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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄91
 気付くと、シリルは懐かしい景色の中に立っていた。

 穏やかながらも、活気に満ちた賑やかな街並み。
 通りには多くの店が立ち並んでいるが、建物や看板の色彩が全体として調和している為か、
雑然とした感じはなく、むしろある種の清廉さを感じる。
 店で物を売る人々の表情もあまり商売っ気が前面に出ておらず、
どちらかと言えば上品さが出ていた。

 ―――プロイムス共和国の都市、イナテア。ナーテア教の総本山だ。
 
 カナールとは違うが、これはこれで良い光景だろう。
 むしろ人によっては活気に満ち溢れすぎたあそこより、こちらを好むかもしれない。

 ――――シリルにとっては、今すぐ焼き払いたい程汚らわしい光景でしかないが。
 
(あそこの次はここ、と……まるで、何かを暗示しているかのようですわね)

 ふ、と心の中で溜息を吐く。

 前の時とは違い、今は明確にこれが夢だと理解できていた。
 
 思いとは関係なく、勝手に動く体。
 周囲には食べ物の屋台も見えるにもかかわらず、匂いを感じない。
 そのうえ雑踏に響く人の声に耳を澄ませても、詳しくは聞きとれないときている。
 
 どう考えても、夢以外ではありえない状況だ。
 
「あれ、シリル。こんな所でどうしたんだい?」

「奇遇ですわねお兄様。新しい服を買おうと思って見繕ってますの。
今ある服だけでは、そろそろ組み合わせを楽しむにも限界ですので」

 背後からかけられた兄の声に振り返りながら、財布を見せるかつてのシリル。

 ここでシリルは、この夢の時期を思い出した。
 三ヶ月ほど小遣いを貯め、どうにかある程度好きな服を買える額になった日。
 あまりに嬉しくて、時間が過ぎるのを忘れていた時の事だ。
 そんな事を思い出していると、シリルの兄が苦笑した。 

「なるほど、それでかな?
メルから最近鍛錬に集中しきれてないみたいって聞いてたんだけど」

「……今日が楽しみすぎて気がそぞろになってたのは事実ですわね。
そもそも、鍛錬はあまり好きではありませんし」

「ま~たそんな事言って。
折角優れた才能があるんだから、磨かないともったいないよ?」

「きちんと必要な量の稽古はしていますわ。
それに、私に言う程の才能があるとも思いませんわね。
まだまだお兄様の御力の全貌すら計れませんもの」

「そりゃ当たり前だよ。その年で正確に計られたら、僕は泣くしかないってば。
でも、そうだね……きっとシリルが今の僕と同じ年になる頃には、軽く追い抜かれてると思うよ?」

「買い被りすぎですわね。実に二百年ぶりに《梟の神子》の認定が検討されているお兄様に、勝てるはずありませんわ」

 ころころと楽しげに笑う、かつてのシリル。
 この時語った言葉は、混じりっ気なしの純粋な本音だ。

 《梟の神子》とは、ナーテアの使いにして右腕とされる梟の加護を受けたとされる者。
 ナーテア教の聖典において、ナーテアは邪神達との戦いの束の間の休息、
その間に使い魔の梟を地上に送り、一人の人間に加護を与えるとされている。
 邪神との戦いが続いているがゆえに苦しみ続ける地上の人々を、一人でも多く救う為に。

 その加護を得た者の力は、絶大。
 人間離れした力、華麗なる武技、そして比類なき武運であらゆる戦いに勝利する。
 スーレアの加護を受けた者ですら敵わず、神々以外に負ける事はない、そう伝えられているのだ。

 そんな《梟の神子》の認定には色々と前提条件があるが、
最終的にはその時の教皇と枢機卿全員の承認によって認定される。
 誰よりも敬虔な信徒でありナーテアの代弁者にも等しい彼ら全てに同時に認められる、
それこそがナーテアの使徒たる証だとして。

 ――――とはいえ、シリルは昔からこの話には懐疑的だった。
 
 それほどの強者が過去存在したのなら、なぜスーレア教徒が滅んでいないのか。
 神々以外に負ける事がないのなら、ナーテアと対立する邪神を信望する彼らはとうに滅ぼされていそうなものなのに。
 そもそもナーテア教信者の中から他人に選ばれただけの教皇や枢機卿が、
ナーテアの意思を代弁しているなどとどうして言えるのか。
 むしろそんな重要な存在ならナーテア自らお告げをするのではないか。
 などなど、山のように疑問があったからだ。
 一度口にしたら家族総出で説教大会になったのでそれ以来口にしなかったが。

