ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄55
 翌朝、ルミナスは海人が作ったカレーに匙を伸ばしていた。

 あーん、と大きく口を開けて一口頬張る。
 
 最初に感じるのは、濃厚な旨味。
 前食べた物に比べると脂が少な目でさっぱりとしているが、旨味は非常に強い。
 濃密でありながらしつこさは微塵もないそれは、複雑で食欲をそそる香りと相まって形容し難い幸福感を与えてくれる。
 その味の余韻が消え始めると、次に辛みがやってくる。
 それは刺激が強いながらも過激ではなく、むしろ米の甘味を引き立て更なる旨味を作り出している。
 更に噛むと米の甘味がさらに強くなる為、咀嚼が止められなくなる。

 そして飲み込み、ルミナスは感極まったかのように叫んだ。
 
「最っっっ高! この複雑で奥の深い風味にソルジャーバードの濃厚な旨味が加わって、
しかもそれが御飯と見事に絡まり合って……! 前食べさせてもらったのより更に美味しいわ!」  

「あの時はブラックボアの肉だったからな。そこそこ良い肉ではあったが、
流石にソルジャーバードには及ばんのだろう」

 黙々と食べ進めながら、静かに分析する。

 以前作った時は、冷蔵庫に残っていたブラックボアの肉だった。
 刹那が森で狩って来たその肉は丁度食べ頃ではあったが、元々が並の豚肉より若干美味い程度の肉。
 対して今日は鳥系の肉の最高峰の一つ。しかも狩ってその日に食べろと言われる程熟成の早い肉だ。

 味の好みさえ別にすれば、前作った物に劣るはずがなかった。

「それもあるけど、一番良かったのはこれね。
煮込む肉とは別に、焼いた肉を乗せるってのはいいアイデアだわ。
より美味しい物を作ろうって精神は大好きよ」

 フォークで肉を示しながら、楽しそうに笑う。

 今回のカレーは、前食べた時より一手間加えてあった。
 米にただ食材を煮込んだ物をかけるだけでなく、食べる直前に軽く塩をして焼き上げた腿肉を別に添える事で、
煮込まれた肉のしっとりとした食感とこんがり焼かれた肉の香ばしい食感を楽しめるようになっている。
 
 これを味わってしまうと、前回この単純かつ効果的な案に気付かなかった事が悔やまれた。
 物が豚肉に近かった為今回のように皮を香ばしく焼き上げる事は出来ないが、
それでも厚めに切った肉をカリカリに焼き上げれば十分美味かったはずなのだ。

「いや、あの時は肉が足りなかったから出来なかっただけで、これが本来の形だ。
所詮、冷蔵庫に残っていた余り物の肉だったからな」

「ふーん。そういえば今回は前のに比べると具材が全部小さめだけど、何でなの?」

「豚肉のカレーは具を大きく、鳥肉の時は小さく。
色々試したが、私のカレーはそれが一番バランスが良かったんだ」

「へえ~……ちなみに、実は他にも得意料理隠してたりしない?」

「しない。一応シチューもそこそこの物が作れるが、君の物には到底及ばん。
ましてストームドラゴンの骨を使ったアレなど、比較する事すらおこがましい」

「ふっふっふ、そりゃあ私の最高傑作――――って寸胴がもう半分以下!?」

 言葉の途中で、ルミナスは悲鳴を上げた。 

 海人と雑談をしていた僅かな間に、カレーは激減していた。
 刹那も雫もシリルでさえも、凄まじい速度で次々にお代わりしていたのだ。
 現在も、一杯でも、否一滴でも多くカレーを胃袋に収めんとひたすら食事に集中している。

 その様子を見たルミナスは焦り、瞬く間に残っていたカレーを平らげると、すかさずおかわりに行った。
 そして次の一杯を迅速に、たっぷりと山のように盛る。
 後僅かでも盛り付ければ皿から溢れる程に。

 それを見た周囲から、非難の声が上がった。
 
「お姉さま、それは反則ですわよ!?」 

「そうですよ! 何杯分盛り付けてるんですか!」

「ルミナス殿、いくらなんでも意地汚いかと……!」

「私が話してる間にあんた達何杯食べたのよ!? 今までの分取り返さないわけにはいかないでしょ!?」

 ぎゃーぎゃーと騒ぎながらも、それぞれ匙を動かす手は緩まない。
 かといって彼女らはただ胃に放り込んでいるわけでもない。
 あくまでたっぷりと咀嚼して、味わいながら食べている。
 咀嚼速度が神速ではあるが。

 それを横目に、海人はゆっくりとスプーンを動かしていた。
 
 実のところ、この状況は予想出来ていた。
 ただでさえこの場の女性陣は食欲旺盛だというのに、彼女らは朝の鍛錬を終えた後で空腹だ。
 その上カレー入りの寸胴は二つしかない。前作った時は瞬く間に一つ空になったというのに。
 そうなれば食い意地の張った女性達の事、競って食べ進める可能性はかなり高い。

 そんな嬉しくも非情な可能性に対抗すべく、海人は策を練っていた。
 すなわちゆっくりと匙を動かし、一回一回じっくり噛みしめるように食べるという後ろ向きな策を。
 どの道二杯程度しか食べられないのなら、自分の脳を騙して一杯で満足してやると。
  
 結局、海人が一皿平らげる前に一つの寸胴が空になっていた。
 次いでその横にあった寸胴の蓋が開けられた時、

「っと、言い忘れたが今回は食べきらんで寸胴の片方は半分程残しておいてくれ」

 その言葉に、寸胴に手を伸ばしていた雫の動きが止まった。
 そのまま彼女は身を翻し、体当たりせんばかりの勢いで海人に詰め寄る。
 
「な、なんでですか!? 今回こそは思いっきり食べられると思ってたのに!」

 今にも噛みつきそうな勢いで猛抗議する。

 実を言えば、ルミナス達が仕事に行っている間にもカレーを作ってほしいと頼んだ事があった。
 しかし海人は断った。どうせ自信作を御馳走するなら、人数が多い方が良いと。

 なので、雫達にとっても今日のカレーは待ち望んでいたのだ。
 だというのに、全体量の四分の一も残しておけと言われた。
 到底納得できる言葉ではない。

 涙目になっている雫に、海人は愉快そうな笑顔を向けた。

「慌てるな。食べるなとは言ってない。
これもあの時は出来なかった事だが……これの上に軽めのチーズを散らしてオーブンでこんがりと焼き上げれば――どうなるかな?」

 その言葉に、各自想像を巡らせ始めた。

 まず浮かぶのは、グラタン皿にたっぷりと盛り付けられた具沢山なカレー。
 その上にたっぷりとチーズをまぶし、オーブンに放り込んで火炎魔法で加熱していく。
 カレーを覆ったチーズは徐々にぐつぐつと煮立ちながら美味そうな焼き色を見せつけ始める。
 頃合いを見てそれを取り出し、はふはふと火傷しそうになりながら熱い内にかっこむ。

