ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。いかん、考えすぎて頭がこんがらがってきた(汗)
というわけで番外編です。
今回は居候時代の一幕になります。
いつも以上に急いで書いたので作りが粗いと思いますが、広い心で読んでいただけると幸いです。

では、コメント返しさせていただきます。


vecさん

必要な工程の数だけでも知ってれば覗こうとは思わなかったかもしれませんね(笑)

仰るとおり、スカーレットも優良物件かと思います。
ただし、ゲイツ一筋なので買い手が限定されてますが。

 さん

残念ながら、海人の魔法ではあのチーズケーキは作れません。
もし作れたとしても……襲い掛かる前に怖い護衛達の餌食になってしまうような(汗)

青竹さん

勝手ながら、番外編は五話セットとさせていただいてます。
ですので、11を読まれる場合は過去記事を読んでいただくか、
次のセットを作るまでお待ちいただく事になります。

yubell63さん

料理長も結構強いので、スカイエンペラーの卵の工程だけなら難しいですが可能です。
この工程に関しては、名前付き登場人物限定なら出来る人間多いです。
ユグドラシルの入手は希少すぎてまず無理ですが。

チーズケーキの謎に関しては……一応設定はあります、とだけ(汗)



さて68話ですが、出すキャラ数が増えすぎて頭がこんがらがってまいりました(涙)
そして頭がパニクると思考がコミカル方面に傾くという悪い癖も発動しまして、思いっきり苦戦してます。
まあ、毎度のように七転八倒してますが思考整理しつつ、早めに書き進めたいと思います。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。



 番外編13







 海人が借りているルミナスの家の一室。
 
 この部屋には特徴らしい特徴がない。
 四角い部屋に少し大きめの窓が一つ。後はベッド、椅子、机、そして小さなクローゼット。
 手入れこそ埃一つ落ちていない程に行き届いているが、一切飾り気がない。
 
 綺麗に使ってくれるのは嬉しいが、もう少し生活感が漂っていても良いのではないか。
 これが家主であるルミナスの意見だった。
 
 ――――――が、それは昨日までの話。今日部屋に入ったら、そんな思いは綺麗さっぱり吹き飛んだ。
 
 とはいえ、ルミナスに咎めるつもりはない。
 おそろしく散らかってしまっているし、呪いの儀式のような光景にも見えるが、これは海人が請け負った仕事の副産物。
 むしろ頑張りなさい、と優しく声を掛けてやるべきだと思う。
 
 ただ、現実には目の前の光景には理解が追いつかず、声が出ない。

 今日から書き始めると言って朝から部屋に籠もりっぱなしだったので、
差し入れにクッキーを焼いて紅茶と一緒に持ってきたのだが、気を抜くとそれが載ったトレイを床に落としそうになる。
 
 ルミナスがドアを開けたまま硬直していると、シリルが下から部屋を覗き込んだ。

「……す、凄まじいですわね」

 思わず呟いたシリルの頭上には、膨大な数の文字と絵。

 昨日までは何の変哲もない空間だったはずだが、今や天井半分を吊るされた大量の紙が覆い隠している。
 どうやら、後で本にまとめる際万に一つも滲まぬよう、インクを完全に乾かそうとしているようだ。

 その中の一枚に目を向けると、そこには果物の栽培法が記されていた。
 基本的な栽培法もさる事ながら、栽培上で起こる可能性があるトラブル全てについての対策も言及している。
 悪天候が続いた場合、害虫が出た場合、果ては特に問題がなさそうなのに上手く育たない場合まで、事細かに。
 しかも分かりやすいよう所々綺麗なイラストまで付いており、それに従えば子供でも栽培できそうな風情だ。
  
 相当頭を使っているであろう事は想像に難くないのだが、海人は依然として凄まじいペースで次から次に栽培法が記された紙を生み出している。
 まるで一桁の足し算の答えを書いていくかのような軽快さで文章を書き、子供が落書きでもするかのような気軽さで精緻なイラストを描いていく。

