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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
最新話修正+番外編
というわけで、98話の修正と番外編です。
修正の方は、終盤のシリルとの会話に加筆と修正をしております。
番外編の方は、これといって変わった内容ではありません。

なお、現状では登場人物総まとめみたいなものはありません。
設定集自体は手元に存在するので作れない事はないですが、省かねばならない情報が多いので。

では、コメント返しさせていただきます。


最高にアホさん

お気になさらず~。
どちらかというとコメント承認制の弊害でしょうから、こちらこそ申し訳ないです。

コスモさん

中編……かなーり厳しいです(汗)
ぶっちゃけ、んなもん書く暇あったら本編書けや、ぐらいに時間かかりそうなので。
番外編のリクエストならかろうじて可能性が、ってとこでしょうか。

シェリスの屋敷の前で拾われてた場合ですか……多分、現状よりはるかに波乱万丈だったかと。
拾ったのが誰かにもよりますが、性格上シェリスの屋敷に組み込まれていた可能性が非常に高いです。
あとは魔法見るまで異世界の可能性考えなかった、とかでしょうか。


次話ですが、連休中は執筆時間長かったものの、色々展開書いて大半没というアホな事やらかしたので、あまり進んでません。
今書いてる展開は割といい感じなので、おそらく流れは確定したと思います。
何人か暴走しそうになるキャラも、どうにか制御できそうなので。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。




 番外編


 ぽかぽかと温かい日差しが、シェリスの頬を照らす。
 やや冷えた空気の中、この温かさはなんとも心地よかった。
 時折吹き抜ける風は時に近くの木の花を散らすが、宙に舞い散る花びらも悪くない。
 透き通った黄色の花弁が紅茶に浮く姿も、また一興。

 屋敷自慢の庭園での、そのひととき。
 疲れ切った体シェリスの体を休めるにはもってこいだった。

「……ふう、ようやく一段落した実感が湧いてきたわねぇ」

「それは結構な事です。交渉もそれなりにこなせるようになっておられますし」

 しみじみとしたシェリスの言葉に、ローラが答える。
 淡々としてはいるが、言葉に含みはなかった。

「順番間違えてる気はするけれどね。何度実力で片付けようと思った事か」

「それに耐えるのも交渉の内でございます。武力で片付けられぬ案件など、この先いくらでも想定されますので」

「……分かってはいるけどね」

 ティーカップを空にすると、シェリスは物憂げに息を吐いた。

 交渉が無事に終わったのはいいが、どうにもすっきりしない。
 相手がシェリスが嫌うタイプの悪徳小物貴族であった事もだが、相手が武力をちらつかせてきた事がそれを助長している。
 
 なにせ、その気になればローラを出すまでもなくその場の武力全てを血祭りにあげられたのだ。

 護衛と称されていた連中は、どれも三流冒険者レベル。
 装備はそこそこだったが、武器は当たらなければいいし、防具は脆弱な関節を狙えばいい。
 計十人を相手にシェリス一人でそれが可能なだけの実力差はあった。

 それをやればかえって問題が多くなる事は分かっているのだが、どうにも腹立たしさが収まらない。
 なまじ力があるばかりに、馬鹿な思考が頭から離れないのだ。
 これならば武力を磨くのは先延ばしにすべきだったかと思わずにはいられなかった。
 
 武力を磨くための鍛錬が、地獄巡りと同義だという事も大きいが。

「では、今回は武力で片付けてみますか? 良い経験になるやもしれません」

「しないわよ。やるにしても、真っ当な後継候補を見つけてからじゃないと、状況が悪化するでしょう?」

 試すようなローラの言葉を、即断で却下する。

 目撃者を出さず、今日会った貴族だけを始末する事は難しくない。
 鍛錬の一環でグレイウルフの群れのリーダーだけを仕留めるなんて事もやらされたのだ。
 それに比べれば、普通の使用人やあの程度の護衛の目をかいくぐっての暗殺など難しくもなんともない。

 が、やればほぼ確実に状況が悪化してしまう。

 あの家は当主だけでなく、後継者候補も碌なのがいない。
 長男は金遣いの荒さが父親そっくりのろくでなし。
 次男は女癖の悪さが父親そっくりの外道猿。
 三男は酒浸りで領地の酒蔵に行っては脅してタダ酒を乱飲する常習犯。
 しかも全員共通で無根拠に貴族である自分達は特別だと思い込み、民からの無駄な搾取を当然としている。
    
 それに比べれば、まだ現当主の方が国に睨まれない為に加減する知能がある分マシだ。  

「状況は理解できておられるようで何よりです。
ところで、今朝出かける少し前に届いた報告書は目を通されましたか?」

「まだだけど……何かあったの?」 

「行方不明だった前当主の息子が見つかったようです。
年齢は十七歳。記憶喪失だったもののランポルテ家に拾われて養子となり、貴族教育は受けていたとか。
先月森で魔物と戦った際に記憶を取り戻されたそうです」

