ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編6/15
番外編です。
割と珍しいネタかもしれません。
特に時系列は決めてないですが、第三部終了後ではあります。

では、コメント返しさせていただきます。

 さん

御意見ありがとうございます。
答え書いておくと、ローラです。
一応本編の情報から特定できる要素は入れたつもりだったんですが、甘かったですね。
なくてもいい話というのはある意味毎度のことなのでご容赦いただけると幸いです。

コスモさん

分かっていただけたようで、ありがたいかぎりです。
昔からあんな感じなのです。
ちなみに、もう一人は鬼ごっこが始まった時点で巻き添えくって脱落してたりします。

たこ焼き……話を膨らませるなら出汁のみ、ソース、ソースとマヨなどのパターン違いかな。
個人的には出汁のみのが一番好きなんですが……。
考えておきますね。


うーむ、やはり話のつなぎ目が難しい。
大丈夫、と思っても読み直すと不自然に感じるのが何とも。
どうにか自分では違和感を感じない程度に仕上げたいと思います。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。






 番外編



 リトルハピネス。
 ここは多くの質の高い料理店がひしめくカナールにおいて、常に人気を博している店舗だ。
 味もさる事ながらボリュームもたっぷり、さらにはメニューも豊富で、幅広い客層から根強い人気を誇っている。
 
 それを支えているのが、店主であるミッシェル・クルーガー。

 外見こそ元は美人であっただろう恰幅の良いおばちゃんだが、その料理の腕はカナール屈指。
 高級食材を使わずに貴族すらお忍びで訪れるような質の高い料理を次々に生み出し、
全ての客にコストパフォーマンスに優れた味の世界を満喫させている。
 また、従業員の教育にも余念がなく、日々戦場のような厨房を仕切りつつ、料理は勿論接客の指導も怠らない。
 
 しかも、店を続けながら女手一つで現在若手最高の冒険者と謳われているゲイツ・クルーガーを育て上げ、
いまだ彼が幼い頃からの上下関係を保ち続けているという、凄まじい教育の成果まで持っている。
 
 まさしく稀代の女傑で、カナールの若い女性には彼女に憧れる者も少なくない。
 
 そんな彼女は、現在自身の店で常連と向かい合っていた。

「……という事なんだけど、何か良い案ないかい?」

「と言われましても……貴女ほどの料理人に提示できるほどの案は流石に……というか、何故私に?」

 ずずい、と身を乗り出すミッシェルに、海人は引き攣った笑みを返した。

 話自体は、単純だ。

 リトルハピネスは人気店だが、店舗がさして広くなく、質の高い料理を提供する為、
どうしても客を捌ける数に限界がある。
 時間帯によっては行列が出来る事も多く、空腹だというのに長く待たされる客も出てしまう。
 それでも食べたい、と思ってくれる客が多いのはありがたい話だが、申し訳ない事に変わりはない。
 また、食べたいが並んでいる暇がない、と悲しげに去っていく客も多く、余計にそれが倍加する。

 一応の解決策、というか妥協策として持ち帰り用のサンドイッチも提供しているが、
同等以上の質の物を提供する店が他に存在するので、この店でやる意味が薄い。

 ゆえにこの店ならではの料理で、持ち帰り可能な物。
 それも冷めても美味しく食べられて、出来れば見栄えが良い物。

 ――――それの案を、海人が求められたのだ。 

「いや、だってあんたルミナスちゃんの料理色々と食べてたろ?
それに味覚が鋭いし、頭良いみたいだし、何か思いつかないかねー、と思ってさ。
私ら本職がかえって見逃しちまう事ってのもあるだろうしね。
ああ、セツナちゃんとシズクちゃんも何か思いついたらドシドシ言っとくれ」

「いえ、拙者はその、正直料理は不得手ですし……」

「あたしもミッシェルさんが思いつかないような事思いつくとは思えませんねー」

「そうかい……カイト君、やっぱ思いつかないかい?」

「一応伺いますが、おむすびというのは?」

「あれかい……味は良いが、華がないんだよねぇ。
美味しいけど具を入れても外からは見えないからねぇ……白一色は流石に寂しい」

 はあ、とミッシェルは溜息を吐く。

 おむすびというのは聞いた事があったし、試しもしたのだ。
 海人の卸してくれている米が美味い事もあり、確かに良い物には仕上がる。
 塩と米だけでも十分に美味かったし、色々と具材を考えて突っ込んでみたが、基本的に外れがなかった。
 味の面だけで言えば、文句など出ようはずもない。

 問題は、見た目。

 米の白い輝きは確かに美しいが、それだけでは流石に寂しいものがある。
 そして、どんな具材だろうと米に埋めてしまう為、見た目のアクセントにならない。 
 細かく切った具材の一部を三角形のてっぺんに盛ったりもしたが、
大部分が白ではやはり見た目的によろしくなかった。

 そうがっくりと肩を落とすミッシェルに、海人は小さく首を傾げた。

「へ? いや、海苔とか葉物の漬物とかで巻けば見た目のバリエーションも多少……あ゛」

 海人は慌てて口を抑えるが、時すでに遅し。
 獲物を狙う飢えた獣のような眼差しで、ミッシェルが口を開く。

「……聞かせてもらえるかい? まずノリってのは何だい?」

「あー……大雑把に言うと、海藻を乾燥させた物です。
火で軽くあぶると、ほのかな旨味に香ばしさとパリパリした食感が加わり、
塩をまぶした米と一緒に食べると非常に美味いです」

