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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編+誤字修正。
というわけで番外編です。
思いつきの、特に珍しくはない、若干血生臭いネタになります。
最後かなり強引な気がしますが、寛大な心で読んでいただけると幸いです。
誤字修正は御指摘いただいた最新話の一カ所のみです。

では、コメント返しさせていただきます。


コスモさん

聖武具含め、色々と考察を楽しんでいただければと思います。

礼服……服飾ネタは複雑ですからねぇ。
今ちょっと調べてますが、袖のボタン一つとっても由来がありますし。
番外編でやるのはちょい難しいかもしれません。

 さん

色々大変な事は間違いないですね。
なにせ、シェリスの屋敷でダントツの労働量ですから。

 さん

さてどうでしょう。
仮にそういう展開になったとしても、海人が大商人の本気に気圧される可能性もあるかもしれませんし。

ロボット三等兵さん

今回は割と控えめかと。
あくまでも知識の話ですから。

ガリナオさん

そのうち風呂のバリエーションは増えるかもしれませんね。
魔法使えば可能な施設も多いですし。

制服のデザインについては、色々お楽しみに。
作者の遊びが過ぎてえらい事になる危険も大ですが(汗)

 さん

さてどうでしょう。
色々想像していただければと思います。


次話ですが、初っ端から書いては消しを繰り返してます。
調子に乗った末のネタバレはまだしも、見落としたネタバレが一番怖いですね。
まあ、そういう不毛な作業もやってて楽しかったりするんですが、やはり時間はかかってしまいそうです。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。




 番外編



 繰り返される剣戟、響く怒号、そして鮮血で染まっていく大地。
 仲間の亡骸を踏み躙りながら敵の亡骸を増やし、そのうち自らも屍と化す。
 
 そんなかくも凄惨な戦場の只中で、一人の少女が恐るべき戦舞を披露していた。
 
 二本のナイフを操る彼女は、可憐な容姿からは想像もできない化物。
 その細身な腕が振るわれる度、人の首が落ちる。
 そのくせいかなる攻撃もひらりひらりとかわし、酷いと誘導されて同士討ち。
 味方の損害を厭わず上位魔法で仕留めようとした者もいたが、それも無駄。
 少女は恐るべき素早さで放たれた火球の効果範囲を抜け、
ついでとばかりに放った火球に進路上の人間を投げ込み犠牲者を増やした。

 やがて当然のように少女は単身敵の指揮官の元に辿り着き、対峙する。

「悪魔だ邪神だと兵が騒ぐからどんな化物かと思えば、まだ小娘ではないか」

 嘆かわしそうに溜息を吐くと、蒼い甲冑を纏った指揮官がおもむろに立ち上がった。
 そして、そのまま流れるように腰の剣を抜く。

「どれ、どの程度かこのわしが見てくれよう!」

 気迫と共に、指揮官が少女へと突進する。
   
 その動きは、控えめに言っても凄まじい。
 重厚な甲冑に似つかわしくない速度と、無駄のない動き。
 それによって振り下ろされた剣は、ナイフで受け流そうとした少女を軽々とふっ飛ばした。
 吹っ飛ぶついでに蹴りで犠牲者を追加してはいたが、それでもこれまで止まらなかった少女が止まった。  

「……噂に違わぬ剣技ね。大したものだわ」

 静かに、少女が口を開く。
 口調とは裏腹にその両手は手早く襲い掛かってきた周囲の兵を斬殺している。
 隙をついたはずの背後からの襲撃すら淡々と返り討ちにする少女に、兵が遠巻きになった。
  
