ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編……せめて一日が27、いや26時間になれば(涙)
というわけで番外編です。

本編とはまるで関係ない小話です。
どうも空腹だと書く話がこういう系統に傾きやすいようです(汗)

では、コメント返しさせていただきます。


名無しさん@2chさん

実は料理ほどは危険ではありません。
事前情報ゼロでも死の危険は少ないので。
料理の場合改善前は味見で死の危険が伴ってましたから。

リゼルグさん

ラクリアも元姫様としては異常に強いんですが、相手が悪すぎましたね(汗)
刹那相手じゃ魔法で防御する暇もありません。

刹那による被害総額……まあ、かなりとんでもない額ではあります。
人生一度は確実に遊んで暮らせるぐらいの(笑)

 さん

御意見ありがとうございます。
あまり不快感を抱かれないよう工夫していきたいと思います。



さて、本編ですが……今週、土日までほとんど潰れたのでほとんど書き進んでません(汗)
出来ればいい加減更新速度一日ずつでも早めたいんですが、この調子では厳しそうです。
質は落とさぬ程度に、少しずつでも早くできるよう精進しようと思います。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。








 番外編18




 海人の屋敷の食堂。
 ここは二十人以上でのパーティも可能な広さがある。
 現在屋敷に定住しているのは三人。
 ほぼ定住と言って差し支えない人間を入れても五人。
 この人数で使うには、あまりに過分な広さだろう。

 とはいえ、五人で使う時はあまり広いと感じる事はない。
 料理好きなルミナスが毎度のようにこれでもかと新作料理を大量に並べる為、
またどこに収納されているのか海人が首を傾げる程に食らい尽くす女性陣の勢いもあり、
これだけの広さがあってなお寒々しさは感じない。
 さらに言えばなんのかんので仲の良い面子である事もあり、がっついて食べながらも楽しく賑やかに雑談もしている。

 広すぎる部屋にもかかわらず、それを忘れる程に和やかで温かい空気が流れる。
 それが普段の海人邸の食堂だ。

 が――――今日は少し趣が違った。

 五人揃っているのに寒々しい、というわけではない。
 むしろ形容しがたい熱気に満ちており、いつも以上に賑やかだ。

 皿の数が少ないというわけでもない。
 いつものような手を掛けた料理が載った皿はないが、数はやたら多い。
 どれもこれも生の食材が載っているだけだが、盛り付けも美しい。
 観賞される事も無くどんどん消えていってはいるが。

 誰かが喧嘩して空気が悪くなっている、というわけでもない。
 料理の消費速度は速いが、皆普段通り楽しげな雑談に興じている。
 
 なのだが――――――なぜか、互いにけん制し合っていた。

 和やかに会話しながら相手の一挙手一投足に神経を張り巡らせ、
穏やかに笑いながらさりげなく視線を滑らせ何かを確認している。
 そういった腹芸が苦手な刹那でさえも、例外ではない。

 唯一普段と変わっていないのは、海人のみ。
 彼だけは能天気に箸を進め、マイペースに自分の舌を満足させている。
 
 もっとも、あからさまな周囲の空気に気付いていないわけではないが。

「やれやれ……各自スープを取り分けて好きな締めを食べればいいんじゃないか?
というか、元々その為に色々作ったんだが」

 手を止め、呆れたような視線を周囲の女性陣に滑らせる。

 けん制し合っている原因は、非常に単純だ。
 今日の料理は、多種多様な具材をたっぷりと放り込んだ寄せ鍋。
 次々に大鍋に張られた出汁へと放り込まれた食材によって、その汁には混然とした極上の旨味が生じている。

 未だ旨味を増していくそれに、最後何を入れるかで互いにけん制しているのだ。 

「論外ですわね。どんな物でも大量に作った方が美味しいというのは常識ですもの。
そして、これほど濃厚で美味しいスープなら御飯を入れるのが正道ですわ」

 さりげなく手元に引き寄せた米櫃を撫でながら、シリルが断言する。

 ありとあらゆる多様な旨味が溶け込んだ極上のスープ。
 これほど濃厚な物に対抗できるのは、米以外にはありえない。
 米をどっさりと放り込み、醤油を一回ししてから卵を割り入れて雑炊にする。
 それこそがこのスープを味わい尽くす最高の方法。
 
 シリルは、そう確信していた。

「なーに言ってんですか。雑炊にしちゃったらそれ一つしかなくなります。
おうどん入れればスープの味自体を楽しみつつ、うどんとの組み合わせも楽しめます。
あ、勿論一通り食べ終わってから雑炊にするってのはありだと思いますけど」

 シリルの言葉に、雫が笑いながら噛みつく。

 一口味見した限り、このスープはそのままで十二分に美味い。
 ならばその味を楽しみつつ、良く合う物との相性を楽しむべきだ。
 雑炊の素晴らしさを否定するつもりは毛頭ないが、それはうどんの後であるべきだろう。

