空気だった。

 ルミナスとシリルは明らかに海人の言葉を待っているし、
なにより考え込んでいる海人の表情には今一つ深刻さが感じられない。
 
 表情に影もなく、悩んでいるというよりは困っている風情。
 言いたいには言いたいが何らかの理由で少々言い辛い、そんな雰囲気だ。
 この状況で発言を撤回しては全員に気分の悪さだけを残して終わってしまう可能性がある。

 刹那は発言を後悔しつつも、海人の発言を待たざるをえなかった。 








 


 重苦しい空気の中、海人の内心は混沌としていた。

 本音を言えばとっとと吐いて楽になりたい。
 親しい人間にあからさまな隠し事をしているというのは、彼としても後ろめたいのだ。

 ――妄言めいた内容を信じてもらえる自信さえあれば。

 もし信じてもらえなければあからさまな嘘を吐かれたと彼女らを傷つける事になるし、
海人自身もそれで微妙に傷つく。

 が、これだけならば話さないという選択肢を選べばいいだけの話だ。

 事実海人はそうしてきたし、考えられる中では最善の道だったと思っている。
 いかに事実だろうと妄想めいた内容を話すよりは、多少の隠し事の方がマシだと。
  
 問題は、状況の変化。

 以前ルミナス達に問われた時は、どちらにも大した情報を渡していなかった。

 強いて言えばルミナスに電卓とスタンガンを見せた事があったが、
電卓は会った当日に見せた事もありルミナスは既に忘却の彼方にやっているようだったし、
密着状態でしか使えないためかスタンガンに関しても恐ろしい武器とは言いつつもさほど興味を示していなかった。   

 しかし、現在は違う。

 武器一つとっても肉体的には明確な弱者である海人が精兵たるエルガルドの兵士を殺害した拳銃を見られ、
一弾で超長距離から肉体強化した鉄皮族の強者の動きを完全に封じた対物狙撃銃を見られ、
シリルの射程を上回る長距離から十分な殺傷能力を発揮した狙撃銃を見られ、
挙句中位ドラゴンを粉々に吹き飛ばした簡易時限爆弾まで見られている。

 これらの品は数多の研究者がコツコツとその生涯をかけて地道な努力を重ね改良した魔法と
個人の弛まぬ鍛錬で限度を高めた肉体強化で戦うこの世界では、あまりにも異質かつ異端である。

 それこそ、海人に起こった妄想めいた出来事の話にも説得力が生まれてしまう程に、だ。
 
 だからこそ、海人は困っていた。
 以前とは違い、信じてもらえる可能性が生まれてしまっている。
 武器以外で漏れた情報と合わせて考えれば、決して低い可能性とは言えないだろう。
 
 さらに、刹那と雫にも武器の事は既に伝えてある。
 護衛という仕事の関係上教えない事は愚の骨頂であるため、話が決まった晩にはルミナス達に知られている程度の情報は教えておいた。
 どちらも最初は信じなかったが、証明として対物狙撃銃で数km先の樹をへし折ると愕然とした面持ちで納得した。
 そして、二人共海人が口止めする前にこんな物を他人に漏らしては命に関わる、と必死の形相でこれ以上誰にも教えないよう諭してきた。
 少なくとも武器の異常性や異質性に関してはこの上なく理解しているはずだ。 

 ゆえに、素性を話すという選択肢も無くはない。
 決して良い選択ではないが、隠し事が少なくなるという結果にはそれだけの魅力がある。
 
 博打を打って心の負荷を多少取り除く事を取るか、今までより若干重い負荷を背負う事を覚悟であくまで黙秘するか。
 微かに唸り声を上げながらそれを考えていると、唐突に背中に重さが生じた。

 咄嗟に肉体強化を使って体勢を立て直すと、耳元で可愛らしい囁き声が響いた。

「話す気になれないなら言わない方が賢明ですよ?」

 海人の背におぶさりながら、雫は彼の頭を優しく抱きしめる。
 
 行動そのものは子供がじゃれているようにしか見えないが、
その声と表情には不思議な気品があり母親の如き慈愛を感じる。 

 その異様とも言える視覚と感覚の印象のギャップにルミナスとシリルが戸惑っていると、
雫が彼女らにちらりと視線を向けた。

「……そうね。せがんで話してもらうってのは違うわよね」

「ですわね。私も話したくない事はありますし……」

 些か性急になりすぎていた、とルミナス達は自戒した。

 海人の性格から考えて、未だに話していないという事は知らなくとも害は無いという事だ。
 それは信用しているし、今回海人が迷ったという事は以前より話してもらえる可能性が上がっている事を示している。 
 ならば、海人がその気になるまで気長に待てばいい。
 その程度の事が出来ずして何が友人か、と。

 が、その様子を見た雫は彼女らの予想の斜め上の反応を返した。

「なーに言ってるんですか。話す気になれないなら話す気にさせればいいんですよ。
古来より男の人の口は簡単にうたわせられるものです。
今からお手本を見せて差し上げましょう!」

 ひょいっと飛び降り、雫は海人の右腕に抱きついた。
 ぎゅ~っと、その細い体を腕に押し付ける。

「あ~……ちなみに、何のお手本だ?」

「勿論色仕掛けです。ふっふ、少しばかり肉が足りないかもしれませんが充分気持ちいいでしょう?
快楽に蕩けて口が軽くなっても誰も責めませんよ?」

 先程までの大人びた雰囲気はどこへやら、ほれほれ~、と子供っぽさ全開で体を押し付ける。
 彼女の言葉に嘘はなく、海人の腕は脳に心地よい柔らかさによる快楽を伝えている。
   
 が、彼は頭痛を堪えるかのような面持ちで雫の言葉を切り捨てた。

「……雫。少しではなく、致命的に肉が足りん。腕はともかく胸はほぼ完全に服の感触だ。
というか、刹那ならともかく君では服を脱いだとしても全く色仕掛ぐおぉぉぉっ!?」

 みしみしと腕が悲鳴を上げ始めると同時に、喉からも悲鳴が上がる。
  
 一瞬前までは腕の肉の柔らかさがあったというのに、今やそれも鍛え上げられた筋肉が引き締められ硬質化している。
 同時に手の配置も微妙に変えられ、きっちり関節の要所を押さえられている。
 折られていないのはせめてもの慈悲か、はたまた長く苦しめたいという嗜虐心か、判別に困るところであった。

「あっはっは、変な空耳が聞こえましたね~。
十五歳の乙女であるあたしの胸が絶壁で柔らかさの欠片もないというような幻聴が。
いけませんね~、この年で耳がおかしくなるなんて」

