FC2ブログ
ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄70
 翌日。約束の時刻より前に到着したゲイツは、難しい顔で唸っていた。
 
 今更プチドラゴン退治に怖気づいた、というわけではない。
 強敵ではあるが、所詮魔物。今日の布陣で打倒できぬはずはなく、犠牲が出る可能性も極少。
 油断はできないが、その程度で憶するような人生経験は持ち合わせていない。
 
 だが、今日は妙に勘が騒いでいた。
 
 これといって危険という感じはしないのだが、何かやたらと引っかかる。
 具体的に何がどうとは言えないのだが、変な違和感を感じるのだ。
 
 そして、仕事前にこういう感覚を感じた時は大概予想外の事態が起こる。

 思いつく限りでも、通常山で野宿しているゴブリン達が何故かほら穴の内部で生活していたり、
情報では番だけで生息しているはずだった魔物が計十匹で襲い掛かってきたり、
冒険者の遺品の回収を頼まれた依頼で一週間前に死んだはずの本人を救出する羽目になったりと、
実に多彩な事が起こった。

 それを考えれば、明らかに過剰戦力な今回の依頼も気を引き締めなければなるまい。
 最悪、実はプチドラゴンが番で揃っていたなどの事態も想定はしておくべきだ。
 何事もなければ杞憂で済むが、覚悟していなければ致命傷となる隙が生まれかねない。

 そんな事を考えていると、背後で草を踏みしめる音がした。

「おー、感心感心。わしより早く来ておったか」

「よ、オーガスト爺さん。そういや、今日は仕事よかったのか?」 
 
「なーに、プチドラゴンの目撃情報の段階で判別所は臨時休業じゃよ。
元々少ない客が更に来なくなる上、通勤途中で殺されかねんからのう。
ま、書類仕事は変わらんかったんじゃが――――今日は久々に解放されたわい!」
 
 心底楽しそうに、豪快な笑い声を上げる。

 オーガストが務める判別所は、フォレスティアの森の中に存在する。
 そこの職員は所長である彼を除けば真面目だが、流石に文字通り命を賭して職場に向かう程馬鹿ではない。
 元々判別所自体はある意味開店休業に近い状態な事もあり、オーガストが緊急時につき臨時休業と指示を出したらあっさりと従った。

 だが、地下書庫の蔵書の貸し出しを始めとした書類系の業務に関しては自宅で行える為、
オーガストは長々と机に縛り付けられる羽目になった。
 昼も夜も分からずひたすら膨大な契約条件に目を通し、承認のサインを描き続ける日々。
 女っ気が無く、むさい男に叱咤されながらひたすら続く書類地獄。

 そんな日々から、今日はプチドラゴン討伐の為一時的に解放されたのだ。
 オーガストが歓喜に満ち溢れるのは当然だった。

「一応言っとくが、書類仕事嫌だからって手抜かないでくれよ?」

「……今回わしが参加する手配をしたのはマリア嬢ちゃんじゃぞ?」

 半眼から一転して憐憫の眼差しになったゲイツを見て、溜息を吐く。

 本音を言えば、討伐を引き延ばしてこの自由をもっと満喫したい。
 書類漬けの日々よりは、当てもなく野外を流離っている方が性に合っている。
 むしろわざと逃がし、それを追いかけるという名目でどこへなりと流れて行きたい気分だ。

 しかし、それをやると後が恐すぎる。

 判別所職員やシェリスなどの怒りもだが、なにより直接的に解放してくれた女性が恐ろしい。
 戦闘力的には大した事はないが、彼女はある意味あの屋敷で一番敵に回したくない人物。
 あれに甚振る口実を進呈するなど、自分の死刑執行令状にサインするよりも愚かだ。
 
「こえー人だかんなぁ……本性知らなきゃ素の状態のまま優しそうに見えるってのが尚更」

「ふぉっふぉ、まあわしでも初見で悪寒を感じるのが精一杯じゃったからの。
女に疎いお主では分からんのは無理もあるまい」

「それでもシェリス御嬢とか外見通りじゃねえの色々見てんだけどなぁ……」

「なあに、お主も四十前にはある程度見分けがつくようになるじゃろうて。
さて、それはそれとして何を考え込んでおったんじゃ?」

「ああ……どーも今日は変な感じがしてな。何か起こりそうな気がすんだよ」

「ほう、お主もか。実はわしも何か引っかかっとるんじゃよなぁ……こう、何故かはわからんが面倒事が多くなりそうな感じが」

「爺さんも、となると気のせいじゃねえだろうなぁ……やれやれ、親子揃ってこんにちはなんて事態じゃなきゃいいんだが」

 はあ~、と溜息を吐く。

 ゲイツの勘は外れる事もそれなりにあるが、オーガストの勘は良く当たる。
 長年の冒険者生活の賜物か、予知能力じみた的中率なのだ。
 彼まで何か引っかかってる以上、もはやこの仕事がすんなり終わるとは思えなかった。
 
