ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。2/16
番外編です。
毎度ながら思い付きです。
御意見がありましたので、今回から試験的に番外編のタイトルに日付入れさせていただきます。
もうちょっと洒落た区分け思いつけばよかったんですが(汗)

では、コメント返しさせていただきます。


コスモさん

身内ならではの気の緩みもありますが、やはり年もあるでしょうね。
若い頃なら絶対にやってない失態です。

ラーメンはどうでしょうねぇ……具材から何から簡単なようで作るたびそれなりに手間かかりますし。
カレー程には研究してないでしょうね。
ただ、そのうちやるかもしれないネタではあります。
作者がラーメン好きなので(笑)


次話ですが、今週思いのほか忙しかったため、あまり進んでません。
とはいえ筆自体は進んでますので、この調子なら次かその次には更新できると思います。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。



 番外編





 リトルハピネス。
 そこはカナールにおける人気料理店の一つであり、料理の種類の豊富さが特徴的な店である。
 
 元々の種類自体も豊富だが、店主が気紛れに出すメニューや、
旬の素材で特に良い物が入った時のみ出すメニュー、
あるいは珍しい素材が入った時のみ出す限定メニューなどが存在し、
全てを合わせた品数は常連はおろか作った本人でさえ知らない程。

 これだけだと味よりそのバリエーションで勝負する店のようにも聞こえるが、実態はまるで違う。
 通常の料理は勿論、限定的な料理も非常に味が良いのだ。

 それゆえに、常連の多くは限定メニューを見る度頭を悩ませる。

 いつもの定番は間違いなく美味く好みにも合致して無難だが、
期間限定、下手をすればその日しか食べられないメニューとなると心奪われずにはいられない。
 味の保証がないならともかく、味自体は間違いなく美味く、好みに合致するか否かだけなのだ。

 だがそれを気に入っても、期間限定である為次にいつ食べられるかは分からない。
 なまじ味を知ってしまったが為に歯がゆい思いを抱える可能性もある。
 ならばやはり無難にと思う気持ちはあるが、やはり食べてみたい思いは消しきれない。
 
 そんな彼らの悩みを更に深くするのが、店主の息子の存在だ。

「う~っす……あちゃ、満席か」

 店に入ったゲイツは、店内を見渡し顔を顰めた。

 並んでいなかったので空席があるかと思ったが、一つも空いていない。
 一仕事終えた後で空腹なのだが、この様子ではここで食べるのは難しそうだ。
 とはいえ今日は母の料理を食べたい気分なので、他の店に行くのは気が進まない。

 さて、どうしたものかと考えていると、店員が近寄ってきた。

「すみません。もう少しお待ちいただければ空くと思うんですけど……」
 
「そっか、んじゃ待たせてもらうわ。あ、これ渡しといてくれ。お土産」

 ほい、と何気なくウェイトレスに荷物を渡し、入口近くの椅子に座るゲイツ。
 
 それを見て、常連たちの間に緊張が走った。
 ある者はごくりと生唾を飲みこみ、またある者は一瞬前に決めた注文を取りやめ、
厨房に消えていくウェイトレスの背中を見つめる。
 
 待つ事数分――――店主であるミッシェルが厨房から姿を現した。

 そして、おもむろにメニューが書かれた黒板に書き足す。
 数量限定ロードリザードのステーキ特製ガーリックソース、三千ルンと。
   
 ――――店内のそこかしこで、静かな悲鳴が上がった。

 ロードリザードの肉は、かなりの高級食材だ。
 少々香りに癖があるのだが、肉質は柔らかくもしっかりとした歯応えがあり、
味も脂肪と赤身の旨味のバランスが良く、堪えられない。
 普通のレストランで食べれば確実に五千ルンはするので、
値段も破格と言って差し支えないだろう。
      