「あだだだだっ!? そ、そんなに怒らんでも二十歳であの体なシリル嬢と違って君にはまだ未来がぎゃああああっ!?」 

 余計な事を言った馬鹿の左腕が捻り上げられる。

 下手人は言うまでもなく、唐突に馬鹿にされた外見少女の傭兵。
 彼女はその可憐な顔に微笑みを貼り付け、容赦なく関節技で締め上げていく。
  
「余計な発言は身の破滅を招くと教えるのも友人の務めですわよね?
このシリル・メルティ。友誼によりこの一時、あえて心を鬼にさせていただきますわ」

「そんな友誼はいらあぎゃあああああっ!?」

 よりにもよって嗜虐心の強い二人を怒らせた愚者が絶叫する。
 その様子をルミナスと刹那は頭を抱えながら眺めていた。
 
 少し前まで真面目な空気だったのに、なぜここまでお馬鹿な空気になるのだろうか、と。

(いや、暗いよりゃ億倍マシなんだけど……もうちょっと何とかならないかしらねぇ)

(陰気よりは良いに決まっているんだが……もう少しこう、何とかならんものだろうか)

 似たような事を考えた二人の視線が、ふと交わる。
 お互いに疲れたような、どこか安心したような笑みを交わすと、がしっと固い握手が交わされた。
 なにやら通じるものがあったらしい。
   
 そんな友情を育んでいる二人を他所に、海人は苦し紛れの提案を持ち出した。

「わ、悪かった! とっておきの料理を御馳走するから勘弁してくれ!」

 その言葉に、サディスティックな笑みを浮かべていた二人の力が緩んだ。
 が、激痛を送り込む事は中断しつつも、どちらも逃れられないようしっかり固めている。
  
「珍しいですわね。日頃料理の腕は大した事はないと仰ってますのに」

「ま、あたしは十分胸張れる腕だとは思いますけど。
でも、料理は得意じゃないって仰ってたのは事実ですよねー」

 サディスト全開な笑顔から一転、好奇心に満ちた顔で海人を見つめる二人。

「いや、一つだけ得意料理――というか高頻度で作っていた料理がある。
あれに関してのみ言えば、一応胸を張れる」

 自信たっぷりな海人の様子に、拘束が解かれた。
 が、どうやらひとまず許してもらえたらしい、と安堵の息を吐くも束の間、
 
「ほほう……そんな隠し玉がありながら、二ヶ月も同居していた間は隠し通したと?」

 今度はルミナスの目が据わっていた。

 彼女は美味しい物が大好きであり、海人は十分すぎるほどそれを知っている。
 こだわりがあっておめでたい日にしか作る気が無いとでもいうのならともかく、
単に隠していたというのは少々許し難かった。
 
 しかも、今回に限っては毎度のように作れる事を言い忘れていたという事はない。
 それだけ自信を持つ料理の存在を忘れるとは思えないからだ。
  
「それに関しては誤解だ。君は私が作る時はいわゆるヒノクニ系の料理をリクエストしていただろう?
だから、一通りそっちのレパートリーが出尽くしてから作ろうと思っていたんだ」 

「む……自信作があるって言ってくれればそっち頼んだわよ。
でも、それなら夕食は期待していいのね?」

「いや、悪いが、今からだと明日の朝食になる。
少し寝かせた方が味が良いんでな」

 ま、期待しておいてくれ、と海人は不敵な笑みを浮かべた。 


























 翌朝、女性陣は朝の鍛錬を終えて食堂へと向かっていた。
 運動によって程良い空腹感が生まれ、海人が作っている料理への期待は更に高まっている。
 
 しかも昨日、海人は夕食が終わった後に厨房に籠もって密かに作っていたので、
彼女らはどんな物なのかも全く知らされていない。
 
 期待するなという方が無理な話であった。
 
「さてさて、どんな料理でしょうかね~」

「お姉さまの料理を食べ慣れた上でなお自信を持てるのですから、
美味しい事は間違いないはずですわ」

「……ですね。昨夜の夕食も非常に美味しかったです。
あれを毎日食べて料理の自信を維持するのは至難でしょう」

「毎日作ってたわけじゃないけどね。
つーか、カイトも素人としちゃ普通に上手いと思うわよ?
焼き魚の塩加減とかもそんなに味のムラなく仕上げてたし」

 食堂のドアを開けた瞬間、ルミナスの鼻がひくひくと動いた。
 
 強烈ではないが、部屋に食欲をそそる香りが漂っている。
 嗅いだ覚えのない匂いではあるが、何とも抗いがたい良い香りだった。
 
 その匂いを辿ってみると、案の定見慣れた白衣の後姿が目に入った。

「おはよう。とりあえず、味は頃合いに仕上がった」

 調理用台車の上に乗った大きな寸胴をお玉でかき回しながら、海人は四人に顔を向けた。
 
 寸胴の中身は茶色の半固体。
 色は食欲をそそる物ではないのだが、香りが魅力的だった。
 変わった匂いだとは思うのだが、その違和感を打ち消して余りある程に食欲をそそる。
 
「へえ~、言うだけあって美味しそうじゃない。
で、これはシチューの一種なの? 香りが独特だけど……」

「カレーと言ってな。米にかけるか、こちらのパンにつけて食べる物だ。
具沢山にしてあるから結構食べ応えがあると思うぞ」

 別の台車に積まれた米櫃とナンを指差しながら、寸胴の中身をお玉で掬う。

 そこには大きな肉の塊が一つと迫力を感じるほど大きな人参の塊が一つ。
 それを戻してもう一度掬うと、今度は玉ねぎが丸々一つ現れた。
 
「うわ、豪快ねえ。ちなみに御飯とこっちの薄いパンどっちがお勧め?」

「個人的には米だが、見ての通りどちらもたくさんあるから味見してから好きな方を選べばいい」

 そう答えると、海人はルーだけを入れた底の浅い皿を四人に配った。

 皿から立ち上る香ばしい香りと、ゴロンと転がった具材が何とも食欲を刺激する。
 今にも食いつきたくなる衝動を堪え、各々自分の席まで皿を運ぶ間に、
海人は大きなテーブルの中央に米櫃とナンが盛られた皿を置き、専用の取り皿を配った。
 
 そして最後に大きな具材をカットするためのナイフとフォークが配られると、
食事の挨拶もそこそこに一斉に食べ始めた。

「……美味しい! 味すっごい濃密ですけど、御飯がしっかりと受け止めてくれて!
こっちのパンでも美味しいですけど、あたしは断然お米がいいです!」

 あくまでも下品ではない程度にカレーを勢いよくかっ込み始める雫。
 大きな具材もなんのその、それに負けじと大きな口を開けて軽々口に放り込んでいる。

 実際、海人が自信を持つだけあって大した料理であった。

 口に含んだ瞬間に広がるたっぷりの野菜や果物の溶け込んだ甘み、
噛んだ瞬間に米とルーの相乗効果によって生じる形容し難い旨味、
飲み込んでからじわじわと広がってくる心地よい辛味。
 大きな具材もそのまま食べても御飯と一緒に食べても楽しめる良い味で、
カットする事によって食感を変えられるので飽きる事が無い。
 それらの要素が全て合わさり、食した者の手を勝手に次の一口へと伸ばさせる。