「ま、油断はせん方がよかろう……っと、来たようじゃな」

 言いながら、オーガストが顔を空へと向ける。

 ゲイツがその視線の先を見るが、何も見えない。
 が、遠隔視の魔法で少し遠方を見ると、ルミナスとシリルの姿が見えた。
 まだそこそこの距離があるのだが、オーガストは察知していたらしい。
 
(相変わらず化物じみた爺さんだなぁ……ったく、俺が孤狼の後継なんざ名前負けにも程があるっての)

 疲れたような目をしながら、心の中でぼやく。

 世間ではオーガストの後継に相応しいと評価を受けているゲイツだが、
本人はまだまだそんな評価を受けるには値しないと断じている。
 今目の前でのほほんと笑っている老人は、老いた今でもゲイツが到底及ばぬ大冒険者。
 これが最盛期であればどれほどの差があったのか、想像もしたくない程だ。

 今の気配察知にしてもゲイツより察知範囲が広いがゆえの芸当だが、
気配察知はオーガストが一番苦手な技能なのである。
 ゲイツは得意でこそないが、苦手でもないはずなのに、まだまだ負けているのだ。
 これからどれだけの経験を積めばオーガストに追いつけるのか、考えただけで気が遠くなる。

 ゲイツがそんな事を考えている間に、ルミナス達が到着した。  

「お待たせ。一応聞いとくけど、まだ時間前よね?」

「うむ。というか、全員やたら早く来ちまったのう」

 笑いながら、懐中時計を見る。
 時刻はまだ十一時。約束の時間の一時間前だ。
 
「それで、どうやって探しますの?」

 シリルが、ゲイツとオーガストに視線を向ける。

 戦闘においては二人に遅れは取らない、というかゲイツよりも強い彼女だが、
逆に冒険者としては足元にも及ばない。
 とりあえず空から適当に探してみるぐらいしか案の浮かばない自分より、
二人の方が余程良い案を持っているはずだった。

「俺も一応特製の匂い袋用意してきたが……多分、爺さんの方がもっといい物用意してんじゃねえか?
これ、ドラゴンとかリザードとか爬虫類系の魔物だけ引き寄せる匂い袋なんだが……」

「うむ、わしの方はドラゴン系の魔物のみを引き寄せる匂い袋じゃ。
まずはこれを使いながら森の外周を回るとしよう」

 オーガストが小さな布袋を掌で弄び、不敵に笑う。

 この匂い袋は、袋越しに中身を磨り潰すとたちまち広範囲にドラゴン系の魔物が好む匂いを発する。
 流石に広大な森の外周から全域に届くほどではないが、それでも外周を一周すれば十分に網羅できる。
 それでいてドラゴン系の魔物以外には感じ取りにくい香りである為、他の魔物が寄ってくる事はなく、
使用者が強烈な匂いに悩まされるという事も無いという便利アイテムだ。

 もっとも、若い頃にこれのせいで上位ドラゴン二匹を引き寄せて死にかけた事もあるのだが。

「なるほど。そんじゃ、早速行きましょっ……シリル、どうかした?」

 怪訝そうに、ルミナスは副官の顔を見つめた。

 仕事の時は落ち着いている彼女が、なぜかきょろきょろと周囲を見回しているのだ。
 何があったのか、ルミナスでなくとも気になるだろう。

「いえ、何でもありませんわ」

 上司の問いに笑顔で首を横に振り、シリルは歩き始めた。
 最後にもう一度だけ、周囲をざっと見回してから。 

  































 周囲を警戒しながら歩き去って行くルミナス達を見送りながら、雫は心の中で呟いた。

(なーるほど、やっぱシリルさんは気付いた上で放置してたのか)

 シリルの強かさに、思わず苦笑を浮かべる。

 ルミナスは失念していたようだったが、海人は表情から嘘を見抜ける。
 喫茶店でさり気なく吐いた嘘は実に見事で雫達には見破れなかったが、あの怪人には通じない。
 シリルという人間の性質からして、それを失念していたとは考えられない。

 それに加え、先程の態度。
 あれは明らかにどこかにいるはずの人間を探していた。

 おそらく、嘘を見抜いた海人がどう動くかも予測していたのだろう。
 そこまで分かっていれば、雫が来ているというのは容易く読める。
 気配を消せない海人が来れるはずはないし、最強カードである刹那の方を主から離れさせるなど護衛達が許すはずはないが、
同時になんだかんだで主の意向に沿おうとする二人が何も手出ししない事も考えにくい。
 
 放置した理由は、おそらく口に出せば話がややこしくなるからだろう。
 あれで二人共頑固なので、下手に口に出せば泥沼で収拾がつかない口喧嘩になりかねない。
 勿論、いざという時の戦力があるなら心強いと思ったからというのもあるだろうが。
  
 だからこそ、シリルは困惑していたのだろう。
 視界の範囲内に誰もおらず、気配すら感じない事に。
 
 実際には、出掛ける時から雫はシリルの後方で気配を消しながら堂々と空中に浮いているのだが、
雫の気配消し技能の凄まじさも、先日海人が透明化の魔法を完成させた事も知らぬ彼女が気付くはずもない。

(ま、そっちはいいとして……どーいう事かな、これは?)

