ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。5~10は次の更新時にでもまとめようと思います。
というわけで、番外編です。
今回は本編前のルミナスのお話です。
諸事情でいつにも増して超突貫工事だったんで出来悪いかもしれませんが、御容赦を。

では、コメント返しさせていただきます。


yubell63さん

父親が強いとは限らないかもしれません。
なお、母親も今の雫(海人製魔法なし)には勝てないレベルです。

法皇の緑さん

呪いレベルですが、誰かの意思が介在してのことではありません。
色々、不運がまとめて襲い掛かってきたぐらいの認識で問題ないかと。

vecさん

この世界、女性が強いですよねホント(汗)

質問に答えてくださってありがとうございます。
青年はアンリじゃありません。
地の文をミスリードに使う手法も有りかとは思いますが、今回は違います。



次話ですが、一応順調に進んではいます。
私の感覚が狂ってなければ、という但し書きは付きますが(汗)
登場キャラが多くなりすぎて御しきれるか不安ですが、どうにかしようと思います。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。











 番外編11



 ルミナスの前で、グツグツと鍋が音を立てていた。

 中身は、赤い色のスープ。
 薄い色ではないが、目を凝らせば中の具材が透けて見える程度には透明感がある。
 透けて見える中身からすると、多様な具材が使われているわけではないようだ。
 だが、香りはなんとも良い香りが漂い、眺めているだけで食欲が湧いてくる。
 
 それにルミナスは塩を一つまみ加えると、軽くかき回した。

「ん~……」

 一口舐め、ルミナスは渋い顔をした。

 味は、決して悪くない。
 果実由来のほのかな酸味、肉の旨味による濃厚さ、そして野菜の滋味。
 多くの素材が殺し合わず上手く共存し、塩の味がそれを見事に引き締めている。
 不味いはずはなく、むしろ美味いと言える。
 
 が、ルミナスには物足りない。
 もっと美味いスープを作れるという確信があるだけに、余計に不満がある。
 
「……やっぱりこの程度の材料で熟成無しだと、イマイチねぇ」

 嘆息し、鍋の火を消す。

 今日作ったスープは、いわば試作品。
 限られた材料、時間経過による熟成無しという条件下で、どれぐらいの味の物が仕上げられるか。
 それを確かめるために、彼女は朝から二十種近いスープを作っていた。

 というのも―――――ルミナスは美食家にもかかわらず、職業が傭兵だからである。

 仕事の性質上、仕事中の食事は限られてしまう。
 自分で材料探しに行ければ良いが、激しい戦場になるととてもそんな余裕はない。
 配給された食材で適当に作れればまだマシ、ひどいと安くて不味い干し肉を延々齧り続ける事になる。

 せめて、多少材料がある時は美味い物が食べたい。
 だからこそ配給される事が多い食材だけを使って試作したのだが、結果は芳しくなかった。
 
 悲しい結果に肩を落としていると、玄関のドアがノックされた。
 ルミナスが返事をすると、ぞろぞろと数人の男女が入ってくる。

『隊長、遊びに来ました!』

 一斉に声を揃え、元気よく挨拶するルミナスの部下達。
 その手には、各々多数の袋を持っている。
 
「いらっしゃ――――ありゃ? シリルはどうしたの?」

「副隊長は済ませる用事があるとかで、明日いらっしゃるそうです……ん? 何か良い匂いしますね」

「ああ、ちょっと色々作ってたのよ。試作品だから味は今一つだけど、良かったら食べ――――」

『御馳走になります!』

 ルミナスの言葉が終わる前に、一斉に頭を下げる部下達。
 
 彼らは、空腹だった。
 というのも、ここに来れば上司が美味い料理を振る舞ってくれるから、と丸一日食事を抜いていたのだ。
 ルミナスの料理に、空腹という最高のスパイスを加える為に。

 そんな部下達に苦笑し、ルミナスは台所を指差した。
 そこにあるスープどれでも、好きに食べていいと。

 ルミナスの部下達は、手荷物を一箇所に纏めて置くと一斉に食事の準備を始めた。
 棚から食器を取出し、瞬く間に準備を整えてスープに手を伸ばしていく。 

「お、やっぱ美味いじゃないですか! これで不満なんですか?」

「そりゃあね。野菜の種類入れれば旨味も増すし、熟成させればもっと美味しくなるし」

「熟成はともかく、何で他の野菜入れなかったんですか?」

「……ったく、馬鹿だねぇ。これどれも仕事でよく配給される食材じゃないか。
隊長は仕事中でも作れるって条件の美味い物を試してんだよ」

 まるっきり分かっていない同僚の男を、赤毛の女性が軽く睨む。

 ルミナスは、戦場においても部下に任せず自ら料理を作る。
 自分が美味い物を食べたいからという至極単純な理由で、本人もそれを公言して憚らない。
 自分より美味い物を作れる人間がいないんだから仕方ない、と。

 が――――ルミナスの部下達は、決してそれだけが理由でない事を知っている。

 戦い疲弊した部下達が、美味い物を食べて活力を取り戻す。
 ルミナスがその様子をどれほど嬉しそうに見ているか、知らない者は一人もいない。
 
 そして、その恩恵に与っている者ならこの料理がルミナスの為だけの試作でない事も気付いてしかるべきだ。
 多少味付けが変わっているとはいえ、ベースは食料調達に出られない時に良く目にする料理なのだから。  