 一番反応が早かったのは、雫だった。

「――――了解! 宝蔵院雫、全身全霊を持ってこの一杯で我慢します!」

 涙を引っ込めると軽めに一杯だけ盛り、席へと戻った。
 それに倣うかのように、他の三人も各自軽く一杯だけ盛って各々の席へ戻っていく。
 
「うう……でも、どうせなら今思いっきり食べて、昼食でそれを思いっきり食べたかったわ……」

 カレーをゆっくりと味わいながら、ルミナスは悔し涙を流していた。

 確かにチーズを乗せて焼いたカレーは美味いだろう。
 これを食べ終えてから作るのが、今から楽しみでさえある。 

 だが、今この状態のカレーも美味い。
 どうせなら今この時は軽やかな味わいである現在のカレーに専念し、
昼食でチーズを乗せた濃厚なカレーをがっつりと食べたかった。

 もっと量があれば、そう思わずにはいられなかった。

「生憎だが、そこまでするには肉が足りん。
昨日結構使ってしまったからな。だから肉は使わんでくれんかと言ったんだ。
私の言葉を無視して食ったのは君らだろうが」

 ふう、と海人はこれ見よがしに溜息を吐いた。

 昨晩の夕食ではソルジャーバードの内臓料理が作られたのだが、
生憎たかが十匹分程度の量では夜の鍛錬後の女性陣の食欲を満たす事は叶わなかった。

 そこでルミナスはついでにと今日のカレー用に海人が取っておいた肉をかなり使ってしまったのだ。
 一応海人も止めたのだが、酒が入って陽気になっていたルミナスを止める事は出来なかった。
 
「そういう事はあの時言ってよ!? あぁぁぁぁ! 勿体無い事したぁぁぁぁっ!?」
 
 頭を抱えながら、絶叫する。

 昨日食べた肉は、非常に美味かった。
 特に塩焼きは濃密な肉汁といい、こんがり焼いた皮の旨味といい、文句の付けようがない味だった。
 しかし、今食べている物と天秤にかければ検討の余地すらなくこちらに軍配が上がる。
 あの代償に今思いっきり食べる事が出来なくなったと言われては、嘆く他ない。

「お、お姉さま! 気持ちは分かりますが落ち着いてくださいまし!」

 狂乱する上司を、必死で宥めるシリル。
 
 気持ちは、痛い程分かる。
 シリルとて美味い物は大好きだし、このカレーは美味いだけでなく後を引く味なので満足するまで食べたい。
 朝食は今のカレーで通し、昼食で濃厚な物を食べたいというのも同感だ。
 
 が、騒いだところでカレーが増えるわけでもない。
 それどころか、折角熱々なルミナスの皿の料理が虚しく冷めていくだけだ。 

「ま、そう嘆かんでも材料さえあればいつでも作ってやる。
カナールに買い出しに行って大量に肉を買い込めば、今度こそ満足出来る量を食べられるだろう」

「むう……でも、やっぱり良い肉の方が美味しいだろうし……それだけの量を買い込むとなるとお金が……」

 自身の財布の中身を思い、しょぼんと落ち込む。

 傭兵として大金を稼いでいるルミナスだが、大家族な実家への仕送りも馬鹿にならない。
 それでもかなりの収入ではあるのだが、流石にソルジャーバート級の食材を大量購入するとなれば躊躇わざるをえない。

「私もこちらの人数分――六割は出すぞ?」

「いや、肉のお金ぐらいは出さないと流石に……他は全部あんたにおんぶに抱っこだしさ……」

 人差し指を突き合せながら、申し訳なさそうに断る。

 この屋敷では、創造魔法で作れる食材は全て海人が最高級品を作ってしまう。
 その為、ルミナスが負担する食費は肉・魚・卵など海人が作れない物に限られる。
 それも町で良い物を求めるのでなければ、刹那が狩ってくる物で十分なため、食費を負担する機会は少ない。

 家計は非常に助かるのだが、出せる分は出しておかないとどうしても後ろめたかった。
  
「君の料理の腕を考えれば材料提供を差し引いてもまだ余る。
というか、出させてもらえないと私の面目が立たん。一応、君達は客なんだからな」

「むう……分かった。ありがと」

「気にするな。なに、どの道それほど極端な出費にはなるまいよ」

 言いながら、刹那に目を向ける。

 彼女はおおよそ家事に関しては掃除の練習で家具を破壊し、洗濯の練習で衣服を引き裂き、
マシになった料理でさえ未だ気を抜くと壊滅的な味になる事があるという困った女性ではあるが、
値切りに関してだけはもはや達人の域だ。

 いかな高級食材とはいえ、刹那さえいれば出費はかなり抑えられる。
 出費自体は多かろうが、質と比すれば相当割安に出来るはずだ。

「あ、あの海人殿、流石にそれほど期待されますと……その、半分趣味のような技能ですので」

 恥ずかしそうに、呟く。

 刹那の値切りの技は、冒険者時代に必要に迫られて身につけた技能だ。
 それを専門に追求し続けたわけではなく、どちらかと言えば食べられる魔物を覚える方に注力していた。
 値切りの方は、主にたまには美味しい物が食べたいと駄々をこねる雫の為に身についた技能なのだ。
 
 と言っても本人に自覚がないだけで、刹那の値切り技は趣味の次元を軽く飛び越えている。
 何しろ、壊滅的なまでの金運がもたらす万年金欠の中で高級食材を購入するという無理難題で鍛え上げられた技能。
 どうしても不可能で妹を昏倒させて町から離れる事もあったが、それでも極力叶え続けてきた愛と努力の結晶だ。 

「……ふむ、素晴らしい技量だと思うが、どうやら気合が足りんな。
ならば、この私が直々に気合を入れてやろう」

 にいっ、と不敵に、そして邪悪さを漂わせながら笑う。
 それを見た刹那は、食べかけの料理すら放り出して必死で後退った。
 
「ま、ままままさか海人殿くすぐりを!? それはあまりに御無体――――」

「このカレー、理想は火を入れつつ三日程寝かせる事だ。
一日、二日、三日と味のまろやかさが飛躍的に増していく。そして……君に十五万、預けよう」

 不敵な笑顔と共に放たれた海人の言葉に、刹那の表情が固まった。

 この段階でも、思わず奪い合いをしてしまう程の美味。
 その質が寝かせる事でさらに増していく。日を追うごとに変化するらしいその味は是非とも食べてみたい。

 言うまでもなく、これほどの高級食材を三日分、それもこの面子を満足させる量手に入れるとなれば大変だ。
 海人に預けられた金ではルミナス達の出費と合わせても三日分は望めず、おそらく二日目にカレーが消える。
 三日目に残す為には、最愛の妹を殴り倒す必要があるだろう。
 
 だが、上手く値切りさえすれば、その悲劇は回避できる可能性がある。
 己の頑張り一つで、みんなが幸せになれる可能性があるのだ。 
 
「この身命を賭して最高の値切りをお目にかけましょう……!」

「よろしい。とはいえ、今日行くのなら私が見る事はなさそうだが」

「へ、どうして?」

「シェリス嬢のとこのメイドへの授業が、今日からなんだ。
途中昼食時間も挟むし、終わるのは少し遅くなる」

 何気なく言った海人の言葉に、シリルの目が細まった。 

 冷徹な眼差しで、海人の姿を観察する。
 きっちり身だしなみを整えてはいるが、髪が少し伸びすぎている。
 あくまで多少であって決して見苦しくはないが、完璧には程遠い。
 服装も教師としての節度を弁えた上で見栄えがする物だが、まだまだ改善の余地がある。

