ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄103
 海人の屋敷の大浴場。
 ここは控えめに言っても、平民の浴室としては最上級の贅をこらしてある。

 なにしろ、床を除けば室内は全面総ヒノキ。
 海人の世界でもかなりの贅沢だが、この世界のヒノキはヒノクニの特産品で、
この大陸で調達するとなればとんでもない大金が必要となる。
 唯一ヒノキではない床も、単調になりがちな色彩のアクセントとして御影石を使っているだけ。
 むしろその床材によって、かえって高級感が増している。
 鏡や風呂桶、椅子などといった物も良い物で、どこを見ても隙が無い。
 それでいて中にいる者に緊張感を与えるような事はなく、むしろ安らぎを与える仕上がりになっている。

 風呂好きの刹那は完成直後に室内を見た瞬間喜びで気絶しかけ、
シェリスは見た瞬間自分の姿も忘れて素っ裸で海人を締め上げに走りそうになった程の出来。

 これまでここを訪れた者は軒並み高評価を出し、ローラもまた例外ではなかった。

(……やはり、この浴室は良いわね。疲れが溶けていくようだわ」

 ほのかに漂うヒノキの香りを堪能するかのように、ローラは目を閉じた。

 先程の運動による疲労はかなりのものだったが、既に半分以上が抜けている。
 室内に漂うヒノキの香り、明るく温かみのある色彩、当たりが柔らかく不思議と落ち着く感触の湯船。
 それら全てが余分な緊張をほぐし、体の奥にある疲労までをも湯の中に溶かしていく。 
 
 海人特製の入浴剤とやらの効能もあるのだろうが、それを差し引いてもやはりこの浴場の安息感は凄まじい。

(浴場を安らぎの場と位置付けるなら、やはりこの大陸は大きく遅れているわね)

 湯船のお湯を掬いながら、そんな事を思う。

 シェリスの屋敷の大浴場も金と手間がかかっているが、ここと比べると見劣りする。
 質自体は高いが完全な石造りなので色彩が暗く、安らぐには向いていないのだ。
 浴槽に入って座った時の感触も硬く、長居しようとは思わない。 
 芸術として見た場合は決して見劣りする出来ではないが、安息の場としてはこちらに軍配が上がる。

 とはいえ、それも仕方のない事。

 こちらの大陸では、本来浴槽とは体を丸洗いする為の物。
 湯船に浸かってゆっくりするなどという習慣は貴族の間でも珍しい。
 平民の浴室にいたっては、浴槽もなくただ水びたしになっても問題ないだけの部屋という事も珍しくない。
 上流階級では入浴の習慣も僅かずつ浸透してきているようだが、広がるには時間がかかるだろう。 
 
 ましてこの浴室に匹敵する安らぎの空間を生み出すとなれば、それこそ何十年かかるか分かったものではない。
 そして、海人はシェリスの屋敷にこれを作る事はないと明言している。

