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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。11/30
番外編です。
定番というほど定番ではないかもしれないネタです。
病み上がりなんで、出来は悪いかも(汗)

それと、前回コメント承認してないのにコメント返しするというわけの分からない事やってました。
前回承認し忘れた方々、申し訳ございませんでした。

では、コメント返しさせていただきます。


コスモさん

カレー、大人気です。
美味しいものはやっぱり強いですよね。

その案に関しては番外編に突っ込もうと思ったんですが、どうも上手くいきませんで。
上手くいったら出すと思います。

 さん

実害さえなければ、物であっさりごまかせる公爵令嬢です。
寛容と言うべきか食い意地が張ってると言うべきかは、皆様にお任せします(笑)

えびすさん

読み返していただけている、というのは作者としては何よりも嬉しいです。

戦場で出会う男女、その後共に力を合わせて戦場を駆け抜け、
日常に戻った後も女が忙しい中親交を深め、やがて女は男の大きな秘密(創造魔法)を知り……うん、
登場の遅さ除くとヒロインっぽいですね(笑)
まあ想い人があれじゃどんな立場でも苦労するでしょうけど。

あきさん

御指摘の箇所ですが、シリルで合ってます。
後半は85話でシリルが起きた時の話(海人と同じ解釈)を受けての言葉です。
前半はルミナスの方が適切だったかもしれませんね。

次話ですが、実は風邪ひいてあんまり書き進んでませんでした。
酷いときは暖房付けて布団被っても歯がガチガチ鳴り続けるレベルだったもので。
一応回復し、あとダメージが残ってるのは喉だけなので、来週は普通に進められると思います。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。



 ハロルドは、先日海人から買った絵画を前に唸っていた。

 物は、確実に良い。
 安らかに眠る茶色の犬も、それに群がる元気いっぱいな三匹の猫もなんとも言えない魅力が溢れている。
 能動的な動きをしている猫達は勿論、眠っている犬にも呼吸音が聞こえてきそうな生命感があり、
かつ背景として描かれている庭も鮮やかな緑と程良い花々の色彩が動物達を引きたて、
全体としてなんとも心和ませてくれる出来に仕上がっているのだ。

 問題は、買い取った値段の安さである。

 ハロルドなら百万ルンを超える額で売れる品でありながら、彼は三十万しか受け取ってくれなかった。
 必要経費などを考慮しても五十万は確実に出せる品である、ときちんと説明したにもかかわらず、だ。   
  
「……過去描いた物の複製、それも暇潰しに描いた物と言っても、あの額はのう……」

 ふう、と溜息を吐く。

 確かに、値を下げる理由にはなるだろう。
 一点物と量産物では稀少価値の差で値が違うのだから。
 
 が、暇潰しに描いたというのはハロルドからすれば理由にはならない。

 いかなる事でもそうだが、求められるのは結果だ。  
 数年かけて描いた物でも出来が悪ければ二束三文だし、
暇潰しで描いた物でも物が良ければそれに見合った値が付けられる。
 どの程度の労力を費やしたかなど、所詮描き手側の話で買い手には関係がない。
 手抜きだろうと何だろうと物が良ければそれで良いし、
むしろ早く仕上げられる能力があるならそれは称賛されるべきだろう。

 しかもこの絵の場合、売るならばちゃんと仕上げるべきだ、
と細かい部分の調整を行っており、ハロルドが最初に見た時より質が上がっている。

「まったく……時間をかけただの良い絵具を使っただので高く売ろうとする連中は山のように相手してきたが、
時間がかかってない、普通の絵具しか使ってないと安く売ろうとする相手なぞ初めてじゃ」

 どっかりと椅子に腰かけながら、天井を見上げる。

 一応、これまでも安い値で売ろうとした画家が今までいなかったわけではない。
 己の絵のレベルに自覚がない新人画家や、質に自負はあってもそれまで安く買い叩かれすぎて低い額を提示した者達はいた。
 そういった者にハロルドが信じる適正額を提示し、飛びあがって喜ばれた事は一度や二度ではない。

