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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編+番外編セットその2……すみません、すっかり忘れてました(汗)
というわけで、番外編と番外編のセット二つ目です。

セットの方、大分前に作るって言ったのにすっかり忘れてましたすみません(汗)
番外編の方は職業病も程々に、といった内容です。
いつも通り即興で本編には無関係ですが、今回はほんの少し長めになってます。

では、コメント返しさせていただきます。


hatchさん

あー……言われてみると伏線ばかりですね(汗)
現状は第七部ラストに向けて素材揃えてる状況なので、もうしばらくご辛抱いただけると幸いです。
作者の技量でまとめきれるか、激しく不安ですが(涙)

法皇の緑さん

物珍しさも加わってるとはいえ、それでも凄い値段ですよね(汗)
比較対象は御名答です。素人のくせに後世に残るレベル求めてます。
ただし、今回の絵に関してはちょっと別の事情が加わってますが。

ルミナス達に魔法を教えて無い理由は概ねその通りです。
それに加え、部下に教えてしまう危険、教えずとも教えられない事に葛藤しそうな事などもあります。
海人にとって、あの防刃性抜群の服を贈ったのはかなりの譲歩なんです。

yubell63さん

あのお兄さんは女運無いです。
ある意味ありまくるんですが、基本女難です。

絵に関しては……ん~、手抜きは手抜きでもただの手抜きではない、とだけ。
まあ、貧弱さと性格の悪さ以外弱点無いのは事実ですが(汗)

MH.GrePonさん

誤字指摘ありがとうございます。
該当箇所を修正しておきました。

彼の明日は……どうでしょうね。
一寸先は闇かつ、そこかしこに地雷埋まってるような状況ですから(汗)

煉恋々さん

そんな動画があるとは……知りませんでした、今度探してみます。

青年の十三階段……今まで散々死亡フラグ叩き折ってますし、意外にしぶといかもしれません。
どのみち平坦な道のりではありませんが(汗)

vecさん

美女ホイホイ、言いえて妙ですね。
ただし、関わる女性は大概特大の危険も持ってきてますが(汗)



さて、どうにか六十七話の軌道修正終わって六十八話に取り掛かってるわけですが……毎度のように苦戦してます。
暗くなりすぎるのは話の方向性に合わないと思うものの、コミカルすぎてもそれはそれで、と当然すぎる事に悩んでます。
今回は割とシリアスな素材混ざってるので特に(涙)
難しそうですが、なんとかバランス取りつつ書き進めたいと思います。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。






 番外編12。


 スカーレット・シャークウッドは、今にも破裂しそうな心臓の動悸を必死で抑えていた。

 原因は、今から己がやろうとしている行為。
 その意味を知らぬ者はなぜその程度の事でと嘲笑し、
知る者ならばなぜ命を無駄に捨てるような愚行を、と哀れむだろう。

 スカーレットは、理性では今ここで引き返し明日の為に眠るべきだと分かっている。
 時は既に深夜遅く、眠るにしても二時間程度だろうが、それでもその睡眠時間の効果は大きい。
 毎日の事とはいえ、食欲旺盛なこの屋敷の人間の食事を用意するのは相当な重労働。
 体力を回復させておくに越した事はないのだ。
 まして、それと引き換えにしてまで命を懸ける意味は無い。
 
 が、そこまで分かっていてなお、スカーレットは己を止められない。
 
 まず確実に自分の行為が失敗すると分かっていてなお、足が進んでしまう。
 最悪その先に無惨極まりない死が待ち受けていると分かっていても、体が動く。
 よしんば最悪を避けたところで無事でいられるはずがないと思っても、歩みは止まらない。

 やがて目的地のドアの前に辿り着き、一息吐く。
 大きな音だが、自室から延々遮音魔法を展開し続けているので音が周囲の漏れる心配はない。

(……ここまで反応なし。作業に集中して、気付いてないのかね)

 そこまで考え、首を横に振る。

 ドアの先にいる人物は、紛れもない怪物。
 目隠し耳栓をした状態でも的確に敵の急所を貫ける超感覚の持ち主だ。
 いかに注意を奪われていたところで、スカーレットの気配消しが通じる相手ではない。 
   
 となると、今はまだ見逃されているだけと考えるべきだろう。

 今この場から立ち去るなら、見逃してやる。
 だがもし立ち去らぬのならば、

(あ、ははは……ぶっ殺される、だろうねぇ……)

 恐怖のあまり汗だくになりつつも、ドアノブに手が伸びてしまう。

 その間も、どこか冷めた理性による自問自答が続く。
 これは、本当に価値のある行為なのかと。
 比較すらする気にならぬ程圧倒的な超生物に喧嘩を売っていいのか、
つい最近恋人になった幼馴染と結婚する前に死ぬ危険を冒す価値があるのか、
そもそも目的を僅かでも達成できる可能性があるのか、理性的な思考がめまぐるしくスカーレットの脳裏をよぎる。 
 
