ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編+91話微修正。
タイトル通り、番外編と91話の微修正です。
番外編はただの思い付き、微修正は会話文を一部若干修正し、脱字を直した程度になります。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


コスモさん

何があったかは先のお楽しみ、という事で。
あるいは見当ついてるかもしれませんが(汗)

完結後にIFでやるとすれば……ちょっと思いつかないですね。
海人を拾ったのがシェリスだったら、などは書いてみたい気もしますが。

 さん

流石にそこまで短絡的じゃないです。
まるで無関係な一般信者もいるわけですし。
もっとも、シリルが殺されればその限りではありませんが。

くれあさん

大丈夫です、まだ滅ぶことはありません(笑)
そもそも今回の件にまるで無関係な一般信者もたくさんいますので。
というか、本気で海人が動いたらルミナスでもストッパーには……。



次話ですが、まあいつも通りです。
最新話で切り離した部分から書き続けてますが、ひっきりなしに書き直してます。
しかも場面切り替えがやたら多くなりそうでこの先も難航しそうな為、やはり時間かかりそうです。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。







 番外編



 海人の屋敷の中庭で、雫はのんびりと御茶を飲んでいた。

 今の茶菓子は、芋羊羹。
 一口頬張るだけで芋の甘く香ばしい香りが鼻に抜け、
強くも穏やかで丸い甘味が広がっていく逸品だ。
 今のように淹れたての煎茶と合わせると、尚良い。

 御茶を飲み下し、雫は満足げに息を吐く。

「ああ、平和だなぁ……」

 呟きながら、飛んできた光弾をはたき落す。
 そして何事もなかったかのように、再びお茶を啜った。

「さて、次のお菓子はどれにするかな~」

 ふんふんと鼻歌を歌いながら、膝の重箱を見下ろす。

 そこにあるのは、お菓子好きには堪らない光景。
 見事な漆塗りの器の中が仕切りで16の区画に分けられ、その一つ一つに和菓子が収められている。
 既に結構な量を食べてしまっているが、それでもまだまだ残っており、
さらには下の段にまた別の菓子が16個詰められているのだ。

 数秒の逡巡の後に、雫は楊枝を使って餡団子を別の器に移した。

「おっと」

 移した直後に飛んできた物体を左手で薙ぎ払い、別方向にふっ飛ばす。

 その物体から、んきゃあ!? と悲鳴が聞こえてきたが、聞こえなかった事にした。
 直後に弾き飛ばした方向から、ぐはっ! げはっ! ふぐぁっ!? と、
断続的に可愛らしい声に似合わぬ悲鳴が聞こえてきたが、それも無視して餡団子を頬張る。

 ――――すっかり食べ慣れたが、やはり素晴らしい美味だ。

 団子の上に乗った、ぷっくらとした粒がたっぷりのつぶあん。
 それは滑らかな餡の食感の良いアクセントになりつつも、
舌で容易に潰せる柔らかさを保っている。
 甘味の質も、濃厚でありながら軽快で実に美味しい。

 団子本体も、これまた素晴らしい出来だ。
 もちもちとした食感は噛んでいて飽きる気配を感じず、
淡白だが骨太の味わいはしっかりと餡の味を受け止めさらに高い次元に引き上げる。
 
 その素晴らしい余韻が綺麗に消える頃合いを見計らって御茶を啜っていると、海人がやってきた。

「楽しんでいるようだな、雫」

「そりゃもう、思いっきり。いや~、おねだりした甲斐がありました。ありがとうございます」

 心底嬉しそうな笑顔で、海人を見上げる。

 今日のお菓子は、海人におねだりして特別に用意してもらった物。
 種類が豊富で味が素晴らしいだけでなく、各菓子の色彩に合わせた配置を行い、
見ているだけでも楽しいという非の打ちどころがないセットである。