 が、それでも《梟の神子》の認定が検討されているという事が凄まじい武勇の証明なのは間違いない。

 《梟の神子》はナーテア教において、ある種神格化されている。
 ゆえに認定を受けた者に敗北など許されないし、敗北の可能性が想像できる人間では認定など検討もされないだろう。
 もし敗北してしまえば、教皇や枢機卿達の権威の失墜は勿論、ナーテア教の信仰そのものすら揺るがしかねないからだ。
 事実、過去武勇に優れたナーテア教の神官戦士は数多いたにもかかわらず、認定を受けたのはわずか五人。
 しかも内四人が死後に認定された者達で、最後の認定は二百年前だ。

 シリルも同年齢の人間に負けた事がない程度には優れた武才を持っている自負があったが、
そんな超人に並び立つ、まして追い抜けるなど思っていなかった。
 
「いやいや、あくまで検討されてるだけだよ」

 穏やかに笑い飛ばす。
 が、彼の背後からその言葉を否定する者が現れた。

「枢機卿の何人かが他国に出ているせいで認定に時間がかかっているだけ、と伺っていますが?」

 静かな言葉と共に現れる女性。
 絹糸のような長い金髪が眩しい美女だ。

 ――――それを見た瞬間、シリルの血が沸騰した。

 憤怒が、憎悪が、殺意が膨れ上がる。
 動かぬ事は承知でありながら、撲殺すべく拳を固め地を蹴ろうとしてしまう。
 それでもこの夢にはなんら影響を及ぼさないが、せめてと憎しみだけを燃やし続ける。

 そんなシリルの思いとは裏腹に、過去は暢気に再生されていく。 

「……メル、誰から聞いたんだい?」

「副団長、先輩方、さらに言えば私の同僚や後輩達まで。
平たく言えば、神官戦士団全員ですね。もっと言いますと、町中の噂にもなっています。
町では認定記念祭のような企画案も出始めているとか」

「えー……まだまだ検討段階のはずなんだけど……」

「これまでの戦功を考えれば当然かと。最年少の神官戦士団長でしょうに」

「周りのみんなが支えてくれるからどうにか務まってるだけなんだけどねぇ……」

「それでも十分凄い事でしょう。さて……そろそろそこの馬鹿を連れていってよろしいですか?」

「あれ、シリルが何かしたの?」

「鍛錬開始予定時刻は十五分ほど前―――逃がすと思ったか?」

 じりじりと逃げようとしていたシリルの襟首を無造作に鷲掴む女性。
 何気ない動作だが、シリルが逃れようとする動きを先読みして回避すら許していない。

「ちょ、これお気に入りの服なんですのよ!? 裂けたらどうしてくれますの!?」

「ならば逃げるな。ほら、さっさと行くぞ」

「きゃああ!? お兄様助けてぇぇぇっ!」

 あまりに無体で容赦のない女性に、思わず兄に助けを求める。
 溺愛してくれている兄ならばこの窮地を救ってくれるかもしれない、そう思ったのだ。

「や、今日のはシリルが悪いよ。ま、頑張ってね~」

「だそうだ。残念だったな?」

「ちょ、待っ、分かりました! 分かりましたから! 
自分で歩きますから引っ張らないでくださいまし!」

「よろしい……まあ、何だ。今日は終了後に楽しみも用意してあるから、頑張れ」

 シリルを解放すると、女性はそう言って槍の穂先に引っかけていた袋をちらつかせた。
 そこには、シリルが予算の都合で最初から諦めていた服を扱っている店の箱が覗いている。

 驚いたシリルが女性に振り向くと、相変わらずの仏頂面。
 厳しさと凛々しさが漂う、高潔な神官戦士のイメージそのものの表情。

 だがそこには――――不器用ながらも穏やかな優しさが滲み出ていた。
 
 それを見た瞬間、シリルの意識は現実に引き戻された。

「……はっ!?」

 跳ね起きたシリルは、大量の汗を掻いていた。

 呼吸が、酷く荒い。
 心臓がドラムのように激しいリズムを奏でている。
 大量の汗によって肌に張り付いた髪が、気持ち悪い。

 シリルは煩わしそうに張り付いた髪を剥がし、全ての髪を後ろに流した。
 そして、弱々しく呟く。

「……なぜですの。なぜ、貴女はあの時……」

 誰ともなく呟いた言葉は、虚しく闇に溶けて消えていく。
 もはや意味のない問いだと、シリルに言い聞かせるかのように。















 昼頃、海人達はカナールにやって来ていた。

「さて、これで食材は一通り買い揃えられたか?」

「そうね。良いのが揃えられたわ。ふふ、今日の夕食は期待していいわよ?」

 自信満々とばかりに、ルミナスは胸を張る。

 今日は色々と良い素材が手に入ったが、海老が一番大きい。
 真珠のような白い体が特徴のエレガンスパールという海老だが、
これは加熱して食べると非常に美味い。
 プリプリとした食感、食い千切るたび迸る旨味たっぷりの肉汁、
殻もスープやソースのベースに使うと良い旨味を出す。