「概ね同意だが、うどんでは太すぎると思うぞ。これならば蕎麦でさっぱりと食べるべきだ。
そしてそれを楽しんだ後で雑炊。蕎麦湯と同様良い味が出るだろうし、これが最善だと思うがな」

 妹の提案に賛同しつつも、微妙に異なる意見を述べる刹那。

 このスープの味は濃厚だが、同時に繊細でもある。
 うどんは好きだが、これに合わせるには少々太すぎるだろう。
 むしろ蕎麦のように細くしゃっきりとした物にスープをたっぷり絡ませて食べるべきだ。
 幸い、海人が十割蕎麦の良い物を作ってくれている。
 これならば潜らせた後に蕎麦特有のほんのりした甘味もスープに溶け出て、良い味に仕上がるはずだ。

「……二人の意見は分かるんだけど、私も雑炊がいいと思うのよね。
蕎麦とかうどんも良いと思うけど、それやった後に雑炊やるとスープに粘り気出すぎちゃうと思うのよ」

 少し難しい顔をして、ルミナスがシリルの意見に乗っかる。

 うどん、蕎麦。
 確かにどちらも魅力的ではある。
 スープに絡めて啜って食べれば、さぞかし美味い事だろう。

 だが、この面子が満足する程の量を湯に潜らせるとなると、溶けだした麺の粉によってスープの粘度が馬鹿にならない。
 まして、食べている間にもスープはどんどん煮詰まっていく。
 その場合、雑炊の食感がどうなるかどうしても不安が残る。
 
 ならばいっそ、最初から雑炊にして食べるのが一番だ。
 うどんや蕎麦も魅力的だが、やはり雑炊が放つ魅力には及ぶべくもない。 
 
 そんな事を考えているこの屋敷の食における最大権力者の言葉に、刹那と雫が若干怯む。
 
 ルミナスがこう言う以上、確かに最善は雑炊なのだろう。
 この場でもっとも料理が上手く、尚且つ舌も非常に肥えている。
 そして自分の欲求の為だけに他者の要望を排除するような嘘を吐ける女性でもない。

 だが――――自分達は麺類を食べたいのだ。

 雑炊は確かに魅力的だが、今の気分は麺類。
 この最高のスープをたっぷりと絡ませ、これみよがしに啜りながらその旨味を満喫したい。
 一口食べたら今度はスープを啜り、その繰り返しだけで一夜明けてしまいそうな程に食欲をそそられる。
 例えそのせいで雑炊が食べられなかったとしても、今は蕎麦なりうどんなりを食べたいのだ。
 残念ながら、立場上あまり強硬な主張は出来ないのだが。

 そんな二人の意思を、ルミナスはすぐに察知した。

「んー……納得できなさそうねぇ。数の上でも二対二。
となると角が立たないのは……カイト、あんたは何が良い?」

 どうでもよさそうにしているこの屋敷の主に、話を向ける。

 現状数の上では同等。海人の判断が加われば、軍配は傾く。
 なにより彼は一応この屋敷における最大権力者なので、その意思は最大限尊重される。
 刹那達は海人の決定なら不承不承でも頷くだろうし、自分達もそうだ。
  
 周囲の視線を一身に浴びて考え込み始めた海人は、数秒して結論を出した。
 
「……蕎麦だな。雑炊も良いが、今日の気分はそれだ」

 その言葉を聞いて、ルミナスとシリルが肩を落とした。
 覚悟していなかったわけではないが、自分達の意見が通らなかったのは少々悲しいものがある。
 とはいえ、決は下った。もはや、麺を食べた後のスープで作った雑炊の食感が悪くならない事を祈る他ない。

 対して、刹那と雫は喜んでいる。
 麺類を食べるという要求さえ通れば、スープに潜らせるだけなので両方食べて問題ないのだ。

 そんな悲喜交々な状況を眺めながら、海人は心の中で呟く。
  
(スープなんだから創造魔法でいくらでも作れるはずなんだが……さてさて、いつ気付く事やら)      

 そんな事を考えながら、この場最悪の根性悪は素知らぬ顔で粗方具材が消えた鍋の汁を漉し始めた。









コメント

 海人、あいかわらず意地悪ですねww
 この後、隠していたことでお仕置きされるのが目に浮かびますw
[2012/12/10 00:45] URL | 法皇の緑 #USanPCEI [ 編集 ]


>(スープなんだから創造魔法でいくらでも作れるはずなんだが……さてさて、いつ気付く事やら)
そもそも知ってるの?
秘密主義者はあまり手札の詳細をオープンしないと思うので他の面子が動物性のだし汁が入ると作れないと勘違いしていてもおかしくはないと思います。
カレーの時で気付けと言われてもその詳細を知らないので無理かと。
[2012/12/10 09:57] URL | fuji #- [ 編集 ]



知ってると思うよ
じゃなきゃ煮干しの出汁とか出せないでしょ
[2012/12/11 09:42] URL | #- [ 編集 ]


没ネタセットも欲しいデス
[2012/12/15 00:20] URL | 名無し #SFo5/nok [ 編集 ]


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