ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編+32話誤字修正。
というわけで番外編と32話の誤字修正になります。
番外編は定番ネタで、ラストちょっとだけ違う感じです。
32話の誤字は御指摘いただいた余分な読点一つの削除になります。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


 さん

すみません。人名省いた文章の実験でミスリードではありません。
ローラの昔の話になります。

コスモさん

仰る通りローラの過去です。
求めてる物は例のあれです。

竹細工……好きなんですが書ける程詳しくないのです。
今度調べて書けそうだったら書きます。

名無しの権兵衛さん

実は半ばではなく、一度完全に諦めてます。
それだけに出鱈目馬鹿野郎の理不尽具合に暴走気味です。
ちなみに、現時点では次話冒頭で端的にローラの暴走具合が出る予定だったりします。

 さん

今章で二人の距離自体は縮まると思います。
それが結果に結びつくかまでは秘密ですが。

ロボット三等兵さん

かつてのローラです。分かりにくくてすみません(汗)

級さん

仰る通り、ローラの立場上オーダーメイドのハードルは極めて高いです。
ただし、シリルの槍は実質対価なしですし、ルミナスに作る予定の剣も海人は対価なしのつもりです。
なので必ずしも相応しい対価が必要とは限りません。



さて、現在の執筆状況ですが、おそらく次回には99話加筆修正は終わると思います。
加筆分が書いてて思いのほか楽しいせいで、もう少し時間かけてしまう恐れもありますが(汗)
次話についてはおそらく、次の次になると思います。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。



 番外編




 雫は大福を噛みしめながら思う。
 少し前まで、自分達の生活は悲惨だったと。

 主な寝床は果てしなく広がる広大な大地。
 フカフカした感触の草原で眠りにつくのが、たまの贅沢。
 それも何故か狙いすましたかのように降り注ぐ天気雨によって妨げられるのが常。
 食料調達にもなる魔物の襲撃と違い、雨は何ら利点がなかった。

 主な食料は魔物と野草。
 冒険者の仕事で金は稼いでいたが、毎度毎度使う間もなく消えていたのでそれしかなかったのだ。
 毒物への耐性が強い為、味さえ気にしなければ食料には困らずに済むのが救いと言えば救いだった。
 たまに店で美味い物を食べると涙を堪えるのがえらく大変だったが。

 主な衣服は、家を出た時に着ていたヒノクニの戦闘装束。
 当然ながら他の衣服も持って出ていたが、姉の呪いじみた洗濯技術により見事壊滅。
 町で買った事もあったが、野外生活が主体だった為、予算の関係上実用には向かず、
かろうじて耐えていた物すらも姉の努力という名の破壊行為によって失われた。
 だから、唯一無事な服が汚れてきたら姉妹仲良く素っ裸になって服を洗っていたのである。  

 当時は日常化しすぎたせいか、さして悲惨だったとは思わなかった。
 金がなくとも生きていけるんだからむしろ恵まれてる方だろう、とも。
 
 実際、間違ってはいないと今でも思う。

 駆け出し冒険者は言うに及ばず、安定してそうな商人や農家もふとした事で生活が脅かされる。
 災害があろうと耐えるか逃げれば済み、何があろうと餓死の危険は少なく、魔物に襲われるのはむしろ好都合な事が多かった自分達は、間違いなく恵まれていたはずだと。

 が、それでも悲惨だったのは間違いない。
  
(……将来が怖すぎたからねぇ)

 大福の甘さを緑茶で流し、雫は満足げに息を吐く。

 確かに絶望的な困窮ではなかったが、それも若いからこそ。
 年老い体が動かなくなってくれば、頼りになるのはやはり金だ。

 そして、自分達はその金が絶望的なまでに貯まらなかった。
 ある時は魔物に食われ、ある時は依頼人が死亡し未払い、
またある時は姉の御人好しゆえに報酬を得られず、と呪いの如く金が貯まらなかったのだ。

 一応姉妹揃って金持ちそうな男に口説かれた事はままあり、養われる事を考えなかったわけでもなかったが、
どうにもいけ好かない人間ばかりで一時的に付き合う気にもならなかったので、受けた事はなかった。