 貴重な海老なので値も張ったが、これで海人の好きなルミナス特製海老料理を作れば、さぞ喜んでくれるだろう。

「今日に限らず、いつも楽しみにしとる。
んで、刹那は今日見て回りたいところがあるんだったな?」

「はい。少しばかり気になった店が幾つかありましたので。
少し時間がかかると思うので、皆様はここでお待ちいただけますか?」

「あ、私セツナさんに付き合うわ。私も気になったとこあるから、一緒に見て回りましょ」

「お姉さまがいらっしゃるのであれば、私もお供いたしますわ」

「かしこまりました。では、海人殿は雫とここでお待ちいただけますか?」

「分かった……と言いたいところだが、待っているのも暇だからな。
適当にそこらの服屋を見て回っているから、三時ぐらいにここで待ち合わせよう。
それぐらい時間があれば大丈夫だろう?」

「承知しました。では、三時に……シリル殿?」

 海人に頭を下げた刹那は、歩き始める直前で立ち止まった。

 なぜか、歩き始めようとした海人の白衣をシリルが思いっきり握り締めたからだ。
 そのせいで海人はバランスを崩し、咄嗟に雫に支えられている。

「カイトさん? 今服屋を見て回る、と仰いましたわね?」

 あまりにさらっとした態度だったので聞き流しそうになったが、先程の海人の言葉は重大発言だった。

 海人という男は、美的センスは優れているくせにお洒落には無頓着。
 こだわりが一切ない為、人が選んだ服を着る事にも抵抗がないが、それ止まり。
 良い素材もそれを活かす能力も持ち合わせているのに、使う気がないという非常に勿体無い男だ。

 それをどうにかしようとシリルは色々と努力したが、それでも教えた服選びをなぞるのみ。
 発展させる気なぞ微塵もない、義務感に満ちたお洒落でしかなかった。 
 
 それが、わざわざ服屋を見て回る。
 シリルにとっては、天地がひっくり返る程の衝撃発言だ。

「ん? ああ。一応仕事として絵画を請け負う事になったわけだし、美的感覚を磨く努力も必要かと思ってな。
それに、いつまでも君に選んでもらった物や君に習った通りの着こなしをするだけでは芸があるまい?」

「ええ、その通りです。素晴らしい認識です。ですが……それ、三時以降になりませんの?」

 ちょっとおねだりするような上目遣いで、訊ねる。

 可能な限りルミナスと共にありたい、これはシリルの極めて強い欲求だ。
 平時に限って言えば、ほぼ全てに優先されると言っても過言ではない。

 が、海人の服屋回りに対する好奇心は、それに匹敵する。

 驚天動地とも言える、海人の自発的なお洒落への歩み。
 その記念すべき第一回目は、何としてもこの目に焼き付けておきたい。
 さらに言うと、海人の性格からして第一回と第二回のスパンが異様に開く、
最悪第一回が最終回というオチも考えられなくはないので、この機を逃すのは恐ろしすぎる。

 ゆえに両立したいところだったのだが、海人の返答はにべもなかった。

「そうなると帰りの時間を心配しなけりゃならんからな。どうせなら気楽にやりたい」

「むむむ……! くっ、ならば仕方ありませんわね……! 
やっぱり、私はカイトさんの方についていきますわ!
今の彼がどんな選び方をするのか興味が尽きませんので!」

「……君が来ると気楽には程遠くなりそうなんだが?」

「心配せずとも今日のところは着せ替え人形にはいたしませんわ。
せいぜい貴方の選んだ服を見て批評したり、良さそうな組み合わせを提案したりするだけです。
さ、行きますわよ。こうしている間にも時間は減っていくのですから」