「お主こそな。その年で大したものだ……おい、貴様らではいるだけ邪魔だ。
他に行って手助けでもして来い」 

 しっし、と周囲の兵に手を振る指揮官。
 当然ながら、そんな指示に部下が従えるはずもない。
 
「出来るはずがないでしょう!? この場の全員でかかれば……!」

「馬鹿者。そんな事をすればこの小娘は嬉々として貴様らを有効活用するわ。
それこそ隙を作られて負ける可能性すら出てくる。もう一度言うぞ、邪魔だから消えろ」

「くッ……しょ、承知しました……!」

 歯を食いしばりながら、周囲の兵が散っていく。
 言われた通り、他の場所への加勢に向かったようだ。

「……ありがたいわね。おかげで脱出の面倒が減ったわ」

「なんのなんの。脱出できんのだから問題ないわい!」

 再び剣を振りかざし、少女へ襲い掛かる男。

 その攻撃は一振り一振り大振りに見えるが、その実隙は少ない。
 振った隙を突こうとすると、ほぼ確実に体術によるカウンターが放たれるのだ。
 それでいて一太刀一太刀の威力は振りに相応しい、強大なもの。
 少女が避けるたび大地が砕け、風が吹き荒れる。
 
 とはいえ、少女は落ち着いたものだった。

 大嵐の如き剣技を全て見極め、着実にかわしている。
 反撃こそできていないが、その回避は必要最小限。
 膨大な体力の差があったとしても、少女より先に男の体力が尽きる。  

 が、それを待つまでもなく男は隙をさらす事となった。

「おのれちょこまかとおっ! ……ぬっ!?」

 焦れて平時より大振りになった剣が地面に刺さり、僅かに引き戻しが遅れた。

 当然ながら、少女がその隙を見逃すはずもない。
 最速かつ最大の力を込めて振るわれる二本のナイフ。
 それは確実に甲冑諸共男の体を両断するはずだったが、

「なっ……!?」

 鈍くも甲高い音と共に砕け散った自らの得物に、少女が驚愕の声を上げる。  
 咄嗟にもう片方のナイフを引くが、間に合わない。
 同じような音を立て、もう一本も砕けた。

 が、よほど斬撃の威力が凄まじかったのか、男は甲冑ごと吹っ飛んでいく。
 それを眺めながら少女は空中で回転し、体勢を整え直した。

「なんて防御力……」

「ふ、流石に驚いたようだな! 先祖伝来のこの甲冑、貴様如きに破れる物ではない!」

「……そのようね」

 手に残った感触を確かめ、少女は肯定した。

 確かに、今の自分ではあの甲冑は斬れない。
 斬る為にどれほどの力を込めればいいのか見当もつかず、
仮に見当がついたとしてもその力に耐えられる武器がなさそうだ。

 が、それは同時に好都合でもあった。
 今の少女に斬れないという事は、ここに来た事が無駄足にならずに済んだという事でもあるのだ。

「悪いけど、実験させてもらうわよ」

 そう呟くと少女はこれまでにない速度で間合いを詰め、掌底を繰り出した。

 視認すら難しい速度に加え、予備動作がほぼ皆無。
 まるで瞬間移動の如き攻撃に男が反応出来たのは、彼女の手が甲冑に触れた瞬間。
 
 が、驚愕はしたものの、男は余裕だった。
 
 あらゆる攻撃を防ぐ、先祖伝来の甲冑。
 若い頃に家の蔵の奥で眠っていたそれを見つけて以来散々調べたが、
家の歴史を遡って調べても、修復された記録どころかこれが傷ついたという記録すらなかった。
 そして、二十年近く戦場を駆けた今でも、傷すらついた事がない。
 しかも衝撃すらほとんど緩和するので、まともにダメージを受けた記憶さえなかったのだ。
 この甲冑を知られざる最後の防衛線とする為に、回避技術を磨いていたとはいえ、
それでも少なくない回数痛烈な攻撃を受けたのに、だ。
 まさに無敵の鎧と言えるだろう。

