ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。
というわけで番外編です。
話としては、いわゆるもしもネタなんですが、今一つ上手くまとめきれませんでした。
時間があればもう少しマシになると思うんで、そのうちリベンジしたいです。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


 さん

原点はある程度明らかになる予定です。
どの程度かはいまだに悩み中ですが。
なにせ設定が多いキャラなんで。

コスモさん

はい、思い切って大幅に削りました。
もう少し加筆するべきかな、と今更ながらに思ってます。

寝具……確か一回やりましたね。
あんまり詳しくないんで難しいかもです。

ガリナオさん

ルミナス的にはどんどん絶望感が増してますね。
もっとも、現状ローラも攻め切れませんが。

 さん

捉え方は人それぞれだと思いますが、確実に違う点は既に終わった話という点ですね。

しらゆきさん

期待裏切らないように頑張りたいと思います。

ロボット三等兵さん

とりあえず、それは現状秘密という事で。
バレバレな気はしますけど(汗)

飛べないブタさん

レザリアも割と重要な立ち位置にいます。
要素を並べるとそうならないはずがないとも言えますが。

こちらこそ、来年もよろしくお願いいたします。


次話ですが、正月に可能な限り書き進めたいと思います。
珍しく長時間執筆に専念できそうな予定になってるので。
それと、最新話を若干加筆するかもしれません。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。
皆様、良いお年を。






 番外編



 最近、シェリス・テオドシア・フォルンは頭痛に悩まされていた。

 と言っても、体調不良というわけではない。
 体は健康そのものであり、むしろ力が有り余っている。
 なんだったら今日の鍛錬量を倍にしてもいいぐらいだ。
 他の仕事さえなければ、是非そうしたい。
 
 頭痛の原因は、心因的なもの。
 精神的な負荷が短期間で一気にかかり、それが頭痛となって表れたのだ。

 本来なら、シェリスの精神は大概の事に対して耐える以前に負荷さえ感じない。 
 山賊団殲滅に単身挑まされたり、警備厳しい悪徳貴族暗殺に挑まされたり、
中位ドラゴン退治に挑まされたり、それら全てを片手間にまとめて殲滅できる化物と毎月対峙させられたり、
と苛烈な人生経験ゆえに、もはや生半可な事では動じなくなっているのだ。
 
 にもかかわらずこうして頭痛に悩まされている原因―――それはただ一人の男だった。

(確かに便利よ? 超幸運よ? ええ、私こそが世界一のラッキーレディと名乗っても良いぐらいに!
でも、あくまで凡人、せいぜい秀才止まりの私の心の耐久性には限度があるのよ!)

 荒ぶりまくった心を宥めるように、紅茶をぐいっと飲み干す。
 飲み慣れた最高の一杯には及ばないが、その味は程良く気を鎮めてくれる。
 
 頭痛の原因である男――――天地海人は、決して迷惑なわけではない。
 むしろシェリスに多大な利益をもたらし、今後もそれが期待できる稀有な人材。
 素性は知れず怪しい所も多い男だが、それでも表面はどうあれ性根が真っ当なので余計な警戒が必要ない。
 出会えた事それ自体がシェリスにとっての大幸運と言って差し支えない男だ。
 
 が―――――まるで趣味のようにいちいちシェリスの精神力を粉砕していく。

 最初はその絶大な魔力の開放で彼のいた部屋が軋んで大騒ぎになった事。

 魔法の存在しない地域の出という彼の言葉に半信半疑で部下が魔力による刺激を試したところ、
彼の発言の真実味がこの上なく強化され、ついでに室内の脆い調度品に膨大な魔力の圧で罅が入った。
 元凶の給料から費用を天引きしたので実害はなかったが。

 次いで、その魔力量を正確に測るため、そして魔力属性を確かめる為に連れて行った魔力判別所での出来事。

 魔力量が記録に残っている限りではぶっちぎりの史上最高だった事もだが、それ以上に魔力属性がとんでもなかった。
 無から有を生み出し、一夜で城を建てる事も国を飢饉から救う事も可能とする、極めて利便性の高い伝説の魔法。
 史上でも数百年に一人程度しか現れていない『創造』属性だったのだ。

 ――――が、あの男はそれらの価値を理解しながらも、気にも留めなかった。

 面倒事は嫌だから秘密にしてくれと一瞬も迷わずシェリスに頼み、
それを聞いてくれるのであればシェリスに対してはある程度協力しようと持ち掛けてきたのだ。
 
(都合が良かったから、その点はいいのだけど)