「やれやれ……仕方ないな」

「ま、海人さんが服屋行くって言った段階でこうなる事確定でしたよねー」

 先導するように歩き始めたシリルの後ろを、海人と雫は苦笑しながら付いていった。 













 海人達と別れたルミナスと刹那は、のんびりと店を回りながら話をしていた。

「にしても、流石にカイトが服屋回るってのは意外だったわね」

「拙者としては助かりました。今日シリル殿に付いてこられては、正直困っていたので」

 店先に並んだペンダントを吟味しながら、返答する。
 その目は真剣で、より良い物を選んでやろうという気迫に満ちていた。
 
「ん? あー、そっか。
セツナさんが装飾品見るなんて珍しいと思ったけど、なるほどそういう事か。
じゃあ、私が邪魔しちゃったのね。ごめんなさい」

「いえ、お気になさらず。昨日の就寝前に海人殿が今日中に一度は機会を作って下さると仰っていましたので、
不安はありませんでしたから」

「あいつがそう言ったんなら信頼度抜群ねぇ……ってか、シズクちゃんはどうすんのかしら?」

「昨日聞いたところ、雫は既に用意を終えているそうです」

「あら、そうなんだ。普段は色々軽~い調子だけど、気配り細かい子よねぇ」
   
「その点においては姉が頼りない分磨かれたのではないかと。
普通は姉妹逆じゃないかと言われそうですが」

「セツナさんは良いお姉ちゃんしてると思うけどね~。
私なんか実家帰っても弟とか妹の相手はテキトーにすませてるし」

 居心地悪そうにしている刹那に、からからと笑いかける。

 ルミナスからすれば、刹那は雫の姉として恥じるところはない。
 どちらが気が利くかと言われれば確かに雫だろうが、
生真面目な刹那は色々緩い彼女の規範になっているのだ。
 さらに言えば厳しさも愛情もしっかりかけているし、雫も姉を散々おちょくりつつも慕っている事が良く分かる。

 対してルミナスはと言えば、弟妹の扱いはかなりぞんざいだ。

 実家に帰るたびに突撃してくる弟妹達は可愛いが、軽く遊んでやるだけ。
 顔を合わせる事などそう多くないし、生活態度にわざわざ細かい説教もしない。
 慕われてはいるようだが良くも悪くもそれ止まりで、弟妹達の規範になろうなど考えた事もない。

 そんな自分を省みると、刹那はしっかり姉をしているように思えた。 

「仕送りの額と御兄弟の数を考えれば十分すぎるかと。確か十一人でしたか?」

「下はね。他に姉が一人、兄が二人いるわ」

「……大家族ですね」

「おかげで仕送りが馬鹿にならないのよ。それを打ち切っちゃえば傭兵引退を劇的に早められるけど、
そうすると弟や妹が飢え死にしかねないからねぇ……」

 虚ろな眼差しで、宙を睨む。

 ルミナスの収入自体は、非常に高い。
 エアウォリアーズは仕事がない時でも多少給料が出るシステムだし、
仕事がある時は報酬に応じた分配が為される為、総合すると超高収入だ。

 それをかき消しているのが、実家への仕送り。

 計十一人の弟妹となると、生活費だけでも相当な額になる。
 一応両親も真っ当に稼いではいるが、その額は夫婦とせいぜい子供一人をまともに養える程度だ。
 それを全員平均的な生活が送れる状態にしているのだから、その負担は尋常ではない。
 ましてルミナスの生まれ故郷であるミュルツガンフェは、学問の国。
 弟妹達の年齢ではまだ学費が発生していないが、それでも毎年教材代が発生する。
 他の国で学校に通う事を考えれば微々たる出費だが、これも馬鹿にならない。

 これら全てを打ち切ってしまえば、ルミナスの引退は劇的に早められる。
 引退後どこかで良い土地を買って料理屋を開くとしても、十年はかからないだろう。
 
 が、それをやってしまえば、罪なき弟妹達が悲惨な事になる。
 教材などは友達に見せてもらえばいいとしても、食費はどうにもならない。
 両親は自分達の食費を極力削って子供に与えるだろうが、それでも焼け石に水だ。

 あまりにも後味が悪い為、ぞれは絶対にできない。
 ルミナスの目的は傭兵を引退する事ではなく、幸せになる事なのだから。

「……御苦労が多いですね」

「ま、しゃーないわよ。弟達も妹達も可愛いし。
もっとも、これ以上数増やしやがったら、二度と生産出来なくしてやるつもりだけど」

 笑顔の中に怒気を滾らせ、呟く。

 元々碌に養育能力がないくせにばかすか生産する両親には腹が立っていたが、
弟妹達は可愛いから仕方ないと釘は刺しつつも半ば諦めていたのも事実。

 が、海人への恋心を自覚し、傭兵引退を早める必要が生まれた今は話が別だ。

 既に生まれた弟妹を見捨てるつもりは毛頭ないが、もしまた弟妹が増えていれば今度は元を断つ。
 親不孝と言われようがなんだろうが知った事ではない。
 金銭的な意味で言えば既に十分すぎる程に親孝行してきたのだから。

 割と本気っぽい殺気が混ざり始めたルミナスに、刹那は思わず話題を変える。

「そ、そういえばシリル殿はやはりルミナス殿にとって妹のようなものなのですか?」

「……まあ、そうね。それが一番近い関係だとは思うんだけど、ね」

 刹那の問いに、若干答えが淀む。

 出会ってから十年以上、なんだかんだでシリルの面倒を見てきた。
 全身ズタボロの瀕死状態で拾った時から、ずっとだ。
 彼女も方向性に問題があるが慕ってくれているし、妹のようなものと言えるかもしれない。