 インクが乾く速度と海人が新たに紙を生産する速度。
 それを比べると、遠からず部屋が紙で埋め尽くされる事が明白であった。

「えーっと、カイト……差し入れ、持ってきたんだけど……」

 どうにか再起動したルミナスが、恐る恐る声を掛ける。
 この速度の作業中では耳に入らないかと思われたが、  

「お、すまないな。丁度キリが良いところだし、ありがたくいただこう」

 海人はすぐさま執筆の手を止め、ルミナスに返事をした。
 が、その直後部屋の惨状を見て渋い顔になり、

「……と言っても、この部屋では無理か。リビングに行こう」

 最後に書き上げた紙を吊るすと、上にぶら下がっている大量の紙片を潜りながら、
部屋の入口まで移動した。

 
   
 



 
  
 









 リビングで、海人はルミナスが淹れてくれた紅茶を楽しんでいた。

 極上の茶葉を使い、絶妙な淹れ方で上手に味を引き出した超高品質な紅茶。
 すっかり慣れ親しんでしまった味ではあるが、何度飲んでも美味い物は美味い。
 上品な甘い香り、適度な苦み、そして適度な温かさが疲労した体に染み渡っていく。 

「ふう……作業後の一服は美味いな。この後の作業にも気合が入るというものだ」

「そりゃ良かったわ。でも、あんたよくあんなペースで物書けるわね」

「最初に説明の流れを頭の中で組み立てれば、後はそれに従って手を動かすだけだからな。
と言っても普通ならあの速度は出せんのだろうが……肉体強化は本当に便利だな」

 ルミナスの呆れ混じりの称賛に、苦笑を返す。

 本来、海人に先程の筆速は出せない。
 速度だけなら出せるだろうが、それを完全に御するには器用さに加えて相応の筋力も不可欠。
 素の海人にそれほどの筋力の持ち合わせはない。

 が、魔力による肉体強化を使えば話は別。

 筋力は勿論体術も大した事が無い海人でも、魔力による肉体強化を行えば素手で岩を割れる。
 その恐るべき強化は、作業に必要な筋力を海人に容易く与えてくれるのだ。
 
「普通は肉体強化をしてもあんな芸当ありえませんわ。まったく、つくづく化物じみてますわね」

 どこか投げやりに、シリルがぼやく。

 普通なら、執筆作業に肉体強化は役に立たない。
 なぜなら、やる事が執筆である以上その速度を活かす為には執筆する内容を超高速で処理できる頭脳が必要不可欠だからだ。
 例え秒間二十行分の文字を記述できたところで、秒間一行しか記述する内容が浮かばないのであればどうにもならない。

 海人のあの芸当は、人類の限界を投げ捨てたかのような頭脳あればこその荒業なのである。 
 
「はっはっは。ならその化物に幾度となく無惨な敗北を喫して尚挑む君は、さしずめ御伽噺の勇者と言ったところか。
もっとも、御伽噺と違ってこっちは最後まで勝てんだろうから――――ただの身の程知らずかな?」

 見下すように笑いながら、テーブルの隅に置いてあるディルステイン盤に視線を移す。

「ふ、ふふふ……少々連勝した程度で随分図に乗ってますわねぇ……?」

 歯をむき出しにして、凶暴な笑みを浮かべる。

「……五十連勝は少々なんてレベルじゃないでしょ。
しかもあんた負け分かってるのになかなか投了しないから悲惨な負け方ばっかだし」

 負けん気が強すぎる部下に、溜息を吐くルミナス。

 五十連敗。それがシリルのディルステインにおける対海人の戦歴だ。
 もはや数字のみでも少々とかそういう次元ではなく、ドラゴンと蟻以上の実力差がある事は明白。
 しかも勝負の詳細を見れば全ての局面で思考を読まれ、ひたすら掌で踊らされ続けた挙句の敗北である事も分かる。
 
 だというのに、シリルはあまり投了しない。
 相手のミスに期待して、最後の最後まで諦めずに戦い抜いてしまう。
 流石に致命的なミスを三回以上期待しなければならない状況となると諦めるが、
それまではただの一度の致命的なミスを執拗に狙い続ける。
 例え海人が、彼女が狙っているミスをやるフリをしてからかってきても、だ。
 
 いっそ哀れで、涙が出そうになるが――――溜息の理由はそれではない。

 今この場に流れている空気。
 ピリピリとした、それでいてどこか楽しげな気配。
 すっかり慣れてしまったそれによってこれから行われる事が予想できて、思わず溜息が漏れてしまったのだ。

 案の定、シリルはルミナスの問いに海人の方を向いたまま答えた。
     
「お姉さま、いかなる英雄譚も何の障害もなくすんなり勝ったというものはありません。
試練を乗り越え、あるいは努力の果てに最後の最後で邪悪な敵を打ち倒し勝利と栄光を得る、そういうものですわ」

