ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編……呪いでもかかってるのか(涙)
というわけで番外編です。

今回は主人公の過去編です。
第三部で出てきたのに近い時期になります。
こんな時代もあったんだなあ、ぐらいに思っていただければと思います。


では、コメント返しさせていただきます。


法皇の緑さん

あの二人の再登場は、無いとも言い切れないといったところでしょうか。
仰るとおり場所が場所ですから、接点が。
ただ、他国に旅行に行く可能性が無いわけでも無いので、ゼロではないといったところですね。

それと、申し訳ありませんがここでは政治がらみの話は控えていただくようお願いいたします。
ここの目的は楽しんでいただく事で、現実の政治がらみの話はどう転んでも愉快な気分にはならないと思いますので。

 さん

個性が出やすいからかもしれません。
シリルの場合どちらかと言うとルミナスが好き、というのが正しいですが。

ulyssesさん

えー、ローラはケルヴィンの組手相手は引き受けないと思います。
面倒、自分に利が無いなど理由が多数ありますから。

生え際の魔法使いさん

トラブル嫌いなのにトラブルが寄ってくる主人公です。
どんなトラブルが寄ってくるかは、後のお楽しみという事で。

団長と副団長は……多分、そのうち出ます。
海人の関係者かどうかは別として、どっちも超性能の化物ではあります。

hatchさん

ケルヴィンに関しては話の進め方に問題がありましたね(汗)
確かにあの展開だと勘違いされても仕方ないです。
ただ、私は原則として新キャラというからには新キャラ出すつもりです。
本人が登場した事あるのに新キャラというのは、良い事ではない気がしますので。

先読みに関しては、あまり過度に御気になさらず。
それだけ楽しんでいただけているんだと受け取っていますので。




えー、実は今週諸事情で土日が潰れました。
土曜はまだしも、二連で日曜が潰れたのが痛いです。
最近のペースより早くなるか怪しくなってきました(涙)
平日の執筆時間は八月入ってから増えてるんですが……。
毎日書き進めてはいるので、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。











 番外編その7





 大きなベッドで、一人の少年――――天地海人が寝込んでいた。
 顔は真っ赤に染まり、断続的な息は苦しげ。
 典型的な風邪の症状だが、あどけない表情なだけにその様子はいっそう人の憐憫を誘う。

 が、その様子を目にする者はいない。

 ここに住んでいるのは海人と両親の三人だが、彼の両親は今朝早く仕事に行ってしまった。
 母はすぐに帰ってくるからそれまで大人しくしていてと言っていたが、
去り際に頭を下げてきた父の態度からして直ぐ帰ってくるのは難しいのだろう。

 とはいえ、少年の心に両親への不満は微塵もない。

 二人共仕事で忙しい時が多いが、時間がある時はいつも構ってくれるし、我儘も許してくれる。
 自宅でやっている研究用の機材は大概自作しているが、どうしても自分で作れそうにないと困っている時は、何も言わずとも買ってくれるのだ。
 同級生が必死にお願いしてやっと買ってもらった、と喜んでいたゲームとは比較にならない程高価な物ばかりだというのに。
 それどころか、二人はもっと我儘を言っていいとまで言ってくれる。

 学校のテストで満点は取っちゃ駄目とか、研究の事や機材の事は他の人に喋っちゃ駄目とか厳しい言いつけも多いが、基本的には悪い事をしない限り優しい、海人自慢の両親。
 寂しいぐらいで、不満を抱いてはいけない。

 海人は何の疑いもなく、素直にそう思っていた。

「…………みんな今頃給食食べてるかなぁ」

 熱に浮かされながら時計に目をやり、ぼやく。

 正直給食は美味しいと思わないが、友達と一緒に食べる時間は大好きだった。 
 皆で一緒に最近出たゲームの話をしたり、放映中のアニメの話をしたり、
内容的にはそんな目新しい事はないはずなのに、どういうわけか楽しい。

 自宅で研究している時に新しい発見をする時の楽しさとは、また別の楽しさがある。
 食べ終わった後に誘われるスポーツは、どうしても楽しめないが。

「あ……今日ナイトカイザーの日だ」

 ふと、今日がお気に入りのアニメの放映日である事を思い出す。

 毎回リアルタイムで見る事は勿論、録画も欠かしていないアニメだ。
 出来れば今日も生で見たいが、テレビは部屋の隅、リモコンはゲーム機の横。
 今の体調では、どちらも学校までの通学路よりも遠く感じる距離。
 そして、放映時間までに回復する気もしない。
 諦め、明日以降に録画を楽しむ事こそが最善。
 
