ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄83

 しばらくして、ゲイツは果てしなく後悔していた。

 人の忠告は素直に聞くべきだった、と。
 やはり忠告に従い、後先も考えずこの屋敷を脱出するべきだったのだ。
 そうしていれば、今のこの絶望的な思いもなかっただろう。
 一秒ごとに足元がガラガラと崩れていくような、この悪夢のような感覚も。

 ――――溢れそうになる涙を堪えながら、元凶達の方へ視線を向ける。

 まず最初に視界に入ったのは、メイベル。

 書き込んでいる紙は何かの問題と解答用紙らしいが、ゲイツにはその中身は理解できない。
 どんな分野の内容かぐらいは理解できるのだが、書かれている内容が高度すぎて意味不明なのだ。
 それを解き始める前の解説についても傍で聞いてはいたが、その程度では半分も理解は出来なかった。

 それを、メイベルは実に愉しげに解いている。
 時折頭を悩ませたりはするものの、基本的にはスラスラと書き込んでいるのだ。
 そして一通り書き終えた後海人に渡すのだが、一問たりとも間違いがないらしく、
褒められた後次の問題を渡されている。
 男遊びに命を懸けているとはとても思えない、恐るべき知力。
 元より頭脳労働は苦手な自覚はあるが、目の前であんな光景を見せられては改めて落ち込みたくなる。

 が、これだけならさして気にはしなかっただろう。

 所詮興味もなく無縁な学問の話。
 仕事に必要な知識は着実に身につけているのだから、恥じる必要はない、と。
 
 ―――それを打ち砕いてくれたのが、メイベルから少し離れた場所で絵を描いているローラ。
 
 彼女は現在特に迷った様子もなく、木炭を使ってメイベルの顔を描いていた。
 まだ半ばながらその出来は見事で、今日ゲイツが持ってきた物よりもはるかに見栄えがする。

 それでも、元々上手かったというならまだ救いがあった。
 もしそうであれば相変わらずの万能超人ぶりに呆れるだけで済んでいただろう。

 授業開始直後、海人にとりあえず描いてみろと指示されローラが描いた絵は、普通だった。
 下手とは言えないが、上手いとも言えない、そんな絵。
 習う以前のゲイツに比べればはるかに上手い、というか比べる事すら失礼なレベルだが、
今のゲイツには到底及ぶべくもないレベル。
 いくらなんでも早々に追いつかれるような事にはなるまい、そんな事を思ってしまう程度だった。

 ――――甘かった。

 海人の指導を受けながら描き始めた途端、ローラの腕は激変したのだ。
 海人の指示通り完璧に筆を動かし、最初に独力で描いた物とはまるで違う一枚を描き上げてしまった。
 どこか印象が薄かった絵に生命力が宿り、視界に入れば一瞬目を引くような出来になったのである。

 横目に見ていたゲイツが愕然とする程の一枚だったのだが、ローラはそれに飽きたらず更なる向上を求めた。
 似顔絵としては十分な出来だと思うが、もう少し見た者に印象付ける手法はないか、と海人に訊ねたのだ。

 そして海人はその要望に応え、よりくっきりとした一枚に仕上げる手法を伝授し始めた。
 顔の色の濃淡をより精密に描く為の観察のコツや筆の力加減の調節法、
果ては使用する紙の色彩とのコントラストを活用してより絵の印象を強くする手法まで。
 
 ローラはそれを恐るべき飲み込みの速さで記憶し、実行し、習得した。
 一枚描くたびにその精度は上がっていき、先程描き上げた作品などはまさにメイベルそのもの。
 造形だけでなく、彼女が持つ悪戯っぽい雰囲気や言い知れぬ妖艶さまで表現できている。
 もはや今ゲイツが仕上げた過去最高の絵すら見せる事が恥ずかしくなるレベルだ。

 才能という言葉の残酷さは良く知っていたつもりだったが、
より深く絶望的な思いと共に理解する羽目になってしまった。

 そんな彼に、海人が哀れみを込めた口調で語りかける。

「……ゲイツ、とりあえず筆を置いて休め。
で、何度か深呼吸して気分を落ち着けてから作業に戻れ。
習熟速度は予定通りだから、慌てる必要はない」 

「これが落ち着けるかぁっ! なんなんだよローラさんの上達速度は!?
いくらなんでもありえねえだろ!?」

 ガリガリガリッ、と頭を掻きむしり、叫ぶ。

 当然ながら、ゲイツは真面目に授業を受けている。
 気前良く無償で授業をしてくれている友人の心意気に応える為、
なにより最愛の婚約者を少しでも大きく喜ばせる為に。

 そればかりか、少しでも腕を上げる為に家での自主練にも余念がない。
 前は大体仕事がなくデートもない日はのんびり過ごすだけだったが、
今はその時間を絵の練習に費やしているのだ。
 
