ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。うーん、どうしても主人公の影が薄くなってしまう(汗)
というわけで番外編です。

海人の屋敷の日常風景の一幕になります。
時期的には第六部後を意識しています。
かなり急いだのでいつも以上に細部が粗いかもしれませんが、広い心で読んでいただけると幸いです。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


hatchさん

ロボットですが、擬態させるのは子供の護衛の意味が強いです。
外見同じ年齢の子供だったら狙ってくる相手にも警戒されないでしょうから。
それに、感情を持つロボットの存在がバレたらまた揉め事の種が増えるかと。
ただ、三原則なんて付けるはずもないですから自衛は余裕でしょうが。

ロボットをロボットのまま大事に出来る、という意見には賛成です。
私も現実にいたら楽しそうだと思いますし。

masacaさん

うーん、以後の事考えるとやはり暗かったでしょうか(汗)

名無しの権兵衛さん

ローラの反応……ひょっとすると本編で出るかもしれません。

yuverille63さん

基本家族愛の強い男です(勿論妻はその中でも別格でしたが)
ロボットに関しては、いずれ本編で出ると思います。

らいらっくさん

海人の心配性とかはかなり根強いです。
両親失踪から散々な目にあって、ようやく落ち着いたらあれですから。

ロボットは……スペック的には人類に反旗翻しそうな気もしますね。
愚かな人類を管理してやるとか言いだしたりしそうな感じです(汗)

hさん

仰るとおり、これが全ての元凶です。
子供の為に開発を始め、その過程で妻子を失ったわけです。



さて、次話ですが……主人公は第七部終了までに活躍できるだろうか(汗)
一応見せ場はあるんですが、このままだと彼絡みの戦闘場面が静かに終わりそうで怖いです。
もうちょっと何とかできないか色々考えようと思います。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。








 番外編。




 海人の屋敷の食堂。
 ここでは毎日のように多種多様な料理が並ぶ。
 王侯貴族でさえ食した事が無いような高級食材をふんだんに使った贅沢な逸品が出る事もあるし、
しみじみとした素朴な味わいで毎日食べたくなる料理もあるし、
我を忘れて一心不乱に貪ってしまう程食欲をそそる料理が出る事もある。

 その最大の要因は言うまでもなく海人の創造魔法にあるが、ルミナスの力も忘れてはならない。
 多種多様なレパートリーと毎度毎度新作料理を思いついて直ぐに作る彼女がいればこその、豊かな食卓だ。
 元々はルミナスが作らない日もあったのだが、最近は膨大な食材に刺激されたのか、
はたまた別の要因か他の人間の食事当番の時にも横で作っている為、彼女の料理が全く食卓に出ていない日はほぼ無くなっている。
 
 付け加えると刹那は純粋な向上心から、雫は破滅的な料理の生産者であった姉に抜かれまいと、
そしてシリルは愛するルミナスと共にいたいと、各々の理由で海人以外の全員がほぼ毎日料理をしているせいもあるのだが、
その三人合わせた数よりもルミナス一人で作っている種類の方が遥かに多い。

 おかげで毎回毎回この食堂のテーブルは大量の料理で埋め尽くされるわけだが、
海人を除けば鍛錬を欠かさぬ食欲旺盛な武人集団。
 一品一品大目に作られた料理も、意外にあっさりと無くなってしまう。

 そして――――足りない場合は不埒者が出る事もある。

「あ!? こら雫! 私の分を取るな!」

「もぐもぐ……ん~、やっぱこの海老料理美味しいですね」

 主の皿から奪った料理を飲み込むと、雫は満足そうに笑う。
 それはとても可愛らしく、思わず許してしまいそうになる魅力に満ち溢れていたが、
海人はふざけた真似をした部下の両頬を引っ張った。

「雫、一応主である私の食事を奪って、言う事はそれだけかな?」

「御馳走様でしたー♪」

「ほほう、喧嘩を売ってるという事でいいな?」

「あっはっは、冗談ですってば。ほら、肉野菜炒めあげますから。はい、あーん♪」

 こめかみをひくつかせた主に臆する事無く、雫は自分の皿に乗っている肉野菜炒めを箸で掴み、海人に差し出した。
 海人は半眼で雫を睨みながらも、軽く口を開ける。

「むう……美味いがあの海老には及ばんな」

 よく噛んで味わった後に海人から出てきた言葉は、落胆だった。
  
 肉野菜炒めも、美味いには美味い。
 油通しを行い、しっかり濃いめに味付けされたそれは良い味をしているし、
雫も味のバランスが一番良くなるよう肉と野菜の量を調整して口に運んでくれた。

