ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。3/28
というわけで番外編です。
割と定番のネタだと思います。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


コスモさん

海人のカレーの再現は、あの二人なら技術的には余裕で再現可能、
ただし詳細な分析が難しい為現実的には至難ってとこですね。
それでも意地は見せると思いますが。

何気なく演奏した楽器がこの世界になかった、というミスはちょっと可能性が低いかなと。
ただ、違う楽器ネタでちょっと考えてるのがあります。

fnafさん

確かに大概似通ってますね(汗)
時間かけて練れば多少マシになると思いますが、その余力があれば本編に回したいので。
多分、現状での改善は難しいと思われます。



とりあえず、休み中にある程度次話を書き進められました。
月曜全力、土曜執筆不可能だったので±0な気もしますが(汗)
この調子なら、多分次の次までには本編更新できそうです。
執筆時間が予定通りに確保できれば、という前提ではありますが。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。






 番外編



 雫は屋敷の中庭で、くつくつと煮立つ鍋を前に顔をほころばせていた。

 鍋の中身は、おかゆ。
 朝の鍛錬で少しばかり空腹感が強くなりすぎ、
かつ朝食まで若干間がある事から軽く腹に入れておこうと思って作った物だ。
 この程度の量のおかゆでは雫の腹の足しにはならないが、朝食前の前座としては適量である。

 いただきます、と軽く手を合わせ、箸を伸ばす。

「熱っ……! はふ、はふ……!」

 熱々のおかゆが、雫の口内で転がされる。

 特に味付けはしていない、水と米だけの味わい。
 シンプルかつ単調な味わいだが、しっかり味わうとその美味さが良く分かる。

 口に入れた直後に広がるのは、水の儚い甘味。
 上質な水に極上の米が溶け出したその味わいは、なんとも言えぬ滋味に溢れており、
鍛錬直後で若干尖っていた心に安らぎを与えてくれる。

 次いで広がるのは、米のしっとりとした甘味と旨味。
 粒がしっかり残っている為、その味は水に溶けだしたそれよりはるかに強く、先程よりも食事をしていると実感させてくれる。
 かといって味が極端に強いわけではなく、ほのかだがしっかりとした滋味が口に広がっていく。

 ひとしきり味わった後に飲みこむと、残るのは水の後味。
 気を抜けば見逃しそうな程儚い甘味が数瞬残った後、綺麗に消えていく。
  
 とりあえずおかゆの味を堪能した雫は、はふう、と息を吐くと、鍋の脇にある小皿に手を伸ばす。

「おっ塩、おっ塩~♪」

 濡れた箸先にちょこんと塩を付けると、雫はそのまままた一口おかゆを食べた。  

 先程の美味が、より鮮明になって感じられる。
 ほんの僅かな塩味が、繊細なおかゆの味を引き立てているのだ。
 その分少しばかり味の清廉さが損なわれた気もするが、それが気にならない程に美味い。

 その美味さに、ついつい同じ作業を繰り返してしまう。
 口の中の皮がむけそうな熱さすらほとんど気にする様子もなく。
 むしろ、その熱さこそが良いとばかりに。
 
 雫は心行くまで塩とおかゆの相性を堪能すると、今度は漬物に手を伸ばそうとし―――止まった。

「むう……どれから行くべきか」

 用意した漬物を睨み、唸る。

 たくあん、千枚漬け、柴漬け、梅干し、どれも素晴らしい逸品だ。
 そして、当然全ておかゆとの相性が良い。

 たくあんは大根の甘味と適度な塩気、そして小気味良い歯応えが魅力。
 おかゆの素朴な味に個性的な旨味を加え、さらに歯応えの良さで食事の実感を強めてくれる。

 千枚漬けはたくあんほど個性の強い味ではなく歯応えの良さも劣るが、
素朴な味わいと優しい食感を併せ持つおかゆとはこちらの方が馴染みやすいかもしれない。
 表面の少しねっとりとした食感も魅力だ。

 柴漬けの魅力は、なんといっても強めの塩気と紫蘇の香りだ。
 その香りの強さでおかゆの香りをほとんどかき消してしまうのが難点だが、
先程からおかゆそれ自体の味はたっぷりと堪能していたので、
目先を変えるにはむしろ丁度良いかもしれない。

 梅干しも、捨てがたい。
 主張の強い梅の香り、さらには強烈な塩味と酸味。
 これらはむしろ御飯の方が相性が良く、おかゆを味わうには不適にも思えるが、
これだけ上質なおかゆならばそれらに圧倒されてもなお、味を支える土台としての主張を残すだろう。
 
 とはいえ、いつまでも迷ってはいられない。

 いかに美味いおかゆとはいえ、冷めてしまえば味は落ちる。
 御飯ならば冷えてもあれはあれで美味い、というか米の甘味という点ではむしろ増すのだが、
冷めたおかゆは色々と悲惨だ。
 火の魔法で再加熱という手もあるが、再度温めている間にも本来の朝食の時間は迫ってくる。

