ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編……これで、お盆は空いたはず。
番外編です。
暗い、というか色々黒めの話です。
まあ、あの二人だとそう珍しくもないかもしれませんが(汗)
思いつきなんでいろいろ甘いと思いますが、寛大な気分で読んでいただけると幸いです。
またしても気が付けばこの時間……最近時間の感覚がおかしくなってる気がします。

では、コメント返しさせていただきます。

Dさん

一応、今回の番外編ローラ出てます。
主体はシェリスですけど(汗)

おさふねさん

おお、粋ですね~。
蕎麦屋ってお酒飲むにはメニューがぴったりですよね。
締めにざるも捨てがたいですが、私の場合腹具合によっては天ざるを頼んだりします(汗)

 さん

雫の小太刀ですが、そんなに切羽詰まってる状態ではないです。
まだしばらくは命預けられるけど、念の為ここらで買い替えておきたいってとこですね。
今は海人に頼んで結構こまめに変えてます。良い刀ではあるので。

 さん

ご指摘ありがとうございます。
該当箇所、次回更新時にでも直したいと思います。

面目ないです。
スランプっぽいのに加え最近はリアルの事情まで絡んでまして。
お盆で一気に書き上げる予定です。

 さん

あの場面で彼が水魔法頼んだのは、無抵抗をアピールするためです。
タオル出すぐらいなら攻撃に移る動きではないと見逃してもらえますが、
魔法使うと攻撃魔法と間違えられて叩き斬られるリスクありますから。

彼の奥の手については、まだ出てない設定絡みです。



さて、土日までぶっ潰れましたが、お盆休みは一応確保できました。
今私生活で問題が発生してるので断言はできないのですが、
上手くすれば三日ほど丸々執筆に費やせるはずなので、一気に書き上げていきたいと思います。
毎度遅筆ですが、気長にお読みいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。



 番外編


 広い室内に、声が満ちている。

 折れた両足を抱えてのたうち回る声。
 砕けた肋骨の痛みに悶え苦しむ声。
 手足の関節を破壊され呻く声。

 全てに共通しているのは、苦悶。
 室内は並の精神では五分と滞在できない程の苦悶の声で満たされている。
 
 そんな地獄のような風景の只中で、シェリスが口を開いた。

「ローラ、何人かまずそうなのもいるみたいだけれど、大丈夫なのかしら?」

「御心配なく、命には別状ありません。
この程度の輩に加減を間違える事はありえませんので、御安心を」

 主の問いに粛々と答えるローラ。

 そう、この程度の連中に加減を間違える事などありえない。
 現在地を這っている者達は、この地では少しばかり名の知れた盗賊団。
 狙うのは主に小規模で碌な戦力を持たない村だが、それでもしくじって仲間を失う事がある程度の連中だ。

 ローラにとっては、生殺与奪は当然ながらどう生かしておくかも選べる程度の虫けらでしかない。

「ぐうぅっ、て、てめえら、こんな事してただで済むと……」

 両足を折られた男―――盗賊団の頭領が、憎悪も露わに二人を睨みつける。

「その言葉そっくりお返ししましょう。我が国において強盗は重罪。
死者を出せばその段階で死刑がほぼ確定する程に。ただで済むと思っていたのですか?」

 憎悪に満ちた男の声に動じる事もなく、シェリスは淡々と訊ね返した。

 この盗賊団の強さは大した事がないが、それでも無辜の民に死をもたらす事ぐらいは出来る。
 これまで襲った村で死者の数は五十を超えており、裁判に掛けられれば全団員の死刑が確定する。
 付け加えると、弱体化しているこの国の騎士団でもこの程度の盗賊団の討伐は十分可能なので、
騎士団が派遣された段階で末路は決まってしまう。

 だというのに、この盗賊団は活動に慎重になるどころか狙う村の規模を大きくし始めていた。
 よしんば上手く進み続けたとしても、ただで済むはずがないというのに。

「はっ……俺達にゃあ、強力な後ろ盾が、あんだよ……へへっ、後で覚えてやがれよ……?」

「ふふ……たかがこの地を治める子爵の後ろ盾如きで粋がるあたり、つくづく三流ですね?」

「なっ!?」

「その程度の調べがついていないとでも思いましたか?
ローセン子爵に略奪品の半分を上納する事で、貴方達は今まで摘発を免れてきた。
たまに事情を知らぬ騎士が捕らえても、その後彼の圧力で解放される……まったく、下らない」

 これ見よがしに肩を竦め、近くに転がっていた粗末な木製の椅子に腰かける。
 その態度にはあからさまな侮蔑の念が表れていた。

「てめえ……何もんだ……?」

「シェリス・テオドシア・フォルンと申します。意味、お分かりになりますか?」

「な、なんだと……!?」

 男の顔に、驚愕が浮かんだ。

 以前社交界の噂をローセン子爵から少し聞いた程度だが、
それでも今の状況が絶望的であることは分かった。

 シェリス・テオドシア・フォルン。
 フォルン公爵家の一人娘で爵位継承権こそ持たないが、ある意味現当主以上に危険な人物だ。
 爵位継承権こそないが、この国の社交界において聖女とも謳われる少女。
 正義感が強く、老若男女問わず人望が厚く、既に多くの貴族から求婚されているという。