 美味い料理、確かにその通りだ。 
 しかし、これにはもっと適切な言葉がある気がする。
 手の速度は緩めずそれを考えていると、奇しくも彼女の姉が答えを出した。

「な、なんというか凄い料理ですね……」

「ええ。味を通り越した不思議な魅力がありますわね。
自信を持つのも頷ける話ですわ」

「本当に美味しいわね。
っていうか、特に料理にこだわるわけでもないあんたがどうしてこんなもん作れるわけ?
かなりの数の香辛料使ってるみたいだし、一朝一夕じゃ完成してないでしょ?」

「見ての通り煮込み料理だから日持ちするし、野菜も肉もたっぷり食べられるからな。
研究に集中する時には丁度良い料理なんだ。で、何回も作っているうちにこだわり始めてしまってな」

 照れくさそうに笑う海人。

 このカレー、基本的に食にさほど興味が無い海人が唯一本腰を入れた料理だ。
 というのも、煮込み料理であるがゆえに食材の栄養を余さず摂取でき、なおかつ米と一緒に食べれば炭水化物も充分取れ、
しかもそれほど飽きずに食べられ作り置きが可能、と研究に時間を割くための料理として理想的だったためだ。

 が、そこは科学者の性。
 毎日食べても味に飽きはしなかったものの、元々凝り性である海人は相当な頻度で作るこの料理を研究せずにはいられなかった。
 終いには計器まで持ち出して食べた時の自身の脳の反応に至るまで調べ上げ、現在のレシピが完成した。
 その完成度たるや、味に関しては鬼のように厳しかった彼の妻もダメ出しをした事が無かったほどだ。 

 それを証明するかのように女性陣は皆何度も席を立ち、かなりの速度で御代わりをしている。
 テーブルの上の米とナンもひっきりなしに台車の上から追加を運ばれていた。
 
 これほど気に入ってもらえるのならもっと早く作ればよかったか、と若干悔やみつつ海人は黙々とフォークを動かす。
 一応好物であるため、彼にしては珍しく二杯目を食べようか、と考えていた矢先、

「……ありゃ、もうほとんど無いですね」

 雫の残念そうな呟きに口の中のカレーを噴出しかけた。

 慌てて立ち上がり寸胴の中を覗き込むと、ある意味凄惨な光景が目に入った。
 ナンで拭き取ったのか、鍋の縁は磨いたようにルーの名残も見当たらない。
 なにより、容量ギリギリの量を作っておいたはずなのに既に底が近い。
 米櫃群も既に一つを除いて空になっており、ナンも残るは二枚のみ。
 
 女性陣の大食いっぷりを知っている海人も、流石に驚愕した。
 速度もそうだが、明らかに食べている量が普段よりも多い。

 驚愕する彼をよそに、女性陣は若干物足りなそうな顔で雑談を始めていた。

「やたら後を引く味でしたものね……正直、まだ足りませんわ」

「というより、食べれば食べるほどもっと食べたくなるお料理だったせいかと……」

「まったくねぇ……で、最後二杯分ぐらいはありそうだけど、誰が食べる?」

「……私は遠慮しておこう。正直、かなり腹が膨れている」

 海人は迷う事無く辞退した。
 先程まではまだ満腹ではなかったのだが、すっかり消え去ったカレーを見たせいで食欲が失せてしまっていた。
 次に作る時は寸胴を一つ増やそう、彼は密かにそう誓っていた。

「なら、残りは四人だけど……食べたい人しかいないわよね?」

「い、いえ拙者は遠慮――」

「遠慮しちゃだめよ。目が食べたいって叫んでるし」

 刹那の言葉を遮り、ルミナスが釘を刺す。
 奥ゆかしい彼女の性格ゆえだとは思うが、無理に譲られてもあまり嬉しくはない。

 何より刹那の目はちらちらと寸胴に向けられており、
譲られて食べた日には夢に出そうであった。 

「し、しかしそうなりますと分配が……」

「そこは勝ち取るのが楽しみってものよ。さ~て、何で決めよっ……どうしたの、シズクちゃん?」

「な、何この速さっ!?」

 ルミナスの問いに答える事もなく雫は急に立ち上がり、門が見える窓の方へと駆け寄った。
 普段飄々としている彼女にしては珍しく、目を見開いている。

「雫、どうし――」

 ただならぬ様子に海人が立ち上がろうとした瞬間、門の方から地響きのような轟音が響いた。
 
 が、門が破壊された音ではない。
 その音質はひどく鈍く、重々しいものだった。
 まるでドラゴンの巨体が空中から落下したかのような、そんな音だ。

 数瞬、静寂が部屋に満ちる。
 そして、それを打ち破る重々しくも高らかな銅鑼の音が響いた。
 海人が設置した、屋敷の呼び鈴である。
 
「客、か?」

「――そうみたいですね。っていうか、あんな速度で突っ走って一歩で止まれるんですか。
あの人も大概化物ですねえ……」 

 窓から客の姿を見た雫が溜息を吐く。

 その人物の後方には足跡が無い。大地に大穴を作っても不思議の無い速度で走っていたはずにもかかわらず。
 流石に急停止時はそうはいかなかったようだが、それにしても右足の足形が一つくっきり残っているだけだ。
 脚力も体術のレベルも、人間をやめているとしか思えない。

 海人は客の姿など見ていなかったが、雫の表情と言葉から来客の正体は察する事が出来た。

「ローラ女士か?」

「ええ。シェリスさんも御一緒です」

 使用人の背におぶさった貴族の御令嬢の姿を見つつ答える。
 
 あれだけの速度ならおぶさっているのも大変だったはずだが、
背から降りるその姿は実に優雅で弱さを感じない。 
 日頃使用人達と共に積んでいる鍛錬は伊達ではないようだ。

「やれやれ……悪いが、茶菓子とお茶を用意して応接室に持ってきてくれ。
出迎えには私が出る」

 刹那達に手早く指示を出すと、海人は席を立った。









 
 


































 数分後、屋敷の規模の割に比較的質素な応接間はにわかに華やかになっていた。

 それというのも、現在のこの部屋の異常極まりない女性比率のせいである。
 ルミナスとシリルも同席を申し出たため、男が海人一人なのに対し女性が六人もいる。
 しかも全員が一人でも十二分な華を誇る美女・美少女であるため、その豪勢さは凄まじい。
 
 その中でも海人に相対する貴族の御令嬢シェリス・テオドシア・フォルンは非常に目立っていた。
 生まれ持ったややおっとりめの美貌を日々の手入れでさらに磨き、服も自身の容貌を引き立てる物を厳選している。
 欠点があるとすれば成人女性としては薄めの胸程度だが、彼女の場合それもスレンダーという言葉で十分通る。

 ルミナス達も生来の美貌は群を抜いているが、いかんせん美容に注ぐ力の次元が違う。
 仕事上美容と無縁な彼女らに対し、シェリスは己の容姿を整える事も交渉力強化という仕事の一部なのだ。

 が、それでも世の中には絶対的な理不尽というものが存在する。
 シェリスの背後に控える使用人、ローラ・クリスティアはその一例だろう。
 
 紺の質素なエプロンドレスと気配を断って存在感を消しているおかげでそんな事にはなっていないが、
普通に背後に控えていただけではその絶世の美貌で確実に主を食ってしまう恐ろしい女性である。