 ふよふよと宙に浮いてルミナス達を尾行しつつ、鋭い眼差しで周囲を見渡す。

 雫は警戒範囲を最大まで広げて多様な生物の気配を掴んでいるのだが、
プチドラゴンらしい気配が全く見当たらない。
 フォレスティアの森全域をカバーしているのに、感じるのはもっと小さな生物のそれのみ。
 話に聞くほどの強さの魔物であれば気配も相応に強いはずだというのに。

 ではこの近くの草原や上空にいるのかと言えば、それも考えにくい。
 
 ここから探れる範囲にはいないし、探れない範囲は来る途中で探っている。
 さらに言えば、雫の気配察知は異常に優れているため、見逃した可能性も極めて低い。
 考えられるのはまともに動けない程に弱っているか、雫の察知範囲を逃れる程の高空にいるかだが、
通常どちらもありえない話である。
 
 かと思えば、森へと向かってきている人間と思しき気配が計十人、二つのグループに分かれてやってきている。
 しかもその二つのグループの進み方を探ると、フォレスティアの森西部で合流しているようにしか思えない。
 
 これだけなら別の討伐隊かとも思えるのだが、どうにもアンバランスすぎる。

 既にプチドラゴンの行動範囲にいると自覚しているのか双方共に気配を消しているのだが、
片方のグループがそれがかなり上手いのに対し、もう片方はあまりにも拙い。
 これと同レベルの武技しか持っていないのなら自殺志願以外の何物でもなく、
もう片方のグループにとっては合流しても足手纏いにしかならないだろう。

 仮に後方支援にしても、おそらく一分以内に火炎で逃げる間もなく炭になるはずだ。
 勿論海人レベルの防御魔法があれば別だが、常識的に考えてまずありえない。
 もしあればプチドラゴン退治などせずとも、その術式を売るだけで一生遊んで暮らせる。 

 どうにも怪しいので正体を確かめに行きたいが、ルミナス達から注意を逸らすわけにもいかない。
 ありえないとは思うが、警戒範囲を広げすぎたせいでプチドラゴンの気配を見逃している可能性も0ではないのだ。
 しかも今回は滅多にない海人の我儘。特に人間側が危険だという確証もない現状、その頼みを放り出す事は憚られる。
  
(……しょーがないか。とりあえず気配の位置だけ把握しとこ) 

 雫はあっさりとオーガストでも不可能な超人的芸当をこなすと決断し、再び前方の四人に主な神経を向けた。 





































 時を同じくして、カナール。
 ラクリアは当面の情報収集を終え、ベンチで一息入れていた。
 
 刹那に持たされたおにぎりを一口一口ゆっくりと味わいながら、
これまた持たせてもらった水筒から御茶を飲み、時折付け合せの漬物を齧りながら集めた情報を纏めている。
   
(…………ガーナブレスト女王は特に活気のある町を視察しながら、帰国の途に就いている、か。
となると、ここも間違いなく通るはず……今のペースと視察するであろう町の数を考えると、
おそらく一週間後……仮にも女王がこんなに長く国を空けるもの?)

 むう、と唸る。
 
 他国の視察、それ自体はさしておかしな事ではない。
 条約を結ぶついでに視察をして帰るというのも、ありえない話ではない。
 
 だが、今回明らかに女王はゆっくりとしすぎている。
 急を要する政務は粗方片付けてきたからという事になっているが、
不在の間に急を要する案件が発生する事もあるし、そもそも国家元首が国を空ける事自体望ましい事ではない。

 付け加えるなら、彼女は十年前の王位継承の際数多くの敵を作っている。
 この十年で潰された者、心変わりした者なども出ただろうが、完全に消えたとは思えない。
 今回の事はそれら不穏分子に絶好の口実と好機を与える事になりかねない。
 今までの実績からすれば、それが分からぬ愚鈍な君主でもないだろう。
 
 となると、何か理由があって滞在期間を引き伸ばしていると思える。
 その理由までは分からないが、いずれにせよ彼女の帰国までに一波乱ありそうだ。
 
 ――――とはいえ、ラクリアはあまり心配していなかった。

 女王の行動の不自然さは箱入りである自分でさえ気づいたもの。
 この国の裏で八面六臂の活躍をしている御令嬢が気付かぬはずがない。
 また、彼女が今回の件で全く何の行動も起こしていないとは考え難い。    