 が、一回の食事に三千ルンは非常に重たい負担だ。
 この店の定番料理の価格は高い物でも千八百ルン。
 常連はそのつもりでこの店に訪れており、中には一月の食費を綿密に計算して通っている者もいる。
 そういった人間にとって、三千の出費は非常に重たい。

 しかし、ロードリザードのステーキは見逃すには惜しい。
 それこそ、三日分ほど昼食を抜いてでも食べてみたいほどに。
 
 その悩みを更に悪化させるのが、今日の他のメニュー。

 よりにもよって、今日は旬の素材であるブレードサーディンのソテーや、
店主の気紛れによるアルリスバードのフライが存在するのだ。  
 どちらも常連の間では大当たりだったと評される物で、これまた逃すには惜しく、
次に食べられる機会があるかどうかも甚だ怪しい。

 いっその事財布事情など忘れて全て食べるという考えが各々の脳裏をよぎるが、
ここの料理はボリュームもある為それも難しい。
 では皆で分ければと思うところだが、運悪く顔見知りの常連たちの席はバラバラになっており、
近くに三人以上の顔見知りが揃っている席はなかった。

「おい、どうする……?」

「どうするもくそも……もっかい絞るしかねえだろ。
うう、ようやく決めたってのに……」

 常連の男二人が、揃って溜息を吐く。

 ゲイツが来ると、今日のように急遽メニューが増える事がある。
 
 ゲイツは今日のように仕事で得た高級食材を持ち帰る事があるのだが、
その量が少ない場合は大体売らずにこの店に土産として持ってくるのだ。 

 根っからの料理人である母を喜ばせる為に。

 本人に聞いても自分で持ってても仕方ないからと言うだけだが、
ゲイツという人間をよく知る者はそれが違う事を理解している。

 というのも、ゲイツはかなりの料理上手だからだ。
 幼い頃から母に仕込まれていたせいか、得意料理なら相当に美味い物を作れる。
 本家である母には及ぶべくもないが、それでも下手な店で食べるよりははるかに良い物を作れるのだ。
 そして彼の得意料理とはステーキなどの肉料理であり、彼が持ち込む食材はほとんどが肉。
 持ち込む量も極端に多いわけでもない為、彼一人で消費するなど容易い。
 
 さらに言えば、かれは近所でも評判の孝行息子だ。

 なんせ冒険者として成り上がって多忙の今でも、暇がある時は大体店の手伝いをしている程。
 幼い子供には怖がられる為主に厨房を手伝っているが、
子供がいない時はテーブルを拭いたり食器を片づけたりしに出て来るため、よく知られているのだ。
 また、不足した食材を買い出しに行ったりもしている為、時折食材店で大量に買い込んでいる姿も見かける。 
   
 なので良い息子を持ったなぁ、と常連たちは基本的に微笑ましく思っているのだが―――この状況ではそれが憎たらしい。     

 そこらの冒険者なら処理の仕方で素材の質が落ちている可能性もあるが、持ってくるのはゲイツ。
 料理人である母に料理を仕込まれ、丁寧な仕事で定評のある一流冒険者だ。  
 持ち込むのは、常に最高の状態で処理された物だけ。
 
 それをこの店の店主が料理する以上美味くないはずがなく、
結果として毎回魅力的すぎる選択肢が増え、常連たちの頭を悩ませるのだ。  
 
 とはいえ、いつまでも悩んでいても仕方ない。
 そう考え気を取り直して選び直そうと考えたところで、新たな客がやってきた。

「おや、ゲイツか。奇遇だな」

「お、カイト達か。お前らも今日はここか?」

 護衛二人を引き連れた友人に笑いかける。

「そのつもりなんだが、どちらかと言えばそれはついでだな。
この間ミッシェル女士に頼まれた物を持ってきたんだ」

「へえ……? って、おい、それまさか醤油か?」

「ああ。この間、出来れば欲しいと頼まれたんでな」

 近寄ってきたウェイトレスに醤油の瓶を渡しながら答える海人。
 ウェイトレスは醤油を受け取ると、早足で厨房へと歩き去っていった。

「……無理言っちまったみてえで、すまねえな」

 ぺこり、と頭を下げるゲイツ。

 この大陸では、醤油は超の付く稀少品だ。
 そもそも見つける事さえ難しく、見つけたとしても手に入れられるとは限らない。
 海人は軽い調子で言っているが、相当苦労して手に入れた品である事は疑いようもないのだ。