 が、そんな美女たちに囲まれながらも、海人は落ち着いた様子だった。 

「それで、今日は何の用だ?」

「まずは、突然押しかけて申し訳ありません。
予約を取るべきだとは思ったのですが……」

「気にするな。知っての通り私は君と違って時間の融通が利くから、予約の必要はない。
ま、可能なら飯時は避けてくれれば言う事はないが」

「す、すいません。今日はかなり強引に時間を作りましたので……」

「いや、だから別に怒ってるわけではないんだが……まあいい、用件は何だ?」

「――失礼しました。用件は二つです。
まず大事な方から申し上げますと、昨日いただいたお酒の事です」

「ああ、あれか。欲しいのか?」

「ええ。上流階級には酒好きが多いので、交渉カードとしては汎用性が高くて便利なんですよ。
それが極上レベルの美酒となれば尚更です。例え生産地から何から完全に不明だとしても、ね」

 優美な、それでいて皮肉の込もった微笑みを向ける。

 昨日貰った酒は全てラベルが剥がされていた。
 瓶も栓も何もかも、生産地を特定できる要素は何一つ無かった。
 当然の処置だとは思うのだが、あからさまに信用してないと突きつけられたようであまり気分は良くなかった。

 とはいえ、昨晩酒の味を見た時にはかなり和らいではいたが。
 
「そこまで分かっているなら卸すには支障ない。
とはいえただの瓶では味気なかろうし、サービスで適当なラベルを作ろうか?」

「必要でしたら私が援助している絵師に任せますので御心配なく。
それで、可能ならば作れるお酒を一通り味見させていただきたいのですが」

 ずい、と身を乗り出す。

 昨晩味見した酒は、実に素晴らしかった。
 赤と白に加え、蜂蜜のように甘い黄金色のワインがあったが、どれも極上品。
 特に黄金色のワインは数年前に北の島国アスライードから入手した物と同系列の味ではあったが、 
その質は確実に上であった。
 そして、残る赤と白もこの国で最高峰と呼ばれるワインに比肩しうる物であった。
  
 相手が手札を明かしたがらない男であるため、あえて色々尋ねる事はしていないのだが、
こうして明かされた以上酒についてはとことん突っ込む気であった。 

「それは構わんが、今日の仕事が出来なくなるぞ?」

「御心配なく。全て一口ずつにしますので、酔いはしませんよ」

「いや、そうではなく……全部ひっくるめると数が二百を越える。
自信を持って薦められるだけの質に限っても、おそらく五十に届くと思う」

 海人の言葉に、シェリスは微かに唸り声を上げた。

 種類が多いというのは喜ばしい事だが、二百は当然、五十でも多すぎる。
 味の正確な分析を行わなければならない以上、どう考えても終わる頃には日が暮れている。
 今日は比較的時間に余裕を設けているが、さすがに丸一日他の仕事を放り出すわけにはいかない。
 
「……仕方ありませんね。では全種類特に良いと思う順に週十本ずつ私の屋敷に卸していただけますか?
代金の決定は味を見てからになってしまいますが……」

「ま、妥当な所だな。あと、味見用の物は代金は不要だ。
全部支払っては君と言えどかなりの負担になるだろうからな」

「ありがとうございます。
それと昨日いただいたワインを二本ずつ――全部で六本持ち帰りたいのですが、よろしいですか?」

「問題ないが、値段は?」

「全部で百五十万でいかがでしょう?」

 シェリスが提示した額に、刹那と雫の目が一気に見開かれた。

 単純に考えても一本二十五万。そんな酒、国の首都の酒屋でも見かけない。
 考えられるのは、噂に聞く貴族や豪商など一部の大金持ちにのみ流通する類の酒だけだ。

 が、彼女らが戦慄した理由はそこではない。

 件の酒だが、一昨日の宴会で開けなかった物だ。
 そして、あの時はどうせなら酔っぱらう前に一番美味しい酒を、
というルミナスの提案で彼女推薦の酒から順々に飲んでいった。

 つまり――彼女らが豪快に飲み散らかした酒は、その更に上をいく可能性が高い。

 しかも遠慮せず飲め、と次から次へ酒を注いでくれた海人の厚意とかつて味わった事のない美酒の味によって、
結果として相当な量を胃の中に収めてしまった。
 
 理性は創造魔法でいくらでも作れるのだから、と訴えているのだが、
元々持ち前の金運の無さにより貧乏生活が長かった元冒険者姉妹の感情は、
それで納得する事を許してくれなかった。

 元々金勘定がザルで楽天的な傾向のある雫でさえ、笑みを引き攣らせつつどうにか平静を保つのがやっと。
 それでさえ自制心が強くなったと自画自賛したくなるほど奇跡的な精神力の賜物だ。

 当然、金勘定に厳しく根が真面目すぎるその姉の反応は比較にならない程凄まじかった。
 渾身の気合で持って表には出していないが、内心は飲んだ量とそこから算出される最低消費額の計算結果に
絶叫を上げていた。

(ど、どどどどどう低く見積もっても一千万を超えて……!? 
そ、それだけの金があれば……あれ……ば……うがあああああああああっ!?)  
  
 推定の酒代で何が出来るかを考えてしまい、刹那は内心で狂乱した。

 最高級のレストランでの食事代はおろか、そこを訪れるための服代も余裕で賄えてしまう。
 それどころかその後最高級のホテルに泊まる事すら容易い。
 他にもあれやこれや、と考え始めてしまい、刹那の思考の暴走は加速していく。
 それでもどうにか表情は平静を取り繕っているのだから、本気で大した女性であった。
 
 そんな背後の護衛の心情など露知らず、海人は冷静に提示された額を検討していた。

「……さすがに少し高すぎないか?」

 その言葉に、刹那の表情が明るくなった。
 やはり高すぎるのだ。いくらなんでもそんな額であっていいはずがない、と。
 ついに表情を取り繕う事も失念し、穏やかな安堵の笑みを浮かべている。

 しかし、シェリスから返ってきた言葉はあまりにも無慈悲だった。

「あのグレードのワインの希少価値を考えたらむしろ安いかもしれませんよ。
それこそ客を選んで試飲付きのオークションを開催すれば四倍まで釣り上がる可能性もありますし」

「……きゅう」

 ついに脳の熱暴走が限界に達し、刹那は昏倒した。
 いかな達人と言えども、意識を失った状態で立っている事は不可能。
 その体は重力に従って床へと落下していく。 
 
 が、床に崩れ落ちる寸前に、雫が慌てて抱き止めた。

「ちょっ、お姉ちゃんショックなのは分かるけど起きてぇぇっ!?」

 慌てつつもスパパパパッ、と姉の頬に往復ビンタを叩き込む。
 その痛快な威力によって、刹那の意識はどうにか戻った。 
 頬が赤くなりつつも、すかさず背筋を正して頭を下げる。

