ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。
というわけで番外編です。
時間軸的には本編前になります。

では、コメント返しさせていただきます。

sunnyさん

樹液の酸味緩和は確かに海人なら出来そうですよね。
ただ、化学的な知識のみで解決できるとは限りません。
魔力なんて謎パワーが一般的な世界ですし。
ユグドラシルの樹液に関しては、そのうち掘り下げるかもしれません。

 さん

罠の連鎖が凶悪すぎた、が正解です。
刹那達の能力に合わせた凶悪な罠なので、回避が精一杯だったわけです。
ついでに言うと海人のいる区画は狭く、障壁掠めるぐらいはしているので非常に分かりづらいです。
最後の最後で気づいたのは、極限状態で集中力が跳ね上がったからですね。

ぬさん

番外編続き物でも毎週更新可能だと思います。
本編で使いづらいネタも使いやすいので。

本編は色々と制約が増えてきて、ちょっと作者の頭が破裂してます。
気長にお待ちいただけると幸いです。


81話ネタは出るのに、話が流れない……没ネタの量が凄い事になってます。
多分場面ごとの切り方が悪いんだと思うんですが、どう直せばいいのやら。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。



 




 番外編


 草原に、剣戟の音が響き渡っている。
 常人離れした剣速で交わされる刃の音は、ほとんど途切れる事がない。
 その音量などに慄き、周囲からは動物はおろか魔物の姿さえも消え去っていた。
 
 が、その音源たる二人はそんな事を気に留めた様子もない。

「ほら、足元お留守よ?」

 世間話でもするかのような暢気な語り口のまま、ルミナスがシリルの足を払った。

 口調とは裏腹に恐るべき鋭さを持つその足払いは、
若干不安定になっていたシリルの体勢を事もなげに崩してしまう。
 
 が、シリルは咄嗟に払われた足とは逆の足を使って体勢を立て直そうとし、

「ここは無理に体勢立て直しちゃ駄目なとこね」

 すかさず放たれたルミナスの打ち下ろしによって地面に叩きつけられた。

 剣の腹で殴られた為殺傷力は低かったが、ダメージは大きい。
 咄嗟に肉体強化を一気に高めはしたのだが、それでも全身が痺れている。
 
 地べたに這いつくばりながら息を荒げている部下に、ルミナスは静かに語りかけた。

「足払われてあんな反応が出来る事は良いけど、あの場合は払われた勢い利用して地面転がるのが正解よ。
それなら、今の私の攻撃は当たらなかったわ」

「き、肝に銘じますわ……」

 痛む体を起こしながら答えるシリル。

 ルミナスの言葉は、この上ない正論。
 先程は体勢を立て直そうとしたはいいものの、その為に僅かに硬直し、かえって大きな隙を生んでしまった。
 あれならば、バランスを崩した方向に前転でもした方が場を切り抜けられた可能性は高い。
 逃げる方向は悟られやすくなるが、勢いがついている分動きは速くなるし、
シリルは小柄なので体を丸めていれば攻撃が多少当たりにくくなる。

「あと、追い詰められると逆転策考えようとして思考に意識割かれすぎるのも悪い癖ね。
逆転策考えんのは良いけど、それは一端間合い離してから。
追い詰められた苦し紛れの状態じゃどんな上手い策だって成功はおぼつかないし、
あんたの場合それ考えてるせいで明らかに動きが鈍くなってる。
策実行する前に斬られたら何にもならないでしょ?」

「はい……」

 更に突きつけられた言葉に、シリルは肩を落とす。

 これもまた、反論の余地がない言葉。
 シリルは接近戦で追い詰められると、思考に気を取られ過ぎるきらいがある。
 無論状況を打破する手法を考える為ではあるのだが、そのせいで動きが鈍くなってしまっては本末転倒だ。
 いかに見事な策を考えていたところで、実行前に殺される可能性が高くなってしまう。

 しゅん、としょげてしまった部下に、ルミナスは更に言葉を続けた。

「でも、剣技自体は良い感じで上達してるわ。あんだけ打ち合えたのは大したもんよ。
それに、体術も良くなってきてるわね。たまに蹴りとかも混ぜられるようになってるし」

 優しく微笑み、シリルの頭を撫でてやる。
 
 決して、世辞を言っているわけではない。
 まだまだ未熟ではあるが、シリルの剣技の伸びは大したものだった。
 僅かずつではあるが、毎日毎日着実にルミナスと打ち合える時間が伸びているのだ。
 体術の方も、つい最近までは回避にしか用いる事が出来なかったのが、
反撃にも使えるようになってきている。
 ルミナスに届くまでは非常に遠いが、先が期待できる事は間違いない。

 最後の最後で与えられた称賛にシリルは、ぱぁっと顔を輝かせた。

「ああお姉さま! それほどまでに認めて下さるのでしたら是非御褒美が欲しいですわ!
そう、具体的には―――」

「却下」

「まだ何も言ってませんのに!?」

「どーせまた、キスしろだの胸に飛び込ませろだの言う気でしょーが。
私に同性愛の趣味は無いって何回言わせんのよ」

 疲れたように溜息を吐くルミナス。

 シリルの事は決して嫌いではない、というか可愛がっているのだが、こればかりは譲れない。
 ルミナスの夢は将来素敵な男性と幸せな家庭を築き添い遂げる事。
 断じて、素敵な同性と禁断の愛に溺れる事ではない。

「あら、私も同性愛の趣味はございませんわよ?
ただ恋をした御方がたまたま同性だった、それだけですわ。
つまり本当の意味で性別の壁すらも越える愛……素晴らしいと思われません?」