 既に手を打っている、あるいは事情を知って放置している、はたまた――――

(女王の不自然な動き自体、彼女が仕組んだか……いずれにせよ、余計な手出しは邪魔になりかねない。
となると女王来訪まで私がやれる事は……当面、無くなった)

 ふう、と溜息を吐く。

 女王関連で当面静観せざるをえない現状、ラクリアがすべき事はない。
 せいぜいがここしばらくで身に着けた経験を腐らせないよう鍛錬を怠らぬぐらいだ。

 ――――正確には、やろうと思っていた事はあったのだが既に消えてしまっていた。

(まさか、もう依頼を受けた冒険者がいたなんて……良い経験になると思ったのに)

 漬物をポリポリと齧りながら、心の中で嘆息する。

 昨日プチドラゴンの話を聞いた時、ラクリアはその討伐を考えていた。
 話に聞く限りでも恐怖の権化のような魔物だが、フェンの機動力と輝石族たるラクリアの魔法があればそう恐れる程の相手ではない。
 いかなプチドラゴンとはいえ、カイザーウルフの機動力には到底届かないはずなので、
フェンに跨って逃げながら上位魔法を叩き込み続ければ封殺できる。
 以前なら途中でラクリアが振り落とされる危険もあったが、今なら戦闘終了までは振り落とされずにいる自信がある。
 ここしばらく、手綱を血に染めながら最高速のフェンの機動についていけるよう散々鍛錬を重ねたのだ。 
 むしろ最高の実戦経験になり、かつ人助けにもなるので一石二鳥だとさえ考えていた。
  
 だが、依頼を受けた冒険者がいるとなると話が変わる。

 勇敢なのか無謀なのか、はたまた自信なのかは不明だが、依頼を受けた者がいる以上勝手な討伐は出来ない。
 懸賞金目当ての者ならいいが、それを通して成長しようと考えている者だった場合迷惑以外の何物でもないのだ。
  
 現地でその冒険者達に協力を申し出るというのも論外だ。
 戦後間もない今の段階でルクガイアの元王女の話が広がるのはあまり好ましくないし、フェンと共にいる段階でそれはごまかしようがない。
 カイザーウルフを飼い慣らしていて額に布を巻いている段階で、ルクガイア王族だと喧伝しているようなものだ。
 かと言ってフェン無しで挑むにはラクリアの運動能力には問題がありすぎるし、
そもそもカイザーウルフぐらいの箔がなければ分け前の減少を厭って協力も嫌がられるだろう。
 
 結局、当初の予定通りこの町で情報を集めつつ女王が訪れるのを待つ他ない。
 そんな事を考えていると、唐突に横から声が上がった。

「おおっ!?」

 声の主―――ケルヴィンが、目を輝かせる。

 昨日は、目の前の女性に声を掛ける事すらできず取り逃がしてしまった。
 挙句、見覚えがあると言っていた部下には勘違いだったと言われるというダブルパンチ。
 それで思いっきり落ち込んだケルヴィンは自制心を養うためとはいえ声もかけさせてやらなかった詫びという事で、部下達の奢りで自棄酒をした。

 それでもやさぐれた気分が収まらず一人で散歩していたのだが、その矢先に再びの遭遇。
 昨日騒いでる間に逃げられた事を考えると声をかける事も少し憚られるが、この機を逃すわけにはいかない。
 ケルヴィンは意を決してラクリアに声をかけた。  

「な、なあちょっといいか?」  

「はい、何か御用ですか?」

 上品な笑顔を作り、ラクリアは穏やかに問い返した。
 身にまとった服は相変わらずボロだが、その笑顔一つで清楚なドレスに変わったような錯覚さえ抱かせる。

 そんな華やかな笑顔に見惚れながらも、ケルヴィンは軽快な口調で話を続けた。

「や、あんたがあんまり美人なんで出来れば御近付きになりたいなーって思ってるだけなんだがな」

「あら……ふふ、率直ですね。とても好感が持てます」

 一瞬きょとんとした後、ラクリアは可愛らしく上品に微笑んだ。

 表情や言葉遣いこそ完全な演技だが、言葉自体は本音だった。
 適当な口実をでっち上げたり、歯の浮くようなセリフで口説かれるより、
これぐらい率直な方がラクリアの好みには適っている。
 付け加えるなら、裏表の無さそうな態度も嫌いではない。

 意外な好反応に気を良くしたケルヴィンは、嬉しそうに笑った。

「って事は、お茶ぐらい一緒してもらえんのか? 勿論俺が奢らせてもらうが」

「そうですね……」

 ん~、と唇に人差し指を当てながら、考え込む。

 当面やる事はないが、ただ漫然と過ごすのもよろしくない。
 とはいえ情報収集も既に終わっているので、後は帰って刹那に稽古をつけてもらうぐらいだ。
 時間の余裕は、かなりある。