 そんな様子を見ていたシェリスは、目の前の男に呆れた顔を向ける。
 前後の会話からして、刹那が倒れた原因は明白だった。

「カイトさん。御二人にあのお酒飲ませましたね?
しかも質に関しては全く伝えずに」

「あれではないが、他の酒を色々とな。
刹那。こういう言い方も何だが、いくらでも作れるんだから気にするな。
金額を考えていては身が持たんぞ」

「は、はい……お見苦しいところをお見せいたしました」

「いや、前置きしていなかった私が悪い。
せめて高い酒である事ぐらいは昨日のうちに言っておくべきだった」

 恐縮しきりの刹那にそう笑いかけると、海人は再びシェリスへと向き直った。

「騒がせたな。ま、私としては額に不満はない。
それで、もう一つの用件とは?」  

「その前に御二人に飲ませたお酒の詳細が知りたいですね。
セツナさんの反応とあなたの言葉から判断する限り、頂いた物より質が高そうに思えます」

「今気にする意味は無いだろう? 
どうせそのうち残らず味見する事になるわけだし」

「ふむ……とりあえずそれは置いておきましょう。
もう一つの用件ですが、授業の件です」

「取りやめにでもするのか?」

「そんな事を言った日には部下が暴動を起こしかねません。
そうではなく、先日は授業の開始を可能な限り早くとお願いいたしましたが、
少しゆっくりしていただいて大丈夫になると思います」

「――厄介事か?」

 海人の目が、真剣な輝きを帯びた。

「そんなところです。
遅くとも一月後には片付いているはずですが、当分忙しくなりそうでして。
後始末まで含めて考えると、皆に余裕ができるには少し時間がかかりそうなんです。
さて――ここまで話せば分かっていただけたと思いますが?」

「先程の注文はキャンセル。作れる中でトップグレードの酒を用意しろという事だな?」     

「はい。普段なら屋敷の酒蔵から適当に引っ張り出すんですが、
今回の交渉相手が非常に難しい御方でして――極力良い物を用意したいんです。
可能ならば珍しさも欲しいですね。無論、全てラベルは不要です」

 察しの良さを嬉しく思いつつ、シェリスは改めて注文を出した。

 先程はまさか昨日貰った酒がトップグレードでないとは思ってもいなかった。
 明言したわけでもない納期が多少遅れた程度で気を遣いすぎではないかと、若干心苦しく思っていたぐらいだ。
 
 が、刹那の反応と海人の言葉から察するに、あれは余り物。
 おそらくはルミナス達の帰還祝いの宴会か何かで開けなかった物だろうと推測できた。
 
 ならば、今回注文すべきは昨日貰った物ではなく、宴会で真っ先に開けられたであろう最高品質の酒。
 彼女が後日交渉に臨む相手は非常に口が肥えているので、質が高いに越したことはない。

「ふむ――ルミナス、君の意見を聞かせてもらえるか?
私は酒の味にさほど詳しいわけではないんでな」

「珍しさと味の両方兼ね備えてんのはヒノクニの清酒系とあの極甘口のワインかしらね。
でも、味の凄さを考えると赤・白も十分珍しいし、スパークリングだってそうだわ。
それ以外の酒――ウィスキーとかブランデーの質も良さそうだけど、元々あんま好きじゃないから分かんないわね」

「嬉しい誤算のはずなのに、涙しか出ませんねえ……」

 我知らず、乾いた笑みがこぼれた。

 ルミナスの評価は非常に当てになる。
 元々味にうるさく、王宮の晩餐会に招待された事もあるため極上品も多く知っているためだ。
 とりあえず清酒とワイン系が極上なのは疑う必要はないだろう。
 
 なので質については申し分ないと分かるのだが、いくらなんでも種類が多すぎる。
 それだけの種類では、どれを選ぶか飲む前にもある程度選定しなければならない。 

 とはいえ嬉しい誤算には違いなく、その笑みには楽しそうな色が混ざっている。

「……しかしシェリス嬢、話の内容からすると切羽詰まっていそうなのに随分余裕そうだな?」

 首を傾げる海人。

 シェリスに渡したワインは確かに最高ではないが、品質自体は非常に高い。
 それを踏まえて最高の物を、と圧してくるのだからそれなりに緊迫しているのだろうと思っていた。

 が、その割にはやってきた時から今に至るまで全く緊張感を感じない。
 先程は単に読み誤ったかと思っていたのだが、改めて観察し直している今でもかなりの余裕を感じる。
 
「あ、誤解させてしまいましたね。それほど切羽詰まっているわけではないんです。
当分皆休む間は無くなるでしょうが、基本的には普段より忙しくなるだけです。
私の交渉相手も寛大な方ですし、そもそも交渉自体は大分前に終わっていますので。
ですがお会いできる機会が滅多にないので、事が終わった時のお礼で可能な限り好印象を得ておきたいんですよ」

「――そういう事か。で、どうする?」

「渡す数が多いと後々問題ですから、理想は四……いえ、三本ですね。
その代わり、極めつけの品でなければなりませんが」

「なら、極甘口のワインを一本、赤と白を一本ずつでどうだ?
珍しさと味を併せ持つ一本、正統派二本でバランスがいいと思うが」

「そうですね。あまり奇をてらっても意味がありませんし。
では、その範囲でお薦めを出していただけますか?
基準はルミナスさんの感想で構いませんので」

「赤が18番と21番、白が7番と12番、極甘口が3番と5番だったな?」

 さらりと述べつつ、海人はルミナスに確認する。
 この番号は以前海人がルミナス達に飲ませた時に決めた物である。
 その時はラベルもあったのだが、彼女らには読めなかったため、種別ごとの番号で呼ばせる事にしたのだ。

「……正解よ。やっぱりちゃんと覚えててくれたんだ?」

 晴れやかに笑って肯定するルミナス。
 
 一昨日の宴会は改めての利き酒も兼ねていたため一通りの酒が用意されていたが、
ルミナスとシリルが気に入っていた酒は全て三本用意されていた。

 なので彼が覚えている事は分かってはいたのだが、改めて知らされるとやはり嬉しいらしかった。  

「ま、一応はな」

 笑顔を返し、海人は創造魔法を使った。
 彼の体から放たれた莫大な魔力の輝きが収まると同時に、
テーブルの上に十八本のワインと水入りの瓶、そして六つのグラスが出現する。
 同時に、海人の膝の上にも大きな布袋と数枚のタオルが現れた。
  
「ありがとうございます。では――ローラ」

 シェリスの言葉にローラは軽く頷くと、スカートの中から投擲用のナイフを一本取り出した。
 そしてそれを白ワインの一本――12と書かれたコルク栓に突き刺し、手慣れた様子で栓を引き抜いた。
 そのまま瓶を傾け、グラスに注ぐ。

 そのグラスを手に取り、シェリスは最初にワインの色を、次に香りを確かめ、最後に小さく口に含んだ。
 そして噛むように味を確かめ、ゆっくりと嚥下する。

「――香りは甘く気高く、重厚な口当たりでありながら後味は軽快。素晴らしいです」

 優雅にグラスを置き、味を流すための水が注がれたグラスに手を伸ばす。
 次いでもう一本の白ワインが注がれたグラスに手を伸ばし、味を確かめる。
 その後再び口内の味を水で流すと、また別のワインが注がれたグラスへと手を伸ばす。