 が、それら理性の必死の抑制を――――本能が強引に押し切ってしまった。

 ドアノブをゆっくりと回し、僅かずつ慎重に開けていく。
 そして永劫とも思える時間の末に目玉一つ分ほど空いた隙間を、やはりじっくり覗き込み始める。
 本来ここまで進める事自体おかしいのだが、作業に全集中力を費やしているスカーレットはそれに気付かない。
 そのまま顔を横にスライドさせ、僅かずつ視界をドアの隙間へ移動させていく。

 ――――そこでようやく、スカーレットはその先に誰もいない事に気付いた。

 部屋に誰もいない、という事はありえない。
 未だ光の魔法による明かりがついているし、廊下を歩いている間は気配があった。
 なにより、部屋に漂う甘い香りはつい先程まで誰かがこの場で作業していた証拠。
 さらには部屋の窓や他の入り口の鍵は全て締め切られている。

 つまり――――スカーレットが分からないだけで、まだこの部屋にいる。

 慌てて周囲の気配を探るが、それでも何も感じない。
 当然と言えば当然。ここにいるはずの人間は、気配消しも一流。
 彼女が気配を消せば、スカーレットが察知するなど夢のまた夢。

 そこまで考え、スカーレットは最悪の可能性に気付いた。

 気配を消しても、姿までは消せない。
 気付きにくくはなるが、スカーレットの察知力でも視界に入れば捉えられる。
 となれば、彼女がいる位置はスカーレット唯一の死角。
 逃げる努力すら叶わない、超近距離だけだ。

「寝てなくていいのかしら?」

 スカーレットが隠れているドアの裏から、冷淡な声音が響く。

 猛者揃いのこの屋敷においてさらに群を抜く怪物。
 更には果断な決断力と冷徹なまでの非情さをも持ち合わせる最悪の超人。
 ローラ・クリスティアの声が。

 ドアを開けて自分の前に立った怪物を前に、スカーレットは一応言い訳をしてみる。

「……いやー、ちょっと厨房に誰かいるみたいだから気になってねー」

「それなら誰も起こさずに単独で来るのは不自然ね。
まして、そこまで大量の汗を掻くほど緊張しているのだから」

 スカーレットの足元にある変色した絨毯を見下ろし、静かに論破する。

 今の状況では、侵入者を警戒したという言い訳は通じない。
 ここまで大量の汗を掻くほど侵入者を警戒していたというのなら、他に同行者がいてしかるべきだ。
 それがない以上、スカーレットが警戒していた相手は侵入者ではない。
 
 そしてなにより、ローラはスカーレットが何故こんな時間に起きているのか理解していた。
   
「私のチーズケーキの作り方を覗き見るつもりだったのでしょう?
多少小細工を弄したみたいだけれど、無駄だったわね」
  
 淡々と、スカーレットの目的を言い当てる。

 ローラが作る最高のチーズケーキ。
 スカーレットがこれのレシピを欲している事は前々から知っている。
 以前食べさせた際、是非にとしつこく頼み込んできたのだ。
 そしてにべもない態度に無理を悟ってか、秘密を探るべく一度厨房に潜んでいた事もあった。
 即座に気付いて厨房で一番大きい寸胴を叩き込んだが。

 そんな事があったのでそれ以来警戒して材料調達まで気を配っていたのだが、
今日は一部材料の手配を頼んだ業者が間違えて厨房に届けてしまった。
 受け取った者は料理長は知らない事と言っていたが、表情には隠しきれない嘘の色。
 詮索はしなかったが、口止めされた事がバレバレであった。

 となれば、その後何をするつもりかは見当が付く。 

「くっ、メリッサに嘘吐かせた段階でバレてたってわけかい……!」

「そうよ。さて……前に寸胴を投げた時、言ったわね。
このレシピは誰にも教えるつもりはない。
そして――――強引に探るなら、容赦はしないとも」
   
 絶対零度の声音と共に、殺気を叩き付ける。

 対象を完全に絞った、狙いすました威嚇。
 ゆえに周囲に感知される事も無く、それでいて対象者には絶対的な恐怖を与える。
 例え、それが鍛え抜いた武人であっても。
 
「ひいっ……!?」

 腰を抜かしながら、後ずさるスカーレット。 
 
 分かりきっていたはずの結末ではあるが、現実になるとやはり恐ろしい。
 大人しくやめておけば、そんな後悔が押し寄せるが後の祭り。
 今の彼女は深い悔恨と共に目を閉じ、恋人の顔を思い浮かべるぐらいしか許されない。