 が、そう呼ぶには少し躊躇いがあるのも事実だ。

 と言っても、血縁とか性格とかそんな問題ではない。
 ルミナスにとって、姉とは頼りになるべきもの。
 自分にとっての双子の姉、あるいは雫にとっての刹那のように。
 なので、未だシリルの問題を解決する兆しすら見いだせない自分が、シリルを妹と呼んでいいのか分からないのだ。

 憎しみと絶望で発狂しかけていた頃に比べれば、仲間や友人が増えた事もあり精神状態は改善しているが、
そもそもの問題は何も解決していない。

 彼女の安全の問題もあるが、何よりも大きなのは心の問題だ。
 シリルの穏やかで明るい性格の底には、未だ濃縮された負の感情が溜まっている。
 普段はまず表に出ないが、ナーテア教徒が関わると表面化しかけるのだ。
 以前ナーテア教徒と戦った時は、鬼気迫る形相と凄絶な殺気で相手を失神させていた。
 その時でさえ、そもそもの元凶たるイナテアの人間ではなかったのだ。
 もしそれと遭遇すればどうなるか、正直想像もできない。 

 一応の解決策はあり、その実行に団の協力も得られる事になっているが、それはかなりの危険が伴う。
 万全の準備を整えたとしても、不安が残る程の危険が。
  
 ままならぬ現状を憂い、ルミナスは思わず溜息を吐いた。  
 
「あの、何か問題が?」

「気にしないで。ちょっと自分の不甲斐なさが情けなくなっただけだから。
さ、悪かったわね。気を取り直して選びましょ」

 努めて明るい声で、ルミナスは話題を変えた。
 今は気にしてもしょうがない、自分にそう言い聞かせながら。



















 服屋巡りを終えた海人は、広場のベンチで今日の服選びのデータをまとめていた。
 右隣ではシリルが満足そうな表情で鼻歌を歌い、左隣では雫が苦笑しながらクッキーを頬張っている。

「ふっ、満喫させていただきましたわ。やれば出来るではありませんの。
それなりに遊び心も入れられるようですし」

「元々、基礎パターンはある程度確立しているからな。
多少崩す要素が入っても、それをうまく取り込む計算ぐらいならできる。
面倒だから進んでやろうとは思わんが」

「進んでおやりなさい。服選びは、最後に全体がまとまっていればとりあえず成功。
極論どんな格好だろうと、本人に似合っていればそれでいいものです。
なればこそ、いかに本人の好みなどの主張を盛り込むかが重要なのですわ」

 ぴっと人差し指を立て、語る。

 今日見た限り、海人の服選びの基礎はほぼ完璧だ。
 流石と言うか、シリルが以前教えた知識も自然に活用しているので、
いいかげんに選んでいるように見えてもかなり良い組み合わせになっていた。

 だからこそ、その先を目指してもらいたくなる。

 ただ見栄え良くするだけでは、まだ未熟。
 そこに自分の主張を織り込み、全体に人間としての筋を通してこそ真のお洒落。
 それも分かりやすい物ではなく、パッと見では分からない程度の主張でこそ面白味がある。 

「主張と言ってもな。私の場合、この白衣ぐらいしかないが?」

「それも面白いですが、性格や好きな物を盛り込むのも面白いですわよ?
貴方の場合、性格を示す黒を基調にしたり、ドラゴンのアクセサリーなども面白いですわね」

「ふむ、参考に……おいこら、さらっと何ほざきおった腹黒幼女もどき」

「ふ、自覚がないあたり、更に業が深いですわねぇ?」

「たわけ。自覚はあるが、君に言われる筋合いはないと思うだけだ。
喧嘩となればこのか弱い私を一方的に嬲りおるくせに」

「あらそうでしたかしら? 私、どうでもいい事はすぐ忘れてしまいますの」

「なるほど、低性能なおつむだ。
だからあんだけディルステインで敗北重ねても私を脅かす気配がないんだな。
まったく、いいかげん私に弱い者いじめをさせないでほしいものなんだがなぁ?」

「おっほっほ……ぶち殺されたいんですの?」

「さて、最悪道連れぐらいにはするつもりだがな?」

 獰猛に笑いながら、間近で睨み合う海人とシリル。

 そのままいつもの低次元な喧嘩に移行しようとしたところで、シリルが固まった。
 視界の端に、見覚えのある衣装を捉えてしまったが為に。
 それどころか、携えていた武器に見覚えのある刻印まであった。