 残酷な現実に思わずローラが溜息を吐いたところで、入り口のドアが開いた。
「失礼いたします」
 
「失礼しまーす♪」

 軽い会釈と共に、宝蔵院姉妹が入ってきた。
 雫は畳んだ手ぬぐいを頭に乗せ、刹那は髪を上に結い上げている。

「少々意外ですね。てっきり御二人は朝食の準備を手伝われるのかと思っていましたが」

「や、あたしらもそうしようとしたんですけど、海人さんにいいから入ってこいって言われまして」

「今日は普段より多少キツめの鍛錬にしたのですが、見抜かれたようです」  

「なるほど。相変わらず、気配りの細かい事です」

 ローラが呟いている間に、宝蔵院姉妹は手早く体を洗っていた。
 無駄なく、素早く、それでいて丁寧に、全ては一刻も早く入浴を堪能する為に。
 
「よっし、洗い終わった! んん~……はふぅ~……あ~、生き返るぅ~……ぶくぶく」

「頭まで沈むやつがあるか、だらしのない」

 緩みきった表情で湯船に頭の天辺まで沈みきった妹を引きずりあげながら、窘める。
 首根っこ掴まれた雫は、その言葉に不満げに唇を尖らせた。

「いーじゃん、お姉ちゃんなんかワカメ状態になるんだから」

「……お前の前以外ではやっとらんだろうが」 

「ぶーぶー、妹の前だけだろうとなんだろうとやっちゃいけない事はやっちゃいけないと思いまーす」

「ワカメ、ですか?」

「そです。うちの姉は湯船を思いっきり満喫してる時は髪解いて大の字で浮かぶんです。
長い髪が広がって、それがワカメ……ヒノクニの海藻みたく見えるんですよ~」

 けけけっ、と嫌みったらしい笑みを浮かべる雫。

 他の人間がいる時は、入浴中の刹那は髪を上げている。
 ヒノクニではそれが礼儀で、刹那もそれが染みついているからだ。
 
 が、自分一人や周囲に雫しかいない時は違う。

 その時は長い髪を解き、手足を思いっきり伸ばして湯船にぷかぷか浮かぶ。
 水面を揺蕩う彼女の表情は実に幸せそうなのだが、傍目から見ると色々悲惨だ。

 長く量の多い髪が湯船に広がる様は、まさに海藻。
 酷い時は不気味に揺れる髪の中心にまったりとした顔という有様になり、まるで妖怪だ。

 身内の前限定とはいえあんな無様を晒す人間が、浴場での作法を語るなど片腹痛い。
 言外にそう語る妹に、刹那は反論も出来ず悔し気に唸っていた。
   
「やりたくなる気持ちは分かりますね。
この疲れが溶けていく感覚の中では、ついつい心も緩められます」

「ローラさんでもですか?」

「ええ。今日は特に疲れましたので。
まさか、カイト様相手にここまで疲労するとは夢にも思っていませんでしたが。
つくづく、驚かせてくださいますね」

「……あれに関しちゃあたしも驚いたんですけどね。
まさかあそこまで高度な戦術出来るなんて思ってませんでしたから」

 はあ、と雫は物憂げに息を吐く。
 その表情は、どこか拗ねているようにも見えた。

「なぜです?」

「シリルさんと喧嘩する時は似たような事やってますけど、
障壁の出現頻度ははるかに少ないですし、魔力砲の数だってたかが知れてますもん。
あんなとんでもない事できるなんて想像もしてませんでしたよ」

 むー、と唸る雫。
 ローラと刹那はその言葉に首を傾げていたが、ふと刹那が思い出したように手を打った。

「……そういえば暴走中の記憶はほとんど飛ぶんだったな。失念していた」

「ああ、それで。となると、あの戦術を知っているのはあの場にいた私達だけですか」

「そうなりますね。雫、海人殿のあの戦術は暴走したお前を止める時に行ったものだ。
あの時は拙者が魔力砲の代わりの攻撃役、ついでに障壁の数を減らす為の制限役を担っていたがな」

「……へ? うええ!? そうだったの!?」

「付け加えますと、カイト様の技能はあの時より数段洗練されていますね。
全て自分の意思で制御できる事を差し引いても、あの時のセツナ様が抜けた穴をカバーするのは至難。
それを見事にやってのけておられましたから」

 ローラは、素直な感嘆をその口調に込めた。

 今日の戦術が見事というのは、お世辞でもなんでもない。
 雫の暴走を止めた際は、吸血族の能力を発動させた刹那がいた。
 超高速の攻撃をほとんどまともに受けず、仮に受けても即時再生。
 その上で斬撃の乱舞を続け、手足が粉々になっても瞬時に再生する雫を足止めしていたのだ。
 その分彼女の動きの行動予測などが加わり難度は上がっていたが、それを補って余りあるほどに刹那の力は絶大だった。

 にもかかわらず、今日の海人の戦術の効果はそれに匹敵、あるいは僅かに超えていたのだ。
 魔力消費も集中力も以前とは桁違いに要する条件下でそれを成す事が、どれほどの難事か。
 失敗が死に直結する状況でもないので、危機感による一時的な能力向上などもなかったはずだ。
 戦術自体の欠点を踏まえても、この短期間で恐るべき成長と言う他ない。
 
 つくづく目を離せない男、そう思わずにはいられなかった。

「……拙者はそこに驚きました。シリル殿で練習なさっていたわけではなさそうですし、
拙者の知る限り研究の際もあの戦術に関連する事はやっておられませんでした。
正直、あそこまで精度を上げる暇があったとは……」

「推測ですが、日頃貴女方の組手を見物している時や休憩中にでも考えておられたのではないかと。
後半は非常に少なくなりましたが、序盤は色々と試している節が見受けられましたので。
愛されているようでなによりですね、シズク様」

 言葉と共に向けられたローラの静かな視線に、雫は思わず頬をひきつらせた。

 海人を知っている者からすれば、あの戦術は殺さず制する事に重点をおいている事は明白だ。
 単なる殺害であれば、海人ならもっと確実性が高く消耗の少ない手がいくらでもある。
 
 そして、敵には一切の容赦がない海人が相手を殺さぬ展開などそう多くはない。
 情報を吐き出させるために捕獲する事はあるだろうが、それなら刹那と雫を動かした方が危険がなく、確実だ。
 あえて忙しい合間を縫って敵を殺さず制する為の技術を磨く程の意義は薄い。
 
 となると、海人が想定しているのは二人、あるいは片方が使えない状況。
 そして殺さぬ為の手法となれば、もはや答えは決まったようなもの。

 ―――もし次に雫が暴走した際、なんとしても殺さず止める。その為だろう。

 本来なら、雫としてはなんとも頬が緩む話だ。
 申し訳ない思いもあるが、大好きな兄貴分からそんなにも想われているというの嬉しい事この上ない。 

 が、この状況がまずい。

 なにせ、眼前にはローラがいる。 
 海人を愛していると公言する、真正の怪物が。
 万一嫉妬に狂いでもすれば、雫の命など蟻の如く踏み潰されてしまう。

「御心配なく、その程度をいちいち気にするほど私も狭量ではありません。
そもそも、御二人を排除するつもりはないと明言したはずですが?」

「あっはっは、分かっちゃいるんですけど、恋愛って人が変わるって言いますしねー」

 朗らかな笑顔で安堵を隠し、雫は普段通りの軽い態度を保つ。
 見透かされているであろう事は、重々承知しつつも。

「とりあえず、当面は問題ありませんので御安心を。
しかし、セツナ様はカイト様があの時の事を気にして密かに改良しているとは思われなかったのですか?」

「それはお気になさっているとは思いましたが、てっきり拙者の強化で補うつもりだとばかり思っていたので。
正直、海人殿御自身もあそこまで強化されているとは思っておりませんでした」

