ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。
番外編です。
寝落ちしてこの時間になりました。
番外編セットも時間がないので今回作れません。
これから仕事なので、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


おさふねさん

プラン4として部下達も巻き込んでお祭り騒ぎして強引に休ませるってのもありですね。
ただ、シリルとしては可能ならプラン3を選ぶでしょうけど。


なんか、最近土日が潰れる事も多くなってきました。
今月中にはようやく身内の事情が片付きそうなので、
時間は作りやすくなると思うのですが、現状断言はできません。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。




 番外編


 海人の地下室にて、少し珍しい光景があった。

 といっても、海人がパズルゲームをしているのは珍しくはない。
 基本研究以外では地下室に入らない海人だが、雫から対戦相手になって欲しいとせがまれて相手をする事は多く、
そのジャンルは大体パズルなのだ。

 雫が燃え尽きているのも、特別珍しくはない。
 彼女は海人にゲームで挑んでも、毎回大人気ない主に返り討ちにされているのだ。
 そのいくら練習しても届かない圧倒的な差に打ちひしがれる姿は実に愛らしいが、
目新しい光景ではない。

 ―――珍しいのは、刹那がゲームをしている事。

 普段は主の側で黙して座っているだけの彼女が、
今日は真剣な目でパズルを組み立て、主に立ち向かっているのだ。

「……よし、やっときたか」

 画面を見ながらうっすらと笑う刹那。

 視線の先にあるのは、赤と青の花火玉が繋がった落ち物。
 ゲーム開始から積み上げてきた連鎖の起爆になる物が、ようやくやって来たのだ。
 
 ここまで、実に長かった。
 
 楽しそうな主と妹の姿を見てやってみたくなっただけだったのだが、
海人相手のゲームは傍目で見ている以上に大変だったのである。

 なにせ、ハンデとしてつけてもらった最初の妨害ブロックの山が瞬く間に消されてしまった。
 妨害ブロック自体も海人側は非常に消しづらい設定にしてあるというのに、だ。
 そしてあまりの速度に驚く間もなく、次々に妨害ブロックが送り込まれてきたのである。
 
 設定で海人が送れる妨害ブロックは通常の三割程度にしてあるのだが、
それでも矢継ぎ早に五連鎖以上を叩き込んでくる化物には大して役に立たず、
刹那は防戦一方に追い込まれた。
 
 が、それもここまで。
 
 妨害ブロックを消しながらどうにか積み上げた六連鎖は、逆転の切っ掛けには十二分。
 無論互角の条件ならこの程度はささやかな抵抗にすらならないが、
設定で海人に送られる妨害ブロックは七回花火玉を隣接させて消さなければ消えなくなっている。
 それでもすぐ消されてしまうだろうが、それまでに新たな連鎖を組み上げ止めを刺せれば勝てるはずだ。
 
 そう思って喜色を浮かべる刹那に、海人は苦笑する。
 
「忘れとるかもしれんが、私はまだ固有技を一度も使ってないぞ?」

「問題ないでしょう? そちらの固有技は直後の連鎖の妨害ブロック増加。
拙者の連鎖開始には間に合いません」

 答えながら、目当ての花火玉を狙い通りの場所に運ぶ刹那。

 海人の操作キャラの固有技は脅威だが、現状ではあまり意味がない。 
 次から次に長い連鎖を叩き込んでくる海人だが、今回は連鎖が終わった直後。
 新たな連鎖を積み上げるには多少時間がかかる。

 当然、今から始まる刹那の連鎖を防ぐのは間に合わない。
 そして実際刹那の予想した通り、海人側に大量の妨害ブロックが送り込まれた。

「おー、これはまた大量に送られてきたものだな」

 並の人間なら戦闘放棄してもおかしくない量の妨害ブロックを見ても、海人の顔に動揺はなかった。
 その表情は諦めて開き直っているなどというものではなく、どこか余裕を感じさせる。
 