 手痛い指摘に男がばつが悪そうに頬を掻いていると、ルミナスが軽やかに微笑んだ。

「気にしないの。料理なんてその場で食べて美味しけりゃそれでいいんだから。
……でも、やっぱり材料が限られてると味が良くならないってのはあるかもしれないわね。
もーちょっと質上げられたらいいんだけど」

「何仰ってるんですか。仕事中隊長が作って下さる料理はとても美味しいです。
そりゃ休暇の時に作って下さる料理は最高ですけど、材料がないはどうにもならないじゃないですか」

「そう言ってくれると嬉しいわ。でも……」

 思わずこぼしかけた言葉を途中で、飲み込む。

 ――――――本当は、普段の食生活でも満足はしきれていない。

 良い食材を使い、それを活用できる腕も持ち合わせている。
 それは事実なのだが、いかんせんルミナスの財布事情は極端に良いわけではない。
 その為本当は色々試してみたい高級食材などもあるのだが、
新しい料理を考えても結局無難な味に落ち着く事が多くなってしまう。
 
 過度な冒険をしたいわけではないが、やはり一度は採算を完全に忘れて色々試してみたい欲求がある。 
 一度それで大成功したシチューの出費を考えると怖いが、新しい美味への欲求はどうしても消えない。
 
 が、そんな事をこの場で愚痴るわけにはいかない。
 
 なにしろ、タダで御馳走になるわけにはいかないと毎回来るたび食材を大量に持ち込むか、
食材を買いに行った時に勘定を有無を言わさず全額支払うような者達だ。
 耳にした途端、自分の財政を投げ捨ててルミナスの欲求に協力すると言い出しても不思議はない。

 唐突に言葉を止めた上司に、赤毛の女性が問いかけた。 
 
「どうしました?」

「いや、なんでもないわ。それより、今日はどんな食材持ってきてくれたの?」

 問い返す部下に笑顔を向け、話題を変える。
 今考えても仕方の無い事だ、と。
 遅くとも実家の弟妹達が自立するまでの辛抱だと。
 
 ――――――近い将来の事を知る由もなく、そう思っていた。

 



 
















 

 
コメント

更新乙です。

カイト「圧力鍋〜」
というの夢を見たんだ…( ´∀`)

もう傭兵より料理人になるべきじゃね?
ってな感じのルミナスさんでしたね(^_^;)

カイトの手によって現代の調理器具が再現された時……( ̄ー ̄)ニヤリ

では、無理はなさらぬよう、ガンバって下さい!
[2012/10/01 07:59] URL | vec #adGPv4JA [ 編集 ]


インスタント麺って食品革命だったんですよねぇ

各種「粉末調味料」~って知識さえあれば魔法で作ることもできそうですよね
粉末醤油とかフリーズドライのスープとか・・・・

[2012/10/01 12:48] URL | #7y.XBRqs [ 編集 ]


更新お疲れさまです^^

ルミナスがここまで部下のことを思っていたとは・・・
いえ・・・部下思いなのは知ってましたよ?ただそのために研究するほどとは思ってなかったです。

こんな子を嫁にほしいw

あと部下たちのルミナスを思う気持ちにもとっても感動!!
あの部隊は幸せそうだなぁ><
[2012/10/01 22:47] URL | yubell63 #- [ 編集 ]


更新お疲れ様です~

しかし戦場食ですかぁ・・・
ここらの基本技術で出せそうなのって何だろ・・・

アルファ米・・・戦国時代からあるから(糒「ほしいい」のこと)可能
即席スープ・・・これも戦国時代からあるから可能かなぁ・・・
フリーズドライ・・・一部の食材では可能かな・・・?でも香りがほとんど残らんからなぁ・・・
瓶詰め・・・可能だろうけど魔法もある世界だし、重量かさばるから微妙
缶詰・・・割と高度な技術必要だから無理って言うか表に出せない
レトルト・・・アルミ箔と高分子技術必須だからさらに出せない・・・

・・・・・・水の問題は有るけど、普通に現地調理がベストなのか・・・・
冷凍搬送はある程度可能だろうけど重量考えたら乾物には勝てんしなぁ

素直に炊飯1号・2号みたいな移動調理器つくったほうがいいのかも・・・
[2012/10/02 19:22] URL | おさふね #- [ 編集 ]


 海人やシリルたちとばかりいるとツッコミ要員としての印象が目立つルミナス本来の美点が描かれていて、とてもよかったです。

 ところで白衣の英雄を読み返していて表現が重複している箇所を見つけました。
第二部の14でゲイツに出会う直前です。

>大きな緑色の大きな飴を舐めながら歩いている子供もいる。これは

1.大きな緑色の飴を舐めながら
2.緑色の大きな飴を舐めながら

の間違いではないでしょうか?
[2012/10/05 15:33] URL | 法皇の緑 #USanPCEI [ 編集 ]


ルミナスさんマジおかん。

カレーでも多くのスパイスを使うカレーより、少ないスパイス(それこそ3種類くらい)でカレーを作る方が
難しいそうな。

それにしても部下は幸せものだなぁw
(まぁ一番の幸せものは海人でしょうが)

[2012/10/07 20:43] URL | リファルス #- [ 編集 ]


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