 恥じるように、刹那は呟く。

 雫が暴走した時、殺さず止められたのは運が良かっただけだ。
 少し運命の歯車が狂っただけで、雫は海人の治療も間に合わず息絶えていた。
 次こそはそんな事態を避ける為に海人が力を尽くすとは思っていたが、
それはあくまでも刹那の強化だと思っていた。
 それだけ力を注いでくれていると思っていたし、事実以前とは比べものにならない力を得ている。
 雫も強化されているが、暴走している時は使う手が極端に減るので、海人の恩恵が極端に減るのだ。

 また、魔力砲などの改良案もあまり上手くいっていないと本人が言っていた事も、勘違いを加速させた。
 刹那に全てを任せっきりに出来るような性格でない事は、分かっていたはずなのに。
 
「……そもそも、力はいくらあっても足りる事などありえません。
どれほど強かろうと上がいないとは限らず、格下に足を掬われる事もございます。
そして世の中というものはいつ何が起こるか分からない理不尽に満ちています。
ならばこそ備えは日頃から可能な限り最大限に、一切の妥協なく、己の全てを賭して―――――カイト様ならそう考えるかと」

「なるほど、確かに海人殿ならそう考えそうですね。ですが……」

 ローラの言葉に刹那は頷き、だがふと何かを言いかける。

「何か?」

「……いえ、なんでもありません」

 頭をふり、刹那は言葉を飲み込んだ。
 ただの気のせいだろう、と。

 ――――先程のローラの言葉に一瞬、形容しがたい激しい熱を感じた事など。





 













 
 たっぷりと用意された朝食を綺麗に平らげたローラは、食後のコーヒーを楽しんでいた。

「カイト様のお料理、非常に美味しかったです。ここまで美味しい食事は久しぶりですね」

「お褒めの言葉ありがとう、と言いたいところだが、流石に言いすぎだろう」

 ローラの称賛を嬉しく思いつつも、海人は謙遜した。 

 今日のメニューは、いたってシンプル。
 ベーコンエッグにサラダと漬物、そして野菜のスープとなすの味噌汁。
 そして焼きたてのパンに、炊き立ての白米。

 定番ではあるが、だからこそ安定した味になる。

 幸いにして、材料はどれも良い物ばかり。
 創造魔法で作れる素材の品質は、今更言うに及ばず。
 ベーコンはカナールの肉屋で買った、脂と赤身のバランスが美しい逸品。
 卵は鍛錬ついでに刹那が採ってきた、生みたてほやほやのグランバードの卵。
 
 余程のミスをやらかさない限り、海人の腕でも客人に振る舞うに値する味になるが、
反面極端にレベルの高い味にはなりにくい。

 少なくとも、ローラが絶賛する程の味ではないはずだった。

「愛する殿方が自ら作ってくださった料理ですから――――と言いたいところですが、最大の決め手は疲労と空腹ですね。
やはり思いっきり体を動かした後の食事は最高です。まして、今日は仕事を気にする必要もないのですから」

 海人の言葉を、柔らかく否定する。

 疲労と空腹は、食事における最高のスパイス。
 余程まずい物でもない限り、大概は美味しくいただけてしまうある種至高の調味料だ。

 が、ローラは長らくそれを味わえぬ状況にあった。

 一つは、仕事上の理由。
 へとへとになる程に力を使ってしまっては、想定外の危機に対応できなくなる。
 他の人間なら周囲のフォローで穴埋めも可能だが、ローラはその能力の高さゆえに事実上不可能。
 だからこそ、ローラは過度な体力消費を日頃から避けている。

 そしてもう一つは、そもそもそこまでローラを消耗させられる人間がいないという事。
 最古参の部下達総がかりなら相応の消耗を強いられるが、それも部下達全員がギリギリまで体力を消耗してこそ。
 当然ながらそれによる悪影響は甚大であり、やるとすれば余程切羽詰まった状況の時のみだ。

 以前カナールで起きた戦いの後は空腹も疲労も相当だったが、あの時は事後処理で忙しく働きながら軽く食べる状況だった。
 その後の祝勝会ではかなり回復していたし、シェリスの側に侍る都合上あまり食べるわけにもいかず、結局機を逃してしまったのだ。  
 また、先日の部下達総がかりの戦闘後も自制が効かぬ己への怒りのせいか、食事の味がまともに分からなかった。

 だからこそ、今日の朝食は最高に美味かったのだ。

 風呂に浸かり汗を流して尚残る、心地よい疲労。
 思いがけぬ運動により生まれた、滅多にない程の空腹感。
 瑕疵こそ多々あれど、十分に美味いと言えるレベルの料理。
 そして、普段大量に抱えている仕事がないという状況。