 にもかかわらず、ローラは僅か数時間でその成果を抜き去り、
もはや背中が見えない程遠くまで駆け抜けている。
 
 正直、現実と思いたくなかった。

「気持ちは分からんでもないが……主に私が教えた内容を一聞で理解する知力、それを数度の実行で習得する器用さ、
そしてその習得の為だけに注力できる集中力の賜物だ。
不可能という程の事ではないぞ。凄まじい習得能力なのは間違いないがな」

「御謙遜を。膨大な知識を短時間の解説で理解させる教授力、
筆を動かす私の手を見て瞬時に適切な矯正を行える分析力、
さらにはそれ程の能力を三人相手に同時に発揮できる観察眼と思考速度。
そんな化物じみた教師あればこその成果です。
他の相手に教わっていれば、同程度の技術を身につけるのにこの百倍はかかっていたでしょう」 

「……つまり、バケモン二人の相乗効果って事ですか。そうなんでしょうねぇ……」

 さらっと語る怪物コンビに、半眼を向けるゲイツ。

 海人の教師としての優秀さは、教わっている今なら良く分かる。
 どんな細かい内容でも質問すれば丁寧に解説してくれるし、
一度の説明で分からなければさらに噛み砕いてより分かりやすく解説し、
それでも分からなければさらに説明の仕方を変えるという徹底的な解説。
 それも三度目までいく事は滅多になく、二度目の解説になる事すら少なかった。
 最近ではゲイツの理解力を把握したのか、一度で分からない事すら皆無に近くなってきている。

 そんな人間がローラに教えればどうなるかなど、冷静に考えれば自明の話だ。

 そもそも、ゲイツは決して優秀な生徒ではない。
 頭は悪くないが手先はさして器用ではなく、思い通りに筆を動かすにもかなり神経を使う。
 練習を重ねたおかげである程度改善されているが、それでも人並程度でしかないのだ。

 対してローラは、超が付く優秀な生徒だ。
 知力の高さはゲイツの比ではなく、器用さも完全な規格外。
 比喩ではなく、一の労力で十の成果を生み出す生粋の怪物である。

 現在の状況は、当然と言えば当然の結末だ。     

「私の場合頭脳労働以外に取柄がないからな。
それを磨いているだけの話だ」

「私の場合は諸事情で短期間に多くを身につける必要がありましたので、
その為の技法を磨き抜いただけの事です」

「それで出来たら苦労しねぇよぅ……」

「ま、いずれにせよ落ち込む意味はない。
落ち込んだところでお前の腕が上がるわけではないからな。
悪い夢でも見たと思って自力の向上に集中する事だ」

「そりゃ分かってんだけどな。
所詮ローラさんに比べりゃ俺なんざゴミ屑カスの塵だし?
とはいえ一応俺にもプライドらしきものの残滓ぐらいはあるわけでなぁ……」

「……流石に卑屈すぎるぞ。
画家を目指すとでも言うのなら話は別だが、お前は冒険者だろうが。
しかも若手ではトップレベルと言われる程の実績も出している。
もっと胸を張って生きていいはずだろうが」

 ゲイツに冷たい眼差しを向け、溜息を吐く。

 言うまでもなく、ゲイツは画家ではなく冒険者だ。
 婚約者への感謝を示す為に絵画を学んではいるが、それはあくまで余技。
 しかもその本業では、同年代の冒険者が羨望する程の成果を挙げ、
将来的には歴史に名を残すであろうと言われている男である。
 
 客観的に見れば紛れもない成功者であり、卑屈になる理由などどこにもない。

「分かっちゃいるんだがなぁ……はぁ」

 物憂げに、溜息を吐く。

 言われるまでもなく、理解はしている。
 自分は世間一般で言えば立派に成功者であり、
年齢を考えれば敬われてもおかしくないだけの実績を持っているのだと。

 が、眼前に戦闘が主な仕事である自分を瞬殺可能で、
多少なりともアドバンテージがあったはずの分野すら、
一日かからず挽回し追い抜いてしまう怪物がいるとなると、流石に落ち込まざるをえない。