 が、ハロルドが提示した額から下げようとした人間は流石に初めてだ。

 普通ならば、人間売る時は高く売りたいものである。
 仕入れ先のその欲求を適度に満たしつつ、販売先にも満足してもらうのが商人というものだ。
 そのバランスを取りつつ自分の利益をきっちり確保する事こそ、商人の腕の見せ所。

 その当たり前の思考が、通じない。
 困ったものだった。

「金の大切さが分かっとらんのであれば、考えを改めさせる事も出来るんじゃろうがなぁ……」

 金など大した価値はない、と言わんばかり海人の態度だが、
実のところ彼は金の重要性を良く知っているようだった。

 護衛二人を養うにも金がかかるし、生活するにも金がかかる。
 病にかかって高価な治療薬が必要になる事もあるだろうし、
老いてまともに動けなくなった場合を想定すればやはり金が必要になるだろう。
 さらに言えば金がない事による不自由よりは、金がある事による不自由の方が圧倒的にマシだろうとも言っていた。

 その上で、彼は絵を安く売ると言ったのだ。

 現在は他の仕事で将来を見越しても十分な収入があり、早急に金が必要なわけではない。
 ならばあくまでも片手間程度の作業で楽に稼ぐ事を覚えるのは良くないと。
 それこそ粗製濫造に繋がり、やがて自らの堕落を呼んでしまうかもしれない。
 多少金を得られる機会を逃す事よりもそちらの方が恐ろしい、と。
 
 そう言われてしまっては、ハロルドとしても食い下がりにくい。
  
「己の能力に自負があり、実際それで稼げてるからじゃろうな。
シェリス様の所に重用されているというのなら過信ではなかろうし……まったく、付け入る隙がないのう」   

 何日か前に訪れたシェリスの部下を思い出し、ぼやく。

 絵画の販売などに関してとやかく言うつもりはないが、くれぐれも海人の仕事に支障が出ない範囲でと念押しされた。
 シェリスからの伝言という事だったが、伝えに来た人間の表情からして屋敷の人間の総意と捉えて差し支えないだろう。
 間違いでも加減を誤って海人が倒れたら、その瞬間暗殺者に変貌しそうな目だった。

 シェリスに相当頼りにされている事の証明であり、またかなりの収入を持っている証明でもある。
 彼女が優秀な仕事には報酬を惜しむ事などありえないのだから。    

 なので海人の生活面においては全く心配していないのだが、やはり買取額がハロルドの適正額を下回っているのは気分がよろしくない。
 普通の仕入れ先でも引っ掛かりそうだというのに、相手は娘と孫娘の命を救ってくれた大恩人なのだ。

「ま、あんまり考えても仕方ないじゃろうな。
とりあえず売って適正価格との差額を貯めとくかの。
いずれ還元する機会もあるやもしれんし」

 そんな先延ばしともとれる結論を出すと同時に、部屋の入り口がノックされた。

「おじいちゃん、入ってい~い?」

「おお、ファニルか。うむ、入ってきなさい」

「失礼しま~す。おじいちゃん今日の夕食なん……」

 ファニルの言葉が切れ、視線が海人の絵に固定される。

 そして、彼女はそのまま無我夢中で絵の観察を始めた。
 間近まで近寄り、一筆一筆のタッチを確かめるように視線を動かし、
一通り確かめ終えたら今度は距離を離し、部屋中を動き回りながらベストアングルを探し始める。
 余程集中しているらしく、ハロルドが邪魔にならない位置に移動した事にすら気付いていない。