 まさに、理想に限りなく近い朝食だったと言える。 
 
「なるほど。ま、御要望とあらば滞在中は付き合おう」

「ありがとうございます。さて、ここまでもてなされてしまいますと、ついつい口が軽くなりますね」

 何気なく紡がれたローラの言葉に、刹那と雫の表情が引き締まった。
 
 口ぶりからして、聖武具について語るつもりなのは明白。
 今に至るまで何一つ解明されていない、古代魔法帝国最高傑作と呼ばれる武具。
 学問にさしたる興味がない二人といえど、思わず身を乗り出さずにはいられない。   

 が、最大の当事者である海人は平然としたものだった。

「ほう、それはありがたい。どんな話を聞かせてもらえるのか楽しみだな」

「ではまず確認ですが、カイト様は聖武具についてどの程度情報をお持ちですか?」

「情報を持っている、とは言い難い。実物は見た事がなかったし、古代の文献と近代の文献で書かれている情報の差異が大きいしな。
確定と言っていいのは破壊不可能と言われている事、魔力を溜められる事、使い手に何らかの力を与える事、
そして唯一最大の欠陥として―――――使い手が、史上でも極めて稀な事だな」

 静かに語る海人の表情には、かなりの真剣味が浮かんでいた。

 聖武具は謎が多いものだが、中でも最大の謎とされているのは使い手の少なさだ。 

 聖武具最大の特徴とも言える、使用者への絶大な力の付与。
 史上でもこれを使えた者は、本当に一握り。
 平均すれば、世界的に見ても確認されているのは百年に一人程度だ。

 それゆえに聖武具は使い手を選ぶ武器と言われ、使い手について多くの憶測が生まれている。

 曰く、穢れなき正義の心を持つ者のみ。
 曰く、天が英雄となるべく定めた宿命を持つ者のみ。
 曰く、古代魔法帝国時代に聖武具を作った者の子孫のみ。

 など、人の想像力の豊かさを思い知らせてくれる内容ばかりである。
  
「ええ。強力無比な聖武具ですが、本当の意味での使い手が少なすぎるという欠陥がございます。
そしてこちらはあまり知られていませんが、使い手の特徴は見事にバラバラです」

「ああ、歴史を見ると実にバリエーション豊かだな。豊かすぎてまったく共通点がない」

 ローラの言葉に、海人は苦笑しながら頷いた。

 聖武具の使い手が極めて希少なのは事実だが、それでも長い歴史の中それなりの人数が現れている。
 それらの共通項を探す試みは幾度となく行われているが、何一つ見つかっていないのが現状だ。

 血筋一つとっても農民の青年、公爵家の長男、代々神官の家系の修道女など。
 能力を見ても、魔法に優れた者、槍に優れた者、学問に秀でた者、果ては見事なまでに何の秀でた技能もない者まで。
 意志力や気性も、勇敢な者、臆病な者、怠惰な者、残忍な者、と実に様々。
 確度の高そうな情報に絞っただけでもこれだけ多様なのだ。

 ゆえに、現代にある多くの憶測は史上に現れた使い手が実はこういう人間だった、という妄想とのセットになっている。
 どれ一つとして明確な根拠はなく、だからこそ内容の幅も非常に広い。 
 
 雑談のネタとしては実に優れているが、真面目に考察するとここまで困る事もないだろう。

「しかし――――カイト様、いえ皆様は察しがついておられるでしょう?
シリル様が使う光景を見たのであれば」

 確信を込めて、ローラは問う。

 使い手の条件が一切不明な聖武具。
 二千年近くもの間その状況は変わらず、研究は停滞したまま。
 多くの仮説が生まれながら公式には否定されていないが、それは絶対に無いと証明できないだけの事。
 内容はどれも妄言の類であり、可能性を想像する事しかできなかったというのが正しい。

 が、シリルの槍が聖武具としての姿を現した光景を見た人間であれば、使い手について別の考察が浮かぶ。
  
「一応な。共通項なんぞなくて当然。武具が選ぶわけでもない。
単に条件付きの早い者勝ち、というのが一番適切か」 

「御名答です。全ての聖武具は本来唯一人の為の専用武具。
他の人間が振るってもその真価を発揮させる事は出来ません」

「でも、それじゃ史上に何人か使い手が現れてるのっておかしくないですか?」

「聖武具が増幅する力は、個人個人に特徴がございます。
その特徴に似通った力の持ち主、そしてもう一つ条件を満たしていれば機能の片鱗ぐらいは使えるそうです」

「魔力属性だな?」

 シリルの得意属性と槍の色を思い出し、問う。

「はい。と言っても、こちらは条件が緩いようで得意属性が一致していれば問題ないようです。
もっとも、魔力の貯蓄・増幅機能に関しては厳しいらしく、私の私物の文献以外では御伽話でしか存在自体確認できませんが」