 そして、事実その判断は正しかった。 
 どいつもこいつも口説いて一週間以内には人身売買やら不当な課税やらの犯罪で官憲に捕らえられていたのだから。
 
(……こーやって考えるとホント海人さんって奇跡的なぐらい良い御主人様だよねぇ)

 煎餅をポリポリ齧りながら、しみじみと思う。

 衣食住完備。これだけでも自分達にとっては十分すぎる条件。
 能力的に見合ってなかろうが、それすらままならなかった状況を思えばこれだけでも伏して拝む価値がある。
 質まで考えると、未だにこれが夢ではないかとさえ思う。
 
 それに加え、海人は給料もなかなかの額を支払ってくれている。
 普通に生活するなら、給料だけでも十分すぎるぐらいの額を。
 それでいて町に行くと昼食や夕食は全て彼が支払ってくれるのだ。
 おかげで買い食いなどで出費の多い雫でさえ、給料の大部分が残っている。
 
 しかも、以前聞いた言葉からして退職の際は退職金を支払うつもりもあるようだ。
 もっとも、海人から申し渡されない限り退職するつもりは毛頭なく、
仮に申し渡されたとしても全てを賭して撤回を懇願するので、こちらはあまり意味はないが。

(そーゆー意味じゃ、ルミナスさんが自覚した後も態度変わってないのはありがたいねぇ。
それだけに色々お気の毒なんだけど)

 ぐびっと緑茶を呷り、心の中で黙祷を捧げる。

 ルミナスは、海人への想いを自覚した後も態度はまるっきり変わっていない。
 常に海人と一緒にいる護衛姉妹に含みのある様子はなく、刹那への料理指導も懇切丁寧なまま。
 雫が海人に抱きついても、その目に嫉妬の色はなく、むしろ微笑まし気だ。

 あの調子なら仮に海人と結婚しても自分達がクビになる事はないだろう、雫はそう読んでいた。
 だからこそルミナスを応援したい気持ちがあるのだが、それゆえに同情せざるをえない。

 現状ルミナスのまともな恋敵と呼べるのは唯一人。
 シェリスのメイドの中にも競争相手は多いが、大多数はルミナスの相手にはなれない。
 ルミナスのスペック的にも、海人の気持ち的にも。

 が、その唯一人―――ローラ・クリスティアは最強最悪の難敵だ。
 あれと競う事になってなお諦める気配が微塵もないルミナスに、思わず敬意を表してしまう程に。

 まず、容姿ではルミナスの完敗。
 言葉では語りつくせない程に完璧な、絶世の美貌。
 それは絵のモデルにでもなれば画家のプライドを粉砕して自死に追い込みかねない次元だ。
 ルミナスとて類稀な美女だが、相手が悪すぎる。
  
 家事全般においても、総合でルミナスの完敗。
 唯一料理は拮抗しているが、他の手際が違いすぎる。
 しかも海人と結ばれたらこの広い屋敷を管理する事になるので、地味に大きな要素だ。

 戦闘能力においては、論ずるにすら値しない。
 冗談でもなんでもなく、ローラが本気ならルミナスは瞬殺される。
 そして妙に厄介事が寄ってきやすい海人の妻になるなら、戦闘能力は高すぎるという事はない。
 それこそ、国家と事を構える事にでもなれば真っ先に狙われかねないのだから。
 
 そして性格だが、これはおそらくルミナスの勝ちだ。
 冷酷非情なローラと温厚篤実なルミナスでは、どう考えても後者に軍配が上がるだろう。
 海人が穏やかな時間を好む事も考えれば、余計にそうなる。
 不安材料としては、海人がローラの性格を嫌っている様子がなく、むしろ好んでいそうだという事。
 彼にとってローラの性格はプラス要因にはならずともマイナス要因にはならなそうだという事だ。

(――――ヤバい。ルミナスさん本気で気の毒。つーかあたしらも地味にヤバい)