 そんな孫娘の反応に、ハロルドは頬をほころばせた。 
 
「この絵がそんなに気に入ったかの?」
 
「……うん。どの子もすっごい可愛いし、お庭も凄いきれー……おじいちゃん、これいくらで売るの?」

 きらきらと目を輝かせながら、訊ねる。

「額縁付きで百三十万ってとこじゃな」

 視線を逸らしながらも正直に答えたハロルドの前で、ファニルががっくりと崩れ落ちた。

 安いとは思ってなかったが、全く手が届かない。
 大人になって稼げればと思うが、以前聞いた祖父の部下のプライベートの話からするとそれも厳しいものがある。
 思いきって行った高級レストランで支払いが一人五万だったから、しばらく節約しなきゃとか言ってたのだ。
 多くの人を束ね、高い給料を貰っているはずの商会の幹部がである。 
 
 自分が大人になっても、そこまで稼げるとは思えなかった。 

「ほっほ、そう落ち込むでない。
ファニルがちゃ~んと真面目に勉強して知識を身につけていれば、二十歳前に買えるようになるはずじゃ。
それまでは待ってやっても良いぞ」

 項垂れる孫娘の頭を、優しく撫でる。

 気休め、というわけではない。
 将来様々な道を選べるようハロルドや彼の娘夫婦はファニルの教育に力を入れており、その成果はきちんと出ている。
 そして現在特にファニルを後継にするつもりはないが、それでもゲーリッツ商会創業者の孫という立場は色々有利だ。
 能力さえあれば、ちゃんとそれに見合った給料を得られる地位に就けるだろう。
 まだ本人は自覚がないだろうが、順調に進めば将来は明るいのだ。

 たかだか百三十万程度の絵一枚、将来的に買えないという事は無いだろう。 
   
「ザボックおじさんでも難しそうなのに?」

「ザボックは金を貯めるのが趣味のようなもんじゃからな。
あやつが普通の生活しとりゃ、こんぐらいの金額は金貯める必要もなく出せるわい。
で、どうするかの?」

「……頑張る! 一生懸命お勉強して、この絵買うの!」

「よくぞ言った。それでこそ我が孫じゃ」

 むん、と気合を入れる孫娘を優しく見つめる。

 流石に、今のやる気が何年も持続するとは思っていない。
 他に比べればしっかりしているとはいえ、まだまだ移り気な子供だ。
 一枚の絵の為だけに果てなく努力を続けるというのは無理だろう。

 が、それでもいいのだ。

 心の底から何かを欲し、努力をする。それこそが重要なのだ。
 途中で諦めたところでその努力は無にならず、確実に糧となる。 
 そんな積み重ねこそが、明るい未来を切り拓くのだから。

 孫娘の未来を想いながら、ハロルドは穏やかに微笑んだ。

 


コメント

なるほど、やはり海人の絵はやはりかなりの物なんですね。
これで海人製の彫刻を見たらどういう反応をするんでしょうね。

追伸
ハンバーグネタとかいかがでしょう?
[2015/11/30 08:14] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2015/11/30 22:35] | # [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2015/11/30 23:46] | # [ 編集 ]


厳しい事を言わせてください
大前提であなたの作品が好きです
でも8章から中学生の妄想ノートになってます
正直読むレベルにないです
そして番外編、これは友人の二次創作でしょうか
何度読み返しても面白いのですが
8章に入ったとたんに露骨な回り道が始まります
まるで一曲を薄めて10曲入りのアルバムにしたような
そもそも番外編というのは
光の当たっていないキャラや設定を取り上げるものじゃないでしょうか
例えば老人達の街を盛り上げた過去や、海人の酒を使った貴族との交渉の様子等です
それが毎回同じ登場人物で同じ内容
もう光が当たるどころか全身スキャン済みでしょう
[2015/12/04 00:10] URL | きび #- [ 編集 ]


やっぱりファニルちゃんは可愛くて最高ですね。
それにしてもこのコンビは本当に見るたびに良い反応してくれるしもっと番外編で出番が増えて欲しいですね。

ところで絵といえば以前書いていたプチドラゴンの絵のほうも正直気になりますね。

PS
[2014/04/14 00:37]の番外編から先の番外編が全部セットされていないのですが、番外編のセットはいつごろですか?
[2015/12/06 19:03] URL | シャオ #xDU5tAck [ 編集 ]


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