「そうか。いずれにせよ、やはりあの金属は……」

「はい。聖武具の元となる金属です。
使い手になる為には多少条件が必要となりますが、それさえ満たせば得られる力は絶大。
そこらの農民でさえ、上位ドラゴンと渡り合える程の力を得られます」

「……それなら多種多様な武具があるのは妙なんだがな。
金属の色が魔力属性の色に染まり、それに伴って金属の性質も変わると仮定しても、同色の違う武具もある。
まあ、他の金属とは桁違いの強度だから何作っても問題なさそうだし、合金にしたりして剛性や靭性に変化を与えた可能性もあるが」

「おそらく、合金の方かと。
少なくとも甲冑と杖は同色にもかかわらず、斬ろうとした時の感触が形状の差を踏まえても明らかに違いましたので」

「戦った事があるのか……破壊は?」

「残念ながら出来ませんでした。逆に当時使っていた私の武器が粉々に砕け散りましたね」

 当時の記憶を思い出し、ローラの表情が僅かに歪んだ。

 聖武具の所持者と戦った経験は何度かあるが、本人はともかく武具は厄介だった。
 甲冑を斬ろうとした時も、杖を斬ろうとした時も、高価なナイフが砕け散ったのだ。
 一応所持者が衝撃に耐えられず吹っ飛んだり武器を失ったりした為問題なかったが、実力が互角だったらと思うとぞっとする。

 使い手でなかったとしても、聖武具を持っているというだけで十分厄介なのだ。

「となると、防具としては想像以上に素晴らしいな。いや、変化後さらに強度が増している可能性もあるか。
今度シリル嬢が帰ってきたら……試せんな。壊したらそれこそ洒落にならん」

「賢明かと。とはいえ、次に作るのであればやはり防具、それも体幹に身に着ける物を優先された方がよろしいでしょう。
武器は戦闘中取り落しから何から紛失の恐れが高いですが、体幹防具を紛失する時は命もなくなっていますので、
戦力低下のおそれがありません」

「ごもっとも。しかし、一番気になるのは使い手になるための条件だな。いったい何なんだ?」

「それについてはとりあえず、秘密です。
ただし、カイト様が想像なさっているであろう条件二つ以外にもございます、とは言っておきましょう。
とはいえ、こちらは多少想像も混ざっておりますし、教えたところで全ての条件は満たせないかもしれませんが」

「……そーゆー言い方されると余計に気になるんだが」

 恨めし気に、ローラを見つめる。

 使い手になる為の二つの条件は、海人も見当が付く。

 一つ目は、自らの魔力を武器に流し込む事。
 シリルの槍の色が彼女の魔力属性を示す蒼に変化した以上、これはほぼ確定だろう。
 
 二つ目は、ローラが言っている聖武具が増幅するという力を流し込む事。
 何らかの認証のようなものが働いていると考えれば、これが当たっている可能性は高い。
 ただ、その力を扱えないはずのシリルが使い手となった事からすると、使用者の力を感知して増幅するだけという可能性もある。
 あるいは、一定時間触れている事でその力のパターンを記憶するのかもしれないが、
いずれにせよ海人にとって正体不明の力が関わっている可能性は極めて高い。

 が、それ以外は正直思いつかない。
 正確には思いつきはするが、根拠は悲しいほどに乏しい内容ばかりだ。
 そこに思わせぶりな言葉なぞ追加されたものだから、気になって仕方なかった。  

「気になるような言い方をしましたので、当然です」

「でも疑うわけじゃないですけど、ローラさんはなんでそんなに詳しいんです?
聖武具なんて普通真面目に調べるもんじゃないと思うんですけど……」

「ほぼ偶然です。昔潜った古代遺跡で、件の金属についての記述の一部を見つけまして。
それ以来、古代遺跡を回りながら色々と調べていた時期があるのです」

「……あれ? ローラさん冒険者じゃないんですよね?
確か古代遺跡ってその国の騎士団とか以外だと、国から依頼受けた冒険者しか許可下りなかったと思うんですけど……」

「シズク様。世の中には、未発見の古代遺跡という物も多くあるのです」

「いや、そらまあ知ってますけど」

 ローラの言葉に、雫は戸惑いながら頷く。

 これまでも古代遺跡は数多く見つかっているが、未発見の遺跡はまだまだ残っていると言われている。
 というのも古代遺跡から得られる利益がどんどん少なくなり、かつてに比べて発掘の手が緩んだ為だ。
 遺跡から得られる普通の史料はおろか、術式盤なども既に見つかった物ばかりになって久しい。
 近年では盗掘者ですら、あまりに割が合わないと廃業者が増えているという。
  
 なので、未発見の遺跡の存在自体はそう珍しい物ではない。

「未発見という事は、入ってもそこの国にバレる可能性は極少。
つまり、勝手に調べたところで、捕らえられたり文句を言われたりする可能性は低いという事です」

「……それ、一般的には盗掘って言いません?」

「犯罪は立証されるまで犯罪ではありません。
そして、仮に立証されたとしても既に全て時効が成立しております」

 しれっととんでもない事をほざくローラに、宝蔵院姉妹が思わず絶句する。
 凍り付いた空気の中、海人は静かに口を開いた。

「一応聞くが、偽装はしたのか?」

「ええ、万に一つでも発覚すると厄介なので、全て近場の山賊などの亡骸やその遺跡で見つけた金品を使って偽装してあります。
実際、これまで発見された場合も盗掘しようとした山賊が同士討ちで壊滅したと結論が出されました」