 だが、雫に奪い去られたあの海老料理には及ばない。

 少し前にルミナスが作った新作料理なのだが、海老自体の味付けもそれに付けるソースの味も、
作った当初より格段に美味くなっている。
 作るたび海老はその甘味を更に引き立てられ、ソースは味のバランスを崩さない程度に濃密さを増し、
それを組み合わせた料理の味は堪えられない程に旨味を増しているのだ。
 今日など、味にさしてこだわりの無い海人が、勿体無いから最後の一匹はじっくり味わおうと思っていたほどだった。

 肉野菜炒めが美味くとも、あれを奪われた事を許せるほどの味ではないのだ。

「はいはい、また作ってあげるから怒らないの。ってか、私の分あげようか?」

 珍しく、食事絡みで恨めしそうにしている海人を苦笑しながら宥めるルミナス。

 この海老料理はルミナスにとってもお気に入りだが、
海人がここまで執着してくれるのなら譲るのはやぶさかではない。
 惜しくないと言えば嘘になるが、味に頓着しない彼がそこまで気に入ってくれたというのはそれほどに嬉しい事なのだ。

「遠慮する。君の分を貰っても後味が悪そうだからな」

 苦笑しながら、海人はルミナスの提案を断った。

 これがルミナスの好物でもあるというのは、良く知っている。
 彼女は自分の料理を食べた際、上手く出来ていると顔が分かりやすい笑顔になるのだが、
この海老料理は毎度毎度本当に幸せそうな表情になるのだ。

 ――――譲ってもらうと、後で強烈な罪悪感を感じそうな程に。

「では、私のを差し上げましょうか? 
カイトさんがこうも執着するのは珍しいですし、構いませんわよ?」

 ルミナスに続きシリルが同様の提案をするが、海人はそれも断った。
 
「同じ理由で遠慮しておく――――という事で、雫は後でくすぐり十分だ」

「いいいいいっ!? ちょ、十分は流石にきっつすぎるんじゃないでしょうか!? せめて三分に!」

 海人から下された判決に、雫は必死で減刑を懇願した。

 普通なら軽い罰なんだろうが、海人のくすぐりは次元が違う。
 なにしろ、あの姉が身も蓋もなく泣き叫んで慈悲を求めた程だ。
 時間はたかが十分だが、それでも気が狂いかねない。
 つまみ食いの罰としては、いくらなんでも厳しすぎる。

 ―――実は本気であれば三分以内に発狂した人間もいるのだが、雫がそれを知る由もなかった。

「だそうだが、刹那はどう思う?」   

「即座に減刑を求めるあたり反省が足りないようですので、加減して三十分でもよろしいかと。
無論、途中逃げようとしたら拙者が殴り倒し、再び最初からという形式で」

 主の問いに、刹那は粛々と答えた。
 妹を救うどころか、地獄の底に叩き落とすような言葉を。

「お姉ちゃぁぁぁぁぁん!?」
 
「よりにもよって海人殿の皿から奪ったお前が悪い。
拙者のを狙っていればお前が次に取った料理を奪うだけで済ませてやったものを」

 悲鳴を上げる妹に構う事無く、食事を進めて淡々と語る。

 実質的には上下関係などないに等しいが、一応海人は二人の主だ。
 最低でも形式的には敬意を払うべき対象であり、ましてその皿から物を奪うなど言語道断である。
 付け加えるならルミナスとシリルは客人なので、この場で狙うべきは刹那しかない。

 正論すぎる言葉にがっくりとうなだれかけた雫だったが―――次の瞬間、慌てて顔を起こした。

「いや待った! そもそもお姉ちゃんが買ってきた海老の半分を踏み潰さなければこうはならなかったでしょ!?」

 妹の口から放たれた言葉に、刹那の全身から冷や汗が噴き出した。

 そう、今日料理された海老の数は買った量の半分。
 準備をしている時に肘で海老の入った袋を床に落としてしまい、
続けて足を滑らせて袋を踏み潰してしまったのだ。
 袋越しだったので使えない事はなかったが、踏まれた物は身が完全に崩れてしまったので、
他のスープの出汁などに使われ、海老本体の数は激減してしまったのだ。 

 そして――――刹那はそれを海人に報告しそびれていた。

「ほう、結構高かったと思うんだがな、あの海老」

 嗜虐的な笑みを浮かべ、刹那の顔を覗き込む。
 先程までの少し拗ねた雰囲気はどこへやら、完全に楽しんでいる雰囲気だ。

「も、申し訳ございません! 弁償はさせていただき――――」

「なに、それは君が値切ったから半額だったし、値切らず買ったと思えばいいだけの事だ。
ただ、いかなる事情でも食べ物を粗末にしてはいかん。
ついでに言うと君はそういう事故で食材を駄目にする事が少なくないから、尚更戒めが必要――――そう思わないかね?」