 手元の超大粒ダイヤに目を落とし、そんな事を思う。

 海人が提示した条件は、シェリスに対する希少品の卸し。
 シェリスの手持ちの複製は勿論、海人が知る物もシェリスのみに独占販売する。
 そんな条件だった。

 口封じとしては、破格の条件だ。
 創造魔法の使い手の恩恵を、シェリス個人が独占できる。
 手付としてもらった手元の大粒ダイヤモンドも、素晴らしい。  

 世の不平等を体現したような男に溜息は禁じ得なかったが、そこまでであればシェリスは総じて上機嫌で済んでいただろう。
 そんな事を考えていると、ノックの音が響いた。

「どうぞ」

「失礼いたします、シェリス様。カイト様の――――な、なんですかその目は!?」

 粛々と報告しようとしたシャロン・ラグナマイトが思わず、後退った。
 腐敗した泥沼を思わせる程に濁った瞳を向けてきた主に対して。

「なんでもないわ。そもそもの起点が貴女だったな、と思っただけよ。
本当、褒めるべきなのか罵倒すべきなのかぶっ飛ばすべきなのか……」

「いやいやいや! カイト様物凄い役に立って下さってるじゃないですか!
そこはむしろ出会った私を褒めていただいても良いんじゃないでしょうか!?」

「出会った、ねぇ? 出会った瞬間肋骨へし折るなんて、随分斬新な出会いね」

「しょうがないじゃないですか! あんな草原のど真ん中に人がいるなんて思いませんでしたし、
帰ってからやる仕事の事考えてたんですから! 確かに洒落にならない失態でしたけど!」

 冷た~く睨む主君に、シャロンは必死で反論する。

 おそらくは転移魔法系の古代遺産で飛ばされたと思しき海人は、少し深めの草原で眠っていた。
 その為、全速力で走っていたシャロンはその存在に気付かず、彼が目覚めて起き上がったところで初めて気付いたのだ。
 
 通常ならばそれでも咄嗟の減速なり跳躍なりで何とかするのだが、現在不在の上司の穴を補う為、シャロンは仕事が激増していた。  
 それを少しでも迅速に片付ける手順を考えていた為に普段よりも注意力が落ち、連日の疲労の為僅かに反応が遅れ、
結果海人の肋骨へと減速してなお高い威力の蹴りが叩きこまれる事となったのである。

 とはいえ、現在出張中の上司に知れれば処刑ものの大失態。
 細心の注意を払っていれば、防げた可能性は十分にあるからだ。

「……まあいいわ。で、話は何かしら?」

 必死なシャロンを一瞥し、話題を切り替える。
 遠からず血祭りが確定している部下の悲嘆より、海人の話題の方が重要だった。

 なにしろここのところの海人絡みの報告は、シェリスの心に優しくない。
 
 例えば、現状稼ぐ手段がない為、シャロンに何か良い仕事はないかと尋ねた時。

 彼女が能力を確かめる為当たり障りのない書類を処理させてみたら、不在の人間を含め屋敷の誰もが遠く及ばぬ処理速度。
 量を追加しても疲れた様子はなく、むしろ欠伸を堪える始末。
 その能力の凄まじさのあまり、日頃事務処理に追われる部下達の間で本気の奪い合いが始まるところだった。
 結果としてはその後仕事量が大幅に軽減される大収穫だったが、あと一歩で止めに入ったシェリスがミンチになるところだったのだ。

 例えば、こっちの知識が欲しいので図書館を使わせてほしいと頼まれた時。

 シェリスは快く許可を出したのだが、海人という男を侮りすぎていた事を思い知らされる。
 なんと書類仕事をこなしながら、たったの二日で全ての書籍を読破。
 あまつさえ本を戻している途中に本の内容が理解できず悩んでいるメイドを見かけ、凄まじい解説力で五分で完全に物にさせた。
 その後、あまりに規格外な教授能力と穏やかな教え方で人気を博した為、給料を弾んで教師役としての仕事を追加。
 メイド達の間で大人気なのだが、人気がありすぎて授業のスケジュールで奪い合いが再燃しかけた。
 屋敷の頂点であるシェリスが自ら予定を組む事で反論を封じたが、あと五分対応が遅れていればどうなっていたか想像するのも恐ろしい。
 