 シリルは最後の一口を食べ終えると、静かに問いかけた。

「……何時からですの?」 

「十時からだが、それがどうかしたか?」

「既に九時寸前……急ぎますわよ!」

 時計で時間を確認するやいなや、シリルは海人の襟首を掴んだ。
 
「ちょ、ちょっと待て!? いったい何を!?」

「初授業という記念すべき舞台でその恰好はいただけませんわ!
急ぎでカットして仕上げまで行います!」

 言いながらシリルは海人をたなびかせて食堂を出ていった。
 止める間も無い早業に呆気に取られていた一同だったが、

「……人数が、減ったわね」

 ルミナスがぽつりと呟いた言葉に、時が止まる。

 海人は言う暇がなかったのだろうが、シリルは言う時間があったにもかかわらず言わなかった。
 後で食べるから、自分の分は残しておいてくれと。

 だが、それは人としてどうだろうか。
 シリルは海人を初舞台に相応しい最高の状態にすべくチーズカレーを食べぬまま出ていったのだ。
 そんな人間の取り分を詭弁を弄して食べてしまうなど、鬼畜の所業としか言いようがない。
 魅惑的な案ではあるが、流石に躊躇われる。

 ――――三人は三十分ほど悩んだ末に、どうにか人の道に踏み止まった。 
 
  






















 メイベルは、笑顔で固まりながらひたすら心で呪詛を唱えていた。
 この屋敷についてほとんど情報を渡さなかった二人に向かって。

 屋敷の門で出迎えに現れた案内役の少女がまるで隙の無い達人だった。これはまだいい。
 年齢を考えると天才と呼んで差し支えなかろうが、それ以上の人間はそれなりに知っている。
 ローラという規格外に慣れている身からすれば、なんて事はない。

 教室へ案内されている途中ですれ違った女性が、前方を行く少女より更に隙が無かった。これも構わない。
 国中どころか世界を見渡しても五十に満たない程度の達人だろうが、やはりローラ程の技量ではない。

 たかが三年の間にこれほどの人材が二人もこの国に入って来ていた事は驚くに値するが、ありえないとまでは思わない。
 せいぜい、軽く感嘆の声を漏らす程度だ。
 
 何の気なしに窓から庭を覗いたら超有名な傭兵団の一番隊隊長と副隊長がいた。
 まあ、前の二人と合わせればそれなりに刺激的だったが、これも強烈という程の衝撃ではない。
 明らかに世界レベルの超人がこんな辺鄙な屋敷に四人も揃っている事は確かに驚嘆に値するが、ありえない話ではない。
 この屋敷の主の人脈には感心せざるをえないが。  

 ――――ここまでなら、帰ってから悪戯好きな上司達に皮肉の一つもぶつければ気が済んだだろう。    
 
 最大の衝撃は、教室の中に待ち受けていた。
 
 そこはかとなく気品が漂う鋭く端正な顔立ち。
 そこらの男よりも高い身長を誇るメイベルよりも更に大きな背丈。
 男性とは思えない程長くすらりと伸びた脚。
 そして若々しさに溢れ皺一つない肌。

 若干華奢な体つきだが、どこからどう見ても美青年。
 しかも、同僚達は彼を『カイト様』と呼んで挨拶している。  

(…………という事は、この人が件の先生。そして私は素っ気ないエプロンドレスに最低限のメイク、と)

 ふつふつと込み上げてくる激情を、固まった笑顔の下で押し殺す。

 メイベルは、原則として若い男の前では外見を極力整える事を旨としている。
 その方がいろいろと便利な事が多いし、なにより若い男を見惚れさせる事は他には代えがたい快感だ。
 相手が美形となれば尚更で、メイドとしての礼を失しない範囲で一番魅力的な外見を整える。

 しかし、今日のメイベルは制服であるメイド服に必要最低限のメイクと実に飾り気のない状態だ。
 相手が学問一筋の老人だと想像していた為、素朴にした方が良いと思っていたのである。
 
(でも、この方は若い色男……しかもセンスまで良い、と)   

 海人の姿を観察しながら、内心で歯軋りする。   

 目の前の青年は髪型に教師に相応しい節度の範囲でたっぷりと洒落っ気を漂わせているし、
服装も白衣が特徴的で中が黒一色という単調な服装のようでいて、纏う衣服全てがそれぞれ異なる質感の生地、
中の黒衣も上下で濃淡が違い、それでいて全体としては完璧なまでにまとまっている。
 どこか女性的なセンスを感じる気もするが、見事な外見の整え方には違いない。、

 そして高身長と堂々たる姿勢が顔立ちと相まってまるで魔王の如き威厳を漂わせているにもかかわらず、
所々計算されたように着崩された服がその圧迫感を緩和し、親しみやすさを演出している。
 これは己の印象を熟知していなければまず不可能な芸当だ。

 こんな相手の前で、農作業に赴くかのような手抜きとも言える装い。
 まるで社交界にみすぼらしいボロ着で出ていくが如き愚行。
 老若問わず幾多の男を虜にしてきたメイベル・ハーロックともあろう者が。

 言うまでもなくただの気にしすぎなのだが、昂ったメイベルは気付かない。
 その素っ気ない格好でもまだそれなりの化粧をした周囲の後輩よりも魅力的なのだが、それすら思考に上らない。
 海人に関しても一部誤解もあるのだが、彼女がそれを知る由もない。

 結果、メイベルは性悪上司二人組に嵌められた屈辱感で卒倒しかかっていた。

「ところで、そちらの女性は? おそらく初対面だと思うんだが……」

 海人に話を向けられた瞬間、メイベルは表情筋を緩めて穏やかな笑顔に変えつつ瞬時に思考を巡らせた。

 装いが不足している事は、もはやどうにもならない。
 化粧道具は持ち歩いているが、一瞬で化粧直しなどできない。
 とはいえ、足掻かずに諦めるなどプライドが許さない。

 ――――ならば、出来る事は唯一つ。

「これは失礼いたしました。初めまして、メイベル・ハーロックと申します。以後お見知りおきを」

 地の性格を覆い隠し、メイベルは柔らかく耳触りの良い声と共に一礼した。

 その態度は実に優雅で、彼女の主にも劣らぬ気品を感じさせる。
 声音も調整はしているが、素の声とかけ離れた音ではなく、誤差の範囲と認識される程度に止めている。
 即興としては見事なまでの機転であった。
 
「御丁寧な挨拶痛み入る。天地海人――この国式には海人天地だ。以後よろしく」

 海人も慣れた様子で軽い会釈を返す。
 メイベルのそれには及ばないが、こちらもなかなか洗練された仕草だ。

「では、早速だが授業を始めようか。各自好きな席に座ってくれ」

 挨拶もそこそこに海人が背を向けると、メイベルは密かに安堵の息を漏らした。

 挨拶した際、一瞬ながら海人の目に微かに驚きが表れ、自分の顔を凝視した。
 その直後に僅かな感心も感じたので、目論見はとりあえず成功したと思って差し支えない。
 苦し紛れながら、そこそこ上手く立ち回れたと言えるだろう。

 ――――まさか高い演技力に驚かれていただけなどとは、夢にも思っていなかった。

  
     
   





















 席に着いたメイベルは、手を上げながら質問事項の整理をしていた。

 この授業の形式は、例えるなら一度に複数の生徒を教える全教科対応の家庭教師だ。
 生徒各自が持ち込んだ書籍の不明な点を、海人が一人一人解説していく。
 その為深い理解が期待できるのだが、授業開始直後は全員が質問者となる為順番が回るのに時間がかかる。
 