 それが昔自分の無能さを散々に叩き込んでくれた相手であれば、尚の事。 

「あらあらゲイツ君可哀想に。昔どこかの根性根腐れ女に酷い目に遭わされたのが、
まだ尾を引いてるのねぇ……」

 いつの間にか問題を解き終えて海人の背後にいたメイベルが、哀れみを込めた声で呟く。
 それにローラが反応し、冷ややかな視線を向けた。

「根性の根腐れ具合に関しては貴女に言われたくないわね。
今まで誑かした純情な少年の数は何人だったかしら?」

「あら酷い。将来危うそうな子にお勉強させてあげただけなのに」

「そうね。付け加えると、結果だけ見れば己を磨く事を覚えさせ、
将来それなりの男性になれるよう仕向けてもいたわね」

「ええ、その点を考えればむしろ善行じゃないかしら?」

「かもしれないわね。半分ぐらいはその過程でその子の親や婚約者の親からの刺客が来て、
どういうわけか私やレザリアも巻き添えを受けたけど」

「貴族って大変よねぇ……子供の細やかな恋心すら見守れないんだもの」

「……なんというか、メイベル女士相当えげつない事やっとらんか?」

 メイベルのテストの採点をしながら、ぼやく。

 先程の話といい、メイベルの所業はなかなか酷い。
 保身の為にローラに盗賊団を差し向けたり、自分の趣味の巻き添えでローラや妹に危険を押し付けたり、
かなりあくどい事をやっている。
 
 が、それだけでない事も察しはついており――――それは次のメイベルの言葉で確信に変わった。

「そうでもないと思うわ。この子が男に絡まれて面倒だからって殴り飛ばしたせいで起きた大騒ぎに巻き込まれた回数は、
それこそ軽く三桁いってるもの。折角男のあしらい方を教えてあげてたのにねぇ……」

「不快な汚物に言い寄られて優しく済ませられる程、私は御人好しではないのよ」

「あら……私が狙ってた男もたまに混ざってたんだけど?」

「生憎、私にはいくら顔が良くても、女の容姿にしか価値を見出さない性格の男はゴミにしか見えないわ。
顔が良ければとりあえずつまみ食いしようとする貴女とは違ってね」

「ほほう……私の目には言い寄ってきた男はとりあえずぶん殴ってるようにしか見えなかったけどね?
ああ、一応子供はその限りじゃなかったかしら? そうか、子供しか愛せないのね……可哀想に」

「……勝手に人を貴女のような変態にしないでくれるかしら?」

 挑発的に笑うメイベルに対し、ローラはいつもと変わらぬ視線を返す。
 
 が、二人の間には何やら不穏な空気が漂っており、周囲の空気を軋ませている。
 まさに一触即発、それも触れた瞬間何もかもを消し飛ばしそうな程の。
 
 危険を感じたゲイツが、思わず腰を抜かして後退りする。

「あわ、あわ、あわわわわ……!」

「ったく……二人共、喧嘩するなとは言わんが、殴り合いなら外でやってくれ。
無論、屋敷を巻き添えで壊さんような場所でな」

 臆した様子もなく、海人は部屋の窓を指差す。
 その態度に、二人の空気が僅かながら和らいだ。

「……そうね。ここじゃ迷惑かかっちゃうし」

「ええ、貴女の無駄な足掻きで余計な被害が出る可能性もあるものね」

「毎回毎回ボロ負けすると思ったら大間違いよ?」

「実力の差がいかに残酷か教えてあげるわ。
何度やっても学習しない馬鹿には無駄かもしれないけど」

「上等……!」

 毒舌をかわしながら、窓から屋敷の外へ出ていく二人。
 それを見送った後、ゲイツは思わず安堵の息を吐きつつ海人を見上げていた。

「お前、よくあの状況であんな事言えんなぁ……」 

「二人共、怒り狂っていても冷静さが残るタイプだからな。
少なくとも、無闇に感情の赴くまま周囲に被害を及ぼすタイプではない。
ならば、とりあえず正論には耳を傾けるだろ。
で、どうする? そろそろいつも帰る時間だが……」

「げっ、もうそんな時間か。そんじゃ、明日は仕事なんでそろそろ帰るわ。
あ、今日は見送りはいらねえぞ。明日の仕事の準備があんで、少し急いで帰らなきゃなんねーんだ」

 言いながら、ゲイツはてきぱきと使った道具を片付け、荷物に詰めていく。
 一分とかからず綺麗に荷物を整えると、ゲイツは手近な窓を開けた。

「んじゃ、今日も世話になったな。あんがとよ」

「気を付けてなー」

 後ろ手に手を振りながら窓から出ていくゲイツを見送る。
 そして彼の姿が見えなくなったところで、海人は再び室内に視線を向けた。

「……さて、とりあえず授業は終わったが……刹那」

「はい、何でしょう?」

 授業開始からずっと沈黙を守っていた刹那が、粛々と答える。

「いや、さっきローラ女士とメイベル女士が揉めた辺りから、
私に視線を向ける事が多くなった気がしてな。何かあったか?」

「……お気付きでしたか」

「一応な。で、どうかしたのか?」

「いえ、大した事ではないのですが……御二人のあの空気にもかかわらず、
海人殿がどこか微笑ましそうに見ておられたように見えまして」

「……そう見えたのか?」

「はい。正直、最初は拙者が即座に割って入るべきかとも思ったのですが……そうするべきだったでしょうか?」

 主の不思議そうな態度に、刹那は少ししょげたような表情になる。

 実はローラとメイベルが口論を始めた時、刹那はすぐに割って入ろうとした。
 理性が飛んでいないにしても、万一二人が室内で戦い始めれば海人が巻き添えで怪我をする可能性は否めないし、
自分がその前に必ず庇えるとも限らないからだ。