 彼女がその気になれば、言葉一つでローセン子爵を破滅させる事も可能だ。
 数多いる有力貴族の求婚者を唆す、あるいはその人脈で追い詰めていく。
 彼女の人望なら、そう難しい事ではない。
 
「私が捕らえたとなればローセン子爵ももはや庇う事は出来ません。
貴方達の末路は既に確定しています……ですが、一度だけ救われる機会を与えて差し上げましょう」

 慈愛に満ちた微笑みを浮かべ、シェリスが人差し指を立てる。

「な、なんだ!? 何をしろってんだ!?」

「子爵との契約書です。いざという時の切り札として、持っているはずですね?」

「……契約書を差し出せば、見逃してくれんのか?」

「貴方達を救って差し上げる、そう言いましたよ?」

「……そこの椅子の、クッションの中だ」

 頭領が、観念したかのように部屋の隅にある椅子を指差す。

 シェリスはそれを聞くと、ローラに目配せをする。
 ローラは軽く頷くと、椅子のクッションの表面をナイフで切り裂いた。

「契約内容、サイン共に問題なし。本物のようです」

「そう、ならば私も約束を守らねばならないわね」

 そう言うとシェリスは微笑みながらゆっくり立ち上がった。

 その態度に、盗賊達の顔に安堵が広がる。
 どうやら約束は守ってくれるようだ、と。

 それに応えるかのようにシェリスはまず頭領の元に歩み寄る。
 ゆっくりと歩み寄るその姿は、まるで罪人に許しを与える聖女のようだ。

 そして頭領の前で立ち止まると―――ナイフで彼の首を刎ねた。

 ゴトン、と重々しい音がして、首が床を転がっていく。
 ほぼ同時に体も床に衝突し、思い出したかのように鮮血が噴き出した。
  
 何が起きたのか分からず男達が唖然としている間に、今度はローラが動く。
 愛用の二本のナイフを構え、目にも留まらぬ速度で部屋中を駆け回る。
 そして彼女の動きが止まった時、生きていた男達の首が一斉に床に転がり落ちた。

 全ての首が落ちた事を確認すると、ローラはゆっくりと口を開いた。

「今回はあまり上策とは言えませんね」

「あら、約束は守ったわよ? これ以上苦しまず死なせてあげたじゃない。
悶え苦しみながら死ぬ運命から救ってあげたでしょう?」

「そこではございません。今回は話の進め方がよろしくないのです。
相手が低能であったからよかったものの、多少頭の回る人間なら勘付かれたでしょう」  

 淡々と、シェリスの失敗を語るローラ。

 社交界におけるシェリスの評価は、聖女。
 それは立ち居振る舞いなどからも来ているが、清廉潔白なイメージに拠るところも大きい。
 そして、それは今までシェリスが表向きには荒事と関わっていないからこそ作れたイメージでもある。
 こんな血生臭い事態に関わったと知れれば、そのイメージは脆くなるだろう。

 そのイメージを守る為には、シェリスが捕らえたなどと誰かに喧伝できるはずがない。 
 
 そこまで考えられれば、後の推測は容易。
 同じ理由で目撃者である盗賊団を生かしておくとは考えられず、交渉後殺す事は明白。
 契約書の在処を探す為、希望らしき物を見せているだけだと見当がつく。

 どうせ交渉するのであれば、シェリスの身分は隠した上で話を進めるべきだった。
 
 例えばローセン子爵に個人的な恨みを持つ人間として振る舞っていれば、
恨みを晴らす事だけが目的なら見逃してもらえる可能性は高いと考えただろう。
 少なくとも、素性を明かした場合よりは見逃す気がない事を見抜かれる可能性は低かったはずだ。  
 
 とはいえ――――仮にシェリスが見逃さないと気が付いたとしても結末は大差なかったが。
 
 その場合、シェリスの言うとおり苦しみながら死ぬ羽目になっただけだ。
 契約書の在処を吐くまでローラが痛めつけ、吐かせていただけである。
 
「……そうね。まだまだ未熟だわ」

「それを補う為に、また貴女を成長させる為に私がおります。
とはいえ、成長には厳しさも重要です。帰りましたら、マリアと組手をしていただきましょう。
一撃入れられれば合格ですが、合格するか制限時間が終わるまでは何度でも叩き起こします」

「今まで一撃入れられた事ないんだけど!?」

 無情な罰に、思わず抗議するシェリス。

 ローラに鍛えられ始めてから二年程経ち、以前とは比べ物にならない程強くなった。
 それは事実であり、実感してもいる。
 魔物と戦っても、以前より倒す速度が明らかに早くなっているのだから。  

 が、それでも未だ最古参のメイド達には手も足も出ない。
 
 組手をする度ボッコボコにされ、一撃入れる事すら叶わず地に沈む。
 最古参の中では下位でしかない実力のマリア相手でさえ、それは同じ。 
 最近ようやく彼女に防御させる事に成功したと喜んでいたぐらいである。  

「では、今日は頑張って入れて下さい。
私の見立てでは、そろそろマリア相手なら一撃ぐらいのまぐれは起こりうる領域に入っているはずです」

 そう言うと、ローラは契約書を持って部屋を後にした。
 決定事項だから諦めろ、と言わんばかりに。

 その後ろ姿を見て、シェリスはがっくりと肩を落とした。

 
 
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