 一連の作業は実に優雅に粛々と進められ、まるで宗教儀式のような神聖さを漂わせていた。
 そして最後のグラスが置かれ、シェリスが口を開く。 
  
「どれも素晴らしい御味でした。
正直判断に困るところではありますが――赤の18、白の12、極甘口の5番を二本ずついただいていきます。
お値段は質が高すぎて基準に困りますが、とりあえず一本百万ぐらいでよろしいですか?
無論、この場でお支払いします」  

 シェリスが何でもなさそうに言った瞬間刹那の体が再び傾きかけたが、
今度はすぐさま立て直し表情を引き締めていた。

「十分すぎるな。商談成立だ」

 海人はローラに目配せをし、布袋とタオルを差し出した。

 彼女はそれを受け取ると海人に六百万ルンを手渡し、
主が購入したワインを手早くタオルに包んで布袋に詰めていく。

 その間にシェリスがふと思いついたように問いかけた。

「そういえば、皆さん少し変わった香りを漂わせてらっしゃいますね。
妙に食欲を刺激される匂いですが……」

「……朝食の匂いだな。ワインを味わう邪魔になってしまったか?」

「大丈夫です。注意しなければ分からない程僅かですし、嗅ぎ覚えのない匂いなので気になっただけです。
さて、用事も終わった事ですしそろそろ失れ――」

 どこからともなく、くう~、と音が鳴った。

 その場の全員の視線が、音源に集まる。
 音源である御令嬢はまるで何事もなかったかのように微笑みを保っているが、
よく見るとその頬にほんのりとした赤みが差している。
 その従者も一見いつも通りの無表情だが、
海人だけは主を見る眼差しに微かな哀れみが混ざっている事に気付いていた。

 先程シェリスは強引に時間を作った、と言っていた。
 最速ではありそうだが優雅さに欠けるローラの背に乗るという手法で移動時間を短縮した事は当然だが、
この様子からすると大事な日課も一つ削っているようだ。
 おそらく、付き合わされているローラも同じだろう。

 気まずい沈黙が場を支配する中、海人が口を開いた。

「丁度朝食が二皿分残ってるんだが……時間があるなら味見がてら食べていくか?」

 とりあえず、異論を挿む人間はいなかった。 
 
 



















 シェリスはスプーンを皿の上に置くと、横に用意されたナンを千切って手に取った。
 そして慣れた手つきで上品かつ丁寧に皿を拭い、ナンにルーを一滴も残さず纏わせ口に入れた。
 最後に楚々とナプキンで口元を拭うと、満足そうな微笑みを浮かべた。

「御馳走様でした。新感覚という点も含めて感動に値すべき素晴らしいお味でしたが、やはりルミナスさんが?」

 確信を込めて、問う。
 
 新しい感覚の味わいという点から言えば歩くビックリ箱である海人が怪しいが、
これほどの味となると料理屋を開いても味には定評が付くであろうルミナス以外は考えられなかった。
 
 が、その予測はあっさりと否定される。 

「違うわ。カイトが作ったのよ」

「……なんというか、カイトさんもつくづく完璧超人ですね。
料理もプロ級とは……」

「その評価はありがたいが、私の腕自体はほぼ素人料理に毛の生えた程度だ。
これだけは極端な技術はいらんし、昔よく作っていたんでそれなりに研究したんだ」

「どう考えても素人の味には思えませんが……」

「ま、そこは色々と頑張ったからな」

 海人は苦笑しつつ、シェリスの問いをはぐらかす。

 このカレーは一から完全に海人が構築したわけではない。
 元の世界で本職の一流料理人のレシピを様々な手段を使って多数入手し、それを元に彼の好みに最適化したレシピである。
 海人が開発したとはいえ元はプロの味が出発点なので、シェリスの感想はもっともであった。

 そんな事を思いつつ、海人はもう一人――主と同席するわけにはいかないと部屋の隅でひっそりと皿を平らげていたローラに歩み寄った。
 特に感慨もなさそうな表情ではあったが、唯一観察力が人外じみている海人だけはその表情に不機嫌さが滲んでいる事を察知していた。 

「……やはり量が足りなかったか?」

「いえ、味の分析が出来なかったのが些か口惜しいだけです」 

「当然だ。微量の物まで含めれば香辛料だけで三十種類以上使っているからな」

「なるほど……よろしければレシピを教えていただけますか?」

「却下。基本的な作り方だけでよければ教えよう」

「この味には遠いのでしょう? 当然ながら、タダとは申しません。少々お耳を拝借しても?」

「それは構わんがな」

 海人が答えると同時に、ローラと海人の周囲を遮音魔法の結界が覆う。
 そして、彼女は軽く背伸びをして海人の耳元に口を寄せ、そこを手で覆った。
 これでは唇を読む事も出来ず、近くにいるルミナス達でさえ囁かれる内容は分からない。

 いざローラが囁いた瞬間、海人の顔色が変わった。
 彼は口元に手を当て、何やら考え込んでいるようであった。
 状況から判断すれば、レシピを渡すか否か検討しているのだろう。

 数秒瞑目した後、今度は彼がローラの耳元に口を寄せた。

 すると、今度はローラが瞑目した。
 相変わらず表情が動かないため分かりづらいが、何かを考えている事は明白だった。
 海人と同じく数秒思考した末に、再びローラは海人の耳元に唇を寄せた。

 いつの間にか自分達に周りの視線が集中している事も無視して、
二人は同様のやり取りを十数回繰り返した。

 そこで結論が出たのか、二人の距離が離れ、遮音魔法が解かれた。

「では、約束の物と引き換えでこれのレシピを渡すという事でいいな?」
 
「はい。お互いくれぐれも内密に、という事で」

 そんなやり取りを最後に、海人とローラは短い握手を交わした。
 その内容にシェリスが反応した。

「ちょ、ローラ! レシピをいただける事になったの!?」

「はい。ただ、他言は禁じられましたので、時間が出来た場合に私が作る事になります。
とはいえ、休暇がなければ作れるはずもありませんが」

 喜ぶ主に淡々と猛毒を塗った言葉のナイフを突き刺す。
 ローラの労働時間を考えれば、レシピを貰っても作るのがいつになるか分かりはしないのである。

 暗に年に一度ぐらいは確実な休暇を寄越せと要求する使用人から、シェリスは気まずげに眼を逸らした。

「……あんたにしちゃ随分譲歩したわね」

 どこか不貞腐れたような顔を海人に向けるルミナス。
 
 海人が一度拒否した事をここまですんなり受け入れた事は、彼女の知る限り一度もない。
 なにより、彼の性格からして相当な好条件と引き換えにしたとしても多少苦々しい顔になるはずだ。
 