 そして見たところ、男は傭兵か冒険者といった風情。
 ならば、間違いなく自分は勿論そこらの男よりも人生経験豊富だろう。
 御茶の一杯ぐらい付き合って話を聞いてみるのも、良い勉強になりそうだ。 

 自分の仕草に男が見惚れている事に気付かぬまま、ラクリアは結論を出した。

「ええ。折角のお誘いですから、御一緒させていただきます」

「うっっっっしゃあーーーーーっ!」

 全身で喜びを表現するように両腕を突き上げるケルヴィン。
 感極まったのか、目尻に僅かながら涙さえ滲んでいる。
 それを眺めながら、ラクリアは思った。

(ん、面白い人だし、ここまで喜んでくれると私も嬉しい。
でも……あっちの人達、どうしたんだろう?)

 視界の隅でこの世の終わりのような表情で崩れ落ちている者達を見て、ラクリアは小さく首を傾げた。
  
  
 
 


 

  


 




















 

 

 











































 時刻は少々遡り、海人の屋敷の中庭。
 早めの昼食の香りがまだ残るそこで、刹那は主の横顔を複雑な面持ちで眺めていた。

 一見すると、海人はリラックスしているように見えなくもない。
 両腕を枕にして地面に寝っ転がり、なんとなく空を眺め、時折思い出したように身動ぎするだけ。
 日頃の疲れを癒す為、のんびりとしているように見える。

 これだけなら、刹那としては喜ばしい。

 屋敷に引き篭もってはいるが、海人は魔法系の研究はほぼ毎日行い、授業の改善案を考え、
それでいて定期的な料理当番を欠かさず、自分やルミナス達との時間も作っている。
 嬉しい事ではあるが、かなり大変な生活をしている事は疑いようもない。
 それらの疲労を癒す為にのんびりしているのなら、素直に祝福できる。
 
 だが、海人の表情を観察していれば違う事が分かってしまう。

 本人は気付かれないようにしているつもりだろうが、海人の表情は時折不快気に歪んでいる。
 居ても立っても居られない、そんな心情が噴き出すかのように、激しく歪むのだ。
 一瞬の事ですぐ静謐な表情に戻るが、その表情も良く見ればどこか無理を感じる。
 荒れ狂っている感情を無理やり押し込めているような、そんな印象があるのだ。

 昼食前から続く主の挙動不審に、刹那はついにその事に触れた。
 
「そんなに、心配ですか?」

「……我ながら情けないとは思うが、どうにもな」

「気休めにもならないとは思いますが、問題はないでしょう。
雫も言っていた事ですが、あいつが行った以上大概の事態はどうにでもなるはずです。
海人殿に与えられた力は途轍もなく大きいですから」

 苛立たしげに頭を掻く主に、苦笑気味に語りかける。

 言葉の内容は、嘘偽りのない事実だ。
 海人に雇われる前と後では、刹那も雫も戦闘能力の桁が変わっている。
 超高速起動と凄まじい強度を兼ね備えた防御魔法、消費などは維持したまま威力だけ上位魔法級に到った低位攻撃魔法、
そして機動性を以前の数倍に引き上げる加速魔法を初めとした数々の圧倒的性能の補助魔法、
更には並大抵の斬撃では繊維一本も斬れない衣服に魔力増幅具としても蓄積具としても最高である大粒ダイヤモンドまで。
 
 これらの異常強化の恩恵を受けた雫なら、いかなプチドラゴンでも相手にならないだろう。
 プチドラゴン最大の特徴である機動性すら、今の雫は世界最高と謳われるカイザーウルフと同等以上なのだから。
 懸念があるとすればその有利ゆえの油断や気性ゆえの暴走だが、役割を忘れる程愚かでもないのであまり心配はいらない。
  
「分かってはいるんだがなぁ……あー、さっさと片付けて帰って来てくれんかなぁ……」

 空を見上げながら、ぼやく。

 何事もあるはずがない、理性では理解している。
 自分のしている事はそもそも余計な心配で、雫に無駄足を踏ませるだけだろうとも。

 だが、それでも不安が拭いきれない。

 二年前妻を喪った時も、事故が起こるなど考えもしていなかったのだ。
 幾重にも安全策を講じ何があろうとも対処できる状態を作り上げていた、そのはずだった。
 だというのに、紅茶を取りに行っている間の僅かな時間で何もかもが消え去った。
 制御用のコンピューターも、安全の為に設置した設備も、そして妻の命までもが跡形もなく消滅した。