 が、それで素直に諦められないのが子供というもの。

「うぎゅ……!?」

 ベッドから布団ごと転がり落ち、その衝撃でクラクラと意識が飛びそうになる海人。
 が、彼はそれを気合で乗り越えて、リモコンへと目を向けた。

 この碌に動かない手足では、這って行く事は難しい。
 ただでさえ筋力に乏しい人間が弱っているのだから、途中で力尽きてしまうだろう。
 立ち上がるのも、至難。というか、仮に出来たとしても今の状態なら直後に倒れる自信がある。

 だが、今の海人でも出来そうな案はあった。
 
「えやぁ~……」

 なんとも気の抜けた声と共に、リモコンに向かって転がっていく海人。
 ロスが大きく体も痛いが、これなら這うよりは力が要らず、立ち上がる必要もない。
 
 しかし、これはある意味名案ではあったが、致命的な欠陥も備えていた。
 所詮熱で朦朧とした状態で考えた浅知恵なのだ。

「……うええ、きぼちわるいぃぃ……」

 高熱と回転によって生じた吐き気を、必死で堪える海人。
 リモコンにはなんとか辿り着いたものの、体調は確実に悪化していた。

(でも、ベッドまで戻らないと……)

 自らの短慮を悔いつつも、意思を固める海人。

 回転しやすくする為、布団はベッドの脇に落ちたまま。
 ゆえに、今の海人の装備は長袖長ズボンのパジャマのみ。
 このままいけば、確実に体調が悪化する。

 もし本当に早く帰ってきた両親がそれを見れば、とても心配するだろう。
 大変でも、なんとかベッドに戻って大人しくしていなければならない。

 吐き気が収まったらもう一度転がろう。
 そんな事を考えていた矢先、廊下から足音が響いてきた。
 静かに、だが確実に部屋に近付いてきている。
 
「ただいま……って、何やってるの海人ぉっ!?」

 気を遣ってかゆっくりと部屋に入ってきた海人の母――――月菜は、部屋に入るなり絶叫した。

 その声量はなんとも凄まじく、部屋全体がビリビリと震えている。
 息子を心配して最速で帰ってきたら、当の息子がベッドから這い出て床で悶えているのだから当然と言えば当然の反応なのだが。

「……今日ナイトカイザー見たいから、リモコン取ろうと……」

「馬っっ鹿……! ええい、とっととベッドに戻んなさいっ!」

 突っ伏したまま応答する息子を軽々と抱きかかえ、ベッドに放り込む。
 言葉は荒いが、行動はそれとは裏腹にベッドに優しく乗せ、上からゆっくり布団をかけ、と実に穏やか。
 怒り狂いはしても状況はしっかり弁える、良い母親であった。 
  
「……おかーさん、どうしてこんなに早かったの?」

「すぐに帰ってくるって言ったでしょ。信じてなかった?」

 汗でべったりと張り付いた上着を脱ぎながら、問いかける。
 色々忙しいが、息子との約束を破った事はない。 
 出来もしない事を言ったと思われたのなら、少々心外だった。

「でも、お仕事……」

「あのね。私にとって一番大事なのはあなたなの。
仕事なんてお金稼ぐ為にやってるだけ。あなたがあれだけ苦しんでるなら、仕事の一つや二つどうにでもするわよ」

 気に病む息子の言葉を遮り、彼の頭を優しく撫でる。

 月菜は、仕事に特別な思い入れはない。 
 稼ぎが良く、こなせる技能があるからやっているだけの事。
 そんな程度の物と、可愛い一人息子。どちらを優先するかなど、決まりきっている。
 
 幸い都合良く頼もしい男がいたので、仕事に影響もないはずだ。
 しかも俺の息子なんだから、風邪程度でへこたれるわけないとのたまってくれた。
 ならば、父である彼は仕事が倍になった程度でぐちぐち言う事もないだろう。

 きっと海人の父としていかなる苦難をも笑顔で乗り越える生き様を見せつけてくれるはずだ。
 下手な気遣いでわざわざこっちの怒りを煽ってくれたのだから、その程度の覚悟はあるだろう。
 そんな事を考えていると、変なところで敏い息子が反応した。
 
「おかーさん、どうかしたの?」

「なんでもないわ。それより、実はお母さん今週はずっと家にいられる事になったんだけど……何か食べたい物ある?」   

「ん~、今日はおかゆ。でも、風邪が治ったらカレーライス食べたいな」

 嬉しそうに笑う海人。

 海人は母の料理は何でも好きだが、中でもカレーは格別だった。
 基本的に美味しいなら何でもいい海人が、おねだりして食べたくなる。
 父の大好物でもあり、時に息子の分にまで手を伸ばして母の制裁を受ける程の逸品だ。 