 だが今の海人の顔はどこか楽しげで、浮かれているようにさえ見える。
 ルミナスは、なぜかそれが気にくわなかった。

「こちらも十分良い条件を引き出したからな。有意義な交渉だったぞ」

「ええ、実りのある良い交渉でした。
約束の品は一週間以内に御用意いたしますが、仕事の都合上――」

「直々には来れない可能性が高いんだろう?
別に問題ない。誰かに運ばせてくれればそれでいい。
その場合、レシピは封をして来た人間に渡しておく」

「ありがとうございます」

「……さて、話も終わった事ですし、今度こそ失礼いたしますね」

 ローラと海人のやり取りが終わった事を確認し、シェリスはゆっくりと席を立った。


 










 行きと同じように走り去っていくシェリス達を見送った後、
ルミナスが若干冷たい眼差しで海人に問いかけた。

「……それで、ローラさんとどんな交渉したわけ?
あんたがああもすんなり譲歩するなんて、よっぽどの好条件だったんだろうけど」

「なに、一週間以内には分かる。
君らにとっても嬉しい話だろうから、楽しみにしているといい」 

「へ? なんで?」

 海人の苦笑混じりの答えに、ルミナスは困惑した。
 
「美味しい物は身内で分けて食べるのが一番だからな。
だが、まあ……詳しい事は秘密にしておこう。その方が楽しい」

「そりゃそうかもしれないけど……つーか、食べ物一つとレシピじゃ割に合わないんじゃないの?
いや、ローラさん相手に交渉しただけ大したもんだとは思うんだけど」

「くっくっ……とりあえず今回は私の勝ちだよ。
それを作るための重要な工程も二つ教えてもらえる事になったからな」

 ニタリ、と妙に凄味のある笑みを浮かべる海人。
 まるで見事に罠に嵌めた事を喜ぶ策士のように、その笑みには自信が漲っていた。 

「どこがよ。完全版のレシピと幾つあるか分からない工程の二つじゃ割に合わないじゃない」

「そうだな。ところで皆に聞きたいんだが、また近いうちにカレーを食べたいか?」

 ルミナスの言葉をとりあえず流し、全員の顔を見渡す。
 一様にコクコクと頷きを返す姿を見て、海人は嬉しげに笑う。

「そりゃ作ってくれるんだったら食べたいけど、それがどうしかしたの?」

「野菜用・魚介用・豚肉用・鳥肉用・牛肉用それぞれあるんだが、どれが良い?
一緒に食べる米などによってもまたより良く合うバリエーションがある。
ちなみに、さっきのは豚肉用でいつもの米に一番合うよう作ってある。
近い味だったんで肉は冷蔵庫に残っていたブラックボアの肩肉で代用したがな」

「ちょっ、まさか!?」

「嘘は一切言っていないぞ? 
私はあれのレシピを教えるとは言ったが、カレーのレシピ全般を教えるなどとは言っとらん。
ま、他のバリエーションに関してはまた別の交渉で、だな」

 海人はそう言って悪戯小僧のようにほくそ笑んだ。

 彼が開発したカレーのレシピは全十五種類。
 各具材用ごとに長粒種、短粒種の米、ナンそれぞれに専用の物を開発している。
 いくらローラの方のレシピが複雑であっても重要な工程が三十を超えるとは思えないため、
今回の交渉に関しては勝ちを確信できた。 

 一方でローラの恐ろしさを深く知っているルミナスとシリルは、空いた口が塞がらなかった。

 プライドが高いので実際にどうこうする事はないだろうが、
万全なら一騎当千どころか三千は軽く仕留めそうな武力と必要なら赤子でも惨殺しかねない容赦の無さを併せ持つ女性にペテンを仕掛けるなぞ、並大抵の度胸ではない。

「……海人殿、あまりお戯れをなさらない方がよろしいかと。
ローラ殿もお忙しいようですし、無駄な時間を割かせるのはあまり褒められた事ではありません」

 刹那は彼女にしては妙に冷たい口調で海人に苦言を呈した。
 
「なに、心配せずともバリエーションの存在自体は見抜かれていた。
次回以降の交渉は織り込み済みだろうよ」

 海人は実に楽しそうにシェリスの屋敷の方向を眺めた。
 その顔には割と手玉に取られる事が多い女性から一本取ったという達成感が見て取れる。

 ――その背中に二対の視線が突き刺さっている事にも気づかず、海人はただ細やかな勝利に浸っていた。







  

 







 その頃、シェリスはローラの背に乗りながら自身の屋敷を目指していた。

 優雅さの欠片もないため滅多に使わない移動手段だったが、
シェリス自身はこの方法が気に入っていた。
 
 魔法で空を飛ぶよりもはるかに速く、なおかつローラの体捌きのおかげで馬車よりも揺れない。
 速度によって生じる風のせいで下位の風の魔法を使っても髪が乱れるのが難点ではあったが、
後で髪を整えさえすれば風そのものは心地良い。
 そして、荷物があっても揺れの少なさとローラの詰め方の完璧さで安心して快適さに身をゆだねられる。

 とはいえ、それはあくまでシェリスの話であって、ローラはこの手段をあまり好んでいないのだが、
今日は珍しく不機嫌さを感じなかった。

 それどころか、表情は分からないながらもどこか楽しげな印象を受けた。
 
「……楽しそうね?」

「お分かりでしたか」

「そりゃあね。長い付き合いだもの。
楽しんでるかどうかぐらいはなんとなく分かるわよ。
それで、どうかしたの?」 

「いえ、どちらのペテンが上かはまだ分かりませんが……初戦は私の勝ちのはずですので」
 
 クス、という音と共にローラの無表情が崩れ、極僅かに唇が吊り上がった。
 
 今回の交渉はあくまで皮切りにすぎず、海人の持つ手札は未だに全貌が見えない。
 とりあえず具材ごとに何種類かあるであろう事は読んだが、具体的な数は分からない。
 ゆえに、最終的な勝者がどちらかも現段階では不明だ。

 だが――同時に今回の勝者は自分であろう事も確信していた。

(重要な工程が五十を超える事を知ったらどんな顔をなさるでしょうか)

 声には出さず、次回以降の交渉への期待に身を震わせる。
 いつも通りの無表情ながらも、その顔には微かな愉悦が覗いていた。

 ――残念ながら、海人の細やかな勝利は儚い夢想であったようだ。    
 
 
 

 

 

  



テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

コメント

某カレー漫画曰く、使用するスパイスの種類が少なければ少ないほど、配合が難しくなるのだとか。
[2010/11/28 23:27] URL | #mQop/nM. [ 編集 ]

カレー喰いたくなった
ああ、カレーが食べたくなった。でもカレーってメチャ種類が多いし(本文中で否定されていますが)カイトの勝ちだと思う。スープカレーやカレーうどんも有るし…。まあカイトが自信の有るレシピが50を超えない程度って事なのかな?レトルトで渡したらどう評価される事やらw

酒は案外安くても旨いのも有るし難しいでしょうね。ワインなどはヴィンテージによっても全く違うし。
[2010/11/29 00:07] URL | 戸次 #Wjzbkqqg [ 編集 ]


