ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。6/13
番外編です。
内容は定番ですが、今の作者の欲望から生まれた話になります。
書いててさらにダメージ増えましたが(汗)

では、コメント返しさせていただきます。


コスモさん

一応属性特化の超極端型でも通常は三属性使えます。
もちろん、他の特殊属性だった場合はそれ一属性になりますが。

中身がアレすぎて禁呪……効果高いけど消費多すぎて話にならない、とかですかね。
だとすれば海人開発除くとほとんど古代遺産になりそうですねぇ。
良くも悪くも無難な魔法が多い世界です。例外はありますが。



次話ですが、案の定さらに難航してます。
懸念していた箇所まで書き進んだものの、予想以上に厄介というか、調整必須な状況に陥ってます。
ノリで書けば要修正、修正すると迫力なしと色々どうしようもない気がしますが……毎度の如く何とかしようと思います。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。





 番外編




 とある朝、雫は鼻歌を歌いながら食事の準備にかかろうとしていた。

 食事、と言っても朝食ではない。
 今は早朝の鍛錬を終えたばかりで、朝食までまだ時間がある。
 それまで腹をもたせる為の、いわば軽食だ。

 ゆえに、用意する物も至極単純にして軽い料理。
 材料さえあれば一分もかからず完成する料理。
 ぶっちゃけて言えば材料を混ぜ合わせるだけの料理。 

 お手軽料理の定番中の定番――――卵御飯である。

「ふんふんふふ~ん♪」 

 軽い足取りで、冷蔵庫から醤油を取り出す。

 これは創造魔法で作られた海人の世界の醤油で、かなりの高級品らしい。
 海人によると大量生産を主として行っている所が、あえて量産が難しい古典的な手法で作っている物だそうだが、
何に使ってもとても美味しい、素晴らしい醤油だ。
 
 無論、卵御飯にも素晴らしく良い味を加えてくれる。

「おっ次は、冷っやごっはん~♪」

 歌いながら、鍛錬に出かける前に冷蔵庫から出しておいた御飯入りの容器の蓋を開ける。
 昨日の夜炊いたご飯の残りな為屋敷の全員が食べるにはとても足りないが、それでも茶碗二杯分と少しはあり、
消費するには少し手間な量だ。

 言ってしまえば残飯処理のような物だが、雫にとってこれが素晴らしく都合が良かった。

 炊き立てのご飯は勿論美味しいし、それから漂う香りも捨てがたい魅力がある。
 あっつあつの御飯を美味しいおかずと共にかっ込む快感は、至福としか言いようがない。
 あの美味を否定する事など誰にもできまいし、されても雫は相手を哀れむだけだろう、それぐらいの魅力がある。
 
 が、卵御飯には誰が何と言おうが冷や御飯である。

 冷や御飯最大の美点は、米の味が良く分かるという事だ。
 炊き立ての御飯では強烈な香りや熱気に妨げられ味わいきれないその真価を、存分に味わえる。
 卵御飯というシンプル極まりない料理には、この濁りなき美味こそが最適なのだ。
 熱々の御飯だとその分卵や醤油の香りが立つというメリットがあるが、味に冷や御飯を使った時のキレがない。
 さらに、熱々の御飯では少し卵が固まってしまうが、冷や御飯ならばその心配もないのだ。
 
 とはいえ、冷や御飯を使うにはリスクもある。

 あまりにも米の味が浮き彫りになる為、良くない米を使うと食えた物ではないのだ。
 炊き立てのご飯ならば香りと熱気で美味しくいただける米でも、冷や飯にすると駄目という事はままある。
 実際、雫はヒノクニに住んでいた頃、安物の米を冷や飯の卵御飯で食べて一家で涙した記憶がある。
 他の素材が良かっただけに、そのやるせなさは筆舌にし難いものがあった。
   
 が、今回使うのは創造魔法製の極上米。
 海人によるとこれまで食べた中で一番美味い米だそうだが、雫も異論はない。
 甘味も旨味も香り、全てに非の打ち所がなく、そのまま食べてもおかずと一緒に食べても最高に美味いのだ。