「ふむ、ならば問題ないな」

 どことなく誇らしげなローラに、海人は気にした様子もなく頷きを返す。
 聞きたい事は聞き終えた、そんな様子の主君に護衛姉妹が思わず叫んだ。 

『問題あるでしょう!?』

「どこがかな? そもそも発覚する可能性が少ない、発覚したとしても真相にはまず辿り着けない、
そしてなにより、ローラ女士が犯人だと立証する術がない。つまり、法的には何ら彼女に罪は発生していないと言える」

「いやいやいやそうじゃなくて! おかしいでしょ!? 法的にとかじゃなくて倫理的に!」

 思いっきりアウトローな発言をかます主君に、思わず抗議する。
 その横から、ローラが淡々と口を挟んだ。

「倫理、という意味であれば必要な物以外は売り払って近場の孤児院に寄付いたしましたが。
ついでに、その過程で子供を奴隷売買していた孤児院を幾つか物理的に叩き潰しましたね。
無論、残された孤児は例外なくまともな孤児院に放り込んでおきました」

「おお、素晴らしい善行だ。これで倫理の問題も解決だな」

『そういう問題じゃないでしょうっ!?』

 途轍もなくおかしな方向で意見を一致させた二人に、宝蔵院姉妹は再び叫んだ。

「ふむ……打てば響くとはまさにこの事ですね。カイト様が御二人を可愛がるのも納得できるというものです」

「だろう? ま、私も即興の小芝居にここまで騙されるとは思っていなかったが」

『……へ?』

 二人の会話に、刹那と雫が思わず間抜けな声を漏らす。
 そんな彼女らに、海人は解説を始めた。

「盗掘の時効は大概の国で発覚から二十年。短い国でも十五年。
発覚からというのはこの大陸の国々全てで共通だから、事実ならこの大陸での時効は成立していない。
んな状況でローラ女士が尻尾掴まれかねん発言をするとは思えんな」

「やはりカイト様にはそこで気付かれましたか」

「えっと……つまりさっきの発言全部……」

「ただの冗談でございます」

 さらっと放たれた言葉に、刹那と雫は揃って床に崩れ落ちる。
 四つん這いになって動かない二人をよそに、海人とローラは軽くハイタッチした。
























 ハロルドは≪エレガンス・タイム≫の奥にある事務室で遅めの昼食を取っていた。

 そんなハロルドの向かいでは、この店の店主である老人―――ランフォード・コルツバーンが静かに唸っている。
 彼は若い頃はさぞ鍛えていただろうと思わせる体躯を震わせ、二つに分けた書類の束を交互に見比べていた。
 時折心を決めたかのように片方の書類を掲げようとしては思いとどまり、もう一つの書類を穴が開きそうなほどに見つめている。

 それを眺めながら、ハロルドはメインディッシュを口に運んでいた。

「む、このステーキはなかなかじゃな。肉も良いが、焼き加減が良い。
ロランも腕を上げたもんじゃのう」

「そらまあ、これでも料理人歴結構長いですから。
ま、それでもまだまだですが」

 満足げに頷くハロルドに、彼の横にいた顎鬚をたくわえた男―――ロラン・コルツバーンがかしこまる。

 ハロルドの評価は、料理人として素直にありがたい。
 この老商人は食道楽として名高く、彼に高評価されるのは一種のステータスだ。
 
 が、喜んでばかりもいられない。
 この老商人は必ず問題点を、それも痛い所を突いてくる。

「うむ。少しばかり塩をふりすぎじゃ。これでは折角の良い肉の旨みが十全に味わえん。
酒を飲むならまだ良かろうが、今は昼じゃからな。次から気を付ける事じゃ」

「……はい、ありがとうございます」

「とはいえ、値段も考えれば上々じゃ。エリシア嬢ちゃんのケーキも楽しみじゃな」

「今日のケーキは自信作らしいんで、楽しみにしていてください。
それじゃ、紅茶用意してきますね」

 そう言って会釈すると、ロランは静かに部屋を出た。
 極力音を立てぬよう気を遣いながら。

 その背を見送ったハロルドは、ランフォードに視線を戻すとこれ見よがしに溜息を吐いた。
 
「――――で、まだ決まらんのかランフォード」

「ぬうぅ……もう少し、もう少し待ってくれぃっ! 
くうぅ、ようやく満足できる案が出たと思ったら、難しすぎる二択とは……!
やはり昼夜別の顔を見せられる新築案……否、常に安定しているリフォーム案……ぬおおっ!」
 
 ハロルドの問いに頭を掻きむしるランフォード。
 ロランに聞いたところ、彼は昨日からずっとこんな事を繰り返しているらしかった。
  
(気持ちは分かるがの。このイメージ図は、どちらも捨てがたい)