こんばんはー

ついに出たな料理の王様カレーっ!
というか今回も深夜に見るには目の毒だああああ;

>>謎の取引
ローラさんも海人もどっちもどっちというか・・・w
どうやらローラさんの提示したものは、料理のレシピのようですね。
今のところこれかなー?というのが2候補程上がりましたがさて、どっちの作り方なのかしら。
(まぁ予想が大外れな予感もスゴイしますけどね;;)

・・・それにしても50工程を超える料理ってどんだけー・・・

>>刹那大混乱
こっちとあっちの貨幣価値の差が良く分からないけど、
(こっちの100円とあっちの100ルンは同じくらいなのかしら)
お金管理に厳しい刹那だし、そりゃあぶっ倒れもしますわな。

[2010/11/29 00:31] URL | リファルス #- [ 編集 ]


悪魔が2人いる……
いや、結局片方は泣きを見る結果になりますが

しかし、これで1割程度とは……
しかもほとんどが食べ物関係の話だったことを考えるとカレーの種類や酒の味見がすごいことになったんですかね?
しかし深夜なのにいつもおなかが減るなぁ
カレーくいてぇ

では、次回の更新も楽しみにしています
あ、あと更新速度は九重さんの目標と言うのもあるのでしょうが、一読者としては月1更新とかでも問題ないですよ?
まあ、いまの更新速度は読み手としては直ぐなうえ、なかなかの量が読めるのでうれしい限りですが
[2010/11/29 01:08] URL | 華羅巣 #zR7lJLBY [ 編集 ]

食べ物
カレーの次は、ラーメンで交渉だ!

即席めんの作り方はどう?
一般庶民の食文化に大きな影響を与えるかも知れん。
[2010/11/29 18:37] URL | 通りすがり #pwutJTUc [ 編集 ]


高い酒=美味いというのはちょっと疑問を感じます
[2010/11/29 22:21] URL | 通りすがりの名無し #LkZag.iM [ 編集 ]


小説の書き方は人それぞれですが、イベントを箇条書きする・フローチャートにまとめるなどの方法で削る部分を少なくするというのがあったと思います。
仮決定したイベントの流れを文章に起こして、最終確認する感じですかね?
まぁ書いてる途中で付け足したり、削ったりっていうのはしょうがないことですがw


今回のカイトの得意料理、答え見る前にカレーだなと思いましたw
おにぎりとかサンドの可能性もありましたが。


しかし、途中であいまいになったけどカイトの異世界ばらしはどうするんだろうか。

ていうか、この世界は天動説?地動説?未開の地が結構あるっぽいけど、それは陸の地図が埋まってないのか海図が埋まってないのか。
カイト、衛星打ち上げたら?ww

シェリスの図書館でカイトが何の反応もしてないということは、自分以前に異世界の存在を匂わせる資料は見つからなかったのかな?隠し部屋の資料はともかく。御伽噺とかは調べたのかな?


ぶっちゃけ、カイトが説明するより、シェリスとかに自分はどこから来たと思う?って感じの質問をしたほうがスムーズに行きそうw
"世界"という概念があるのかどうかがネックですが。
[2010/11/29 23:11] URL | とまと #- [ 編集 ]


カイトが口を滑らせて暴力を振るわれる、というパターンが最近多いですよね。
何かというと半殺しにされて搾取されるカイトって感じです。
ラブコメによくある暴力オチ、というのはわかりますが、とりあえず痛い目にあわせて
「いたたたたた、わかったわかったから! ○○で許してくれ!」
というのが多すぎる気がします。
ルミナスとシリルも「私たちがお仕置きして当然」「とりあえず痛い目みてみる?」みたいな思考してるし。
毎回毎回やられると、さすがに「何の権利があって暴力振るってるんだろう?」と思います。
ギャグだとかじゃれあいということが分かっていても、多すぎると鼻に付きます。
[2010/11/30 01:53] URL | 素浪人 #1wmQjVk2 [ 編集 ]

取り引き or 駆け引き
ローラさんは、わかっているのかなー。
レシピを手に入れたとしても、材料になるスパイスを手にいれる方法が、カイトの創造魔法以外にないって言うことに。

カイト曰く、
「当然だ。微量の物まで含めれば香辛料だけで三十種類以上使っているからな」
とのことなので、

香辛料のうち何種類かはこの世界でも手に入るでしょうが、絶対に手に入らない何種類かの香辛料を手に入れる手段は、カイトの創造魔法だけだと言うことです。
ローラさんが実はすでに詰んでいる事に気づくのは、レシピが届いた時でしょうね。ご愁傷様です。
[2010/11/30 21:03] URL | どりる #1JpeW.8Y [ 編集 ]


「女士」という言葉は本来「女史」と書く筈でしたが、あの人に対しては寧ろ「士」でないと似合わんと感じるから不思議ですよね。

ナンというのは焼くのに大きな釜が必要なので、そこ迄大きな住居ではない一般家庭ではチャバティを焼くのだとかと聞いた事があります。
海人は釜から創造して、使用後消しといたのかな。半分ストック食作りとはいえ事が大掛かりだけど、創造魔法でお手軽につうのは羨ましい限り。
[2010/11/30 21:31] URL | K #6Gpi9NRU [ 編集 ]


カレーですか。
カイトが作るのだから一流の味でしょうね、食べたい!!
しかしスパイスにこだわるだけじゃなくご飯とナンも凝ってるんでしょうね~

最近創造魔法が日常パートのせいか伝説っぽくないですね
財布にやさしいエコ魔法ですなー
このままだとカイトが創造魔法を解析しつくしてあの魔法プレートを使った「一家に一枚簡易創造魔法プレート」とか言うのでも出来てしまいそうな気が・・・・・・
[2010/12/04 22:27] URL | 煉恋々 #h2YGRmSs [ 編集 ]


 脳の反応まで含めて研究しつくしたレシピが15ということなら、交渉は負け……かw
交渉の初回が2工程:1レシピになったから次からも比率は変わらないだろうしなぁ
材料の件とかは分からないので何ともいえないけど厳しそうではあるなと思いました。

 いつものことながら、質の高い物には惜しみない価格をつけますね彼女はw
最初の方の話でもあったように良い物には相応の値段をっていうのはいいですね。
元の世界のワインの価格とかは知る由も無く、純粋に味や質をみての価格提示ですから納得しました。

しかし長期的にみて利益がでるとはいえお金の消費半端無い気がするw
彼女の財力はどれくらいあるんだ・・・、ちょっと最初から見直してきます。

それでは体に気をつけて頑張ってください!応援しています。
[2010/12/09 04:33] URL | ゆよう #nkutbCtA [ 編集 ]


いや、奴ならたった2工程から全てを割り出しかねんぞ
[2011/03/15 19:48] URL | xx #- [ 編集 ]

   
あの二人はなんの勝負してんだかww
ていうかその調子で交渉していったらなかなか終わらんぞw
[2013/04/21 03:57] URL | 名無し #- [ 編集 ]


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