 キラキラと輝くような笑顔で語るシリル。

 誤解される事が多いが、シリルは生粋の同性愛者というわけではない。
 あくまでも好きなのがルミナスというだけで、他の女性には興味がないのだ。
 ルミナスを愛するあまり性別の壁を無視しているだけなのである。

 とはいえ、それを向けられる側としてはたまったものではない。

「相手に全くその気がないってのに押しつける愛ってのはどうかと思うけどね。
むしろ相手の事考えて素直に身を引くべきじゃないの?」

「ふっ……相手にその気がない程度で諦めるならば真の愛とは呼べませんわ。
その気がなくとも押して押して押しまくり、水滴が大岩を穿つかのように突き抜けてこそ愛!
あるいはじわじわと気付かれぬよう端から自分色に染めていき、最後には全てを染め上げる!
そんな根気あればこそ真なる愛ですわ!」

「……毎度の事だけど、あんた犯罪者スレスレよね」

 熱弁する部下に、頭を抱えるルミナス。

 毎度毎度、この調子である。
 いくら言っても、シリルはルミナスの言葉を受け入れない。
 受け入れないなら受け入れるまで攻め続ける、というある意味潔い姿勢を貫いている。
 見方によっては純粋とも言えるかもしれないが、ストーカー気質と言った方が適切だろう。

 もっとも、ルミナスを本気で怒らせるような事はしないのでギリギリ踏み止まってもいるのだが。

「お姉さまと結ばれる事が出来るならば、犯罪者上等ですわ!
例え騎士団に追われようと全て射殺し、軍隊に追われようと壊滅させてみせましょう!」

「躊躇いなく国家権力に喧嘩売れるってのも大概よねー。
これで私に恋人出来たらどーなる事やら……」

「その点は御安心を。万一そんな事があってもお姉さまに愛される資格があるか試すだけですわ」

「ありゃ? ちょっと意外ね」

「私はお姉さまを不幸にしたいわけではありませんので。
とはいえ……両手両足を矢で貫かれながらお姉さまへの愛を毅然と叫べるぐらいは最低条件ですわよ?」

 にたり、と顔に似合わぬ邪悪な笑みを浮かべながら物騒な事をのたまうシリル。   

「いやいやいや、厳しすぎるからね!?
その条件だとまず武人系しかいなくなるから!
つーか相当意志の強い武人でも厳しいでしょそれ!?」

「真にお姉さまを愛していればその程度の苦難で愛を叫べぬ事は無いでしょう。
少なくとも、私ならばやってのける自信がございますわ」

「……ヤバい、否定できない」

 余裕の笑みを浮かべるシリルに、頭を抱える。
 
 内容云々はともかく、シリルの思いの強さは尋常ではない。
 必要とあらば、シリルは両手両足が千切れていてもルミナスへの愛を叫ぶだろう。
 
 そしてその彼女を押しのけるなら同等の愛を示せ、というのは分からなくはない。
 自分程の思いを抱かぬ人間に愛する人間を奪われるなど、許せないだろう。

 が、それに納得してしまうとなると、

「このままじゃ私一生独身確定になんじゃないの……!?」

「大丈夫ですわ! このシリル・メルティならばいつでもどこでも24時間お姉さまを受け入れます!
クローゼントルート共和国などは同性婚が認められておりますし、何の問題もございません!」

「だから、私は普通に素敵な男の人と結婚したいんだってばぁぁぁぁぁっ!」 

 どこまでも我が道を貫こうとする部下に、ルミナスは思わず絶叫した。
 
 
 
   








   
コメント
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[2014/06/23 02:32] | # [ 編集 ]


本編苦労なさってるみたいですね。番外編とはいえ毎週更新はお疲れ様です。
ただ、このままだと本編は1年に3~4話くらいしかすすまなそうなのが残念かな。作者さまの趣味で書かれてるものでしょうから、好きに書いてもいいと思うんですけど個人的には本編が待ち遠しいです。あと心配なのが、番外編とかの話しを書き続けると本編で使うネタなども使ってしまい、さらに本編が進まなくなる人がいるらしいので心配です。
まぁ毎週番外編かかなくても1ヶ月くらい休んで本編書いてみたりするのもいいんじゃないかなーと私は思います。
それではご無理のないよう執筆してください。楽しみにお待ちしています。
[2014/06/23 09:38] URL | あると #- [ 編集 ]


さだまさし御大の恋愛症候群という歌の歌詞を思い出しました。
「求め続けてゆくものが恋 奪うのが恋」
「与え続けてゆくものが愛 変わらぬ愛」
はてさて、自分勝手なシリルの情動は、愛と呼べるのか否か
まあ、大概シリルのルミナスラブコールのシーンは半分ギャグパートみたいなもののようなので、そこまで深くツッコむ必要もないかもしれませんが
[2014/06/23 18:58] URL | mkn #YUeu7SAQ [ 編集 ]


いつもながら面白いですね!
みんなのやり取りにほっこりします(笑)

更新ですが、無理をなさらずゆっくりやればよろしいかと。
いっそ宣言してから2週くらいゆっくり休まれてはどうですか?
いくらネタはできるとしても毎週出してはそこにすら焦りが出そうですよ(汗)
[2014/06/25 12:02] URL | ファラ #m3jgXtj6 [ 編集 ]


ルミナスは果報者なのだろうか……苦笑


本編では語られないのでしょうけれど、ホワイトデー番外編などを読むと、両親がどうして失踪してしまったのか少し気になってきますね。
でもなんだか納得。親からあのくらい愛されていたからこその為人なのだなと。
[2014/06/26 05:45] URL | #4Pe1hz52 [ 編集 ]


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