 事実は全く逆なのだが、ゲイツがそれを知る由もなかった。 

「なに、まだ屋敷にたっぷりと在庫はあるから気にする……ん?」

 ゲイツに海人が苦笑を向けた時、厨房から再びミッシェルが出てきた。
 彼女の左手には小さめの黒板が抱えられており、新しいメニューが並んでいる。
 値段はどれもこの店の平均的な料理より少し高め程度の価格だ。

「は……? えーっと、ブレードサーディン、ゴールドテール、レッドフラウンダー三種のサシミ。
米と牛肉と野菜と卵と醤油の炒め物、トロスト牛のステーキ醤油ソース。
サシミってのは確かヒノクニの料理だったよな?」

「ええ、新鮮な生の魚を切り、醤油につけて食べる料理です。
単純と言えば単純ですが、材料が良ければとても美味しいですよ」

 ゲイツの疑問に、刹那が答える。
  
 醤油がない為ヒノクニで言う刺身は存在しないが、この大陸にも生の魚を使った料理はある。
 ポピュラーなのは植物油と香草、塩をまぶしたソースで食べる料理だが、
生魚を食す土壌はあるので刺身もあっさり受け入れられるかもしれない。

 刹那がそんなことを考えていると、ゲイツが楽しそうに笑った。

「そりゃ美味そうだな。この炒め物ってのは……今一つ想像つかねえな」

「おそらく、たっぷりの米に具材として牛肉などを混ぜて炒め、香りづけに醤油を加えた料理じゃないか?
醤油は加熱すると香りが引き立つし、美味いと思うぞ」

「ほー……となると、ステーキも期待できそうだなぁ。
なあ、物は相談なんだが、全員で限定メニュー全部頼んで味見しねえか? 勘定は割り勘で」

「私は構わんが、君らはどうだ?」 
 
「あたしも問題ないですよー。
美味しい物沢山種類食べられるならそれが一番です」

「拙者も問題ありませんが……あの、先程から一部の御客の様子がおかしいのですが」

 そう言って首を傾げる刹那。
 彼女の視線の先には、力尽きたかのように突っ伏す常連たちの姿があった。  

   

 
 
 
コメント

何だろう・・・ゲイツの母親とスカーレットが並んで厨房に立っていて、それを若干照れながらゲイツが見ているというのが思い浮かんだ。そしてその光景を海人達が見ていて・・・
[2015/02/16 08:01] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


こういう日常回でキャラの一面をみるのは楽しいので番外編も好きなんですが

ですが…やっぱり本編がみたいです!楽しみにしてますがんばってください
[2015/02/16 09:35] URL | くれあ #lGct895. [ 編集 ]

この度も
始めまして。
孫六と申します。
1年程前より、「白衣の英雄」を拝見しています。
質が高く、面白い物語を読むことができ、本編・番外編共に続きが楽しみです。

この時期、色々と環境の変化も多くあると思いますが、心身共に健やかに過ごせますよう祈っています。
お目汚しの駄文でありますが、これにて失礼いたします。
[2015/02/16 19:09] URL | 孫六 #- [ 編集 ]

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[2015/02/16 20:43] | # [ 編集 ]

そろそろわりとほんきで
そろそろ割りと本気で本編の内容が思い出せなくなりつつあります
寄り道もいいけど本編もね☆
[2015/02/16 20:53] URL | ひより #wLMIWoss [ 編集 ]


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