 ランフォードの持つ書類に視線を向け、ハロルドは彼を憐れんだ。

 ランフォードが持っている書類は、昨日海人に描いてもらったイメージ図。
 これで完成した店舗がイメージできない人間はいないだろうという程詳細かつ多様に描かれたそれ。
 その新築案とリフォーム案だ。

 この二つの案の選択は、非常に難しい。

 新築案は、昼は底抜けに明るく入りやすい店内。
 その最大の特徴は複数個所に配された大きな窓だ。
 そこからたっぷりと外の光を取り入れる事で、店内のどの席にいても明るさが行き届く、爽やかな風情。
 夜は夜で各所に配された照明により明るく照らされ、しっとりした雰囲気ながら家族連れも気軽に入れる風情。
 昼と夜で違った顔を見せながら、誰もが気軽に入れる明るい店内という点は共通している。
  
 対するリフォーム案は、年季の入った建物を活かした落ち着きのある店内。
 それでいて壁紙の色などの調整によって、見事に明るく入りやすい風情を生み出している。
 窓が普通のそれなので昼間も照明を必要とするが、反面昼と夜で店の雰囲気の差が少なく、
雰囲気の好みで客がどちらかに集中するような事にはなりにくい。
 
 これだけなら安くすむリフォーム案に軍配が上がりそうだが、そうでもない。

 昼はともかく、夜に店に入る子供は親が連れてくるものだ。
 そして大人としては、夜に店に行くなら少し贅沢な思いをしたくなる。
 新築案はその欲求を満たし、かつ子供も気軽に連れてこれる仕上がりになっているのだ。
 リフォーム案もその点悪くはないのだが、新築案に比べると劣ってしまう。
 
 それでも普通なら予算に惹かれてリフォーム案だろうが、ランフォードはこだわりが非常に強い。
 ゆえに焦点はどちらがより自分が求めているものか、その一点のみ。
 だからこそ、延々悩み続けているのだ。 

(こんな形で悩むとは思いもせんかったろうなぁ……いい気味じゃ、馬鹿たれめ)

 悩みに悩む友人を見ながら、心の中で舌を出す。

 この一年、実に手間をかけさせてくれた。
 多くの人間にイメージ図を描いてもらったが、結果は全て落第。
 明るさが足りない、美しくない、客席の配置が悪い、などなど嫌がらせを疑うレベルでケチをつけてくれた。
 そのたびやり直しを頼んでは新たなクレームが付くの繰り返しで、己の技量を疑う者も出てきた程だ。

 ランフォードはなぜ納得出来る案が出てこないと憤っていたが、実際はどれも良い案だった。
 その証拠にこれまで却下された案は全て他の店に流用し、高い評価を得ている。 
 その結果で落ち込んだ者達を立ち直らせたのだが、非常に金と時間がかかった。
 
 はっ倒してやろうと思った事は一度や二度ではないが、
この苦悩する姿を見れた事で、これまでの溜飲はたっぷりと下がった。
 
 ならば気長に待っていてやろう、ハロルドがそう思った矢先、ランフォードが立ち上がる。
      
「よし、決めたぞ! リフォーム案も捨てがたいが、今回選ぶのは新築案じゃ!
そちらの方がより今度の支店に相応しい!」

「ようやくか。やれやれ、手間をかけさせてくれたのう」

「……すまんな。我儘を言っている自覚はあったが、今回ばかりはどうしても譲れんのでな」

「構わん。客の注文には極力応えるのが商人ってもんじゃ。では、手配を進めてもよいな?」

「うむ。じゃが、その前にこのイメージ図を描いた者と話をしたい。
これに文句はないのじゃが、出来れば叶えてもらいたい要望があるんじゃ」

 真剣な顔で、ランフォードは頼み込む。

 イメージ図の出来は、本当に素晴らしかった。
 このまま建築に移ってもまったく問題ないと思う程に。

 が、だからこそ欲が出た。
 流石にそこまでは望めまい、と妥協しようとしていた欲が。

「すまんがそれは無理じゃ。それを描いた者は表に極力出たがらん者でな。
そのイメージ図も、お主と直接会う事はないという前提で描いてもらった物なんじゃよ」

「む……では、わしの要望を伝え、それを取り入れた新しいイメージ図を描いてもらえんか?」

「それならば……まあ、可能じゃろうが……どんな要望じゃ?」

「制服じゃ。この店に合う制服のデザインを頼みたい。
で、イメージ図にそれを着た店員を加えてほしいんじゃ」

 身を乗り出し、頼み込む。

 このイメージ図は素晴らしいが、あくまでも建物と備品のみ。
 店の雰囲気とは店員も含めてのものであり、そこには衣装も含まれる。
 店のイメージが気に入っただけに、それに相応しい衣装も求めたくなってしまったのだ。