「ランポルテ伯爵の養子……次男のハリバルドさん!? 証明手段は何か持っていたの!?」

 ローラの言葉に、興奮して尋ねる。

 ランポルテ伯爵家は、堅実かつ誠実が特徴の家柄だ。
 現当主だけでなく次期当主の長男も能力と人格は折り紙付き。
 他に次男と長女がいるが、どちらもなかなかの出来だと聞いている。
 そして、次男だけが養子だ。幼い頃に魔物に食われかけていたのを現当主が救った事が切っ掛けだという。

 シェリスも直に会った事があるが、なかなかの好青年だった。
 あれが今回問題となっている子爵家の当主になってくれるのなら、ありがたい限りだ。
 しかも本来の爵位継承順位を考えれば、現当主がいなくなれば問題なく継承させられる。

 が、それは血筋の証明手段無くしては不可能。
 行方不明になったのはかなり昔なので、彼の顔を覚えている者すら少数のはずなのだ。

「はい。彼が拾われた時に着ていた服の裏地に、血統証明書が隠されていたようです。
付け加えますと、行方不明になった理由は現当主に襲われて森に逃げ込んだからだとか。
まあ、今となっては証明は難しいかもしれませんが」

「十分じゃない! 早速手は――――ローラ?」

「なんでしょう」

「さっき出かける少し前に届いた報告書って言ったわよね?」

「はい」

「ひょっとしなくても、貴女は交渉に行く前に目を通したの?」

「その通りです」

「なんでその時に言ってくれないの!?」

 しれっと肯定するローラに、シェリスは思わず抗議した。
 
 言ってくれていれば、今回の交渉は早々に切り上げられたのだ。
 少しでもマシな条件を引き出す為に手を変え品を変え試した時間、実に二時間。
 それが丸々無駄だったとなれば、黙ってはいられない。

 怒りを湛えた目で睨む主君に、ローラは淡々と返す。

「シェリス様が予定通りの速度で作業をこなしておられれば、本来なら目を通す余裕があったからです」

「うっ……!?」

「能力が足りないのであれば仕方ありませんが、今回は作業前の準備に時間をかけた事が原因です。
昨日の仕事が終わった段階でインクを補充し、大雑把でも書類の種別分けを行っておられれば遅れはなかったでしょう」

「うう……」  

「何度も申し上げておりますが、シェリス様の仕事は数秒の遅れでも致命傷となる場合がございます。
準備したところで遅れの可能性が消えるわけではありませんが、減らすことはできるでしょう。
貴族としてより多くの民を守りたいと思うのであれば、どうかお忘れなきよう」

「はい……」

 手厳しいローラの言葉に、素直に頷くシェリス。

 ローラの言葉は極論のようだが、現実にある話だ。
 貧しい村の近隣に出た魔物の討伐の手配が遅れたばかりに救援が僅かに間に合わず、
結果襲撃を食い止めようとした勇敢な若者が亡くなる事もある。
 それどころか、持ち去られたその若者の亡骸が魔物の子供のエサとなり成長を促し、
襲撃する数を増やして襲ってくる事さえあるのだ。
 
 怠惰など、到底許される立場ではない。

「とはいえ、あまり固くなりすぎてはいけません。
肩に力が入りすぎれば疲労を招き、ミスを呼びます。
自然体で気を付けられるようにならねばなりません」

「そうね。一日も早くそうならないと、ね」

 厳しくとも間違った事は言わない部下の言葉に、十三歳のシェリスは決意を新たにした。


 
 
コメント

まあ、事前の下準備は大事だと言うことで。準備に時間をかけなさすぎるのも問題ですが、かけすぎるのも問題ですな。


追伸
シェリスとルミナスが初めて会った話はそろそろいかがでしょうか?
[2017/05/08 09:40] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


読み返してて気づいたんだけど、62話のシリルと雫の会話

男慣れしているのは事実なのだろう

は不味くない?w
[2017/05/08 15:10] URL | #SFo5/nok [ 編集 ]


尊敬できる養父、義兄に愛されて育ち、兄を支えるなり独り立ちするなりの未来を決めてるだろう好青年を、ボロボロになった領地に押し込めようってのはかなり身勝手な話だな、と思っちゃう。

血の定めからは逃げられない的な呪いだな、貴族は業が深い


[2017/05/08 20:36] URL | #- [ 編集 ]


ワーカホリック育成してるなぁw
気が休まらなさそう
[2017/05/09 11:44] URL | #- [ 編集 ]


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