 それまでに培った自負も、研究への執着心も、海人の全てを根こそぎ打ち砕いたそれは、
未だ心の奥底で延々と海人の恐怖を煽り、心を蝕んでいる。
 
 新たに大切な存在が出来、それらに心癒されても――――否、癒されるからこそ失う事への恐怖が飛躍的に増大する。

 これが自分の手の届かない距離ならまだ割り切れるのだが、今回は少し出掛ければすむ場所。
 やはり自分も行った方がいいのではないか、そんな思いが抑えても抑えても湧き出てくる。
 それが害にしかならないと分かっていて尚、収まらない。
 いかに理性で抑えようとしても、感情が常にそれを上回ってしまう。
 自分の心だというのに、全く制御が出来ないのだ。

 そんな己の不甲斐なさを、海人は自嘲せずにはいられなかった。
 
 そんな主の表情を見て、刹那はゆっくりと立ち上がった。
 そして静かに彼の側に身を寄せ、優しく彼の頭を自らの膝の上に乗せる。

「……先程情けない、と仰いましたが拙者はそうは思いません。
心配だと言って右往左往するだけならともかく、海人殿は多様に対策を打っておられます。
己の力を尽くし、それで尚心配が尽きぬのなら、それは仕方ない事でしょう」

「……そう言ってくれるとありがたい」

「ただ……一つ苦言を呈しますと海人殿は少々周りに力を注ぎすぎておられるかと」

「ん? どういう意味だ?」

「拙者と雫用の魔法開発はありがたいのですが、海人殿御自身のはあまりやっておられないでしょう?
もう少し、自分用の開発に力を注がれてもよろしいかと思います」

 穏やかに、進言する。

 海人は刹那と雫を雇って以来、二人の為の魔法開発に力を注いでいる。
 おかげで二人は一騎当千を欠伸に混じりにこなせる規格外の力を手に入れているのだが、
反面海人の戦闘能力はさしたる進歩を遂げていないのだ。

 勿論、決して間違った行為ではない。
 身体能力の低レベルさに加え、創造と無属性以外の魔法が使えないというハンデがある海人より、
類稀な達人にして基本属性魔法が使える護衛二人を強化した方が、間違いなく効率的だ。
 
 が、問題がある事も事実だ。

 例えば町中における護衛。
 町中では基本的に刹那か雫のどちらかは海人の側にいる事にしているが、離れなければならない時もある。
 具体的には、海人がトイレに行く時だ。
 
 これは生理現象ゆえにどうにもならないが、その際はどうしても視界から外れざるをえない。
 外でいつでも動けるよう待機はしているが、中で襲われた場合どうしても対応が遅れる事になる。
 一応これまでに何度か襲われた際は海人が返り討ちにしているし、人格改造のおまけまでつけているので確実に機会は減っているが、現状の彼では対応できないような相手が襲ってこない保証はない。

 刹那と雫は既にありとあらゆる側面で他の武人を圧する手札をもらっているので、
そろそろそれに割いていた時間を使って自分の強化に本腰を入れて欲しいところだった。   

「いや、やってないわけではないんだが……なかなか進まんのだよなぁ。特に攻撃面」

 物憂げに、溜息を吐く。

 今までも、己の強さに関して追求していなかったわけではない。
 無属性魔法の改善は山のように行っているし、それを使った戦術も色々と考えた。
 その成果として無属性防御魔法の発動時間は最短コンマ二秒を切っているし、
刹那達からも距離を取られたら厄介、近距離でも油断はできないと評される程度にはなっている。
 少し距離を取った状態からでも海人製の魔法無しで一分以内には斬れるだろうとも言われてはいるが、
防御面に関しては一応成果は出ていると自負して問題ないだろう。
 
 が、無属性魔法には攻撃魔法が存在しないという致命的な問題がある。
 なので海人が使える有効な攻撃手段は大量の魔力をそのまま一気に放出する魔力砲、
あるいは異常強化された拳銃などの近代兵器のみだ。

 しかし、近代兵器は他人に見られれば碌な結果に繋がらない事が明白なので使いどころが限定され、
魔力砲は高威力になると海人の莫大な魔力量を持ってしても消費が大きい上に、
彼が魔力砲を使う他ない相手となると高威力が必須になる。
 雫一人でも余裕で封じられるシリルでさえ、本気になれば海人の速射式の魔力砲を意にも介さず突っ込んでこれるのだ。
 しかも、魔力砲はその性質上体から出す必要があり、更に直線攻撃しかできない為攻撃軌道が読まれやすいという欠点がある。

 自分の身さえ守れれば、後は刹那や雫が殲滅してくれるはずなのであまり重要な問題ではないが、
やはり有用な攻撃手段があるに越した事はない。
 それがあるだけで、戦術の幅は一気に広がるのだ。