 それが過信であった、そう気づくのはこの直後。
 
「はぁぁぁぁっ!」

 力強い気勢と共に、少女の腕が振り抜かれる。
 その瞬間、男の体を凄まじい衝撃が貫いた。

「が、はっ……!?」  
 
 全ての内臓を直接シェイクされたような感覚に、男の目が見開かれる。
 脳裏を占めるのは、ありえない、そんな思いだけ。

 そんな彼の思考が切り替わる前に、少女はさらに畳みかける。
 たおやかな死神の手は、今度は甲冑の頭部に当てられた。

 頭にあの衝撃を受ければ死ぬ、それを悟った男はすかさず首を捻ろうとするが、動かない。
 少女の信じがたい握力が、がっちりと甲冑を握りしめていたからだ。

 とはいえ、そのままでは先程の威力の技を放てるとは思えない。
 握りしめている関係上、どうしたってこのままでは威力が落ちる。
 一度構え直す必要があるだろう、そう思った瞬間、

「ぐおおおあああああああああああっっ!?」
 
 男は、あらん限りの声を振り絞り悲鳴を上げた。

 理由は、甲冑の隙間から流し込まれた火炎魔法。
 高熱や低温もほとんどカットする甲冑だが、あくまでも覆われていればこそ。
 中に炎を滑り込ませられれば、どうしようもない。
 むしろ高い密閉性がその効果を極限まで高めてしまう。

 たまらず男はその魔手から逃れようと叫びながら全力で足掻くが、次第に声が聞こえなくなる。
 声帯を焼き尽くされてしまったが為に。

 程なくして男は完全に動きを止め、そのまま息絶えた。

「……最強とも言える防具でも限界はある、か。良い勉強になったわ」

 呼吸を整えながら、少女は男の亡骸に近づく。
 その身に纏っている甲冑を剥ぎ取るために。

 が、いざ手を伸ばしたその瞬間、彼女の背後から数多の矢が飛来した。
 それを咄嗟に飛びずさって避けるも、その間に現れた男達によって亡骸が回収されてしまう。
 どうやら、先程散った連中が叫び声を聞いて慌てて戻ってきたらしい。

「将軍を辱めさせはせん! 我々が矢と魔法で牽制する! 貴様らは将軍の御遺体を運べ!」

『はっ!』

「……ちっ」

 舌打ちすると、少女は撤退を開始した。

 敵陣を強行突破する為に、今日は魔力を消費しすぎたのだ。
 それでもこのまま敵を駆逐して再び亡骸を回収する事は可能だが、
それをやると自陣に戻る際のリスクが跳ね上がる。
 まして甲冑などというかさばる物を持っていれば尚の事。

 とりあえず、この場は撤退する他なかった。

(……まだ機会はあるだろうし、大丈夫でしょう)

 向かってくる敵を蹴散らしながら、そんな事を思う。

 おそらく遺体は敵本陣に送られた後、戦場を離れるだろうが、明日までに敵本陣を襲撃すれば問題ない。
 この戦争が続く限りは、敵兵からの略奪は許されているし、
敵本陣を壊滅させるどさくさに奪って隠せば、誰が所持しているかも分からないはずだ。
 それならば正規軍の人間にとやかく言われる事もないだろう。

 そんな冷酷な計算をしていた少女だったが――――自陣に戻って目論見が粉砕された。

 二カ月前から相次いだ快進撃により、敵国から降伏の使者が来たというのだ。
 詳しい条件は後日になるらしいが、少なくとも傭兵が勝手に襲撃する事は出来なくなった。
 もしやってしまえば、相当面倒な事になる事は想像に難くない。
 最悪、最終的な目的それ自体に支障をきたす。

 そんな現実に落胆しつつも、少女は止まらない。
 すぐさま仲間と話し合い、次を探す。
 浴びた血の臭いすら消えぬ間に。
  
 いずれ果たすべき己の目的の為に――――血塗られた道を突き進む。
     
     






コメント

またしてもローラの過去話…そしてこれは聖武具の鎧の話でしょうか?
まあ、本編に入れる隙がないからこうして番外編にしてるんでしょうが

追伸
創造魔法以外にも適性者が非常に少ない属性はありますか?…没案でもかまいません。
[2017/11/20 07:09] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


前に似たような番外編があった気がする
[2017/11/20 23:55] URL | #- [ 編集 ]


更新楽しみにしています。この少女はローラさんですか?
[2017/11/21 19:14] URL | ロボット三等兵 #- [ 編集 ]


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