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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。4/4
番外編です。
定番ですが、少し珍しい、かもです。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


コスモさん

そーいや昼におかゆ食べたなーと思いだしながら書いたネタです(笑)
うちは風邪の時はしょうが湯ですね~。

病人向け料理ネタ……実はやりたいんですが、設定に阻まれてます。
なんせ、軽度なら肉体強化ですぐ治ってしまうので。

名無しの権兵衛さん

温かいお言葉ありがとうございます。
ええ、年度末って大変ですよね、どこもかしこも。
とりあえず一段落したんで、次回は本編更新できると思います。

 さん

マンネリ打破しないといけませんね。
海人の許容範囲が身内に対しては広いせいで、周りもついつい甘えがちになってます。
確かに、仰るような展開は難しいですね。

シャオさん

面目ないです。多分、以後は更新ペース多少マシになると思います。

美味しい物は本人隠してるつもりないですが、けっこう忘れてます。
食べてる種類は多いので、以後も出るかと。
新開発は……多分、もう少し話進まないと無理ですね。


次話ですが、多分次回の更新で出せると思います。
形は大体整い、後は大半が微調整になると思いますので。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くのk他のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。





 番外編



 困ったものだ、シリルはそう一人溜息を吐いていた。

 ここしばらく、カナールに来るたび面倒がやってくる。
 その処理は大した作業ではないのだが、こうも頻度が多くては嫌気がさすというものだ。

 まして、その間はルミナスと離れ離れ。
 こんなくだらない用事で最愛の人物との貴重な時間を削られるなど、
腹立たしい事を通り越して殺意さえ湧いてくる。
 
 とはいえ、処理しないわけにもいかない。
 後々を考えれば、逐一潰していくのが最善だからだ。

 ゆえに、シリルは今日も今日とて一人奮戦していた。

「あらあら、この期に及んでまだ逃げますの? 
威勢の良い事を仰っていましたのに、随分と臆病ですこと」

 壁に突き当たって尚ずりずりと逃げようとする男に、シリルはゆっくりと歩みを進める。

 その顔に浮かんでいるのは、笑顔。
 それは思わず目を奪われるような可憐さに満ちており、
その絹糸のように美しい金髪と相まって、まるで妖精のようである。

 が、男は知っていた。

 この笑顔に見惚れてはならない、と。
 可憐で美しくも、悪戯好きで残酷。
 正しく御伽噺の妖精の笑顔である事を、男は嫌になる程知らされていた。 
 
 なにしろ――――彼女は、この笑顔のままで五人もの男の仲間を蹂躙し尽くしたのだから。

「くっ、くそ! なんでだ! なんでてめえが俺らを潰しにかかる!?」

「なんで、と言われましても……害虫を駆除するのに、理由が必要ですの?」

 今にも泣きそうな男の訴えに対し、心底不思議そうに首を傾げる。
 その態度に男は状況も忘れ、食ってかかった。

「害虫ってんならあの野郎もだろうが! いや、もっと性質がわりぃ!
てめえら侍らすだけに飽き足らず、他の女の視線も集めてやがんだかぎゃあ!?」

「あら、失礼。あまりに不愉快だったもので足が滑りましたわ。
私とお姉さまがあの大馬鹿男に侍っている? 寝言はせめて寝てほざきなさいませ」

 男の胸に踏み下ろした足へ体重をかけながら、軽く殺気をぶつける。
 涙を流しながらガタガタ震えているが、知った事ではなかった。

 心外、どころの話ではない。
 侍るというのは、上位者に対し使う言葉。
 つまり、海人が上位でこちらが下だと見ている事になる。
 自分だけでも許し難い評価だというのに、ルミナスまでそう評されてはとても寛容にはなれない。

 まあ、この程度の男がそこまで言葉の意味を知っているとも思えないのだが。
 
「まあ、いずれにせよ貴方方は目障りなんですの。
折角の休暇中に不快な視線を浴びるのは、あまりにも腹が立ちますわ。
とはいえ、すぐにやめる事は出来ないでしょうから……そうですわね、この町から消えていただきましょう」

「なっ! 馬鹿言ってんじゃねえ! ここに根付くまでどんだけ苦労しぐああああああっ!?」

「勘違いはいけませんわね。消えてほしい、ではなく消えていただく、ですわ。
貴方に選択権はありませんの。ああ、頷くか声に出してはいと言うかぐらいは選ばせて差し上げてもよろしいですわよ?」

 身の程知らずにも反論した男に、優しげな口調で現状を教える。
 
 その口調とは裏腹に、シリルの行為は無慈悲そのもの。
 更に体重をかけられた男の肋骨はミシミシと不協和音を奏で、
同時に男の聞き苦しい悲鳴も大きくなっている。
 見る者が見れば、あと少し踏み込むだけで骨が砕け、さらに踏み込めば命を奪える事が一目瞭然だ。

「があああああああっ! わ、分かった! この町を出ていく! だから殺さないでくれぇぇぇえっ!」

「よろしい」

 男の返事に笑みを深めると、シリルは足元から男を解放した。
 そして遮音魔法を解くと、用は済んだとばかりにあっさりと踵を返す。

(……く、くくくくそ! 見てろよ! どんなに強くても隙はあるはずだっ! 
隙見てあの男攫って二人まとめ……っ!?)