 その為、メイベルは自分の番が来るまであらかじめしおりを挟んでおいたページを開きながら読み直し、本当に理解できないか改めて確認していた。
 昨日理解できなかった事が一日置いた事で糸口が掴める事もあるのだ。

 とはいえ、やはり分からないままの事柄が多いため、なかなかしおりを抜く事にはならない。
 生徒の数は七人と少ないが、それでも時間内に全てを質問する事は難しいだろう。

 自然、読み直しながら質問事項に優先順位を付け、それに沿ってしおりに目印を付け始めていた。
 これの二割程度でも解説してもらえればありがたい、と考えながら。

 ――――が、海人はそんな常識的な思考で測りきれる可愛らしい生き物ではなかった。

「待たせたな、メイベル女士。どこが分からない?」
 
 自然体でメイベルの元にやって来た海人は、彼女の手元を覗き込みながら訊ねた。

 予想よりもはるかに速い自分の順番に、メイベルの体が僅かに跳ねた。
 ふと周囲を見渡せば、各自の本に挟んであったしおりは全て抜き去られている。
 質問するために上げられていた手も、次の質問を求めて本のページを捲り始めている。

 驚きのあまり声を失っていると、海人が怪訝そうに首を傾げた。
 
「どうした?」

「……いえ、失礼いたしました。ここなのですが、火属性魔法と風属性魔法を組み合わせる為には、
前提条件としてアスタライド系魔法文字とスーベルティア系魔法文字を同時に使用できる配置法が必要となると書かれていますが、
何故なのでしょう? この条件ならばアーグラス系とライディック系でも可能なように思えるのですが……」 
   
「そうだな。厳密にはそれでも可能だ。ただ、その場合既存の理論ではオガザクス配置法とウェルタック配置法の併用、
更にはアーレングルド図形とトーレスアイド図形の併用が必須になる。これが何を意味するかは分かるか?」

「その条件で、一つの術式にまとめる……可能だったとしても、破滅的に効率が悪いはずですね。
どちらも利点を殺し合ってしまう組み合わせですから」

「だろう? だから書いてないんだろうな。ところで、なぜその条件が必須になるかも知りたいか?
そこまで理解できているなら、多分さして時間をかけずに理解できると思うが……」

「はい。よろしければお願いいたします」

「分かった。が、その前にこの本の他の質問箇所も教えてもらえるか?」

 言いながら、多数挟んであるしおりを指差す。

 海人の言葉に首を傾げつつも、メイベルは言われるまましおりを挟んだページを片っ端から開きながら、
質問を予定していた箇所を全て羅列していく。
 具体的にどこが分からないのか、可能な限り詳細に。

 それを聞き終えた海人は、自分の額を軽く小突きながら数秒瞑目した。

「……ふむ、こんなところか。すまんが、少し待っててくれ」

 目を開くやいなや、海人はポケットから取り出した紙に何やら色々と書き始めた。
 筆記具が羽ペンなため、小まめにインクを付け直してはいたが、筆の速度自体は異常に速く、あっという間に書き終えてしまう。
 完成したのは魔法理論に関する穴埋め問題、そしてその下に描かれた所々空白のある魔法術式三つだった。
 
「とりあえず、これを解いてみてくれ」

 問題文をメイベルへと差し出す。

 彼女は虚を突かれたような表情になりながらも、言われた通り解き始める。
 理論の穴埋め問題は、別段難しくはない。幾つかの魔法理論を複合させた問題だが、頭を使えば比較的容易に解ける。
 メイベルにとっても難しくはなく、さらさらと流れるように埋め終えてしまう。

 次いで魔法術式の空白を埋める作業――――ここで、メイベルは固まった。

 と言っても、問題が分からなかったわけではない。
 むしろ、すんなりと分かりすぎてしまった事が問題だった。

 一問目の術式の穴埋めをするのならば、図形二つがどう足掻いても外せない。
 だが問題に使われている物とは別の配置法を用いれば可能なのではないか、と考えかけた瞬間に気付かされた。
 魔法理論の穴埋め問題で埋めていった内容が、その考えを実に論理的に否定している事に。

 おそらく、口頭で説明されても分かるには時間がかかっただろう。
 穴埋め問題という形式で己の頭で思考させられ続けたからこそ、こうも理解が早かったのだ。

 あまりにも見事な問題に驚きつつ、残る二つの魔法術式を穴埋めしていくと、メイベルは再び固まった。

 それは一見しただけでは、前述された理論の応用問題にしか見えない。
 歯応えがありそうだ、と気を引き締める気にはなるが、さほど驚くほどの問題ではないように見える。
 だがいざ解き始めていくと、その過程で先程言った質問事項の解答を次々に思いついていく。

 問題を解き終える頃には疑問は全て解消され、改めて最初の理論の穴埋め問題を読み直すと、
それが全ての疑問点を解消するための最小限の要約であった事に気付き、その内容が強く印象付けられる。
 この達成感とない交ぜになった記憶の内容は、まず忘れる事はないだろう。

 非常に、良く出来た問題だった。
 僅かでも説明すべき理論について曖昧な理解があればこれは作れない。
 同時に相手の理解力も把握していなければ、こんなスムーズに解かせる事は叶わない。

 しかも、海人の様子からしてあらかじめ考えていたのではなく即興で考えている。
 平均的な魔法学校の教師辺りが同じ事をやろうとしても問題作成に相当な時間がかかる、あるいは不可能かもしれない。

 ――――まさしく、知の魔人の御業。
 
 そんなメイベルの戦慄をよそに、海人は能天気な声で問いかけた。
 
「理解できたかね? 少しでも分からない箇所があるなら答えるから、遠慮なく言ってくれ」

「いえ、一切問題ありません。では、次の質問をよろしいでしょうか?」

 たおやかに微笑みながらメイベルは気を取り直し、今度は医学書を開いた。
 
 あまりにも完璧すぎて気になる点の多い男だが、今はその詮索より優先すべき事がある。
 解説は早く的確だが、授業時間自体はさほど長いわけでもないため、同僚達も質問する事を考えれば質問時間はさほど多くない。
 今は驚くよりも先に、三年の勉学の遅れを取り戻さなければならなかった。

「なんなりと」
 
 貪欲に知識を得ようとする女性に、海人は恭しく一礼した。

















 数時間に及ぶ授業を終えたメイベル達は、その後食堂に通されていた。

 理由は、主に休憩の為。
 
 実は彼女らは休暇を使ってこの屋敷に勉強に来ている。
 過密なスケジュールの関係上それ以外に確実な空き時間が取れなかった為だが、
骨休めすべき休日にまで勉学に励み続けるのはあまり好ましくない。
 
 かと言って授業終了時間とここの立地を考えれば町に出かけるのは現実的ではない。
 町に行って屋敷に帰るだけでも一苦労な為、とても骨休めはできないのだ。
 
 その為、海人の提案で授業後はこの屋敷で休憩を取らせる、という事になっていた。
 シェリスとしても異存は無く、茶菓子などの費用は彼女が別途支払うという事ですんなり話は決まった。
 