 が、念の為海人の表情を伺ったところ、妙に穏やかな表情をしていた。

 どこか微笑ましげな、優しさが滲む顔。
 まるで軽い悪戯をした雫にお仕置きする時のような、柔らかい表情。
 だが何かが違うようにも見える、そんな不思議な面持ち。

 止めるのは海人にとって不本意な事になるのかも、そう思い刹那は静観する事にしたのだ。
 二人の手が出た瞬間、海人を即座に庇えるようにしつつ。 

「いや……正解だ。君もなんだかんだで鋭いな」

「ありがとうございます。気が向かれたら、理由もお話いただけると嬉しいです」

「……ま、そのうちな。さて、まだ夕食まで時間もある事だし、軽く御茶でもするか?
ちなみに御茶菓子としては苺大福を予定しているが」

「喜んで」

 刹那は、そう言って悪戯っぽく笑う主に嬉しそうな微笑みを返した。 























 ルミナス達は、居間で雑談に興じていた。

 話題は特に決まっていない。
 料理の話もあれば武術の話もあり、ころころと話題を変えながら楽しんでいる。

「そういえば、先程は珍しくローラさんの情報が増えましたわね。
だからどうという程ではありませんが、なかなか稀少ですわ」

 くすり、とシリルが笑みを零す。

 授業前のやり取りは何気ないようだったが、確実に未知の情報が含まれていた。
 謎多きローラの秘密の一端、その取っ掛かりぐらいにはなりそうな程度の情報が。

「ああ……確かにね。少なくとも、あの二人は相当昔からの付き合いだって事よね。
しかも、何度も傍迷惑な大喧嘩やらかしてんのに普通に付き合ってられるぐらいに仲も良好、と」

 シリルの言葉に、ルミナスが賛同する。

 先程の二人の態度は、明らかに親しげだった。
 メイベルは普通にローラを名前で呼んでいたし、
ローラの方も心持ち普段より固さが取れていたのだ。
 
 そして、過去にしでかしたという出来事が事実であるなら、
あの二人の仲は相当に良好なはずだ。

 さして深い付き合いではないが、ルミナスとてローラの事はそれなりに知っている。
 少なくとも、自分の用件の邪魔をした挙句、逃げる為に敵まで差し向けてくるような相手をあっさり見逃すような人格ではない。
 多少有能であったとしても、以後の余計な手間を避けるために後顧の憂いついでに命を絶つのが彼女だ。
 それだけの事をしでかして尚ローラから許される程度には良好な関係であるという事である。

 良くも悪くも孤高のイメージが強いローラからすれば想像しにくい、貴重な情報だ。

「やっぱローラさんの素性って完全に不明なんですか?」

「そ。あんだけ目立つ要素が揃ってんのに、ここ二十年ぐらいの記録調べても名前が冒険者・傭兵ギルド共に出てこないの。
最初は調べりゃある程度絞れるかと思ってたんだけどね。
うちの情報収集担当してる連中でも駄目だって言ってたから、本気でお手上げなのよ」

「なるほど……でも、ローラさんも言ってたように無名だった可能性もあるんじゃないですか?」

「ううん、それはまずないと思うわ」

「およ? どうしてです?」

「こないだハロルドさんが言ってたんだけど、十年はシェリスのメイドやってるらしいのよ。
その当時ならシェリスは動き始めたばかりのはず。当然、雇う人間は慎重に慎重を重ねて吟味してるはずよ。
そんな状況であの子が選ぶとすれば、ある程度名が売れている、実績のある人間を選ぶはずだわ」

 首を傾げる雫に、穏やかな口調で説明する。

 現在のシェリスは確かに各国に人脈を張り巡らせ、数多の計画を実行している傑物だ。
 世界各国を見渡しても、あの年であれほどまで暗躍している人間はそうはいない。
 
 が、十年前となれば流石にまだ未熟だったはずだ。

 シェリスは実績はともかく能力的にはただの秀才であるし、
公爵家令嬢とは言っても、当時のこの国ではそこまで強い影響力はなかったはずである。
 当時の彼女に出来たとすれば、限られた人脈を辿り優秀な人材を集める事ぐらいのはず。