 膨れ上がる殺意を、必死で抑えつける。
 そうしなければ、凄まじい勢いで肥大化していく残虐性に身を任せそうだった。
 そんな醜態を友人達に見せるわけにはいかない。 

 が、放置する事も論外だ。
 アンリの警告を考えると偶然とは思えないし、可能ならここで片付けておくべきだろう。
 
 気合でどうにか表情を取り繕ったシリルは、何事もなかったかのようにゆっくり立ち上がった。

「……そういえば途中、少し気になった屋台がありましたわね。
買ってきますので、少しここで待っててくださいませ」

 柔らかく微笑むと、シリルはくるりと向きを変えた。
 先程の、忌々しい事この上ない衣服が消えていった方向へと。

 ―――そしてそちらへ歩みを進めようとした瞬間、つんのめった。

 原因は簡単。
 背後から服を掴まれたからだ。
 頑丈な生地なので破れる事はなく、ただ引っ張られるだけで済むが、
動きを止めるには十分すぎる。
 こうしている間にも、相手は移動しているはずだというのに。

 舌打ちを堪え、シリルは軽く息を吐いた。

(……やはり、急に不自然すぎましたわね。ですが、どうにかごまかして追わねば)
   
 シリルはとりあえず海人の手を払うべく背後へと振り向いて―――硬直した。
 
 海人に掴まれていたのは座っている彼との位置関係的に一番掴みやすい物―――スカートだったのだ。
 
 これだけなら、あるいはシリルも気にしなかったかもしれない。
 咄嗟に止めようとして掴みやすい部分を掴むのは当然の事。
 腹は立っても、仕方ないで済ませただろう。

 が、海人は禁断の一線を豪快に踏み越えていた。
 彼の隣にいる雫が驚きに目を見開くほどに。

 ――――海人は、シリルのスカートを豪快に持ち上げていたのだ。 

 ぐいっ、という効果音が聞こえてきそうな程、無遠慮に。
 あまつさえ怒りに震えるシリルに構う事無く、しげしげとシリルの下着を観賞している。    

「ふむ、君も性悪の自覚はあるようだな。
とはいえ君に黒の下着、それもこの大胆なデザインはどうかと――――」

「何しやがってますのこの変態男ぉぉぉんぎゃあああああっ!?」
 
 臆する事無く感想を述べたド変態の顔に平手を叩き込もうとしたシリルの怒声が、途中で悲鳴に変わる。

 シリルの平手は、芸術的なまでに完璧だった。
 咄嗟に放ったにもかかわらず、海人の顔に当分消えぬ紅葉を刻む程度の威力。
 動体視力には優れても反応が遅い海人では回避不能な速度。
 不埒な友人へのお仕置きとしては素晴らしい加減だった。

 ――――海人の顔の前に、無属性の魔法障壁さえなければ。
  
 海人の無属性魔法障壁の強度は、桁外れだ。
 並大抵の攻撃ではビクともしない強度を有し、そこらの雑兵では武器を使っても破壊できない。
 シリルなら一応素手での破壊が可能だが、それは戦闘用の力加減あっての話。
 お仕置き程度の威力の平手では、逆にかなりのダメージを受けてしまう。

 痛みに悶えながらも憎々しげに睨みつけてくる友人を見下ろし、海人は不敵に笑う。

「やれやれ、私が素直に殴られるわけがないとは思わんかね?」

「ぐぎぎぎ、あ、後で酷いですわよ……!」

「はっはっは、上等だ。いつでもかかってこい―――まともな精神状態でな?」

「っ!?」

 見透かすような海人の声に、シリルの頭が一気に冷えた。

 自分が何をしようとしたのかを思い出し、一気に汗が噴き出る。
 先程見かけたのは、間違いなくシリルが滅ぼすべき怨敵共の衣装だ。
 連中がシリルに刃を向けない可能性は皆無だし、シリルも刃を向けない理由がない。
 即座に殲滅しようとしたその感情自体は、当然のものだ。

 が、この場における判断としては最悪だ。

 そもそもなぜあの連中が姿を見せたのか。
 シリルを誘い出し、他者を巻き込まずに始末する為、というのは楽観だろう。
 本来の教義に従えばシリルの殺害の為に他者を巻き込む事などありえないはずだが、
あの連中の場合尊い犠牲だの邪悪と仲が良い者もまた邪悪とか言い出して海人達を巻き込む可能性がある。 
 
 雫がいる以上危険などありえないだろうが、それでもかなりの迷惑をかけてしまう。
 何も知らぬ友人達を、反吐が出る程に腐りきった連中と関わらせる事になるのだ。

 以前雫に危ない時は自分達を巻き込め、と言われ頷いた事があるが、やはり巻き込みたくない。
 それが正しい判断ではないと分かっていても、かえって心配をかけるだけだと分かっていても、嫌だ。
  
