ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。
というわけで番外編です。
珍しくはないネタかと思います。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


コスモさん

準備は加減が難しいですよね。
こんぐらいで大丈夫と思ったら予想外の事態で念の為準備しときゃ良かった、
逆に気合い入れて準備したら無難に進んでここまでやんなくても良かったってのもザラですし。
これに加えて時間という要素まで加わってきますからねぇ……。

シェリスとルミナスの出会い……あまり劇的ではないんですよね。
膨らませ方が難しいかもしれません。

 さん

男慣れって表現、まずいでしょうか?
メイベルがそうなのは事実ですし、年齢制限に引っかかる表現でもないと思うんですが。

 さん

この時のシェリスはまだまだ未熟で、自分なら当然そうすると思ってるせいでそこまで考えが及んでません。
もっとも、及んだとしても性格上下す結論は同じだと思いますが。

 さん

実のところ、徹底した教育は本人の要望です。
もっとも、ここまでとは想像してなかったでしょうが。
手に入れる物が大きいほど、代償も大きくなるという事で。


次話ですが、かなりまとまってきました。
途中暴走しまくったせいでえらい時間かかりましたが、まともな話になってます。
少なくとも、ほのぼのだったはずがいつのまにか世紀末な惨状になってたりはしません。
おそらく、次回か遅くともその次には本編更新できると思います。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方のご来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。









 番外編



 ナターシャ・エルベスは、森の中を必死で逃げ回っていた。

 その背後から迫るは、ダークネスベア。
 闇夜では体毛が風景に溶け込み視認が難しい魔物だが、戦闘能力は高くはない。
 夜間の危険性を鑑みてランクは中位だが、駆けだし冒険者でも倒せなくはない程度である。

 が――――それでも一般人にとっては死神も同然。

 足は速く、腕力は強く、性格は獰猛。
 今が昼間である事が救いだが、それでも追いつかれれば殺される。
 そして、ナターシャとダークネスベアの距離は徐々に詰められていた。

(なんで!? なんでこんな事に!? キノコを採りに来ただけなのに……!)

 涙を流しながら、現状を嘆く。

 最近家の商品の売れ行きが芳しくないせいで、食卓が貧しくなっていた。
 夜でさえ、パンが一人一つと申し訳程度の薄い豚肉が入った野菜くずのスープ。
 しかもスープの味はお腹を膨らませる為、と大量の水で薄まっている。
 
 ナターシャはそれでもよかったが、食べ盛りの弟は悲しそうだった。
 文句を言っても状況が変わらないのは分かっているのか、黙々と食べているが、
夜中に彼の部屋の前を通ると、時折盛大な腹の虫が聞こえる。

 なので、少しでも和らげてやるべく、山にキノコを採りに来たのだ。
 この山に自生するキノコには、スープに入れると良い味が出る物がある。
 しかも、奥まった場所ではあるがナターシャが以前見つけた秘密の場所があり、
そこには特に良い物が結構な数生えているのだ。

 なので思い立ったその日に準備を整え出掛けたのだが――――誤算だった。

 目当ての場所それ自体は、問題なかった。
 他の人間には見つかっていなかったらしく、以前と変わらぬ数のキノコが自生しており、
時折紛れている毒キノコさえ分別すればよかったのだ。
 背負った籠にたっぷりのキノコを詰め込み、ホクホク顔だった。

 問題は、帰り道。

 行きは何一つ問題なかった道に、ダークネスベアがいた。
 しかも、何やら気が立っているらしく息が荒い。
 見つかれば殺される、そう直感したナターシャは静かに回り道をしようとしたのだが、甘かった。

 足音を立てずにいたにもかかわらず、ダークネスベアはナターシャの匂いを嗅ぎつけて襲い掛かってきたのだ。
 咄嗟に肉体強化を使って全速力で逃げ出したが、それでも振り切れない。
 村の女一番の俊足も、背後から迫る魔物には敵わなかった。
  
 恐怖のあまり途中で背負っていた籠すらも投げたが、状況は変わらず。
 むしろそれが当たったダークネスベアを刺激しただけに終わった。

(死、死にたくない! 死にたくない……っ!)

 全力を振り絞り逃げ続けるナターシャ。

 まだまだ、死にたくない。

 最近逞しくなってきた幼馴染の少年。
 来週は、彼と町へデートに行く事になっている。
 その為に、貯めたお小遣いをはたいて新しい服を買った。
 当日の彼の反応を想像して、その日が来るのを指折り数えている。

 必死の思いで駆けるが、現実は無情。

 徐々に感覚が危うくなってきた足がもつれ、派手に転んでしまった。
 勢いがついていた為そのままゴロゴロ前方に転がっていくが、速度は当然落ちる。

 ナターシャの体が止まった時、ダークネスベアは彼女まであと数歩の所まで近づいていた。 

「ひっ!」

「グルルルルッ……!」

 ダークネスベアは怯えて固まる獲物に、一歩一歩と近づいていく。
 口の端から垂れるよだれが、逃がす気がない事を何よりも雄弁に物語っている。

 ダークネスベアが大口を開け食らいつかんとしたその時、ナターシャの手に何か固い物が触れた。
 彼女は、藁をもつかむ思いでそれが何かも分からぬままダークネスベアへと振り回す。
 