 そして、今の彼女ならともかく、昔の彼女が無名の人間を起用するとは考えにくい。

 いくら有名でも無名な人間では情報が集めにくく、能力もさる事ながら人格的な裏付けが取りにくいのだ。
 今ならば一人に裏切られたところで手の打ちようなどいくらでもあるだろうが、当時は確実に致命傷になっていたはずである。
 ならばそれなりに名の通った、ある程度経歴が見える人間を選んだだろう。 

「ああ、成程……でも、情報出てこないんですよね?」

「う~ん……一応、戦闘能力なら候補はいなくもないんだけどね」

「そうなんですか?」

「十年以上前に活躍してたローラさん世代……ってか、今の二十半ば~三十の世代の女戦士って、戦争で活躍したのが多いのよ。
つっても、誇張されてるのも多いし、どこまで正しいか分かりゃしないんだけど」

「へえ~……例えばどんな人が?」

「今行方知れずになってる有名どころだと、ロレスタリアの《白騎士》や《黒騎士》とか、
スレイステッドの《水の君》と《雷の乙女》、
他にも現ガングラール共和国の《剣聖》《壁砕の盾》なんかもいるし……正直、挙げてくとキリないわね」

「ローラさんクラスっぽいのがそんなに!?」

「あー、違う違う。あの人でもないと出せそうにない実績って言われてんのがそんだけいるってこと。
誇張されてるっぽいのもかなり含まれてるの。例えば《黒騎士》は一戦で千の敵を葬ったって言われてんだけど、
その手法が防御もせずに甲冑で全部の攻撃を防いで一人一人斬り殺してったって話なのよ。
三下相手ならありえない話でもないけど《黒騎士》が主に戦った相手は旧メルストリス王国騎士団。
ガーナブレストにゃ劣るけど、精強で知られてた騎士団だから、どんな頑丈な甲冑来てたって、
ノコノコ歩いてたらあっさり殺されて終わりだったはずよ」

「あー、なるほど。って事は他も?」

「そ。《白騎士》は距離が離れたら光魔法使って一度に百の敵薙ぎ払ったって言われてるけど、
混戦状況じゃ中位魔法でも発動時間が厳しすぎる上に、多重起動しないと百は無理。
低位魔法の乱射だとしたら、それこそ魔力がいくらあっても足りない。
《水の君》は海岸付近で水魔法による大津波起こして敵軍押し流したって言われてるけど、
それで挙げたって戦果からすりゃ個人だと最上位魔法でも使わないと無理。
《剣聖》はまだ現実味ありそうだけど、それでも千以上の敵軍の中心に単独で飛び込んで、かすり傷さえ負わなかったって言われてんのよ」

「うわお……誇張にしても限度があるとおもいますけどねー。
戦後に誇張されたんですかね?」

 呆れたように、雫が呟く。

 戦争における戦果の誇張、というのはそう珍しい話ではない。
 英雄一人で戦況を覆せる事は少ないが、英雄一人いる事で軍の士気が上がり戦況を覆す事はままある。
 なので戦場において特に活躍した戦士を英雄に祭り上げる為、誇張する事自体は不思議でもなんでもない。

 が、当然誇張するにしても限度がある。
 あまりに非現実的な誇張は、そんな嘘を吐いてまで鼓舞しようとするとは、
と余計な疑念を招き、かえって士気の低下につながりかねないのだ。

 とはいえ、誇張されたのが戦後であれば多少大袈裟でも不思議はない。

 ルミナスの言葉を信じるなら、今話題に上っている人物達は全員行方不明。
 本人がいなければ真偽を確かめる事は不可能だし、現実的にありえないと言ったところで逆に神秘性を生む事さえある。
 むしろこれほどの神がかった人間が味方に付いていたのだから、悪は倒された政権側であると印象付けられるかもしれない。

「いや、今言った逸話は戦争当時に広まってた話よ。
多分、一番可能性が高いのは集団の戦績がその中心だった個人の戦績として伝わってるってことじゃないかしら。
ま《剣聖》についてはローラさんなら事実かもしんないけど」