 覚悟を決め、最期の時を待つスカーレットだったが、

「……とはいえ、実害はなかった事だし今日は許しましょう。
それに、副料理長ではまだこの屋敷の食事を賄い続ける事は無理でしょうしね」

 ローラは唐突に殺気を緩め、スカーレットを立ち上がらせた。

 元々、スカーレットの企みが発覚した段階でローラは対策を打っていた。
 面倒ではあったが、仕事の合間を縫って自室で工程を進め、厨房では仕上げの焼き上げのみを行ったのだ。
 その焼き上げも色々手間がかかるが、スカーレットがこの厨房に到着したのは全てが終わった後。

 ゆえに実害は皆無。これならば許しても問題はない。
 
 告げられた言葉に、スカーレットは深い安堵の息を吐いた。
 
「た、助かった、か……じゃあ、悪いけどもう行ってもいいかい?
朝の仕込みがあるから、ちっとでも寝ときたいんだ」
  
「その心配はいらないわ」

「は?」

 ローラの言葉に、間の抜けた声を返す。
 呆けているスカーレットにローラは淡々と言葉を続けた。 

「――――流石に二度目となると、許すには相応の罰が必要だから」

 そんな冷たい言葉と共に、懲罰が始まった。

 














 次の日の夜、スカーレットの部屋を副料理長が訪れていた。

 普段はくりくりとした目が印象的な愛らしい女性なのだが、
髪はほつれ、目はどんよりと濁り、生気という生気がない。
 唐突な料理長不在を必死で乗り切った結果であった。
 
 崩れそうになる体をどうにか起こしながら、彼女はベッドに横たわる上司に話しかける。
 
「……料理長ー……生きてますかー……?」

「…………」

 目線だけでどうにか、と意思表示するスカーレット。

 返事をしたいのは山々だったが、口を開くだけで全身に激痛が走る。
 それでも丸一日肉体強化をやっていたおかげで朝に比べると随分マシになったのだが。

「だから、止めた方が良いって言ったのに……」

「…………」 

 溜息と共に吐かれた部下の言葉に、無言で涙を流すスカーレット。
 
 昨晩の無謀な企みは、多くの部下に止められた。
 あの総隊長が一度警告を無視した相手に容赦するはずがないと。
 その言葉に正気に返ってやっぱり止めておくと告げ、事実その時点では止めるつもりだった。
 
 が、結局気になって眠りが浅く、気が付けば死地に向かっていた。
 愚かしいという言葉すら生温い己の馬鹿さ加減に涙が止まらない。  

 料理人としての本能に負けた結果が、この生き地獄。

 そればかりか、ローラから明日の朝食はちゃんと作れと厳命された。
 明日の朝には味に影響を与えない程度に回復できるよう加減した、と。

 スカーレットは、思う。
 この世には、触れてはならない物があるのだと。
 いかなる欲求に突き動かされようと、触れてはならない物が。 
 
 そして、誓う。

 二度とあのチーズケーキのレシピには触れまいと。
 誘惑に負けそうになったら、自らの両足をへし折ってでも止まらねばならないと。
 
 ひたすら続く苦悶の時の中、スカーレットはそう固く誓った。
  
 
 


コメント

更新乙です。

ローラ'sチーズケーキ、どれだけ美味しいものなのか…食べてみてぇ( ゚д゚)

そし飛んで火に入るなんとやら。
スカーレットさんも垣間見る程度で出来る代物じゃないのに、見てしまうとわ(^_^;)

ふと、スカーレットってもしかしてルミナスの次ぐらいに優良物件なんじゃ?とおもいました(=o=;)

それでは、本編も番外編も来週を楽しみにお待ちしてします。
ガンバって下さい(*^^*)
[2012/10/22 00:53] URL | vec #adGPv4JA [ 編集 ]


そのチーズケーキを砦一つ分くらい魔法で作れてしまう人間がいたら彼女は発狂して殴りかかってしまうかもしれませんね
[2012/10/22 08:56] URL | #- [ 編集 ]

あれ?
今回更新されたのは、番外編12。
で、セットに含まれているのは番外編10まで。
・・・あれ?11ってどこにいったんでしょう?
[2012/10/22 23:11] URL | 青竹 #K1EBOiBE [ 編集 ]


更新お疲れ様です・・・

とりあえず↑前に更新されてますよ・・・とだけ><

そして感想w

思ったことが一つ・・・調理法ばれても問題なくない?
だってあれって材料とかの難易度的にローラ以外無理でしょ?
ましてや戦闘職じゃない料理長なら教えることで逆に心を折れる気が(笑)

そしてスカーレットが何をされたのか・・・
料理をのぞこうとしただけで(・。・;

そもそもローラはどうやってなぜゆえにその調理法を生み出したのか・・・
考えていくと謎が深まる・・・

[2012/10/22 23:45] URL | yubell63 #- [ 編集 ]


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