 シリルの背中に心の中で悪態をついた瞬間、男の前に二本のナイフが突き立った。
 それは彼の服の布だけを地面に縫い止め、肌には一切傷をつけていない。
 しかし、その位置はあまりにも恐ろしかった。

 戦慄する男の恐怖を煽るかのように、シリルが戻ってくる。
 
「ああ、言い忘れましたが、消えるのは本日中が期限ですわ。
もし破っても警告にとどめて差し上げるつもりではありますが、
手が滑る可能性もございますので、あしからず」

 ひょいっと男の股間すれすれに突き立ったナイフに手を伸ばす。
 が、その直後シリルは溜息を吐いて手を引っ込めた。

「安物ですし、それは餞別に差し上げますわ。
汚物に塗れた物を再利用する気にはなりませんので」

 言い捨てると、シリルは失禁した男を放置して今度こそ立ち去る。
 
 その背中が消えると、男は慌てて立ち上がり荷物をまとめるべく宿泊先に走った。
 あんな化物に関わるなど二度と御免だと、そう思いながら。












 一仕事終えたシリルは、軽く肩を解しながら町を歩いていた。 

(さてさて、とりあえず全員処置終わりましたわね。
逃げ支度を始めるところまで確認しましたし、問題ないでしょう)

 うーん、と伸びをする。

 海人に危害を加えようとする者達の排除。
 これが、シリルが最近カナールで行っている面倒事だ。
 殺害が一番手っ取り早く確実だが、実害が出ていないならば脅しに止める他なく、
実害を出してしまっては本末転倒なので、色々面倒なのだ。
 
 当然だが、ただ妬みの視線を向けてくるだけなら排除はしない。
 そこまでやっていてはキリがないし、妬み自体は誰しもが持つ感情だからだ。
 排除対象となるのは、明確な悪意を持って彼を襲撃しようと企む連中だけである。
 例えば、今回の連中のように彼がトイレに行く隙を狙ってボコボコにしようとするような。 

 もっとも、これも余計な御世話な気がしなくもない。
 海人ならそこらの三下なぞ返り討ちにするだろうし、以前見た洗脳技術からすればシリルの対処より余程確実だろう。
  
 が、海人が肉体的には貧弱なのも事実。
 遠距離戦ならまず間違いはあるまいが、近接戦に持ち込まれるなどの状況では万一がありえる。
 友人としては、数を減らしておいてやるぐらいの気遣いはしておくべきだろう。
 
 とはいえ、本当に減っているのかは正直半信半疑であった。
   
(……私とお姉さまはともかく、他の妬まれる要因はどうにもなりませんし……どうしたものやら)

 難儀な性質の友人を憂い、天を仰ぐ。

 海人に危害を加えようとする連中の動機は、概ね妬みだ。
 容姿に優れた女性二人と常に行動し、一部町の女性から熱い視線を受ける彼への。
 仕事が来ればルミナスとシリルはいなくなるので原因が減るが、町の女性はそうもいかない。
 
 とはいえ、シリルからすればそちらは見当外れにも程がある妬みだ。

 海人が一部から人気があるのは、容姿や店での金払いの良さもあるが、大きな要素はその態度。
 様々な店で店員と接する時など、何気ない所で礼儀正しさや人当たりの柔らかさが出ており、
それで好感を抱かれる事が多いだけの話なのだ。
 単にこの町に住まう男の大半がそういった要素に欠けるだけで、彼の態度自体は特別素晴らしいわけではない。
 それも直に接した事のない人間で分かっている人間は極めて少ないときている。 
 有り体に言ってしまえば、海人に向いている視線の大半は心がけでいくらでも自分に向けられるはずなのだ。

 シリルからすれば妬む前にそれぐらいやれと言いたくなるのだが、
実際にはやる者はおらず、海人を過度に妬む馬鹿が消える様子はない。
 結構な頻度で数を減らしているのに、だ。

 もっとも、救いがないわけでもない。 

(……今まで行った店の人に情報提供をお願いしただけで、こうも容易く情報が集まるんですものね)

 くすっ、と思わず笑みがこぼれる。

 シリルが処理すべきと判断する材料は、主にこれまで訪れた店からの情報提供だ。
 彼らが小耳に挟んだ悪巧みの情報などを教えてもらうだけだが、結構な量の情報が集まる。
 それを軽くふるいにかけ、状況に応じて周囲を探るだけでそこそこ精度の高い判断が出来てしまう。

 おかげでシリルは情報収集の労はほとんどなく、処理に専念できているのだ。

(ま、次の仕事が来た時も、その事と計画的に狙われる事がままあった事を教えれば、後は自分で何とかするでしょう。
まあ、あの人里離れた屋敷からそうそう出てくるとは思えませんけれど)  

 そんな事を考えながら歩いていると、ルミナスと海人の姿が見えてきた。

 こちらに気付いた二人に、シリルは穏やかな微笑みを向ける。
 二人に告げた通り、ただトイレに行くついでに茶菓子を買ってきただけ、そう見えるように。  


コメント

なるほど、シリルならそうしてる可能性はありましたね。まあ、主な行動理由は海人に何かあったらルミナスが悲しむからでしょうが。

追伸
お茶漬けネタはいかがでしょう?
[2016/04/04 07:57] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


>直接接した
直に接した、の方が良いのでは? 二重になってますし
[2016/04/05 07:59] URL | #- [ 編集 ]


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