 記念日でもないのに主君におねだりするな、と姉から強烈な拳骨を食らいはしたが、
その痛みを忘れる程に素晴らしい逸品だ。

「なに、喜んでくれたなら私はそれでいい。刹那は少し固すぎるからなぁ……」

「まったくです。あたしはお菓子を存分に楽しめて嬉しい、
海人さんはあたしみたいな超絶美少女の笑顔が見れて嬉しい。
どっちも得しかない話なのになぁ……」

「美少女なのは認めるが、超絶までは付かんと思うぞ?」

「ほほう、あたしレベルの容姿がどれぐらいいると思うんです?」

「ま、確かに稀少だな。が――――君にんな形容詞つけたら、ローラ女士はどう表現すればいいんだ?」

「うぐっ……!」

 痛い所を突かれ、雫は呻いた。

 確かに容姿に自信はあるが、ローラは別格すぎる。
 顔、スタイル、ありとあらゆる要素が神の芸術の如き完成度でありながら、
全体のバランスさえも奇跡的に整っているという完全な規格外。

 雫を超絶美少女などと表現してしまえば、ローラを表現すべき言葉は到底思いつかない。

「ついでに言うと、刹那も総合的には君より上じゃないか?
ま、容姿の方向性がまるで違うから比較自体間違ってると思うが」

「それ言ったらローラさんも同じじゃないですか?」

「彼女は完全にレベルが違いすぎるからな。
極端な話、君とローラ女士並べてどっちが魅力的か百人に聞いたらどうなると思う?」

「ぶう……」

 唇を尖らせ不満をアピールしつつも、雫に反論はなかった。

 刹那との比較であれば、海人の言ったような状況でも雫が勝利する可能性は低くない。
 その前に海人が言ったように容姿の方向性がまるで違う為、
聞いた人間の好み次第では勝てる可能性があるのだ。

 が、ローラは無理と言わざるをえない。

 別系統とはいえ、そもそものレベルが違いすぎる。
 完璧の権化たるあれと並べられては、どんな系統の容姿であっても欠陥の方が目立ってしまう。 
 どう足掻いても、横に並べられた段階で引き立て役にしかなれなくなってしまうのだ。
 
「そうむくれるな。さっきも言ったが、君が稀少なレベルの美少女なのは事実だ。
とりあえず、美女を見慣れている私がついついおねだりを聞いてしまう程度にはな」

「ま、そーですね。つっても、海人さんは相手の容姿で対応変えないでしょうけど。
さっきからそこで痙攣してる人だって、外見的にはすんごい美少女ですよ?」

 くすくすと笑いながら、雫は先程からあえて無視し続けていた人物に視線を向ける。

 なかなか、酷い有様だった。
 普段から手入れを欠かさない自慢の髪は土にまみれ、
動きやすくも見栄えの良い衣服も薄汚れ、体は悔しげに痙攣するのみ。
 
 先程海人と喧嘩してボコボコにされた、シリル・メルティの姿である。

「その通りだが、シリル嬢はまた特別だな。やり合う時に手を抜いては後で怒られる」

「だから吹っ飛んだシリルさんがあたしに薙ぎ払われた直後に威力高めの魔力砲で追撃し、そのまま連射で止めを刺した、と」

「うむ。シリル嬢相手に躊躇などすれば、間違いなく逆転される。
それが分かっている以上、追撃の機会は逃さず、過剰なレベルでの集中砲火を浴びせる他ない。
勝負にこだわるシリル嬢への、最大限の敬意だな」

「ちなみに本音は?」

「滅多にない勝機だったからな。ついでに日頃の負け分もちょっとだけ返した」

 はっはっは、と高らかに笑う。

 シリルとの喧嘩はしょっちゅうだが、海人の勝率は非常に低い。
 魔法の性能という意味では属性の不利を差し引いても海人の方が有利なのだが、
そもそもの身体能力に歴然たる差がある為、それは容易く覆されてしまう。
 そこを知略で補っているが、それもシリルの膨大な戦闘経験による反応の良さで覆される事が多い。 
 大体の場合は海人が善戦しつつも、じりじりと追い詰められて仕留められて終わるのだ。