 海人本人に何ら非はないのだが、その優秀さで周囲が暴走するのだ。
 今回こそは。そう思いたいが、今までの実績がその楽観を許してくれない。

「その、今日は授業もなく書類も片付いたのでやる事がないと午前中お嘆きだったんですが……」

「ですが?」

「暇な人間がいては目障りだろう、と部屋に引きこもって色々と……その、本当に色々となさっていまして……」

「……お願い、嫌な予感しかしないけどお願いだから率直に言って。貴女が手に持ってる物とか」

「……油絵と彫刻、私の目から見ると一流作品にしか見えないんですが、鑑定お願いいたします」

 そう言って、シャロンはおずおずと手に持っていた絵画と手のひらサイズの彫刻を差し出した。

 シェリスは胡乱気な目でそれを見、直後思いっきり見開く。
 油絵の題材は、この屋敷の人間が中庭で働く姿。
 彫刻の題材は、猫が身を丸めて寝入っている姿。
 題材は異なれど、油絵・彫刻共に生命力が溢れ出したかのような力強さがあった。
 それに加え油絵は突き抜けるような爽やかさがあり、見る者を清々しい気分にさせ、
彫刻は精緻に彫られた猫のまったりした表情が見る者の心をほっこりと和ませる。

 どちらも技術は勿論、作品自体の魅力が素晴らしい。
 市場に出せば買い手はいくらでも見つけられるだろう。
 その仲介をする事になるであろうシェリスの手数料もかなりの額になるはずだ。

 が――――いいかげん、精神力が限界である。

 シェリスがどれだけ渇望しても努力しても手に入らぬような能力。
 それを有り余るほど所持しながら、むしろ煩わしく思ってそうな男。
 
 そろそろ本人に非があろうがあるまいが知った事かとぶっ飛ばしたいが、
そんな事が出張から帰ってきた部下に知れようものなら、最悪シェリスの首が物理的に飛ぶ。
 そして、やってしまえば知られない事は事実上不可能。  
 つまり、耐えるしかない。 
 
「…………も、やだ」

 シェリスはぱたん、と力尽きたように崩れ落ちる。
 自分の名を必死で連呼する部下の声を聞きながら、シェリスの意識は闇に沈んだ。 
 

コメント
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[2018/01/01 01:02] | # [ 編集 ]


まずは新年、明けましておめでとう御座います。
こういう、イフの話も大好きです。
これで、出会いからカナール襲撃まで書いてくれても良いんじゃよ?
出会い的に、この話ならシャロンさんがヒロインに成りそうだし。

ただ、比例してシェリス嬢の胃がグラインダーで削るように亡くなっていきそうですけどね~
あれ?でも待てよ。ここに居るとカイト&ローラ+メイベル他変態多数・・・・・・世界が・・・滅ぶ?
[2018/01/01 02:11] URL | 飛べないブタ #t50BOgd. [ 編集 ]


ああ、これは前に言ったifストーリーですね。シェリスの胃痛とか頭痛とか大変な事になりそうですね(笑)…何だろう、深酒したシェリスやローラが思いあまって押し倒しそうな気が

追伸
お雑煮ネタはいかがでしょうか?各家庭で大体がお餅の状態や具材が違うらしいですよ?
[2018/01/01 07:55] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]

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[2018/01/01 15:15] | # [ 編集 ]


あれまた最初の頃の話色々修正されてんのかな。記憶にあるのと流れが色々違うような
[2018/01/01 15:48] URL | #- [ 編集 ]

更新お疲れ様です
明けましておめでとうございます。
さてお久しぶりです。昨年は忙しくなかなかコメントを書けませんでしたが、毎週の投稿は必ず読まさせていただいていました。本年も応援させていただきますのでどうぞ宜しくお願いします。


この番外編はもし海人が初めて会ったのがシャロンだったら?ですかね
もしそうだったらルミナスやシリル、宝蔵院姉妹とはただの友人もしくは知り合い程度で終わってそうですね。その世界ではリリーやラクリアは果たして救われたのだろうか…宝蔵院姉妹は他所へ流れていくのか、そんなことを考えてしまいます。
[2018/01/01 17:22] URL | 名無しの権兵衛 #IO3e0EY. [ 編集 ]


更新ありがとうございます。明けましておめでとうございます。
[2018/01/02 01:35] URL | ロボット三等兵 #- [ 編集 ]


どういう関わり方でも味方になれば海人はシェリスの胃を削るんですね。
同じ屋敷にいるからストレスと共に利益も増大しそうだ。
[2018/01/02 20:00] URL | リゼルグ #- [ 編集 ]


これはいい番外編ですね!
シリーズ化希望します
[2018/01/03 00:41] URL | どんじゅ #UjfQ3LNs [ 編集 ]


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