 むう、と唸る雫。

 海人が選ぶなら誰を選ぼうと文句を言うつもりはないが、ローラは雫たちにとって危険だった。
 というのも、彼女についてはまともな情報がほとんどないからだ。
    
 雫にとって一番危惧すべきは、海人の妻となった人物による自分達の排除。
 
 理想的な労働環境が失われるという事もだが、雫にとって温かな生活空間が失われるのは何より痛い。
 なんだかんだ言っても頼りがいがあり、甘えさせてくれる実の兄のような海人。
 それと引き離されるのは、雫にとって非常に辛い。

 それが起こるか起こらないか、ローラの場合まるで読めないのだ。
 圧倒的な自負により護衛姉妹の存在を寛容に受け止めるか、独占欲によって護衛姉妹を排除するか、まるで分からない。

 普通なら後者と考えるところだが、海人に対する言葉からして前者の可能性も十分にある。
 そもそも二人がここに雇われる事になった事自体、ローラが推奨したようなものだ。
 が、ローラの想いがいつ芽生えたのかによっても話が変わるし、自分がいれば護衛は不要と考える可能性も高い。

 本当に、どうなるか全く読めない。
 海人がどちらかを選ぶのかどうかさえも。

 無論分かったから何が出来るという話でもないが、無視するのも難しい。
 なんとも面倒な話だった。
 
「……このまま暢気に暮らしてたいんだけどなぁ」

「ん? なにか悩み事でもあるのか?」

 雫のぼやきに、彼女の後ろで作業をしていた海人が反応した。
 そのまま手を止め、椅子を回転させて雫の方に振り向く。 
  
「んー、まぁ大した話じゃないですよ。そのうち考えまとまったら相談します」

「ふむ……話したくないなら無理にとは言わんが、あまり抱え込みすぎるなよ?
今日は少し顔色が悪くなっているぞ」

「げ。マジですか?」

「マジだ。ほれ、少しクリーム塗ってやるからこっちに来い」

「はーい」

 とてとてと雫は海人の元に近寄ると、素直に顔を差し出した。

 適度に薄く伸ばされた美容クリーム。
 それが顔中に満遍なく丁寧に塗られていく。
 軽いマッサージも兼ねているのか、朝から少し重たかった瞼がどんどんはっきりと開き始める。
 また、その手つき自体も遠慮こそないが、柔らかく心地良い。

 その感触に目を細めながら、雫は思う。

(はぁ……やっぱこのままの生活を維持したいなぁ。我ながら贅沢になったもんだねぇ) 
 
 
 
コメント

海人と再婚?
海人が再婚でも海人と結婚でもなく?
[2017/06/19 02:08] URL | #SFo5/nok [ 編集 ]


初コメントです.いつも楽しく読んでおります.今回はローラ回ですかね.屋敷滞在でどんな事件?が巻き起こるのか楽しみです.
刹那の活躍も期待しております笑
[2017/06/19 04:31] URL | 最近のあだ名はパパ #8gpN.dAI [ 編集 ]


ルミナスがけっこう苦手なので、ローラさん頑張って欲しいなぁ
というか刹那や雫、シリルやシェリスは好感持てるキャラなのに、どうしてかルミナスだけは苦手です……
[2017/06/19 05:12] URL | #- [ 編集 ]


なるほど、雫から見たルミナスの恋模様ですか、まあ、他から考えても仕方ないんですけどね、能力がどうだろうが、選ぶのは海人なんですから。……まあ、首にならないために最終手段として海人に丼もの(意味深)を食べさせる事も考慮に入れてそうだな~とは思いますが。

追伸
クレープネタはいかがでしょうか?
[2017/06/19 11:50] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


どっかでカイトと出会う前の生活は今の生活に至る為の試練だったのかもとか言ってた気がするけどほんまやなあと思いますね

ところで正直新章はまたローラのお泊り編かと思いました。そろそろ旅行でも巻き込まれでも何でもいいからどっかに行ってほしいんですが予定は無いですか?
とりあえずヒノクニとガーナブレスト辺り(当然例の人達とのすったもんだ付きまあ行くならイヤでもそうなるでしょうが)

とにかくカイト一行にはもっと大きく動いてほしい。いや環境やら性格やらで難しいのは分かるんですがそれでも何とか
[2017/06/19 22:05] URL | 名無し #- [ 編集 ]


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