ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編
短めですが、番外編です。
寝落ちして更新がこの時間になりました。
時間軸などは特に設定してません。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。

uk.-s@kmkw@fueさん

書籍化すれば、作者にそれだけの権限があれば、と二重の仮定を重ねる上に低確率な話ですが、
その場合は作者の好みで選びたいと思います。


次話、話の接合が上手くいってません。
どうにも一部場面切り替えに違和感がありまして、調整中です。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。





 番外編


 唐突だが、雫は自分の主はなんだかんだで心が広いと思っている。

 まず、多少の我儘は笑って聞き入れてくれる。

 何か食べたい物があると言えば大概は創造魔法で作ってくれるし、
その使用を厭う事も特にはない。
 絶大な彼の魔力を持ってしても消費が大きい魔法だというのに、奇特な話だ。
  
 失敗についても、寛容だ。

 刹那が掃除の練習と称して屋敷を破壊しようが、すぐロボットを使って修復。
 自らの手で修復するよりは楽とはいえ、毎回必要なデータを入力するのはかなりの手間のはずだ。
 夕方に始めても夜には平然と終えているし、その間巧みに刹那を地下室に近寄らせないようにしている為彼女は気付いていないが、毎回毎回結構な作業量をこなしている。
 にもかかわらず、刹那に練習をやめろと言った事は一度もない。
 
 皮肉屋で性格も捻くれてはいるが、基本的には甘い主。それが雫の海人に対する評価だ。
 なのでついつい、色々と甘えてみたくなる。

「海人さ~ん、そろそろ一緒にお昼寝しませんか~?」

「後でなー。うーむここは……アルスルト図形とストライア系魔法文字の併用……いや、
それだとここのキウランス系魔法文字が使えなくなる……ストライア系ではなくメルズベルク系なら……」

 真剣な面持ちのまま雫の言葉を軽く流し、ぶつぶつとモニターに向かって呟く海人。

 現在彼がやっているのは、魔法術式の改良。
 光属性の攻撃魔法術式を、より高威力で消費魔力が少ない物に変えようとしているのだ。

 もっとも、元となっている術式はやはり自らが開発・改良した術式なので、既に十分すぎる性能がある。
 なにせ、攻撃範囲一つとっても他の人間が開発した術式の三倍以上。
 しかも意思一つで攻撃範囲の形状を変化させる事も可能で、
込める魔力量次第では最大範囲を更に三倍まで拡大する事も可能という出鱈目っぷり。 
 威力にいたっては素で十倍近いので、海人という理不尽を知らない敵なら、
ほぼ確実に発動と同時にこの世から消える事になる。
 
 とはいえ、それで十分と考えないのが海人という男だ。
 術式を開発・改良して達成感に浸っていたと思いきや、すぐさまそれを元にさらなる向上を目指す。
 それを繰り返す事でどんどん魔法の性能を飛躍させる。

 護衛としては非常にありがたい話だが、その作業にかかりっきりで何時間もほったらかしにされては、
個人としては複雑であり、つまらない。

「三時間前にもそー言ってたじゃないですかー。一息入れるのも大事だと思いますよー?」

 言いながらつんつん、と主の頬をつつく。
 拗ねているのか、微妙に強い力が込められている。 

「分かってい……三時間?」

「そですよ。昼食後からもう三時間たってます」

「ふむ、もうそんな時間か。キリも良いし、軽く休憩するか」

 軽く伸びをしながら、雫に向き直る海人。
 先程までとは違い、その表情には穏やかさがある。
 
「やーっとその気になってくれましたか。んじゃ、上に行きましょう」

「いや、出来ればここで短時間休憩するだけにしたいんだが……まだ途中だし」

 言いながら、モニターを見る海人。

 先程までの作業は、まだ終了していない。
 せいぜいが工程の半分といったところ。
 できれば今日中に終わらせたいので、一息入れるにとどめたいところだった。

「えー? さっき後でって言ったじゃないですかー。
どうせ休むんだったら昼寝に付き合ってくれてもいいんじゃないですかー?」

「うぐ……そ、そうだ昼寝じゃなく対戦ゲームはどうだ?
昨日はやってる間に夜遅くなったから、不完全燃焼だっただろう?」

「今の気分はお昼寝なのです。あったかいお日様の下でぐーぐー惰眠を貪りたいのです」

 主の提案を、迷う事無く切り捨てる雫。
 海人との対戦は惜しい気もするが、今の気分は昼寝。
 暖かな陽光の下でのんびりと眠りたいのだ。

「君一人でというのは……」

「却下です。ってか、一人でもいいならこんな長々と待ってません。
素直に付き合ってくれないと、作業再開した瞬間後ろからほっぺた引っ張っちゃいますよ?」

 ぷう、と頬を膨らませながら主を睨む雫。
 上目づかいのその表情は、容姿と相まってなんとも愛らしい。  

「やれやれ……分かった分かった。昼寝に付き合うとしよ―――って、どわっ!?」

 肩を竦めて溜息を吐きかけた海人が、突然悲鳴を上げる。

 その原因は、一瞬で背後に回り込みおぶさってきた雫。
 彼女は両腕を海人の首に絡め、満足げに目を細めている。 

「中庭までのおんぶを要求します。
後でと言いながら三時間も放置されたんで、昼寝に付き合ってもらうだけでは足りなくなりました♪」
  
「君は軽いし、別におんぶするぐらい構わんが……飛びつくのはやめてもらえんか?
危うくこけるところだった」

 文句を言いながら、雫を背負ったまま歩き出す海人。
 が、口とは裏腹に彼の口調には諦観が滲んでいる。
 
「以後前向きに検討させていただきます」

「……そこは素直にやめると言うべきところじゃないか?」

「ふ、あたしの信条は『いついかなる時も好き勝手』です。
あたしの自由を束縛するなんて、何人たりともできないのです。
やめる気皆無でも一応検討すると言ってるだけ感謝してください」

「手を離して落としてやろうかね、この悪ガキは」

 苦笑しながら、雫の右足を固定している手を離してみる。
 すると、彼女の右足は海人の腹の前へと回された。 

「ふっふっふ、離したところであたしは両手両足でしがみつくだけです。
落とされないようしっかりとしがみつきますんで、痛いと思いますよ?」

「ったく、しょうのない……それじゃ、さっさと……」  

 海人の言葉が、止まった。
 地下室から出た瞬間、聞こえてきた音のせいで。

「また花瓶ついでに床板も壊れたみたいですねぇ……我が姉ながら、進歩ないなぁ」

「いや、進歩はしとるだろ。前は十分で全壊だったのが、今は全壊だけは免れている」

「そもそも掃除で部屋を破壊するって事自体理解不能ですけどねー。で、どうします?」 
 
「……このまま刹那を誘って昼寝。で、起きたら修理用のデータ入力だな。
まったく、忙しい事だ」

 海人はそうぼやくと、何事もなかったかのように歩き始めた。
 おぶさっている雫がホント甘いなぁ、と苦笑している事には気付かぬまま。
コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://nemuiyon.blog72.fc2.com/tb.php/403-e0bece11
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

九重十造

Author:九重十造
FC2ブログへようこそ!



最新記事



カテゴリ



月別アーカイブ



最新コメント



最新トラックバック



FC2カウンター



検索フォーム



RSSリンクの表示



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QRコード