「何を見たのか知らんが、君一人で突っ走って片付ける意味はあるまい。
折角都合の良い手駒が揃っているんだし、遠慮なく使い倒せ」

「……生憎、個人的な事情に、何も知らぬ友人を巻き込むほど腐ってませんわ。
それに、ある程度準備もしてありますから、かえって邪魔になりかねません」

 諭すような海人の言葉を、冷たく切り捨てる。
 お前は無関係だ関わるな、と殊更に強調するように、冷たく。

「そうか……残念だ」

「……妙に物分かりが良いですわね? まあその方が助かりますが」

「たわけ。事情も知らんまま首突っ込むのが残念なだけだ。
脳味噌茹りっぱなしのお馬鹿さんは気付いとらんようだが――――既に手遅れだぞ」

「は? って、あら、シズクさんは……? まさか!?」

「はっはっは、うちの護衛は実に頼りになると思わんかね?」

 驚くシリルに、海人は悪戯っぽく笑った。
 


















 カナールのとある路地裏。
 この町には比較的少ないが、あまり人が来ず暴れても騒ぎになりにくい場所だ。
  
 そんな場所で、二人の男が悠然と立っていた。

「……かからなかったか」

「邪悪であっても馬鹿ではない、という事だろう。
そもそも、今回勝手な行動は戒められている。もしかかって成功していたとしても、厳罰ものだぞ」

「分かってはいるがな。十年も逃げ続けた背神者を仕留めたとなれば、地位は約束される。
多少の御咎めを覚悟してでも動く価値はあるだろう」

 ふん、と鼻息を鳴らす。

 シリルの抹殺は、長年ナーテア教、正確にはイナテアにおける重要事項だった。
 彼女が起こした事件がナーテア教の威信に関わる為、一般にはほとんど知られておらず、
あくまでイナテアの一部での話ではあったが、専用予算を組み、専門チームまで作られた程だ。

 それを仕留めたとなれば、ナーテア教内での地位は約束される。
 枢機卿などは家柄もある為難しいだろうが、イナテア神官戦士団の副団長ぐらいは望めるかもしれない。
 そうなれば権力も金も、今とは比較にならないものが手に入るだろう。

 命令違反ゆえに処罰も受けるだろうが、それを帳消しにしてあまりある程大きな功績のはずなのだ。 

「確かにな。しかし、他の連中は妙に遅いな。
場所が分からんということはあるまいが……」

 相方を諌めていた男が、首を傾げる。

 予定では自分達二人がシリルを誘い出し、その後他の仲間四人と一緒に仕留めるはずだった。
 相手が凄まじく強いのは分かっているが、自分達二人も手練れであるし、
足止めしている間に他の四人が参戦すれば仕留められる可能性は高いからだ。

 そういう作戦だったので、他の四人がここまで遅いのはありえない。
 到着にここまで時間がかかってしまっては、誘い出しに成功していても作戦が破綻していただろう。 
 
「あれ~? あんまり時間かけてないと思うんですけどね~?」

 軽やかで可愛らしい声と共に、二人の眼前に何かが投げられた。

 ごろん、ごろんと転がる複数の何か。
 それらには、艶めかしく光を反射する赤い液体が付着している。
 一箇所から流れ出たそれが、転がされた事で全体に行き渡っているようだった。

 その正体に気付いた男達の顔に、戦慄が走る。

「な、何者だ!? どこにいる!」

 それが飛んできた方向に振り返るが、誰もいない。
 慌てて周囲を見渡しても、どこにも人影すらなかった。

「あっはっは、ここですよ~?」

 無邪気で悪戯っぽい声が響くと同時に、男の片割れの胸から刃が生えた。

 生えた刃は、この大陸では数少ない小太刀の刃。
 刀身に反射した陽光がなんとも艶めかしい艶を放っている。

 その色艶に思わず目を奪われている間に――――心臓を貫かれた男は絶命していた。

「ば、ばば馬鹿ないつの間に! 
そ、それに俺達はともかく他の連中の場所をどうやって突き止めた!?」

「あっはっは、お馬鹿さんですねぇ~。殺気出したら気付かないはずないでしょう?」

 絶命した男から小太刀を引き抜きながら、雫は楽しそうに嗤う。

 雫が町で海人の護衛をするにあたって一番面倒なのは、監視や観察だ。
 視線自体は感じるが、それがどんな目的を持ってなのかは分からないし、
なにより元々目立つ自分達には様々な視線が降り注いでいる為、個々の判別自体難しい。
 
 が、殺気なら話は別だ。
 町中で殺気を出している人間は滅多にいないので、選別は非常に容易。
 雫の察知能力なら、誰が誰に向けた殺気なのか判別する事すら造作もない。
 それがほんの一瞬であっても、ごく僅かなものであっても、だ。