「それじゃ、今日はとっておきの御粥。明後日風邪が治ってたらカレーにしようか」

「はーい!」

 母の快諾に、海人は弱った体で精一杯の喜びの声を上げた。














 そして翌日。海人の部屋に月菜がやって来ていた。
 体温計に表示された数字を見て、安堵の息を漏らしている。

「うん、平熱ね。頭痛とかは?」

「もう大丈夫だよ! ちゃんと学校行ける!」

 むん、と胸を張る海人。

 授業は退屈だが、学校は楽しい。
 友達もいるし、人と触れ合う事自体好きなのだ。
 体が治った事もあり、海人は実に楽しげであった。

 が、月菜がそんな息子の喜びに水を差す。 

「そう。でも、今日は行かなくていいわよ。というか、もう欠席の連絡しちゃったし」

「え、どうして?」

 心底不思議そうに訊ねる海人。

 いつもなら、母は体調に問題がないなら学校に行けと言う。
 研究が良いところで中断したくなくても、強引に引っ張り出される。
 あまり駄々をこねれば、拳骨まで飛んでくる。

 そんな彼女が、今日は休んでいいという。
 明らかに、普段からは考えられない言動だ。
 
「ふふふふふ……海人、お母さん昨日大人しくしててって言ったわよね?」

「ひっ!?」

 それまでとは一変して禍々しくなった母の声音に、思わず怯える海人。

 確かに、自分は昨日言いつけを破った。
 アニメを見たいからとベッドから這い出てしまい、挙句途中で力尽きた。
 トイレなどであれば許されただろうが、これは言い逃れができない。

「言いつけ破った悪い子には……分かるわよね?」

「ひいぃっ!?」

 ずい、と詰め寄る母から反射的に距離を取ろうとするが、それは叶わない。

 海人の細い足首は、既に母の手中。
 同世代の中でも貧弱だというのに、相手は大人。
 しかも二回り近く大きい亭主を一撃ではっ倒せる人物だ。 

 逃れられるはずなど、ない。

「ご、ごごごめんなさぁぁああああああああああーーーーーーーーーーーっ!?」

 海人の謝罪の言葉が、途中で絶叫に変わる。
 心の底からの悔恨と共に。

 ――――天地月菜。息子に甘いながらも、決して躾を忘れない女性であった。

 
コメント

更新乙です。

普段は超人的なカイトですけど、こーいう普通なとこがみれていいですね!

やはり天才とて人の子、ですね

忙しい中ですけど、ガンバって下さい!
[2012/08/13 00:06] URL | vec #adGPv4JA [ 編集 ]


いい親なんですね。
この親が失踪したって何があったんだろ?
まぁ、願望みたいな予想はしてますけど。

この番外編を見て思ったことは、やっぱり
えっ!?誰これ!?
ですね。
こんな純真な子どもが海斗の過去の姿といわれて信じる人間はいるのでしょうか?
もしこの光景をいつものメンバーが見たらどんな感想を言うか気になります。
[2012/08/13 00:14] URL | fuji #- [ 編集 ]


 昔は海人も純粋だったんですねえww
 この両親が失踪……やはり生え際の魔法使いさんの言うように団長、副団長が海人の両親だったりするんでしょうか? 


 それと九重さま、前回の感想では失礼しました。 編集で問題の部分を消そうとしたのですがパスワードを忘れてしまって……よく使うパスワードをいくつか試してみたのですがパスワードが違いますとしかでないので…申し訳ありませんが九重さまのほうで削除していただけないでしょうか?
[2012/08/13 21:06] URL | 法皇の緑 #USanPCEI [ 編集 ]


ショタ過ぎるwww
これは、カイトがこの頃へ戻らされる魔法イベント発生フラグですね、分かります。


というか、31話だけスタイルシートがおかしいのは自分だけ?
なんか、表示が崩れてるんですよねぇ……。
キャッシュ削除、ブラウザ変更でも変わらず……
[2012/08/19 02:20] URL | take #- [ 編集 ]


まさかのカイト少年時代。
この頃は可愛いですね~。

そういえば、31話あたりで拾ってきた犬がどうこうって話がありましたけど、母親が怒った理由が未だに分からないんですよねぇ。
1匹でも10匹でも人がやる以上自己満足の域を出ないんで、一回でもペット飼ったら拾って駄目な理由にはならないような?
自分の命を軽く見るなって事ですかね?それとも、自分の幸せをまず考えるって事?
うーん……犬の話しだと、生存競争に負けた以上、最後まで守れないなら結局また死ぬから酷って事?
少なくともカイトの家だと7匹程度飼えれるだろうし、別に山に戻さなければいい(自然が良いってのは人の勝手な都合の話しですしね)話だから違うよなぁ……。

わからんです orz
[2012/08/19 02:37] URL | lilith #- [ 編集 ]


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