「ほほう……私は邪悪、と言いたいのか?」

「あら、英雄譚の事ですわよ? 言いがかりはいただけませんわね。
まあ、自覚があるからそんな被害妄想を抱くのでしょうけれど」

 楽しげに聞き返す海人に、意地悪気な笑みを向ける。

「ふ、邪悪という言葉に異存はないが、ボードゲームで負け続けだからと言って、
喧嘩となれば容赦なく碌に抵抗できない弱者に乱打を浴びせる鬼畜外見幼女に言われたくはないと思ってなぁ?」

「あらあら、ちゃんと許しを乞える程度にしか痛めつけておりませんのに、そこまで言われるのは心外ですわね。
そもそも碌に抵抗できないなど、いつの話ですの? この間私に一撃入れたのは、どこのどなたでしたかしら?」

 海人の言葉を、鼻で笑う。

 海人は確かに弱者だが、抵抗が出来ないわけではない。
 彼が独自開発した防御魔法は侮れないし、最近ではこちらの行動パターンを読んで反撃さえ試みる事がある。
 先日など、手加減していたとはいえついに一撃入れられてしまった。

「追い詰められれば鼠とて猫を噛む事もある。そんな儚い抵抗など抵抗の内に入るまい」

「しっかりと鳩尾を狙い力を溜めて悶絶級の一撃を放って儚い抵抗ですの?
しかも直後に初勝利と拳を突き上げ元気一杯喜んでましたのに」

「その直後に君の拳で天井に叩き付けられただろうが」

 半眼で、シリルに抗議する。

 確かに、海人はシリルの鳩尾を狙った。
 拳にも彼女の意識を刈り取れるだけの力を込めた。
 そしてシリルを、はるか格上の超人を見事に床に沈めた。
 
 が、それは儚い喜び。
 打点は直前にずらされ、直撃寸前に後ろに跳ばれ、威力は極限に減衰。
 シリルは海人の油断を狙って気絶したフリをしていただけだった。
 
 何も知らず奇跡的な初勝利の喜びに拳を突き上げようとした瞬間、腕の代わりに自分の顎が上に上がった。
 それに引きずられるように全身が宙に舞って天井に叩き付けられた。
 一矢報いたとも言い難い、いつも通りの無惨な敗北だった。
 
「ふふ……折角床に叩き付けられないよう受け止めてあげようとした私に、
最後の気力を振り絞って頭突きかましたのはどこのどなたですの?」

「頭突きは掠った程度だったのに、蹴りで壁に叩き付けてくれたのはどこのどなたかな?」

 獰猛な笑みを浮かべて睨み合う、シリルと海人。
 どちらも臨戦態勢で、一触即発の空気を醸し出している。

 それを横目に眺めながら、ルミナスは肩を落とした。

(まったく……めちゃくちゃ仲良いくせに、どーして喧嘩せずにいられないんだか……) 

 心の中で嘆息しつつ、軽く肩を回す。

 これが二人なりの親睦の深め方だとは知っているが、生憎ここは自分の家のリビング。
 暴れられると、家に被害が出かねない。
 家具や食器は海人に作ってもらえばそれで済むのだが、壁や天井に穴が開いたら修理に時間がかかる。
 この間のようにリビングで星空を見上げながらの食事は願い下げだ。   

 すっかりじゃれ合いに夢中になっている二人を制止すべく、ルミナスは大きな音で手を打ち鳴らした。




コメント

更新お疲れ様です(・。・;

こんな何気ない日常もいいですね・・・

この二人のじゃれあいはいつも読んでてほっとさせられます・・・でいいのかな?w

というか二人とも頑固さんですね。最後まで攻防を続けるとか・・・。きっかけはボードゲームなのにw

[2012/10/29 18:09] URL | yubell63 #- [ 編集 ]


更新お疲れ様です。
番外編11の方、無事発見できました。
[2012/10/29 22:54] URL | 青竹 #- [ 編集 ]

シリルみたいなキャラ好きだなぁ
ifストーリー「海斗にデレデレになってしまったシリル」が見てみたい・・・
勿論ありえない事なんだろうけどw
[2012/11/01 10:48] URL | 魚類 #- [ 編集 ]


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