 この連中も監視に止められていれば対応出来なかったが、
欲を出して殺気を出してくれたおかげで狙われている人間も敵の位置も全て把握できた。 

「き、きき貴様! 奴が昔何をしたか分かっているのか!?
あの女は許されざる大罪にぎゃあああああああああああっ!?」

「なんだか知らないですけど、あたしの友達悪く言わないでくれます?
折角生かしておいてるのに、手元狂って殺しちゃったらあたしが怒られちゃうじゃないですか」

 ぞっとする程冷たい目で、両腕を失った男を見据える雫。

 男から滝のように流れる血を見ても、彼の苦悶の表情を見ても、雫の目には何の感慨も浮かんでいない。
 足元の蟻を踏み潰す方がまだ感情が籠もっているのではないかという程に、無機質な目だ。

 その眼差しのまま雫はとりあえず男の失血死を防ぐべく傷口を焼き潰そうとして、

「……お、思い通りにいくと思うなよ、邪悪共が……!」

「っ!?」

 男が己の体に魔法を放とうとしている事に気づき、咄嗟に男の周囲を無属性の魔法障壁で覆う。
 
 ほぼ同時に男の体が爆破され、粉々に吹き飛んだ。
 狭い空間で威力が集約された為か、全身が黒焦げになっている。

 とりあえず周囲に被害を出さずに済んだ事に雫は安堵したが、その顔を顰められていた。
  
「……しくじった。まさか躊躇いもせず自爆かますなんて……」

「雫、どうだ……おい、なぜ全員死んどる?」

「申し訳ありません、しくじりました。
その焼死体だけ生かしておいたんですが、止める前に自爆されました」

 やってきた海人に、深々と頭を下げる。
 自害の可能性は考えていたが、まさかあそこまで迷わず命を絶つとは思わなかった。

 が、腕を落とすのではなく、まず意識を奪っていればこの事態は防げただろう。
 それが可能なだけの実力差も、十分にあった。
 シリルへの侮辱に怒りを覚えたせいとはいえ、あまりに迂闊だったという他ない。

「となると情報はなし……いや、この服は……」

「ナーテア教の神官戦士、それも総本山であるイナテアの人間ですわね。
武器に刻印が入っていますわ」

 転がっている男の死体を探り、シリルはそう分析した。

 衣服はナーテア教の神官戦士の物。
 そして懐に入っていたナイフの柄に、槍と盾を象った刻印が施されている。
 これはナーテアの武器を象った紋章で、イナテアの神官戦士の武器にしか刻印を許されていない。

 先程は見間違いの可能性もあったが、これで確定だ。
 決着を着けるべきシリルの過去が、ついにやってきたのである。

「また表情がおかしくなっとるぞ」

「……失礼。連中とは少しばかり因縁がありまして、冷静さを保ちきれませんの。
まったく……やるなら正面からかかってくればいいものを」

 言いながら、シリルは軽く足を上げ――――転がっていた首の一つを踏み砕いた。

 その目に宿っているのは、暗く、深い感情。
 全てを呑みこみ消し去らんとするかのような、憎悪。
 普段のシリルからは想像もできない、強烈な負の感情だ。

「おい、シリル嬢」

「失礼、見苦しい姿を見せましたわね」 

 軽く首を振った後、小さく頭を下げる。
 消えてはいないが、先程よりは負の感情が薄らいでいた。 

「いや、そうではなく……とりあえずそこの木箱にでも座れ。
んな状態では町歩けんだろうが」

 海人の言葉に、シリルは思わず自分の姿を見た。

 ほとんどの部分は問題ないが、足元が悲惨だ。
 踏み砕いた物が飛び散り、あちこちに細かい残骸がへばりついている。
 量としてはたかが知れているので案外目立たないかもしれないが、後で臭いの元にはなるだろう。
 
「……まったく、貴方も非情なのかお人好しなのか分かりませんわね」

「やかましい。拭いて消臭剤吹きかけるから大人しくしとれ」

 火炎魔法で死体を跡形もなく焼却する護衛を横目に、海人は差し出されたシリルの足の清掃作業に取り掛かった。
 シェリスの見立てが大きく外れた事への警戒感を、胸に押し込めたまま。
  



 
コメント

やはりシリルのは宗教関係でしたか…こうなると前にあったという事件とやらが気になりますね。
問題は殉教者がどれだけの実力者がいるかですね。

追伸
もし完結後にifストーリーを書くとさしたらどんなのを書きますか?
[2016/07/04 08:29] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


海人ならシリルが害されそうになった場合、ナーディアの教会に中性子爆弾あたりを投下してもおかしくなさそう。
[2016/07/07 17:45] URL | #- [ 編集 ]


あれ、この3人だけだとストッパーがいなくて恐ろしいことになりそう……

ルミナスさん早く来てー教団滅んじゃう!
[2016/07/10 05:13] URL | くれあ #lGct895. [ 編集 ]


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