 これはかつて海人の母が農家から直接買っていた米らしいが、当時作っていた人は既に故人であり、
後継者もいなかった為にそのまま永遠に食べられなくなってしまったはずの米らしい。
 それを思うと、まさに創造魔法万々歳である。

「そしてぇ~~~……卵っっっ!」

 叫びながら、つい先程採ってきた卵を高々と掲げる。
 
 このためだけに先程採ってきた、卵。
 突然の襲撃に必死で抵抗しようとするグランバードを昏倒させ、幾つか失敬してきた産み立てほやほやの物である。
 偶然だが、姉にふっ飛ばされて鍛錬終了した時に産む所を目撃したので間違いない。

 グランバードの卵は、元々立派な高級卵だ。
 孵化が近づくと殻の色が茶から赤に変わっていくのだが、
産卵から数日を経た茶と赤の中間色でも結構な値で取引される。
 そして、今雫が持っている完全な濃い茶色の殻の物だと、一番の特徴である黄身の濃厚な旨味が最高に高まっており、
その稀少性と相まって一個二千ルンで取引される事もあるのだ。

 冒険者時代なら迷わずどこかに売りに行っただろうが、今の雫は衣食住全てを満たされている身。
 運良く手に入れた高級卵をわざわざ売りに行く必要はなく、その味を試そうと気軽に思う事が出来る。

「さらに、海苔! 白菜! これで完璧っ!」

 最後に常備されている海苔と白菜の漬物を脇に置くと、雫は即座に卵御飯の製作に取り掛かった。

 小ぶりな茶碗に冷や御飯を盛り、中央に僅かなくぼみを作る。
 そこにグランバードの卵を割り入れ、仕上げに卵の周囲の米に醤油をくるりと軽く一回し。
 これで準備は完了、実にお手軽だ。

 そして雫は御行儀よく、食事に向かって手を合わせる。

「いっただっきま~す♪」

 早速卵を潰し、ご飯を少しだけかき混ぜる。
 そしてまずは、白身と米だけを合わせて食べた。

 白身だけなため旨味は薄いが、つるっとした食感が心地良い。
 そして白身の味を補うかのように醤油がその香りと旨味を発揮し、米と絡み合う。
 醤油だけでは棘があるであろうその味わいが白身によって程良く緩和され、良い塩梅になっている。
 米の甘味と醤油の旨味、そして適度に残った醤油の塩気がなんとも言えない。
 米の甘味もだが、何より醤油の旨味が良く分かる一口だ。 
 
 雫はそんな一口目をごくんと飲みこむと、頬をほころばせた。

「うん、なかなか良いねぇ~」

 楽しそうにしながら、雫は次に白身と黄身が半々に混ざった部分を米と食べた。

 黄身が混ざった事で、先程より旨味が激増した。
 その旨味が先程の味のバランスを崩すかと思いきや、そうはならない。
 醤油と黄身の旨味が見事に絡み合い、米の旨味を引き立てている。
 白身の味が完全に消えているわけではなく、その強烈な旨味を穏やかに緩和し、食べやすさを演出していた。
 食感もつるりとした食感は損なわれたが、口当たりは十分に滑らか。
 黄身、醤油、米、全てのバランスが整った素晴らしい一口だ。   
     
 それを飲みこむと、雫はペロリと唇を舐めた。

「うんうん、これでも良いねぇ~」

 どこか艶めかしさを漂わせながら、雫は次に白身が全くない、黄身と米が混ざり合った部分を口に運ぶ。

 これは、旨味の濃厚さが桁違いだった。
 卵の香りが鼻孔をくすぐり、その後を追うように醤油の香りが突き抜ける。
 舌にまとわりつく濃厚な黄身を口内で米にたっぷりと絡ませ咀嚼すると、堪らない。
 食感としてはべったりとして先程までのそれに及ぶべくもないが、味わいがそれを補って余りある。
 濃厚すぎて飽きそう、このまま食べたら白身だけ残る、そんな小賢しい理屈など脳内からふっ飛ばし、
二口三口とどんどん食べ進めてしまう。   
   
 そうして気が付いた時には、雫の茶碗は白身と米、僅かに残った黄身だけが切なそうに佇んでいた。
 さらに使われていない海苔と白菜の漬物が、抗議するかのように雫の視界の端に見えている。

