ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編
番外編です。
正直、出来は粗いと思います。
またしても寝落ちして更新がこの時間になりました。

先週、執筆時間が全く取れなかったため、本編進んでません。
場面ごとの調整は良さそうな案が浮かんだので、時間さえ作れれば一気に書き上がると思うのですが、
今週もリアルの事情で難しそうです。
毎度遅筆ですが、気長に読んでいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。



 番外編



 宝蔵院雫は基本的になんでもこなせる。

 料理・掃除・洗濯全て平均以上。
 料理はそこらの家庭の主婦より上手く、掃除もなんのかんのでしっかりした性格が反映され丁寧かつ迅速、
洗濯も冒険者時代姉には任せられなかったせいで結構な技量がある。

 武においても、元より人に羨まれるだけの才を持ち合わせている。
 そしてそれは姉に施される地獄の鍛錬によってこれでもかとばかりに開花し、
中位程度の魔物なら相手にもならない。

 が、世の中往々にして上には上がいるもので、

「ありゃ、どうしたのシズクちゃん? 美味しくなかった?」

「いえいえ、いつも通りすんごい美味しいですよー」

 心配そうに声を掛けてくるルミナスに、朗らかな笑顔を返す雫。

 御世辞ではなく、非常に美味い料理だ。
 食べているのは一見ごく普通のオムレツだが、焼き加減から何から絶妙極まりない。
 ふんわりと焼き上げられた卵は、口に含むとほわほわと溶けていく。
 それに伴って広がる味は、卵の旨味と僅かに混ぜられた生クリームの濃厚さが溶け合い、
思わず陶然としてしまう域。
 僅かに加えられた塩がその味を更に引き立て、いくら食べても食べ飽きない。

 が、これの調理過程を思い出すと思わずへこんでしまう。

 なんせ、ルミナスは鼻歌混じりに非常にお気楽そうに作っていたのだ。
 厳格にこの分量を混ぜると決めている様子もなくぱっぱと材料をボウルに放り込んで混ぜ、
このぐらい火を入れると注視している様子もなく、ただ家庭料理を普通に作っていたようにしか見えなかった。

 それが、食べてみればプロ顔負けの見事な味。
 才能の差なのか修練の差なのか、はたまた両方なのか。
 詳細は不明だが、二人の間に天と地ほどの技量差がある事は間違いない。

 ちなみにこれの前には一緒に掃除などもしており、その手際の良さに驚かされている。
 これと言って大きな違いはないのだが、全体的な動きの効率が良く、雫よりも迅速かつ的確にこなしていたのだ。
 本人曰く大家族の中で育てばこれぐらい身についてしまうとの事だったが、
今の雫では到底及ばない事に変わりはない。

 流石だなぁ、と感心しつつも雫のプライドはちょっぴり傷ついていた。






 少し経ち、昼食前。
 雫はルミナスと組手をしていた。
 刹那の提案で、たまには別の相手とも戦った方が良いと言われたのだ。

 戦いは、ある意味一方的だった。
 小太刀特有の小回りと二刀というメリットを存分に活かし、手数で押し切ろうとする雫。
 対して、それらの連撃を最小限の斬撃と体捌きでしのぐルミナス。

 一見すると雫が押しているように見えるが、徐々に息が乱れ始めている雫に対し、ルミナスは涼しい顔。
 事もなげに捌いているというわけではないのだが、その戦い方には余裕が見える。 

「――――うん、いい連撃ね」

 唐突にルミナスは笑みを深めると、雫の二刀を弾き飛ばし、足を払って地面に投げ飛ばした。

「でも、ちょーっと攻撃しのがれた時に焦りがちね。
格下相手……いや、多分同格でもいけると思うけど、格上には危ないわ。
後半攻撃に集中しすぎて足元の注意がおろそかになりがちだったから」

 優しく微笑みながら、忠告するルミナス。

 その言葉に、雫は苦い顔をした。
 言葉の内容は、姉からいつも言われている事。
 自覚はしつつも、攻撃をしのがれ続けると顔を出してしまう悪癖だ。
 
「それと暗器の類の技量は高いけど、使い方にやや難ありね。
その技術は活かすべきだけど、もうちょっと使い方考えた方が良いわ」

「え? 使い方は間違ってないと思うんですけど……?」

 ルミナスの言葉に首を傾げる雫。

 雫の戦い方は、攻め手の種類の豊富さが最大の売りだ。
 主戦力は小太刀だが、暗器の類の技術も磨いており、その練度も高い。
 当然、どんな場面で使うのが効果的かも理解している。
 小太刀の太刀筋など、別の何かに注意を逸らした瞬間などだ。

 そして、今の組手もそれに基づいて使っていたと自負していた。

「うん、基本的な使い方はいいのよ。
でも、シズクちゃん器用だから飛び道具含めて普段から色々使うでしょ?
それは凄いし攻め方としても有効なんだけど、あれだけ使ったら当然暗器も警戒されちゃうわよ?」