「……なるほど。確かに、攻撃面は魔力砲の性質上どうにもなりませんか」

「いや、一応魔力砲以外の魔力系攻撃手段を一つ作ったんだがな。
使い勝手は良いと思うんだが……肝心の消費が、依然馬鹿にならんままなんだよなぁ」

 刹那の言葉を、あっさりと否定する。

 確かに攻撃手段を考えるのは難しいが、海人はそれで素直に諦める男ではない。
 かなり時間はかかったものの、一応使いやすそうな攻撃手段を開発した。
 自惚れでなく、これまでに比べれば格段に使いやすいものである。

 だが、それでも魔力消費は依然莫大。
 一応今までの魔力砲よりは僅かながら消費が軽いが、そうそう乱発できる類の物ではない。
 それの性質の悪さを考えれば、補って余りあるかもしれないが。

「おや、どのような手段ですか?」

「まだ秘密だ。近々魔物相手に実験してみるつもりだから、その際にお披露目という事で」

「左様ですか……では、その時を楽しみにさせていただきます」

「ああ、楽しみにしておけ。消費魔力の軽減に成功すれば君らにも使い道はあるだろうしな」

 不敵に笑い、ふと海人は心が軽くなっている事に気付いた。

 いつのまにやら、先程までの鬱屈とした気分がどこかに押し流されている。 
 どうやら刹那と話している内に、気分が程良く和らいでいたらしい。
 付け加えるなら、膝枕で人の体温を感じ続けた事による安心感もあったのだろう。

 それを見透かすように微笑む護衛に、感謝を告げる。
 
「ありがとう。この間っから、君には世話をかけっぱなしだな」

「ふふ……以前にも申し上げましたが、むしろどんどん面倒をかけてください。
頼っていただけるというのは、それだけで嬉しいものですから」

 言いながら、刹那は海人の額を撫でた。
 彼の安堵を引き出すように、優しく。

 しばし、二人の会話が途切れた。

 と言っても気まずさはなく、刹那はゆっくりと海人の額を撫で、
海人は穏やかな表情でされるがまま、静かな時間を楽しんでいる。

 ふと、刹那が視線を横に滑らせた際、海人の御茶が空な事に気付いた。

 一瞬足を外して茶を淹れるべきか迷うが、彼女はすぐに視線を戻し動くのを止めた。
 そのまま、どこか嬉しそうな表情で海人の額を撫で続ける。

 ――――が、穏やかな時間は長く続かなかった。

「この気配――――!」

 突然、刹那が目を鋭く細め上空を睨みつけた。
 
 まだ距離があるが、かなりの速度で近づいてくる気配がある。
 感じる気配からして、相当な強さの魔物だ。
 
「魔物でも来たか?」

 海人が起き上がり、軽く首を解す。

 普段の刹那なら、近寄ってきた魔物に小刀を投擲して何事もなかったかのように始末する。
 それが警戒している以上、数が多いか余程強力そうかだ。
 
「はい。一体ですが、おそらくかなり強力です。念の為、屋敷に避難していただけますか?」

「……いや、折角だ。先程言った魔法を試したい。開始から三分ほど任せてもらっていいか?」

「危険と判断すれば即座に割って入ります。それでもよろしければ」

「無論だ。さて、どんな魔物だか――――」

 言葉の途中で、絶句する海人。

 視線の先に現れたのは、プチドラゴン。
 ルミナス達が狩りに行ったはずの魔物である。
 かなり珍しい魔物なので、別個体とは考えにくい。

 見れば、魔物はなかなか無残な姿である。
 銀色の鱗は所々皮膚諸共剥げ落ちて下の赤い肉が露わになり、
首筋には横一文字の大きな切り傷、爪まで一本へし折られている。
 それでも見た限りまだまだ元気なようではあるが、相当痛めつけられているようだ。   
   
 が、ルミナス達がやったとは思えない。

 彼女らが出立した時間からして、早くともまだフォレスティアの森に到着したばかりのはずだ。
 仮に全速力で急いだにしても、プチドラゴンがここまで来るには早すぎる。
 さらに言えば、剣と思しき傷はあるが、矢と思しき傷がない。
 シリルなら眼球一つぐらいは潰しているだろう。
 
「……ゲイツ殿かオーガスト殿が取り逃がされたのでしょうか?」

「おそらく両方だな。オーガスト老が爪をへし折り、ゲイツが首を落としそこなったと考えれば一応筋は通る。
二人がかりであそこまでやって取り逃がすのは考えにくいが……まあ、そういう事もあるだろう」

 二人がそんな分析をしている間に、プチドラゴンは海人達へとみるみる接近している。

 しかもその角度は鋭角で、どんどん高度を下げてきていた。
 大人しく通り過ぎる気はないと見ていいだろう。
 
「昼食の匂いに釣られているのでしょうか?」 

 すぐ横にある昼食の跡に目をやり、嘆息する。

 今日の昼食は沈んでいた海人の気分を少しでも盛り上げようと、ステーキにした。
 ルミナス直伝のステーキソースを使った為、香ばしく実に美味そうな匂いが庭中に広がり、未だその残滓が残っている。
 プチドラゴンの嗅覚なら、この鮮烈なまでの良い香りを遠くから嗅ぎつけてきたとしても不思議はない。 