「む……かくなるうえは……!」

 しゃもじを握り、再び米を盛って卵を割り、二杯目に突入する雫。
 この後朝食とか色々思う所はあるが、この際無視。
 今は用意した物をしっかりと味わうのが先決だ。

 今度は万遍なく卵と米と醤油を混ぜていく雫。
 濃厚な卵の色と醤油の色が混ざり合った物が白米を万遍なくコーティングし、光り輝いている。
 混ぜた名残の小さな泡が、さあ食えと言わんばかりに弾ける音を響かせていた。

 早速雫は海苔へと箸を伸ばすと、卵御飯をくるりと巻き口に放り込んだ。

「んん~~っ♪」

 もぐもぐと食べながら歓喜の音を漏らす雫。

 卵御飯の味わい自体は、先程の黄身と白身を半々混ぜた物と大差ない。
 残っていた白身のせいか、若干味が薄くなっているぐらいだ。   

 が、海苔の存在がそれを補って余りある。

 パリッと潰れ、砕けていく海苔。
 その音と共に広がる海苔特有の香ばしさ。
 それが卵と醤油の香りと相まって、なんとも食欲をそそる。

 海苔特有の旨味も見逃せない。
 ともすれば消えてしまいそうな程綺麗でありながら、どこか野太く力強い旨味。
 濃厚な卵御飯の味にも負けないそれは、しっかりと存在感を主張している。

 ついつい先程の反省も忘れバクバク食べてしまうが、今度は半分程で理性を取り戻した。

「ふ、理性的なあたしにかかればこの程度の自制は朝飯前だよ」

 そんな信頼性皆無の戯言をほざきながら雫は白菜の漬物に手を伸ばし、海苔と同じようにして食べた。

 しんなりとした白菜だが、食感はシャキシャキと心地良い。
 卵御飯のつるりもちもちとした食感とは別種だが、それだけに良い対比になって心地良い。
 さらに旨味の面でも白菜の漬物のさっぱりとした味わいが素晴らしいアクセントになっている。
 一噛みすると白菜の汁が卵御飯の濃厚な味を一時的に覆い隠し、その直後再び卵御飯の旨味が広がり、
また一噛みすると覆い隠され、また現れ、とまるで水と辛い物を交互に食べている時のような中毒性だ。
 さっぱりしているだけに一気にかっ込んでしまうような力はないが、これはこれで夢中になる味である。

 そんな感想を思っている間に雫の茶碗は空になる。
 そして雫は仕上げに白菜の漬物を一切れ食べ、御茶を飲んだ。 

「ふぅ~……御馳走様でした!」

 パンと手を合わせ、片付けを始める雫。
 その動きは手慣れたもので、実に無駄がない。
 
「よし終わりっと! さ~て、次は朝食か。楽しみだなぁ~」

 ふんふ~んと鼻歌を歌いながら、厨房を去っていく雫。

 思いのほか食べ過ぎてしまったが、朝食には支障がない。
 なにせ、今日の当番であるルミナスの料理は非常に美味いのだ。 
 多少腹が膨れていても出された物を全て平らげる自信がある。

 姉に一杯だけと約束していたのを破った事がバレたら大目玉だろうが、
残っていた御飯の正確な量などあの姉が覚えているはずもないし、バレる理由はない。
 というか今日の朝食は普通に新しくご飯を炊く為、この御飯は再び冷蔵庫に戻すのでどう考えてもバレないだろう。
 卵の個数でバレる可能性はあるが、それもついつい二つ使ったで誤魔化せる。
 
 そんな暢気な事を考えながら、雫は朝食に思いを馳せていた。
   
 ――――よもや、海人が久々に冷や飯を食べたがっているなど思いもせずに。

 そのせいで海人が肩を落とし、本当の消費量がバレ、文字通り姉の雷が落とされるなど想像もせずに。


 

  
  
 

 
コメント

卵かけご飯ですか、いいですね~。個人的には暖かいご飯でもうまいと思いますし、醤油の代わりに少なめでポン酢を入れても良いですよ。

追伸
海人がこの属性特化だったらこんな術を作り&使いそうだと女性陣が話すネタとかいかがでしょう?
[2016/06/13 06:52] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


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