 やんわりと、忠告するルミナス。

 雫の攻め手の豊富さは称賛に値するが、色々と使いすぎるきらいがある。
 あれで駄目ならこれ、といった具合に手を変え品を変え攻撃を続けるのだが、
それゆえに相手に対し次に何どんな武器が出てくるか分からないという警戒感を与えやすい。
 それは、暗器を使うに当たっては確実にマイナスになる要素だ。
 暗器というのは、心理的な死角を突いてこその物なのだから。

 勿論時間稼ぎ、あるいは小技を印象付けて一番技量の高い小太刀による攻撃で一気に仕留める為などならばいいのだが、そういった様子は一切見受けられなかったので、忠告する事にしたのだ。   

「んー……あたしの場合暗器も勝つ為の一手段ですから、これで良いと思うんですけどねー」

 居心地悪そうに頭を掻きながら、反論する。

 雫にとって、暗器は必殺の技ではない。
 あくまでも飛び道具や小太刀と同じ、攻撃手段の一つだ。
 それで決まれば良し、決まらずとも次の攻撃に繋げられれば良し、といった具合の。

 無論暗器の成功率を高めつつ戦えるのならそれが一番なのだが、
格下相手ならともかく、同格以上となるとそれを意識しながら戦うのは辛くなる。
 暗器を使わねばならない相手は大概が格上である事を考えれば、
今の戦い方に問題があるとはあまり思えなかった。

「ふむ、それも一理あるわね。でも、それならこういう攻撃法も使ってみると良いかもしれないわね」

 言いながらルミナスは剣を収め、拳を構えた。
 そして、雫に攻撃を仕掛けてくる。 

「おっと、よっ、はっ!」

 唐突な攻撃に驚く事もなく、雫は軽やかにルミナスの攻撃を避けていく。
 上段蹴りを屈んで避け、足払いを後ろに飛んで避け、正拳突きを片手で受け流し、
といった具合で攻撃をいなしながら、反撃に転じるべくルミナスの動きを注視し、

「ほいっと」

「にゃあっ!?」

 その瞬間、いつの間にかルミナスが拳の中に握り締めていた土の目潰しの直撃を受けた。

 突きと共に放たれたそれはごく少量だったが、隙を作るには十二分。
 怯んだ瞬間、ルミナスの投げ技によって雫は地面に叩きつけられた。

「あれだけ道具を使いこなせるシズクちゃんなら、今みたいにそこらの物を使った不意打ちももっと有効だと思うわ。
ちなみに、今のは足払いで地面に伏せるついでに土を軽く握っといたのよ」

「うぐぐぐ……まさかルミナスさんがあんな手段を使いこなせるなんて……」

 背中の痛みをこらえながら、呻く。

 今のルミナスの攻撃は、単純なようで難しい。
 普通に土による目潰しを当てようとすれば、雫は造作もなく避ける。
 自身が暗器使いである為、不意打ちの可能性は常に想定しているからだ。

 が、ルミナスのそれは非常に練度が高かった。

 雫がルミナスの動きに集中しようとした瞬間を狙う、機の読み方。
 土を握りつつも普通と変わらぬ突きの放ち方。
 そして雫の対応が間に合わない位置での絶妙な拳の開き方。

 どれをとっても、相当な修練が窺える。
 それこそ、雫が真似しても同レベルにはならない程の修練が。

「あら、私は傭兵よ? 勝つ為なら何でも使うわよ。
それに昔は今と違って弱っちかったから、色々考えて練習したのよ。
で、少しは参考になったかしら?」
  
「はい……」
 
 がっくりと肩を落としながら、雫は頷いた。

 確かに、参考にはなった。
 同じような手段を考えた事はあるし使った事もあるが、あの練度は見た事がない。
 当面目指すべき領域が見られたのは、かなりの収穫だ。

 だがしかし、

(……せこい手段が得意なあたしよりもっと練度が高いなんて……つくづく凄い人だなぁ)

 心の中で、ぼやく。

 年齢に差があるのだから、練度の差は当然と言えば当然だ。  
 実際、素手の技術など他の武技での差はこれ以上に大きい。
 
 が、よりにもよって雫の得意分野。
 それも性格的にルミナスが一番苦手そうな分野の練度で負けるなど、屈辱という他ない。

 あらゆる分野で負けを認めるしかない超人に、雫は落ち込まざるをえなかった。 
    
 
コメント

改めて考えると
ルミナスはハイスペックですね。
そう見えないのはよりハイスペックな科学者がいるせいですけど。

番外を読んでると本編が待ち遠しくなります。
頑張ってください。
[2014/11/24 18:04] URL | リセット #dS5vVngc [ 編集 ]

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[2014/11/24 19:27] | # [ 編集 ]


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