「それはこっちに卸してもらえるのかい?」

「……量は限られますが、それでよろしければ」

 問われた海人は、目を逸らしながら答えた。
 いつも尊大さを漂わせている彼にしては珍しく視線が宙を泳ぎ、
声にどこか萎縮が感じられる。
 
「……そうかい、じゃあ今度味見用に持ってきとくれ。
で、漬物だがね、葉っぱの漬物ってのは聞いた事がないし、漬物じゃ酸味が強すぎて米と合わないよ?」

「あ、いえ、ヒノクニではこちらと違い塩をたっぷり使って漬物を作るのです。
適度に水分が抜けてしんなりすると、大きい葉物ならばおむすびも巻けますし、
漬物の塩味が米ととても良く合うのです」

 ミッシェルの疑問に、今度は刹那が答える。

 この大陸の漬物は、基本的に酢漬けだ。
 ゆえに酸味が強く、パンなどとは良く合うが米との相性は良くない。
 対して、ヒノクニでは漬物に塩を多く使う。
 酸味はあるがこちらの漬物程ではなく、塩分が強いため米との相性が良い。 

「ほほう……ちなみに、おむすびを巻くなら何が一番良いんだい?」

「白菜じゃないですかねー。ちょっと塩味薄目の」

 ごくん、と茶菓子を飲みこみながら能天気な声で答える雫。
 その頬は、今しがた食べたチョコレートの味に緩んでいる。 
 
「初めて聞く野菜だね……それは手に入るのかい?」

「…………量は限られますが、それでよろしければ」

 先程と同じ言葉を返す海人だが、視線は先程より更に落ち着きが無くなっている。
 まるで一部の隙もない笑顔であるミッシェルを、一瞬でも視界に入れたくないと言わんばかりに。
 
「うんうん、ありがたい話だねぇ。ま、それはそれとして……カイト君?」

「な、何でしょう?」

「二人も養う事になったってのに、なーんで商売っ気出さないんだい!?」

 笑顔から一転して般若の如き形相になり一喝するミッシェル。
 太めの全身から発せられた大声量が、店全体にビリビリと響き渡っている。
 今が休憩時間でなければ、阿鼻叫喚の大騒ぎになっていただろう。
 
「い、いえその、単純に忘れていただけなのですが……」

「言い訳すんじゃない! ってか本当に忘れてたんならもっと問題だよ!
あん時あんだけお説教したのにもう忘れちまったのかい!?
もっかい説教すっから覚悟しなっ! 今度はあん時みたいに温い説教じゃないからね!?」

 海人の言い分をバッサリと切り捨て、宣言するミッシェル。

 なんとも頭の痛い話だった。
 海人には、商売っ気というものがない。
 なんせ、今この店で使っている上物の米を卸す時も、最初はそれより劣る米の六割程の価格で卸そうとしたぐらいだ。
 勿論そう申し出てくれた彼の心は嬉しかったが、未来ある若者の選択としては大問題だった。
 
 この世の中、いつどこで何があるのかなど分からない。
 特に金の問題はいつどんな時に大金が必要になってもおかしくない側面がある。
 それを考えれば稼いで稼ぎすぎる事は無く、稼げる機会は極力逃すべきではない。
 まして稼ぐ手段が手元にあるのに気付かなかったなど、言語道断である。

 無論稼ぎすぎてやっかみを受けて命が危険に晒される事もあるだろうが、
ミッシェルの経験上それよりも金がない事による問題の方が大きい。
 
 息子の話からすると商才はむしろ有り余っているぐらいのようだが、
商売っ気がないのではそれも宝の持ち腐れ。
 どんな良い包丁も、使われないのではただの飾りでしかない。

 それでも、まだ彼が一人の時は容認できなくはなかった。
 仮にも成人した男なのだから、無欲ゆえに何が起ころうと己の責任。
 なので、お金を稼ぐ大切さを頭に刻み込んで忘れられないよう延々説教するにとどめた。

 が、現在の彼は護衛二人を養っている。
 ならば、きっちり商売っ気を出して稼げるところで稼いでおかねばならない。
 いまや彼の稼ぎに三人分の生活がかかっているのだから。

 無論、護衛姉妹も選んだ主が悪かった自己責任と言ってしまえばそれまでなのだが――――そうもいかない。

 そもそも、眼前の主従は三人共非常に良い子なのだ。
 三人共礼儀正しく、それでいて人当たりも柔らかい。
 また、今時珍しい程に仲が良く、特に食事風景は見ていて和む為、
ついついデザートをおまけしてしまう時もある。
 出来る事なら幸せになって欲しいのだ。
 
 ミッシェルはそう思い――――心を鬼にして、こんこんとお金を稼ぐ大事さを説き始めた。
  
 ――――まさか、海人の収入が平均的な同年代より一桁上だなどとは夢にも思わず。



コメント

えっと、一桁というのは万と億の違いかな?
[2015/06/15 04:20] URL | #- [ 編集 ]


おにぎりかぁ…個人的にはシンプルなえび天むすびが一番好きですが、味付け肉を使ったのもいいですね。
所でゲイツの父親って…?

追伸
おにぎりネタがあるならライスバーガーはいかがでしょう?
[2015/06/15 09:51] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]

?
一桁上程度とはとても思えないのだが
[2015/06/15 18:09] URL | 通りすがり #pwutJTUc [ 編集 ]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2015/06/17 04:09] | # [ 編集 ]


久々に番外編読んだ。そこそこ楽しめた
でもう見飽きてるでしょうがそろそろ本編をですね(ry
[2015/06/17 16:13] URL | #- [ 編集 ]


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