「……やりかねませんねー、あの人だったら。
でも《剣聖》って事は、多分剣士ですよね? あの人はナイフでしょ?」

「確かに剣士だけど、ローラさんって一通りの武器は使えるらしいわよ。
前、あの人が剣の稽古つけてんの少し見た事あるけど、私より剣捌き上手かった気がするわ」

「どこまで万能超人ですか!?」

「底が全く見えないのは確かね。つーか、こないだの組手からすると最悪うちの団長より強いかも……」

「私とお姉さまだけならまだしも、セツナさんとシズクさんまで同時にかかって軽くあしらわれてしまいましたものね。
まったく、世の中化物ばかりですわ」

「あー……ローラさんと比較されるぐらいって事は、やっぱエアウォリアーズの団長さんって凄いんですか?」

「凄いどころじゃないわよ。ケルヴィンと真っ向から殴り合いして勝てんだから、あの人」

「……えっと、ケルヴィンさんってルミナスさんの同僚のケルヴィンさんですよね?
獣人族の、それもかなり鍛え抜いてる」

「そのケルヴィンよ。あいつと拳をぶつけあったのに、団長はピンピンしててあいつは拳に罅。
あいつが全力で腹ぶん殴ったのに、団長笑っててあいつは拳押さえて悲鳴。
あいつが踏ん張って全力で防御態勢整えてたのに、団長は防御越しに叩き込んだ拳で昏倒させた。
あれ見た時は本気で夢かと思ったわよ」

 かつて見た冗談のような光景を思い出し、頭を抱える。

 獣人族は、真っ向から殴り合えば最強とも言われている種族だ。
 その中でもトップレベルであるはずの同僚が、団長には小細工なしの真っ向勝負で敵わない。
 攻撃は当たっても通じず、むしろ当てると自分がダメージを受ける。
 挙句、攻撃を受ければ防御すら役に立たず一撃で意識を断たれてしまう。
  
 そこそこ長い付き合いだが、実は上位ドラゴンが人に化けているのではなかろうかという疑惑が未だに晴れない。
  
「あの、団長さんホントに人間ですか?」

「自己申告だけどね。まあ、剛人族って言われた方が納得はできるわね。
それにしちゃ魔力量も私より上だけど」

 軽く肩を竦め、どこか投げやりに答える。

 剛人族は個人差はあれど、肉体強化無しの素手で岩を砕くとも言われ、
獣人族と真っ向から殴り合える怪物である。
 しかも獣人族がその強大な筋力の制御を苦手とするのに対し、
剛人族は大体が高レベルな制御能力を生まれ持っている為、
事実上世界最強の人族と呼ばれる事が多い。

 が、そんな剛人族にも一つだけ欠点がある。

 それは、平均魔力量が少ない事。
 人族全体の平均を十とすれば、剛人族のそれは五しかないと言われている。
 あくまで平均値であり、史上には莫大な魔力を持った者もいたとは言われているが、
それは例外中の例外だ。
 
 そして、エアウォリアーズ団長ガルーダ・アスガルドはルミナスを上回る魔力量を誇る。
 量的には僅差だが、そもそもルミナスの魔力量自体、人族の平均を大幅に上回っている以上、
剛人族という可能性は極めて低いと言わざるを得ない。

 もっとも、ルミナスからすれば断言はできない。
 そうであっても思わず納得してしまう程のとんでもない戦力を、幾度となく間近で見ているのだ。

「……なんつーか、団長さん一人戦場に放り込めば敵軍が壊滅しそうですね」

「実際似たような事一回やってるわよ。副団長が瀕死で単身敵陣突破してきた時、
ぶちぎれて二千人以上一人で片付けてたから。
ってか、普通肉体強化してる人間を手頃な強度だからって投擲武器にはできないわよねぇ」

「ありましたわねぇ……あまりに凄まじい戦いぶりに、加勢すらできませんでしたわ。
実に理不尽で非常識な光景でしたわねぇ」

 かつて目の当たりにした凄惨な光景を思い出し、頭を抱える傭兵二人。

 敵軍の中心に単身突込み、唯一人で鬼神の如き戦果を挙げたその戦いぶりは、凄まじかった。
 
 まず手近な敵を掴み、力任せに別の敵へ投げ飛ばす。
 すると込められた力の大きさゆえに、その敵は凄まじい速度で飛んでいく。
 肉体強化をしている人間の強度は高く、高速でぶつかればそれだけで殺傷兵器たりえる。
 しかもその時の団長の投擲速度は桁外れで、手がぶつかろうが、足がぶつかろうが、
頭がぶつかろうが、確実に敵は死に至っていた。
 中には味方に被害を出すまいと掴まれた瞬間肉体強化を解いた剛の者もいたが、
その場合は掴まれた部位が千切られ、苦悶の末に死んでいったのである。

 やがて敵は掴みを警戒して槍などに距離をとれる攻撃を主体に襲い掛かったが、それすらも通じない。
 逆に槍を奪い取り無造作に薙ぎ払ったり、矢を掴み取って投げ返したり、
攻撃魔法を敵の死骸を投げ飛ばして迎撃したりと、本気で出鱈目だった。
 
 あまりに無敵で凄まじい戦いぶりに、加勢しようとしたルミナス達は即座に方針を変え、
団長の攻撃範囲外の敵を殲滅する事にしたほどだ。
 そうでもなければ、間違いなく邪魔をする事になると。 