 ここまでは、メイベル達も聞かされていた。
 なんのかんので部下思いな主の心遣いに、感謝もした。
 
 だが――――大事な話を一つ聞かされていなかった。

 溜息を吐きながら、メイベルは皿に乗ったチョコレートを一口齧る。
 そして、疲れたような声を漏らした。

「……美味しいわね。ものすごく」

「ええ、シェリス様にお出ししても胸張れますね。間違いなく」

 ぼやくようなメイベルの呟きに、シャロン・ラグナマイトが反応した。

 今彼女らの皿の上にあるチョコレートは、実に素晴らしい。
 かなりビターだが不快な苦さではなく、カカオの気高い香りが鼻孔をくすぐる。
 甘味も旨味を引き立てる程度にしっかりと存在し、作った職人の技巧を感じさせる。 

 美味いというのはお世辞でも何でもなく、ただの事実。
 そしてメイベルもシャロンも、チョコレートは大好物だ。
 
 にもかかわらず、二人は溜息を吐いていた。 

「……壮観ねえ」

「ええ、他に表現する言葉が見つかりませんね……どんな試練ですか、これ?」

 二人仲良く部屋の中央に置かれたテーブルを見て、再びため息を漏らす。

 彼女らの視線の先にあるのは、チョコレートの山。
 多種多様なチョコレートがこれでもかと揃えられ、塔のように飾り付けられている。
 それだけでなく各チョコの間には彩りを兼ねてカットフルーツも盛り付けられ、見るからに食欲をそそる。

 正直、出来る事なら今すぐにでもあそこに乗った物を全種類持ってきて味見をしたい。
 一つ目がこれ程の品質であるならば、他の物の質も推して知るべしだ。
 授業が長かった為昼食時間も確保されたが、それが終わってから既に三時間が経過して、空腹感が出始めている。
 全員で食べればあっという間にあの甘味の塔は姿を消すだろう。

 だが、ここは彼女らの主が重要視している人物の屋敷だ。
 あれだけの甘味を食べ尽くしてしまうような下品な真似は躊躇われる。
 やってしまえば主に恥をかかせる事になりかねない。 

 付け加えると、この味の質からして一つ一つの値段も馬鹿にならないはずだ。
 全部食べ尽くしたらさぞかし恐ろしい額になるだろう。

 その請求は、全て彼女らの主に向かう。
 ただでさえ資金繰りで苦労の多い主にそんな負担をかければ、どうなるか。
    
 同じ事を考えたのか、他のメイド達の手もかなり鈍かった。
 
「失礼する……おや? 茶菓子はあまり気に入らなかったか?」

 ノックと共に入ってきた海人が、困惑の声を上げる。

 チョコレートの質もフルーツの質も、ルミナスのお墨付きだ。
 そして彼女らはここまで走って来た上、そのまま長時間の授業に突入している。
 昼食時間に各自サンドイッチを食べてはいたが、いい加減空腹感が出始めている頃合いだ。
 そこから考えれば、そこそこ減っていておかしくないはずだった。
 
 だが、現実に茶菓子はあまり減っていない。
 紅茶の茶葉はそれなりに減っているようだが、茶菓子はほとんど手を付けられずに残っているのだ。
 ひょっとするとフルーツやチョコレートが苦手だったのだろうか、などと思っていると、 

「と、とんでもない! ですが、その……食べた費用は私共の主が支払うと伺ってますので……」

「……あー、そういう事か。これは迂闊だったな。文字通り好きなだけ食べて大丈夫だ。
定額契約になっているからな。むしろここにある物全て食べ尽くさねば勿体無いぞ?」

 海人の言葉に、紅茶を楽しんでいたメイド達が一斉に噴き出しかけた。

 ここにあるチョコレートは、彼女らの主にも躊躇いなく薦められるだけの超高品質だ。
 それがこの数となると、値段も間違いなく恐ろしい事になっている。
 定額契約で割安に設定されたのだとしても、だ。 

 締める所はきっちり締めるシェリス相手にそんな契約を結ばせるなど、並大抵ではない。
 しかもその契約の場には彼女以上にしっかりしたローラもいたはずなのだ。
 どんな手品を使えばそんな事が可能なのか、想像もつかなかった。   

 そんな反応を見ながら、海人は密かに自戒していた。

(……迂闊だったな。事情を知らなければ手を出し辛いのは当然だ)

 自分の詰めの甘さを感じ、思わず苦笑が零れる。

 言うまでもなく、この部屋に用意された茶葉や茶菓子は創造魔法による産物だ。
 つまり必要なのは海人の魔力のみで、実質の原価は0である。

 それを知らぬ彼女たちが不安になる可能性は、前もって排除しておくべきだった。
 定額契約の事は彼女らの主から聞いているだろうと思っていた為だが、
大した手間でもないのだから念の為自分からも話しておけばよかったのだ。
 
 忙しい女性達の貴重な休養時間を無駄な緊張で削ってしまった事を申し訳なく思っていると、

「……ところでカイト様。先程退室されてから姿をお見せになられませんでしたが、何か御仕事でも?」

 メイベルが、不思議そうに問いかけた。

 先程海人はメイベル達をこの部屋に案内するなり、ではごゆっくり、とそのまま去って行った。
 健常な男なら、この反応は考えにくい。

 メイベル自身は勿論、周囲の後輩達もかなりの上玉揃いだ。
 普通の男なら適当な理由を付けてこの場にいたがるだろう。
 しかも、今日は初授業の後なので感想を聞くという格好の口実もある。
 
 だが、去って行く海人はやせ我慢した気配すら見せず、なんとも思っていないような顔だった。   

「いや、折角の休憩だというのに私がいてはのんびり休めんだろう?
ま、他にやる事があったのも確かだが……ああ本題だが、出来れば帰る時に書類も持って帰ってもらえるか?」

「あ、かしこまりました。いつもいつもお疲れ様です。おかげで随分と私共の仕事も楽になりました」

 シャロンが立ち上がり、深々と頭を下げた。

 海人が書類仕事を大量に引き受けてくれて以来、彼女らの仕事は劇的に楽になった。
 どたばた極端に慌てる必要が無くなり、落ち着いて行動できるようになってミスも減り、
結果として仕事の効率自体良くなり、単純に仕事が減った以上の効果が出ている。

 本当に、感謝してもしきれなかった。

「なに、こちらも仕事だからな」

「それでも、ですよ。それに、私があの量の書類押しつけられたらシェリス様殴り倒すか、屋敷から逃げるかですし」

 この屋敷へと運ばれていった書類の山を思い出し、海人へ同情の目を向ける。
 
 あれは、どう考えても一個人が処理できるような量ではなかった。
 期日は比較的長めに取られていたが、その程度で片付けられる量ではない。
 シャロンが同じ量をやれと命じられれば、終わるまで徹夜し続けてもまず終わらない。

 シェリスは人間離れした計算能力を誇る海人に合わせた量と言っていたが、
それでも嫌がらせとしか思えない量だったのである。

「はっはっは、前者はともかく後者は止めた方が良いな。
どこぞの性悪メイドにとっ捕まって椅子に括り付けられて処理させられるのがオチだ。
……っと、折角の休憩時間を邪魔してしまったな。それでは、ゆっくりしていってくれ」