 が、今日のように海人が勝てる事もあった。

 莫大な魔力にあかせた魔力砲の乱射は、シリルすら打倒しうる性能を誇る。
 そしてある程度の距離を確保されてしまうと、シリルとて海人の知略からは逃れられない。
 身体能力差に物を言わせた強引な突破すら敵わず、火力で一気に押し切られてしまうのだ。 
  
 とはいえ、それが現実になった事はこれまでの通算でも片手で数えられる程に少ない。
 距離を離される程海人が強敵になるのはシリルも重々承知なので、
まず距離を離されない事を最優先に行動するからだ。
 そして、基礎能力の差ゆえに海人がそれを阻害できる事は非常に少ないのである。
 
 なので、海人は日頃大人気なくボッコボコにしてくる友人に報復できるこの機会を最大限に活用したのだ。

 海人が滅多にない勝利に浸っていると、シリルが片腕で体だけをどうにか起こし始めた。
 
「お、おのれ……まさか、まさか私がこの貧弱男に負けるとは……!」

「ふははははっ、いいなぁそのセリフ! 実に負け犬っぽくて勝利が実感できるぞ!」

「笑っていられるのも今の内ですわ……! 次にやり合う時はいつも通りに、
いえいつも以上に圧倒的に磨り潰して差し上げますわ。覚悟しておきなさい……!」

「くははははっ! ならばしばらくは大人しくしていようか!
君が借りを返す機会もなく屈辱を抱え続ける姿はさぞかし見物だろうからなぁ!」

「ふふふ、性悪すぎて口を滑らせやすい貴方では頑張っても三日が限度でしょう。
堪え性のなさゆえに折角の貴重な愉悦を台無しにした貴方の姿、今から楽しみですわ……!」

 調子に乗って笑いまくる海人に、シリルも不敵な笑みを返す。
 まるで傲慢な魔王とその足元を掬う気満々の三下のようだ。
    
 そんな二人を眺めながら、雫は肩を竦めた。

(ほーんと仲良いんだよねぇ、この二人)

 みたらし団子を頬張りながら、雫は苦笑した。

 二人の喧嘩の頻度は非常に多い。
 ある時は海人がおちょくりすぎてシリルの怒りをかい、
またある時はシリルが挑発して海人が乗り、とお互い喧嘩の原因を量産している。

 しかし―――――二人共一度決着が着いたら後には残さない。

 どちらも今のように憎まれ口を叩きながら、笑っているのだ。

(見てるとちょーっと羨ましくなるんだよねぇ……)

 懲りずにじゃれ合い続ける二人に僅かな羨望の眼差しを向けながら、雫は団子を飲みこんだ。  
   

  

 
コメント

まあ…喧嘩するほど仲が良いということで(笑)

追伸
本編は今は前中後のうちどのあたりですか?
[2016/07/11 09:46] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


あ、なんかこの流れ……
ってかまぁディルステインの度に合うかもしれないけど
シリルさんが微妙に「くっころ」っぽくて笑う。

ルミナスは自分の方に好意が向いてるから気にしてないけど
何かの拍子でシリルがルミナスより海人に惚れたらローラ並に強敵感あるのは気のせいなのかなー
[2016/07/13 01:22] URL | クロエ #OARS9n6I [ 編集 ]


以前じゃれあいの時は障壁魔法くらいしか使わない、みたいな制約かけてた記述があったような気もしますが魔力砲もいつの間にか解禁されてるんですねw
番外編だからなのか、それともシリルの読みが上達しすぎて使わざるを得なくなったのかわからないですがやはりこの二人のケンカは見てて楽しいです


話は変わって90話読んでて少し疑問に思ったんですが、雫が最近はチート加速魔法の使いこなしを頑張ってる的な話がありましたがあれってルミナス達には秘密ですよね?
家にいても気配で色々バレそうだし、仕事でよく出かけていた頃とは少し間が空いているしで読んでて少し疑問に感じました
[2016/07/13 04:17] URL | くれあ #lGct895. [ 編集 ]


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