「うーむ、出来なくはないと思うが……分かった、とりあえず頼むだけ頼んでみよう。
じゃが、断られたら素直に諦めるんじゃぞ?」

「分かっておる。これ以上駄々こねて長引かせるつもりはない」

「ならばいいが……しかし、今回は本当にとことんこだわるのう」

「今回の支店には、明確な目標があるゆえな。
こだわり抜かねば、わしの気が済まん」

「分かっておる。その熱意に免じてこの老骨に鞭打っとるんじゃからな。
じゃが……それでも最後の注文ばかりは叶えられそうにない。
わしの持つ人脈総動員しておるが、安定供給は無理だと思ってくれ」

 すまなそうに、ハロルドは頭を下げる。

 今回の支店についてランフォードの注文は非常に多く、厄介だった。
 最初に頼まれた土地の確保でさえ、ハロルドが方々に手を回し、頭を下げてようやく叶った事。
 店で使用するという食材の仕入れルートの確保も、他の店との競合でかなり手間取らされた。
 イメージ図のダメだし乱舞も含め、この男にこれほどの情熱があったのかと驚かされたほどだ。
 だからこそ、その情熱に協力してやりたいとあちこち駆けずり回った。
 その甲斐あって、ランフォードの注文も大きい内容はあと一つだ。

 が、最後に残ったその注文こそが最大最悪の難関。

 生産量がそもそも極少な上に、行き先はほぼ全て決まっている。
 そしてその行き先はどこもその真価を知る所ばかりで、譲渡が期待できない。
 現在ハロルドが手に入れているのは、農家が自分達用に残しておいた物を分けてもらっているだけだ。
 それもかなり無理を言っての事なので、これ以上は不可能。

 生産量を増やしてもらうよう交渉した事もあるが、今以上となるととても手が回らないという。
 あとは知られざる良い農家を見つける他ないが、探せる範囲は全て探し尽くしている。

 正直、手詰まりであった。
 
「そうか……すまんが、回せる限りの量をなんとかこちらに回してくれ。
この年になっても残った、数少ない心残りなんじゃ」

「……まだ届かん、と言っておったな」

「まったく、な。正直、物が悪いと言いたくなるほどに届いておらん。
試行錯誤しようにも、材料の入手すら難しいときてはな」

 むうぅ、と重々しく唸る。

 ハロルドに調達してもらった材料で試作を重ねているが、目指す味はまだ遠い。
 この年までに培った知識と技術を限界まで注ぎ込んでも、遠すぎる。
 年齢ゆえに発想が凝り固まっているのかと店の人間にも知恵を絞ってもらったが、それでも遠い。
 材料が少ないせいで試行回数もたかが知れているとはいえ、試せる限りは試したのだ。

 にもかかわらず成果が出ないのでは原因を材料に求めたくもなるが、その可能性は低い。
 ハロルドが限界まで手を尽くして尚少量しか仕入れられない物の品質が、低いはずがないのだ。

「あれでも十分美味いんじゃがのう……」

「そんな事を言っていては、目指す領域に届いた物を味わった途端美味さで心臓止まるぞ?」

「ほっほ、それでは完成しても当分味わえぬな。死ぬのはファニルの花嫁姿見てからと決めておる」

「ふ、万一わしが死んでもロランやエリシアに技術は伝えておく。好きな時に味わってくたばるがいい」

 ハロルドに軽口を返し、ランフォードは不敵に笑った。

コメント
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[2017/11/13 01:39] | # [ 編集 ]

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[2017/11/13 06:27] | # [ 編集 ]


ふむ?格下に足元を掬われるで熱を感じた……格下を見逃した事で間接的に村が潰れた原因になった?
聖武具は…多分、魂とか関係ありそうだな、と。

追伸
礼服ネタはいかがでしょうか?
[2017/11/13 07:32] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


更新お疲れさまです!
ローラさんって、超人だけど何かと苦労人ですよね……
海人との時間で癒されているようで何よりです
[2017/11/13 10:19] URL | #- [ 編集 ]


あ、これは海人に材料を供給されてハロルドさん昇天する奴や……。
ハロルドさんにげてー
[2017/11/13 13:20] URL | #mHdfaKpc [ 編集 ]


更新楽しみにしています。ローラ殿のどんでもぶりは相変わらずですね。
[2017/11/14 23:33] URL | ロボット三等兵 #- [ 編集 ]


更新、お疲れさまです。
檜風呂良いですね、なんなら露天風呂で月を愛で、ジャグジーや水風呂との交互浴で肉体派の女性陣に癒しを与えるのも良いとおもったりしちゃいますね。

今度は制服のデザインでどんなことが起きるのか、はたまた起きないのか期待しています。
執筆活動、頑張って下さい。
[2017/11/18 12:37] URL | ガリナオ #mQop/nM. [ 編集 ]


コーヒーかな?
[2017/11/18 19:38] URL | #- [ 編集 ]


更新お疲れ様です。
いつも楽しみに拝見させて頂いている者です。
第十部のテーマにコーヒーが深く関わってる様なのですが海人のいる国ではコーヒーを好んで飲む人間が少ないという描写が多々見受けられますが56話にてルミナスが胸やけする海人に真っ先にコーヒーで口直しさせようとする描写に違和感を感じたのですがここは余り気にしない方が良い部分なのでしょうか?
[2017/12/21 06:12] URL | #bxvF113M [ 編集 ]


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