 後ろ手を振りながら、海人は軽い調子で退室していった。
 それを見送った後、二十歳前のメイド二人が同時に溜息を吐いた。  

「……気になさらなくてもいいのにね」

「ってかカイト様色男だし、気さくで話してて楽しいのになぁ……」

 そう愚痴る二人の顔には、心底残念そうな表情が浮かんでいる。
 その周囲では、他のメイド達も同じような顔をしていた。
 
「随分人気者なのね、カイト様は」

「あの通りの方ですし、色々ありましたので」

 興味深げに後輩達を見るメイベルに、シャロンは苦笑した。
 
 主の命で緘口令を敷かれている為メイベルに明かす事は出来ないが、
この場にいる人間の半分程は以前治療不可能なはずの状態から海人に助けられている。
 それに加え外見とは裏腹に話してみればかなり穏やかな人柄な事、
授業が行われる切っ掛けとなった出来事で尊大な雰囲気にそぐわない御人好しさも知られている。

 その他にも様々な要因が重なって、海人はそこそこ人気がある。
 最初は、とある事件のせいでかなり怖がられていたのだが。

「なら口説けばいいのにね。個人的な恋愛ならシェリス様も咎めはしないでしょうし」

「そこまでするにはお会いする機会が少なすぎるでしょうね。
それに……総隊長が二回も御手製チーズケーキ渡したっていう事もありますし」

「……は? ローラがぁっ!?」

 身も蓋もなく、素っ頓狂な声を上げる。

 あのローラ・クリスティアが男に贈り物をするというだけで驚愕に値するというのに、それがチーズケーキ。
 材料入手、製作工程全てに並々ならぬ手間がかかるらしいあれを二回もプレゼントなど、もはや天変地異の次元だ。
 かなり長い付き合いになるメイベルでさえ、口にした回数は片手で足りる、それも一口ずつ分けられただけなのだ。

「ええ。ですから、ひょっとするとそれで腰が引けてる子もいるのかもしれませんね。
御本人は否定なさっていましたし、どちらも理由があったらしいですが」

 ふう、と嘆息するシャロン。

 以前仲間内でそれに関する賭けをやった時、一万ルン見事にすってしまったのだ。
 理由あっての贈り物だったという事で負けになったのだが、未だ納得はしていない。
 ローラの場合、常に張り付いている無表情のせいで真意は分からないのだ。
 たかが一万ルンでそれを深く追求する度胸もなかったので素直に諦めはしたが、もやもやとした気持ちは残っている。

 そんなシャロンを見ながら、メイベルは思考を巡らせていた。

 理由があったらしい、とシャロンは言っているが、ローラならば別の物も用意できる。
 例えば彼女が作り置きしているビーフジャーキーは保存が利き、味も極上だ。
 他にもさほど手間をかからない極上の食べ物の心当たりは幾つかある。

 余程強烈な失態をしたのなら話は別だが、あの完璧超人がそんな事をやらかすとは思えない。

(あのローラがねぇ……それに外見良し、性格良し、能力規格外の超優良物件……久しぶりに楽しめそうじゃない)

 不貞腐れたような顔で紅茶を啜っている後輩を眺めながら、メイベルは口元を楽しげに歪めていた。   








  







 










 書類処理を一段落させたシェリスは、優雅にティータイムを満喫していた。

 欲を言えば庭に出て楽しみたいところであったが、
今日の分の仕事が終わったわけではない為、部屋からは出られない。
 なので、料理長御手製のクッキーを齧りながら、窓を開けつつ外の風景を楽しむに止めていた。

 しばらくそうしていると、にわかに外からメイド達の声が聞こえてきた。 
 
「皆が帰ってきたようね。ふふっ、メイベルはどんな反応見せてくれるかしら」

「あまり過度な期待はなさるべきではないかと。彼女にもプライドはありますので、平静を装うでしょう」

 期待に胸を膨らませる主に、淡々と忠告するローラ。

 メイベルは、あれで非常にプライドが高い。
 まだまだ御嬢様であるシェリスに一本取られたのを悔しがりはしても、本人の目の前ではそんな素振りは見せないだろう。 
 悪戯で仕返しは企むだろうが、普段の延長線上を装うはずだ。  

 ―――その考えは、直後に廊下から響いてきた慌ただしい足音によって否定された。

「そんな事はなかったみたいね?」

「そのようですが……妙ですね」

 首を傾げ、思考する。

 メイベルとはシェリスよりも長い付き合いがあり、その性格も嫌になるほど知っている。
 どんなに悔しかったとしても、こうもあからさまに取り乱すとは考えにくい。
 その場を笑顔で取り繕い、その後素知らぬ顔で百倍返しにするのがメイベルという女だ。

 彼女が何らかの失態をやらかして焦っているというのも、非現実的だ。
 奔放な性格だが社交性の高さは屋敷随一だし、相手は比較的寛大な海人。しくじる要因が無い。

 三年の間に自制心が緩んだのだろうかなどと考えていると、ノックの音と共に本人がやって来た。 

「失礼いたします、シェリス様」

「お帰りなさいメイベル。感想はどうだった?」

「仰った通り、素晴らしい授業でした。あれなら勉強の甲斐もあるというものですね」

 海人の授業を振り返り、メイベルは絶賛した。

 授業は、全てにおいて完璧であった。
 分野を問わず完璧な解説を行う事もだが、気配りも優れていた。
 解説している最中でもその障りにならない範囲で周囲に目を配り、
手を上げた者は勿論上げるべきか迷っていた者すらも完全に把握していた。
 教え方も堅苦しくはなく、かといって馴れ馴れしいわけでもなく、質問しやすい適度な距離感を保っていた。

 あれに文句をつけるのであれば、世の教師の大半は廃業すべきと言わざるをえなくなる。

「そう、なら良かったわ。それで、用件は何かしら?」

「まずは、これを。いただいた茶菓子の残りを、お土産に持ってまいりました」

 言いながら、チョコレートが納められた缶を差し出す。
 シェリスはそれを開けると、一粒口に放り込んだ。
 
「……やはり素晴らしい品質ね。量には満足できた?」  

「十分に。ゆっくりと楽しめば丸一日潰せそうな量でした」

「そう、もう少し代金上乗せすべきだったかしらね」

「それですが、よろしかったのですか? あの質の物をあの量となりますと……」

「心配しなくても、カイトさんの御厚意でかなり割り引いていただいているわ。
それに貴重な休暇を使うのだし、良い物を食べたいでしょう?」

 優しげに、微笑む。

 勉強の為に休暇を費やさせる事は、シェリスの本意ではない。
 仕事の都合上やむを得ないが、その分茶菓子ぐらいは良い物を食べさせてやりたかった。
 なので、海人に揃えられる極上の物を頼んだのだ。

 懐は、かなり痛んだが。

「寛大な御配慮、ありがとうございます。
それと、書類をお預かりしてまいりました」

「ああ、処理分ね。どのぐらい終わったか聞いてくれた?」

「全て終わったそうです」

 さらりと放たれた言葉に、シェリスは思わず席を蹴った。

「す、す、全てぇっ!? いくらカイトさんでもこんな短期間で終わる量じゃないはずよ!?」

 ありえない。シェリスの顔にはそれ以外の感情が現れていなかった。

 海人の計算能力が人間離れしている事は重々承知だが、今回頼んだ量はそれを前提とした量である。
 しかも頼んだ後に少しトラブルもあったので、期限ギリギリ、あるいはオーバーしても不思議はなかった。