「副団長も大概だけど、団長の方がもっとイカレてんのよねぇ……マジで化物夫婦だわ」

「あー、そういえば夫婦って話でしたね。
確か《闘神》ガルーダ・アスガルドと《閃刃》クレイア・アスガルドでしたっけ?
元々はミストラグナ革命戦争の英雄だったとか」

「ええ、戦争終了後国を出てエアウォリアーズ設立した最強夫婦よ。夫婦喧嘩してる事多いけど」

「ありゃ、仲悪いんですか?」

「逆。どっちかっつーと仲が良すぎんだと思うわ。
ついでに言うと団長が馬鹿やって副団長が制裁ってパターンばっかね。
団長、部下鍛えようとして加減間違えて骨折ったりって事多いから」

 困ったように笑うルミナス。

 団長は決して手加減が下手というわけではないのだが、部下の鍛錬ではそれを間違える事が多い。
 技量としては町で逃げ遅れた子供を怪我をさせずに母親の所に殴り飛ばすような事も出来るのだが、
どういうわけか部下の鍛錬に熱が入りすぎると加減を間違え、熟練の強者である彼らの骨を折ってしまう。

 それを巧みにコントロールするのが、副団長。

 熱が入りすぎそうになったら、夫の脛を鞘で引っ叩く。
 それで止まらなかったら、頭を引っ叩く。
 それでも駄目なら股間に強烈な一撃を叩き込み撃沈、と容赦がない。
 その前にも夫が課すメニューを検分し、適度に調節してくれる、頼もしい人物だ。

 もっとも、彼女も過激な性格をしているので、課すメニューは大概が限界ギリギリ。
 しかも力量はきっちり見極めているので、消化前に倒れたら手抜きとみなされるとかなり性質が悪い。
 
 なので、エアウォリアーズでは団長だけに鍛錬を課される時は即座に逃げろ、副団長がいる時は死ぬ気で頑張れ、と言われている。

「ありゃ……?」 

「どうかしたの、シズクちゃん?」

「ああ、いえ……なんかローラさんとメイベルさんが裏の森の方に行ったんで。
授業終わったんですかね? でも、海人さん達はまだ教室だし……」

「二人だけ早く終わったんじゃない?
ローラさんもだけど、メイベルさんも頭回りそうだし」

「ですかねぇ……あ、ゲイツさん帰りましたね。
ちょっと時間差があっただけかな? でも、何で森に行ったんですかね?」

「ひょっとすると、夕飯用の卵でも取りに行ったんじゃない?」

「ああ、そういえばあんまり卵残ってませんでしたね」

 一応の推論が立った事で、雫は気を取り直して御茶を啜った。
 そうしてしばらく女同士話に話を割かせていたのだが、 

「―――にゃっ!?」

 突如外から響き渡った轟音に雫が小さな悲鳴を上げた。

 轟音は一度ではなく、何度も何度も響いている。
 音も一種類ではなく、ズン、とかドスン、とかドォン、とか実に豊富。
 しかも音が響くたび 屋敷にビリビリとした振動が響いている。

 が、程なくしてその音は止み、周囲に静けさが戻った。

「な、なんでしたの、今のは……」

「あー……なんか、組手……いや、この短時間だと喧嘩……って言うにも一方的すぎるか。
まあ、とにかくメイベルさんがボッコボコにされたみたいです」

 シリルの疑問に、雫が溜息交じりに答える。

 先程二人の気配が森に移動してすぐに、気配の動きが激しくなった。
 どうやらローラにメイベルが襲い掛かっていたようだが、結果は当然の如く無惨。
 最初の接触ではメイベルは天高く打ち上げられ、その上昇が終わる前に大地に叩き落とされた。
 次はメイベルが鞭でも使ったのか、彼女はあまり動かずローラの動きが激しくなったが、
徐々に間合いを詰められ、メイベルは森の奥へと吹っ飛ばされる。
 その後も争いは続いていたようだが、ローラは幾度となく強烈な打撃を叩き込んでいたらしく、
メイベルと接触するたび、面白い程にあっちこっちに彼女の気配が飛んで行っていた。

 先程の音の正体は、その打撃音と衝突音である。
 
「……メイベルさん、生きてるかしらね?」

「気配は消えてませんから、まだ生きてると思います。
ローラさんに運ばれてこっちに向かってますね」

「ありゃ、あの人にしちゃ優しいわね」

「そうでもないですよ。気配の位置関係からして、地面に引き摺ってますし。あ、走り出した」

「ちょ、ちょちょちょ!? 大丈夫なのメイベルさん!?」

「うーん、気配強くなったから、多分起きたんだと思いますけど、
相変わらず激しく上下左右に揺れてますね……多分、片足掴まれて引きずられてるのかな?
あ、今度は飛んだ」