「……そ、それは、勿論です」

 肩を落とし、刹那は怯えの滲んだ声を返した。

 海人が何を企んでいるのか、既に察しはついている。
 というか、この嗜虐趣味の主がこの状況で考えている事など他にない。  
 
 それでも、自分が地獄行きになると分かっていても、刹那は突き進む以外なかった。
 言っている内容自体は正論という事もあるが、そもそも悪戯好きで無駄に頭が回る海人相手では、
下手に足掻けばより厳しい罰を下す口実にされかねない。

「というわけで、両方くすぐりの刑に処す。
意図してやった雫は十分、悪気は皆無な刹那は一分だ」

 楽しげな口調で、海人が判決を下す。

 その内容に、刹那は僅かに戸惑った。
 雫と同じく十分と言われなかった事への安堵と、一分でも充分地獄という現実への絶望の狭間で。
 喜ぶべきか悲しむべきか、少しだけ迷ったのだ。
 
 が、それも一瞬。
 少し考えれば、喜ぶのも悲しむのもありえない事だ。
 
 そもそも、雫が余計な事を言わなければこうはならなかった可能性が高い。
 あれで海人は甘いので、嗜虐的な面が表に出ていない時であれば、
失態を知られても軽く窘められる程度で済んでいた可能性が高いのだ。
 少なくとも、くすぐりのような厳罰はありえなかっただろう。
 最悪でも、潰してしまった海老の代金を給料から引かれる程度だったはずだ。

 つまり、やるべき事は喜ぶでも悲しむでもなく――――巻き込んだ元凶に怒る事。
 
「雫、よくも……!」

「死なば諸共だよ……!」

 主を挟んで睨み合う護衛姉妹。
 食事中である事も忘れ武器に手をかけそうになったが、

「はい、そこまで。食事は楽しく。カイトも遊ばないの」

 ルミナスが二人の額に放ったコインによって、強制的に止められた。
 
 二人が額を押さえて蹲りながら横を見ると、海人も額を押さえている。
 どうやら、彼もコインをぶつけられたらしい。
 
「っつ~~~~、別に遊んでたわけじゃないんだが……?」

「嘘言わない。どーせあんたの事だから二人をからかうだけからかって、
後で思いついたように適当な理由つけて罰軽くするつもりだったんでしょうが。
今更その性格直せとは言わないけど、食事中はやめなさい」 
 
 海人の抗議を、ばっさりと切り捨てるルミナス。
 
 ルミナスの指摘に、海人の目が泳ぐ。
 見慣れていないと分かりづらい程度の変化だが、どうとぼけようか考えている時の仕草だ。
 ルミナスはそれを許さんとばかりに身を乗り出し、海人の顔を見つめる。
 数秒膠着状態が続いたが、彼女の視線に若干険が宿ったところで海人が根負けして頭を下げた。

 それを眺めながら、刹那と雫は思う。

(流石ルミナス殿というべきか……よく、あそこまで海人殿の思考を読めるものだ)

(なんのかんので、一番海人さんの手綱握れてるのルミナスさんなんだよねー)
 
 まだまだ主に対する理解がルミナスに及ばない現実に、護衛二人は密かに溜息を吐いた。
  
  
 
 
 
  
 
 
 
コメント

本当にこの番外編は和むな~

カイトは本編での存在感が半端ではないので、番外編ぐらい薄くても良いと思う・・・・・・
[2013/03/03 23:50] URL | 飛べないブタ #t50BOgd. [ 編集 ]


ふと思いついたのですが、復活したリリー嬢の地元での戦いぶりを番外編で見てみたいです。喧嘩になったとき、男の子は大事なところを守る方法を見つけれたのかも気になりますしね。
[2013/03/04 03:25] URL | 名無しの権兵衛 #IO3e0EY. [ 編集 ]


この主人公はスペック的には黒幕系なんだから表に出ないでもいいのでは?
途中に存在感が無くても最後の最後で存在感を見せられませんか?もしできるならそれでも十分な気がします。

番外編は、最後のやり取りがカップルや夫婦と言われたら納得するしかないやり取りだとお互い気付かないんですかね。
[2013/03/04 09:25] URL | fuji #viWYSvG2 [ 編集 ]


というか、食べたければまた複製すればいいんだよねえ
まあ、しないのだろうけど
[2013/03/05 00:31] URL | h #- [ 編集 ]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2013/03/05 07:22] | # [ 編集 ]


いや、海老だから複製できなくないか?
生き物は複製出来ないし。
[2013/03/05 12:19] URL | 名無しのフィール #- [ 編集 ]


潰したなら、つみれ状(”しんじょ”でしたっけ?)にして食べればいいじゃない。by.俺
[2014/01/20 03:54] URL | マリーアントニオイノキ #- [ 編集 ]


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