 だというのに、期日よりも遥かに早く終わった。
 海人ともあろう者がこんな下らない嘘を吐くはずもないが、あまりにも信じがたい。 
 
「ですが、現実に終わっておりました。
念の為中身を改めさせていただきましたが、ざっと目を通した限り計算違いも見当たりませんでした」

「……まあいいわ。これからはもっと遠慮せずに押し付けられるという事だものね」

 シェリスは溜息を吐き、椅子に座り直した。

 海人が非常識なのは、なにも今に始まった話ではない。
 数百年に一人程度しか現れない創造魔法の使い手と言う事実もそうだし、馬鹿げた魔力量だってそうだ。
 開発能力は他の学者が知ったら発狂する事必至、度胸も実力と性格を知った上でローラに喧嘩を売れるという規格外。
 
 今更、この程度の事で驚く理由はない。
 計算上どう考えても海人が分裂でもする必要があったとしても、あの怪人ならその程度の常識は覆してもおかしくない。
 以前貰った術式盤に刻まれた、既存の魔法学から百年分は発展しているであろう魔法術式に比べれば、まだまだ可愛いではないか。
 
 今すぐにでも尋問に行きたい衝動をそう強引に納得させ、シェリスは紅茶を一口啜った。
 そうして気分を落ち着かせると、何か言いたげに自分を見ているメイベルに笑顔を向けた。  

「……で、他にも何かあるかしら?」

 話の内容からして、報告はこれで終わりのはずだ。
 だというのにメイベルは一向に退室しようとする気配を見せない。

 そして、先程からメイベルの口調は完全に仕事用だ。
 屋敷内で身内しかいない状況ならシェリス相手にも敬語を使わない事が多い女性だというのに。
 滅多にないが、この状況でこの態度をする時は内心で何かを押し殺している事が多い。
 この部屋に来る前の足音と合わせれば、もはや確定だろう。
 
 ようやく期待通りの反応が見れそうだ、とシェリスは内心で喜んでいた。 
 
「まだ色々と申し上げたい事はございますが――――まず、一番重要な事を」

「何かしら?」

 楽しげに笑いながら、シェリスは続きを促す。

 知らずに無礼をしていたらどうするつもりだったのかと問われれば、
海人のそこそこ広い度量とメイベルへの信頼を語ればいい。
 不在の間に性格が悪くなったと言われれば、アクの強い面々に対抗する以上当然と答えられる。

 何を言われたところで、笑って受け流す自信がある。
 そんな余裕を見せつけるかのように、シェリスはチョコレートを齧りつつ、カップを傾けた。

「――――個人的にカイト様と肉体関係持ちたいのだけど、必要な情報もらえるかしら?」

 蠱惑的な笑みを浮かべながら、メイベルは思いっきり咽た主ににじり寄った。

 






テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

コメント
想定外
いや、メイベル対超絶ハイレベル軍団の対決を色々と想像しましたけど、さすがに

「――――個人的にカイト様と肉体関係持ちたいのだけど、必要な情報もらえるかしら?」

は予想外でした。うーん東電の言い訳じゃありませんが「想定外」です。
参りました、そして更新ありがとうございました。
[2011/12/11 23:27] URL | hatch #QGsADGPw [ 編集 ]


・・海人って、実は女難の相あるね。これはw
[2011/12/11 23:46] URL | 未樹 #- [ 編集 ]

お久しぶりです。
最近は読み専だったのですが…

えぇ…吹きましたとも…最後の「――――個人的にカイト様と肉体関係持ちたいのだけど、必要な情報もらえるかしら?」でw

モニターがあああああああああw

コーヒーぶちまけました♪(はぁと)


思わず感想書かずには居られんぞおおおおおおおおおっとなりました。

↓は今回に限ってですがちと強く感じた事なので批判とかではないつもりなので気を悪くしないでください…(汗



それと個人的にですが、日常的な会話とかの部分に今回は少しだけ物足りなさが…

カレーの部分とか早急に終わらせようみたいな勢いを感じてしまいました…(汗

普段ならもう少し描写があるかなぁとか…

加筆前提と書かれてましたのでその辺も修正されるのでしょうか?



まぁそれはさておき毎回楽しませて頂いてますので、これからも執筆、リアル、体調に気を付けて下さいね。

それでは~
[2011/12/11 23:56] URL | リョウ #X5HgHQV. [ 編集 ]

お疲れ様です。
>外見良し、性格良し、能力規格外の超優良物件
ローラに匹敵する演技力、把握力を持った海人が十分によそ行きの心持で猫かぶった状態ですからね。

実は性格だけはローラすら引くほどの極悪なのにそれをまったく感じさせなかったのを知れば、このタイプの女性なら絶望のどん底に落とされるのではないかと今からワクテカですね。
特に海人がこの女性の猫かぶりを見切ってる節がありますし。
[2011/12/12 00:00] URL | とある人 #- [ 編集 ]


更新お疲れさまでーす

ああ、海人の授業を受けていたら自分はもっと偉くなっていたのだろうか……
やめよう、考えたら虚しくなってきた
しかし、以前も思いましたがあの徹底教育の屋敷のメイド相手に完全な解説とは……

やっぱり海人ってもてるんですね
メイドとの描写は少ないのであまり気にしてませんでしたが
まあローラじゃありませんが、気に入られる理由はあっても嫌われる理由はありませんしね
しかし、何か企みがありそうですけどメイベルみたいに直接的な人は初めてですね
これからの展開に期待します

さて、海人は「まねっちゃん」による書類作成の時間短縮の言い訳はどうなるのやら
ああ、そういえば海人作成教科書もまだ残ってますね
これからの展開に期待します
[2011/12/12 00:07] URL | 華羅巣 #zR7lJLBY [ 編集 ]


最後ぶっちゃけすぎだからwww

今回は顔合わせだけでハプニングは起きませんでしたね。
次回からが怖いw
[2011/12/12 00:08] URL | とまと #mQop/nM. [ 編集 ]

55話お疲れ様です
ぶっちゃけすぎて思わず吹き出してしまいましたww
また『濃い』ナ~とww
でもまぁ、これで海人の周りが動き出すのは確かなので実は楽しみだったりw
(特にルミナスとローラあたりの悲喜交々が)

しかし、アレですね…4人(あえて海人は含まず)で寸胴2つ瞬時に、ですか…

末恐ろしいww


寒くなってきましたので、どうぞご自愛しつつ、執筆がんばってくださいまし^^
[2011/12/12 01:29] URL | 水谷 陽 #mQop/nM. [ 編集 ]


更新、お疲れ様です!

最後でこっちまで咽せてしまいましたw

次回がもの凄く楽しみですw
[2011/12/12 03:54] URL | スウ #- [ 編集 ]


カレー大戦争勃発!次回の第二次大戦はメンバーが増えて取り分が減ると見た。
同じのいっぱいより複数種類を少しずつ沢山のが良いのでは?日本人女性的に、寝かす時間を使えば大量に出来そうな気がします。

メイベルはあんなキャラなんですね。
奥さんとの事を知ってもあまり気にしない人っぽいですね。
[2011/12/12 09:11] URL | 煉恋々 #h2YGRmSs [ 編集 ]


はじめまして、白衣の英雄楽しく拝読させていただいております。
新キャラのメイベル女史もお色気担当? と一癖ある人物ですね。
今までに居なかった性格だけに、落ち着いている(ように見える)海人周辺の関係に一石投じる予感です。