 雫の冷静な実況が終わって数瞬後、部屋の上からスタッと何かが着地する音が聞こえ、
一瞬遅れてガン、と何かがぶつかる音が聞こえた。

 ルミナスとシリルが引き攣った表情をしていると、

「あ・な・た・ねぇ~~~~! 引き摺るぐらいならいっそ放っておきなさいよ!」

「あら酷い。魔物の餌にならないよう気を遣ってあげたのに」

「あそこの魔物ぐらいなら気絶してても襲われる前に跳ね起きるわよ!」

 やいのやいのと屋根の上から口論が聞こえてくる。
 ローラの口調は普段と変わらないが、メイベルはいつもの余裕ありげな態度はどこへやら、
良く通る声で怒鳴り続けていた。

 が、しだいに口論は収まり始め、言葉が聞こえなくなる。
 すると、汚れ一つないローラと、ズタボロになったメイベルが窓から入ってきた。
 入る前に、手持ちの布で汚れを落としつつ。

「あーっと……メイベルさん、大丈夫ですか?」

「あら、心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ……今まで数える気にもならないぐらい、
似たような目に遭わされてるから」

「恨み言を言う前に、そういう事をされるような日頃の行いを改めるべきね。
ま、それはさておき……ルミナス様、夕食について少しご相談があるのですがよろしいでしょうか?」

「ん? 分担の話ですか?」

「いえ、僭越ながら、今日は全て私とメイベルにお任せいただきたいのです」

「うーん……別にいいんですけど、何でです?」

「メイベルが、武力では勝敗が決まりきっているから料理で勝負をしたいと言い出しまして。
彼女の料理の腕は私に劣りますが、皆様が不満を覚えない程度の物はお出しできるかと思います。
許可していただけますか?」

「言ってくれるわねぇ……勝負となればとっておき出すし、カイト様も食べるとなれば全力よ?
せいぜい貴女の料理を残されて落ち込まない事ね」

「あれ? ローラさんより美味しい物作れるんですか?」

「ふふ、平均点では敵わないけど、幾つかの得意料理なら勝てるのよ。
こんだけズタボロにされた以上恨みは晴らしたいから、許可してもらえないかしら?」

「……分かりました、構いませんよ。
そんだけ自信ある料理って気になりますし。
あ、出来ればちょっと料理してるとこ見学させてもらっていいですか?
ローラさんの手際は毎回勉強になりますし、メイベルさんの手並みも気になるんで」

「御随意に。では、早速厨房に参りましょうか」

 ローラはそう言って優雅に一礼すると、厨房へと歩き出した。 




  



コメント

ふむ…やっぱり予想通りローラの前の所属は騎士団っぽいなぁ。ってか他のメイドメンバーらしき通り名が(汗)
そしてルミナス達の所の団長夫婦の名前・・・アズガルドって確かどこかの神話で世界・‥ひいては天地を表す言葉だったような……まさかね。

追伸
ふと思ったんですが、ラクリスのカイザーウルフとリレイユがお互いに小さく鳴きあって会話しているように見え、女性陣が微笑ましく見ている。というのが思い浮かんだ。
[2015/03/03 07:52] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


相変わらず説明や解説が鬼のように多(くど)いな~
それは今明かさなあかんのか?て思える箇所がチラホラ
ドハマりしてた頃は全く気にならなかったけど、完全に熱引いた状態で読むと……
(そもそもなら読まなきゃいい的なのは置いといて)

更新遅いのはまだしも話のテンポもう少し上げれませんかね?
例えば今回なら後半のルミナス達サイド、
「ありゃ……?」「どうかしたの~からでよかった気がします

もうひとつ思い当たるとすれば76話、
「どうなさいましたの?」「南方から屋敷に~からで(ry

総括すると、「丁寧とダラダラを履き違えないでほしい」てことですね


相当失礼、不快なこと書いたと思いますが張昭の如く、
思ったことを馬鹿正直にしか伝えられないタチですいません
[2015/03/03 22:47] URL | uudkh@d' #- [ 編集 ]


副団長は既出でしたがようやく団長の名前が出てきましたね~。
名前的にもエピソード的にもどう考えてもあの2名ですよね。
登場が楽しみです。
[2015/03/04 01:13] URL | #- [ 編集 ]

承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
[2015/03/04 01:28] | # [ 編集 ]


前回まとめ読みしてから約1年、相変わらず面白いし、更新を続けてくださっていて安心しました。次回何時になるか分かりませんが、またまとめて楽しませていただきます。
[2015/03/28 16:24] URL | osu #- [ 編集 ]


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