「ああああああああああああああああっ!」

「ギャンッ!?」

 無我夢中で振るわれたナイフが目に刺さり、ダークネスベアは怯んだ。
 そのまま目を抑え、悶え苦しむ。
  
「ひ、ひぃぃぃぃぃっ!」

 すかさずナターシャは再び立ち上がり、逃亡を再開した。
 この機を逃せば、次は絶対にない。そう確信して、全てを振り絞り力の限り逃げた。

 が、やはり現実は無情。
 怒り狂ったダークネスベアは先程以上の速度でナターシャに迫り、背後から飛びかかった。

 危ういところで横に飛び押し倒されるのは回避したが、それも一瞬。
 すかさず方向転換したダークネスベアは、今度こそ逃がさんと転がる彼女の腕を前足で押さえつけた。

「や、いやあああああああああああっ!?」

 絶体絶命の状況に、ナターシャは喉も張り裂けんばかりの悲鳴を上げる。
 
 目の前に迫るのは、魔物の鋭い牙。
 唾液が滴るそれはいかにも鋭利で、恐ろしい。
 ぐっ、とナターシャの右腕がさらに強く押さえつけられ、魔物の顎が大きく開かれる。
 
 ナターシャの細い首筋が喰らわれんとしたその時、

「はぁぁああああっ!」

 木々を揺るがす気勢と共に、ダークネスベアの頭が弾け飛んだ。

 頭を失った魔物の亡骸が、ぐらりと揺れる。
 それが完全に地に沈む前に、ナターシャの体はその下から引きずり出された。

「大丈夫ですか?」

「あ、は、はい……」

 問いかけてきた女性に、ナターシャは半ば反射的に頷く。

 美しい、女性だった。
 薄汚れた茶のシャツに厚手の黒いパンツと質素な服装だが、それでもスタイルの良さが分かる。
 胸は程良く盛り上がり、腰は細く、臀部は肉感的で、足が長い。
 しかも薄く化粧をしている為か、やたら垢抜けて見えた。
 
 この体のどこから、魔物を文字通り一蹴する力が出たのか全く理解できない。

「よかったです。ところで、この籠は貴女のですか? 少し離れた所で拾ったのですが……」

「は、はいっ! その、貴女は……?」

「通りすがりの冒険者です。ちょっと肉調達しようと思ってたら貴女が襲われているのが見えたので。
よければ、麓までお送りしますが?」

「あ、ありがとうございます! よろしくお願いします!」

 思いもよらず安全が確保されたナターシャは、勢いよく女性へと頭を下げた。







 少しして、ナターシャを麓まで送り届けて別れた女性――――シャロン・ラグナマイトは深々と溜息を吐いた。

「無知って怖いわねぇ……でも、収穫は大きいわね」

 分けてもらったキノコの一つを手の平で弄び、シャロンはほくそ笑んだ。

 ナターシャが採ったキノコには、かなり希少な物が含まれていた。
 滋養強壮に効果が高く、それでいてスープに入れれば抜群の出汁も出る逸品。
 生息量が少なく、良く似た形のキノコがある為に間違いやすいが、一つ五万ルンの値がつく代物だ。
 
 それを、ナターシャは実に三十個以上集めていた。
 聞いた話ではあの山に群生地が存在するらしいが、場所は彼女以外誰も知らない。
 無自覚なようだが、その情報だけでかなり稼げる。

「さてさて、のんびり休んでるわけにはいかなくなったわね」

 手持ちの袋にキノコを放り込むと、シャロンは今後の予定を考える。

 主の命令である、ダークネスベアの討伐は終えた。
 この近隣で確認されたダークネスベアは、子も含めて全て息絶えている。

 時間が余ったら近くで一息入れても良いとは言われているが、ナターシャの事を考えるとそうはいかない。
 ナターシャを襲った個体は、シャロンが狩った個体の血の臭いで気が立っていた可能性が高いのだ。
 詫びも兼ねて、少し早く手を回す必要がある。

(シェリス様に報告して……現実的には情報の買取かしらね)

 そんな事を考えながら、屋敷へと駆けだすシャロン。

 ナターシャだけが情報を持っているのは、あまり望ましくない。
 彼女に採取してもらってそれを買い取るのもいいが、それは彼女の身の危険を伴ってしまう。

 件のキノコを買い取るとなれば、当然相応の額が支払われる。
 そうなれば詮索を呼び、出所を探ろうと彼女を尾行する者も出るだろう。
 横からキノコを奪われるぐらいならまだいいが、おそらく命ごと奪われる。
 
 となればシェリスが情報を買い取った方が無難だ。

 また、ナターシャ本人にも何の情報を売ったのか誤解させておく事が望ましい。
 さしたる訓練を受けていないただの村娘では、どこでどう口を滑らせるか分からないからだ。
 最悪、情報を吐かせる為に拷問される恐れもある。
 
(場所は聞けなかったけど、群生地の他の情報は色々聞けたし、口実は作れるわね。
一番無難なのは近くに転がってたらしい冒険者の遺品と思しき物、かしら。
とはいえ、自分で確認もしていない情報に大金は不自然。それを正当化するなら……)

 案を考えながら、シャロンはさらに加速した。
 
 平時からなるべく頭を回し、その状態での行動に慣れろ。
 それらの積み重ねこそが、危地での生存率を上げる。

 そんな上司の教えを、忠実に実践すべく。
    
コメント

一つ五万するキノコ…現代で言えば、トリュフか松茸とかを想像すればいいのかな?
まあ、普通の村娘にそれなりの金を渡したら、色々邪推する奴とかが出てくるでしょうね。それを防ぐには色々と理由を付けてちょい安めな金を渡すしかないですが…難しいでしょうね。

追伸
蜂の子や蝗の佃煮などのゲテモノ(?)ネタはいかがでしょうか?
[2017/05/15 09:05] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


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