おぉ、書類が終わっている。と、思っていたら、前話の素敵マシーンがありましたね。
シェリス嬢の叫びで、あぁー、今まで以上に異常なんだ。あ、そういえばそんなロボ作ってたな、と。
朝、海人に書類を渡して、その日カナールで一泊するようなイベントが起き、かつメイドの誰かにそれを見られている(もしくは一泊したことをシェリスに知られる)→翌日の朝メイドが進捗の確認にくる→書類渡す。
シェリス→海人さんですからね(もやもやはねじ伏せて、納得して終了)。
     →一晩ですって! →あとからカナールに一泊したことを知る→誰がやったの!?
     →部下の報告ではカナールに泊まったはず……見間違い? 目立つ女連れで?
こんな話書いてる隙間なんてありませんよね……。

ローラさんのチーズケーキが取引のもとで作られたわけですが、周囲は知らないんですよね。
もちろん料理の腕前で鼻を明かしたいとか交渉を有利に、感謝の気持ちというのもあったと思いますが、無意識での好意と屋敷の住人達への牽制が入っていたと考えたりなど、今回の話でまた違った見方ができて楽しかったです。しかしチーズケーキ伝説(笑)
シャロンだぁ。常識人は常に影が薄いのよね。目立つ行動は控えますから。同じく常識人の執事さんなんてもう出番が……いつかきっとあるさ! オーガスト知人枠とかで(年齢的には知り合いでも不思議じゃないはず)

次回が楽しみです。
[2011/12/12 12:42] URL | anos #- [ 編集 ]


>>料理
海人のカレー・ルミナスのシチュー・ローラのチーズケーキの3点は
この作品の中でもトップクラスに食べてみたい料理ですねw

ああ、読んでいるだけで腹減るわぁ・・・

>>新キャラメイベルさん
「個人的にカイト様と肉体関係持ちたいのだけど、必要な情報もらえるかしら?」

全力で吹きましたwwwwww
いやー、あいかわらずシェリスの所のメイドさんはキャラ濃いなぁ。
[2011/12/12 23:34] URL | リファルス #- [ 編集 ]


更新お疲れ様です。
先週読みはじめてからやっとリアル更新に遭遇w
二日で7時間睡眠は辛かったけど楽しかったです。

作者様は話の展開が急すぎると感じているようですが、私はそうは思わなかったですね。
早く先が読みたいからなのかな?むしろもっと!みたいな。
日常パートも好きですが、追い付いてしまうとどうしても先が気になりますし。

メイベルさんと海人のこれからが楽しみです。
振り回されるのは一体誰なのか…w
[2011/12/12 23:59] URL | どんじゅ #UjfQ3LNs [ 編集 ]


更新お疲れ様です。
毎回楽しく見させてもらってます。
メイベルのキャラが面白くってニヤニヤしながら見させていただきました。
面白い作品をありがとうございます。

所で、
「これは己の印象を熟知していなければ出来ないまず不可能な芸当だ。」
の部分は「出来ない」か「まず不可能」かのどちらか片方だけではないのでしょうか?
少し言い廻しに違和感を感じたので、報告します。
[2011/12/13 14:17] URL | #- [ 編集 ]


更新お疲れ様です。今回も楽しませてもらいました。

しかしメイベルwwwwwwww

こやつの最後の台詞がテラやばいwwwww

そして地味に主人公の化物スペックが炸裂wwww

メイベル哀れwwお前の演技はばれちゃってるよwww
[2011/12/13 16:01] URL | 『 』の深淵 #sCTdotXw [ 編集 ]


更新乙です。眼、完治おめでとうございます。大事なくて良かったですね。

また濃いキャラが出てきました。亡くした奥さんの事を知っているせいか
そういった方面で適度な距離を取る女性陣達の中、肉体関係攻め攻めゴーな
お人が出てきたのは面白いです。個人的にはローラさんの超人同志による恋愛
に発展する可能性のある(よね?)、友情のような親愛のような距離感が絶妙だと思ってます。
以前の、もう少し心を開いてくれませんか?はああいう人が言うと本当に殺し文句ですしね。
新キャラのメイベルさんが引っ掻き回して、他の女性陣の心境に変化が訪れるかもなんて
期待してもいいんですかね?
まあ主人公はブレなさそうなので、あったとしても発展はしないでしょうけど。
また次回が楽しみでたまりません。ローラさんの内心が気になりますのでね!!

[2011/12/14 00:50] URL | Vebulid #CjlWd7YA [ 編集 ]


ローラ頑張れ、超頑張れ!?
[2011/12/14 14:35] URL | ななし #- [ 編集 ]


初授業の前にカレーを食ってる描写で、ブリトラの青のりを思い出した。
シリルは海人の外見より匂いについて注意すべきかと……。

41話でシェリスに電卓を渡さないってありましたが、
初めて出会ったときにルミナスがスタンガンじゃなく、
電卓を売るように促してたらどうなっていたのでしょう。
[2011/12/14 19:36] URL | #- [ 編集 ]


更新お疲れ様です

最後のぶっちゃけ具合には思わず吹きましたwwwwwwww
海人はメイベルが演技してるってことに気が付いているので今後二人のやり取りがどうなるのかが気になります
次回の更新も楽しみに待ってます
[2011/12/14 22:31] URL | 聖夜 #- [ 編集 ]


お久しぶりです。

> 以前貰った術式盤に刻まれた、既存の魔法学から百年分は発展しているであろう魔法術式に比べれば、まだまだ可愛いではないか。

甘い。
「まねっちゃん」はおいておいても産業革命+情報革命が必要な技術と考えると、200~300年分は発展している技術ですよ。
海人が一人で、産業革命と情報革命を起こしたわけではないですけど。
[2011/12/15 01:22] URL | 科蚊化 #9ODPgEpw [ 編集 ]


お邪魔しました
[2011/12/16 09:51] URL | KalaKaLa #- [ 編集 ]


毎回とても楽しく読ませて頂いてます
ふと疑問に思ったことがあるのでお聞きしたいのですが、過去の話に海人の創造魔法でチーズケーキを創ろうとしたが卵が制限に引っかかり作れなかったとあったと思います
もし、制限にひっかからない料理がそのまま創り出せるなら、カレーは創れてしまうのでは?と思ったのですがそのあたりは如何なのでしょうか?
特に野菜カレーは皆が満足するまで創り放題になるのでは無いでしょうか?
また、カレーに関わらず、制限にかからない料理は海人が元の世界で食べたことがあるであろう一流のものが創れますし、そこのところもしよろしければ教えて頂ければ幸いです
長文失礼しました_(._.)_
[2011/12/19 09:52] URL | 山田 #UYppvBwQ [ 編集 ]


いつも楽しく読ませえていただいています。
これからも応援します。
質問なのですが、
自分の読解力の無さのせいかもしれませんが、

シリルは海人を初舞台に相応しい最高の状態にすべくチーズカレーを食べぬまま出ていったのだ。
そんな人間の取り分を詭弁を弄して食べてしまうなど、鬼畜の所業としか言いようがない。

と本文中にありますが、九時寸前での話なので朝食ですよね。
いつチーズカレーになったのでしょうか?
教えてください。
[2011/12/25 23:01] URL | fuji #- [ 編集 ]


肉食系女子きた!これでかつる!!
[2012/04/24 21:18] URL | #oh4NkpYI [ 編集 ]


肉体強化の限界突破ならぬWEB拍手の限界突破すらできないなんてっっ!!不甲斐ない自分を許してくだせぇ!
[2013/12/22 11:25] URL | ローラファンクラブ会員No.68 #- [ 編集 ]


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