 さてどうしたものかと考えていると、すぐ脇で熟睡していた男が目覚める気配がした。

「おはよーございまーす」

「……おはよう。結構な量だが、朝食入るのか?」

 ふあ、と欠伸を噛み殺しながら、海人が訊ねる。   

「大丈夫ですよ。海人さんも食べます?」

「いや、いらん。しかし、色々と揃えているな」

「ええ。どれから食べよっかな~とちょっと悩み中です」

「まあ、それだけ漬物があればな。とはいえ、何度も食べてるだろう?
好きな物から食べていけばいいじゃないか」

「そりゃもっともですけど、折角美味しいんですからちゃんと味わいたいじゃないですか」

「なるほど、もっともだ。しかし、おかゆに合わせるのが漬物だけでは面白味が……」

 海人は言葉を切ると一瞬考え込み、ぽんと手を打った。

「どうしました?」

「いや、そういえば他のおかゆと相性の良い物を忘れていたと思ってな。
制約にも引っかかってないのに、迂闊だった」

「そんなのあるんですか!?」

「ああ、一つ試してみるか?」

「ぜひっ!」

 満面の笑顔でおねだりする雫に苦笑しつつ、海人は創造魔法を使う。
 直後、彼の手元に陶器製の小さな水差しが現れる。 

「これをたっぷりかけて食べてみろ」

「は~い」

 言われるがまま、雫は水差しを傾ける。 
 すると、中から少し黄色がかったとろみのある液体が現れた。
 とろとろと流れ落ちていくそれが、鍋の表面を満たしたところで、手を止める。

 そして、一口頬張った。

「美味っ!? わ、薄味だけど出汁がしっかり効いてて……美味しいですこれ!」

 はぐはぐとかっ込み始める雫。

 上質のかつお出汁の味が、米と良く絡み合う。
 米の甘味を引き出し、それが出汁の味をまた引き立て、と旨味の螺旋が口の中で広がっている。
 香りがまた素晴らしく食欲をそそり、手が止まらない。 

 気がつけば、雫の前の鍋は空になっていた。

「気に入ってくれたようでなにより」

「すっごい気に入りました! もう、さっすが海人さん! こんな美味しい物を隠し持ってたなんて!」

「誤解のないよう言っておくが、これは向こうのある料亭の名物料理だ。
ま、本家は粥以外にも色々と出るんだがな」

「なるほど……ところでこれ、ルミナスさんとシリルさんは御存じですか?」

「いや、今の今まで完全に忘れ去っていたからな。一度も出した事がない」

「だと思いました。はい、回れ右してくださ~い」

 悪戯っぽく笑う雫の指示に従い、海人は背後を振り返る。

 そして、硬直した。
 そこにいたのは、鍛錬から帰ってきたばかりと思しき友人二人。
 どちらも海人に眩いほどの笑顔を向けている。

「……雫、朝食も粥で良いか?」

「これなら美味しいから問題なしです♪」

 やれやれ、と肩を竦めた主の問いに、雫は輝かんばかりの笑顔で答えた。    
 
コメント

そうか…おかゆネタとは盲点でした。考えてみればあれも米料理の一種でしたね。
風邪の場合、おかゆに溶き卵と梅干しを入れるといいらしいですが。

追伸
病人向けの料理ネタや、お茶漬けネタはいかがでしょう?
[2016/03/28 09:37] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]

更新お疲れ様です
更新お疲れ様です。やはり年度末は忙しくあれやこれやで時間が無くて大変ですね。
作者さんも何かと忙しいと思いますが、執筆も程々にして体調管理には気を付けて下さいね。
次回の更新も楽しみにしております。ではでは
[2016/03/28 20:10] URL | 名無しの権兵衛 #y2a4lNMg [ 編集 ]


思い出し→ニッコリor逆ギレ→冷や汗、謝罪。いい加減飽きましたこのパターン
これ思いっきり、俺が大嫌いな「バカ女に振り回されるヘタレ男」の亜種だな

あっ男がこの手の理不尽に段々イライラしてきて拒絶気味になる→女共の焦燥謝罪みたいなのは大好物っス
カイトじゃ性格諸々上絶対あり得ない展開でしょうが 
[2016/04/01 01:06] URL | #- [ 編集 ]


6週間更新かほぼスランプ前まで本編の更新速度が戻ったみたいで安心しました。

それにしてもカイトは地味に美味しい料理を隠し持っていますね。
こうなってくると異世界に来てからカレーみたいにレシピを開発したりしないのかなとか異世界の高級食材でレシピを開発したらとんでもないものが作れそうとかそっちも期待しちゃいますね。
[2016/04/03 17:07] URL | シャオ #xDU5tAck [ 編集 ]


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