「かもな。いずれにせよ、庭に着陸されたら迷惑だ。
とりあえず場所を移させてもらおう」

 気負いなく語ると、海人は魔法の詠唱を始めた。

 朗々と、淀みない高速の詠唱が周囲に響き渡る。
 プチドラゴンはそれを気にした様子もなく突き進んでくるが、海人と刹那もそれを泰然と眺めている。
 そしてプチドラゴンが屋敷に到達する前に、屋敷上部に大きな一枚板の障壁が現れた。

 直後、轟音と共にプチドラゴンの巨体が障壁に衝突するが、光り輝く壁は健在。
 たわむ事すらなく、何事もなかったかのように佇んでいた。

「あの、この障壁の上で戦うのですか?」

「まさか。これの持続時間はさして長くないし、いちいち上るのも面倒だ。ま、見ていろ」

 訝しむ刹那に不敵な笑みを返すと、海人は障壁の向こうに意識を向けた。

 そこには、一向に歯が立たない障壁を一心不乱に蹴り、爪で引っ掻き、炎を浴びせている魔物の姿があった。
 それらがまるで通じない事が更に怒りを煽るらしく、攻撃はどんどん激しさを増していく。
 雄叫びを上げながら炎を吐きだし、蹴り、爪、尾、などをまるで大嵐のような速度で叩き付けている。
 どれほどやっても、微塵も揺るがない障壁に対して。

 海人はその様を一瞬哀れむような眼差しで見つめるが、すぐに気を取り直した。
 そしてひっきりなしに攻撃を浴びている障壁に意識を向ける。

 ――――その直後、轟音と共にプチドラゴンの体が激しく宙を舞った。

 超重量の巨体がグルングルンと回転しながらまるで玩具のように吹っ飛び、屋敷の外へと消えていく。
 やや間を置き、地を揺るがすような振動が離れた場所から響いてきた。

 海人はそれに薄く笑みを浮かべると、唖然としている刹那を引き連れてプチドラゴンを追いかけた。 

   
 
  






テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

コメント
桁違い
文字通りの意味です。桁が違いすぎます。いっそ理不尽なほどに!
[2013/01/14 20:58] URL | masaca #aoeeH.Ps [ 編集 ]

初めまして(^-^)
友人に進められて、読み始めたのですが、本当に面白いです。
これからもゆっくりでもいいので、更新頑張ってください(^O^)

P.S.
もしかして、川上稔さんの「終わりのクロニクル」読んでいませんか?
読んでいて、主人公の思考が似通っている部分があったので…
違っていたらすみません(>_<)
[2013/01/15 01:34] URL | 本の虫 #nJIxJg8E [ 編集 ]


更新有難うございます。今回も楽しかったです。

今回はラストの刹那さんとのイチャラブシーンが印象的でした。もうすでに恋人以上夫婦未満の甘さでした。

海人さんの開発魔法も凶悪でしょうが、なるほどこの世界では宝石も立派な武器なのですよね、大粒のダイヤ・・・どのくらいの大きさかわかりかねますがこれまた凶悪ですね。

刹那さんの刀はルミナスによって高級品になってますが、雫の小太刀は強化しないのでしょうか?シェリスさんに交渉や対価を渡たし見せてもらえば創造魔法で創造し放題になりますし、身内に甘い海人さんならありえそうですが?

最後の魔法は私にはさっぱりわかりませんでした(泣)素直に次回をきたいさせていただきます。

今回もたのしかったです。応援しかできませんががんばってください。
[2013/01/15 21:11] URL | Mito #PW.NeanM [ 編集 ]

行間空けすぎじゃ・・・・・・
 場面が変わるシーンにしてもこれは・・・・・・

 いつもこうですっけ? 画面スクロールしても変わらず真っ白で、一瞬何事かと

 内容は面白かったです。 特にケルヴィンの今後が(ぇw
[2013/01/15 23:34] URL | 冥 #heXXx5yE [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2013/01/19 14:02] | # [ 編集 ]


ケルヴィンの落ちが気になりますね。
きっと会話が弾んでも周りの意図しない行動によってお友達でいましょうとか言われるんでしょうな。

[2013/02/07 16:18] URL | 煉恋々 #o4W8VZCs [ 編集 ]


コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://nemuiyon.blog72.fc2.com/tb.php/279-db1e4204
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

九重十造

Author:九重十造
FC2ブログへようこそ!



最新記事



カテゴリ



月別アーカイブ



最新コメント



最新トラックバック



FC2カウンター



検索フォーム



RSSリンクの表示



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QRコード