「……ここから逆転できる、と?」

 訝しげな顔で、刹那が海人に尋ねる。

 いかな海人とはいえ、画面の半分が妨害ブロックで埋め尽くされた現状は厳しいはずだ。
 逆転不可能とまでは言えないのが恐ろしいところだが、それでも刹那が油断せずミスもなく連鎖を作っていけば負けはない。
 
 そう思っていた刹那に、雫が哀れみたっぷりの声で忠告をしてきた。

「……お姉ちゃん、全速力で細かい連鎖作ってさっさと叩き潰さないと駄目だよ。
あたしもやられた事あるけど、その状況はむしろ追い詰められてる」

「なに?」

「やれやれ……雫、そんなヒントを与えられては全力を出さざるをえなくなるじゃないか」

 海人は言葉とは裏腹に愉しげに嗤うと、次々に花火玉を積み上げ始めた。

 その速度は、先程までの比ではない。
 瞬く間に画面が埋まっていき、ゲームオーバー寸前まで花火玉が積み上がっていく。
 ただ出鱈目に積んだのではなく、次の大連鎖の為の布石であり、次の花火玉で七連鎖が完成する。

 今までですら完全に手を抜かれていた事を悟り、刹那の顔に焦りが浮かぶ。
 
「んなっ……!? くっ、しかしこの状況ならば……!」

 慌てつつも、刹那は冷静に連鎖を組み上げていく。
 いかなる速度で連鎖を組み立てようが、海人側には未だ大量の妨害ブロックが残っている。
 それが消える前に決着を着ける事は決して不可能ではない。

 そう刹那は己に言い聞かせていたのだが、海人は無情な宣言を行った。

「いや、これで終わりだ」 

 話しながら固有技を発動させ、ついでに連鎖を起こす海人。
 予定調和のように七連鎖が発動し、刹那の方へと妨害ブロックが送られた。

「――――は?」

 送られた妨害ブロックを見て、刹那が間抜けな声を漏らす。

 それもそのはずで、妨害ブロックが画面を埋め尽くしている。
 七連鎖程度では出せないはずの妨害ブロック、それもシステム上一度に送れないはずの量でもあった。
 唖然としている内に上から『敗北!』という文字が落下してきて、画面を跳ねまわり始める。

 そして何が起きたのか理解できない刹那の耳に、海人の解説が入ってきた。

「一応最初に説明したはずだが、このゲームは上の段で積み上げる程送れる妨害ブロックの量は多くなる。
そして、先程のようなゲームオーバー一歩手前ぐらいの状態での連鎖では、送れる妨害ブロックの量の制限が消える。
今のように一気に息の根を止める事もできるわけだ」

「な、な、なあぁぁぁぁぁあああああっ!?」

 ようやく状況を理解し、刹那は思わず叫んだ。
 勝利への一手だと思っていたのが、実は敗北への片道切符だったと悟って。  

「はっはっは、ちなみにあの場面だと二連鎖程度を積み上げて細かく妨害していくのが正しい。
妨害ブロックの強度が跳ね上がってたから、それをやられると負けてたかもしれん」

「あたし、それやっても負けましたけどねー」

 半眼で主を睨む雫。

 以前に雫も同じことを言われ、実行した事があった。
 上の方に積み上がった段階で小さな連鎖を重ね、ハンデを活用して一気に押し切る。
 それなら勝てる可能性はあると思っていたのだが、まだ甘かった。 
 
 妨害ブロックの設定は、落ちてこない限りは無意味。
 何度も隣接させて消さなければ消えないブロックも、待機状態なら同数のブロックで打ち消せる。
 そこを利用して、海人はその頭脳任せの二連鎖の乱打で押し切ってきたのだ。

 つまるところ、いかなる戦法を取ったところで勝てる確率は極少だと思い知らされるだけに終わったのである。

「当たり前だ。そう易々と勝ちを譲る程私は寛大ではない」 

 どこまでも規格外な知の怪物でありながら変に大人気ない男は、そう言って楽しそうに笑った。





  











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