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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。
というわけで、番外編です。
珍しくはないネタ、かと思われます。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


 さん

相性は良い二人です。
立場上深い仲になるには色々と問題がありますが。

コスモさん

ローラも刹那もそれぞれ思惑があります。
思惑、というよりは方針と言った方が適切かもしれませんが。
色々想像して楽しんでいただければと思います。

コーヒーおでん……は、初めて聞きました。
怖いですが、ちょっと食べてみたいかも……。

ガリナオさん

楽しんでいただけたなら何よりです。
考えようによっては、既に関係性変化してるかもしれません。
呼称が変わるほどの変化ではないですが。

ロボット三等兵さん

オーガストはああいう性格ですので。
良くも悪くも昔からあまり変わってません。

飛べないブタさん

いえいえ、言われた事はちゃんと守りますよ、レザリアは。
メイベルも正気ならそこまで念押しされた事破りません……多分。
仰る通り、シェリスにバレたら大惨事ですが。

フォグは一応常識人枠ですね。
少なくともオーガストほどはやらかしてません。
冒険者らしいやらかしは幾つかありますけど。

ローラ好きさん

とりあえず十部はローラの登場頻度多いので、お楽しみに。
次章からは、しばらくいつも通りの頻度になってしまうので。



さて次話ですが、筆はのってます。
絡めなきゃいけないネタもあるので調整は手間ですが。
このままなら比較的コミカル要素強めになると思います。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。




 番外編



 金属がぶつかり合う音が、平原に鳴り響いていた。
 その音は途切れる暇が鳴り響いたかと思えば、しばらく消える。
 代わりに肉を叩く音が響いたり、地面に重い物が叩きつけられる音が響き、それが途絶えると再び金属音。
 次第に金属音の頻度は減り、代わりに肉を叩く音と野太い苦悶の声が聞こえてくる。

 その音源を、アンリは鋭い目で見据えていた。

(……こーりゃ、想像以上だったっすねぇ……)

 一方的な蹂躙になり始めた組手を見ながら、アンリは軽く鼻を鳴らした。

 彼女の視線の先には、シリルが槍の柄でケルヴィンを滅多打ちにしている姿。
 膂力と反応に優れる彼を、その動きを先読みする事で見事に封殺している。
 それに極めて無駄のない槍捌きが加わる事で、疲労すらほとんど見えない。

(……ケルヴィンに任せて正解っすね。下手すりゃ翻弄されたまま終わってたっす)

 意図せず難を逃れた事に、ほっと胸をなでおろす。

 事の始まりは、アンリの提案。
 長年槍を握れなかったシリルの技量を確認したかったのだ。
 一応現場を見たルミナスによる判定では文句なしだったが、いかんせん極限状況下。
 恒常的にそれを発揮し続けられるとは限らない。
 
 ゆえに多少時間を置いた今組手による確認を行う事にしたのだが、いかんせん相手はシリル。
 元々副隊長格の中ではずば抜けた戦闘能力を誇り、ケルヴィンにも二度土をつけている女である。
 当然相手は隊長以上になるが、ケルヴィンになった理由は消去法だ。
 
 今この場にいる該当者は三隊長のみだが、ルミナスとアンリは問題がある。
 なにしろ、主に剣と体術だったのが槍主体に変わっているのだ。
 この落差は到底無視できるものではなく、二人のような技巧派、それも思考を巡らせるタイプは、シリルに対する知識が不利に働く。
 若干調子が狂う程度ではあるが、シリル相手だと無視できない差になってしまうのである。

 そこで白羽の矢が立ったのが、ケルヴィン。

 彼の場合、良くも悪くもシリルの変化はあまり関係ない。
 身体能力と本能的な直感を主軸に戦う男なので、シリルが槍を使うならそれに柔軟かつ迅速に対応する。 
 要は学習能力に乏しく、その場その場であまり考えず戦うだけなのだが、今回はそれが良かったのだ。
 加えて言えば、その身体能力と直感が非常に優れているのでそう無惨な戦いにもならないだろうとアンリは思っていた。
 なにしろ、混戦の中違う死角から放たれた複数の矢すら勘で薙ぎ払う男なのだ。

 が、蓋を開けてみればこの通り。
 
 ケルヴィンが自慢の戦斧を振るっても掠りもせず、むしろその勢いを槍で器用に流して態勢を崩される。
 強引に態勢を立て直しながら再攻撃しても、華麗に避けられ槍の石突で脳天強打。
 防御に徹すれば細かく刻んだ突きのラッシュと薙ぎで徐々に体勢を崩し、最終的に転倒させられる。
 武器を囮に体術で攻撃するも、石突で指をピンポイントで狙われ、武器を取り落しかけてしまう。

 これで十年槍を握ってなかったなど、直に見てなければ到底信じられる話ではない。 
  
「どう? シリルかな~り強くなったでしょ?」

「物凄く、っすね。ぶっちゃけ、槍術なら自分完敗するっすね」

 どこか誇らしげに問いかけてきたルミナスに、そんな分析を語るアンリ。

 アンリは槍術も修めているが、あそこまでではない。
 ある程度の才に恵まれ、相応以上に時間を費やし磨き上げているにもかかわらず。
 もし十年のブランクがなければどうなっていたかなど、想像するのも恐ろしい。

 天才。陳腐な言葉ではあるが、シリルの槍術はその呼称こそが相応しく思えた。
   
「槍術なら、ね。戦いならあんたが……まあ、七割勝つでしょ」

「いやー……七割弱、下手すると六割強かもしんないっすねぇ」

「どの口が言ってんだか。色々ぶっ飛んでるくせに」

 とぼけた同僚に、ルミナスは呆れたように肩を竦める。

 確かに槍術ならアンリの完敗だが、彼女の真価はその多様性。
 剣でも槍でも斧でも短剣でも弓でもほとんどの武器を高レベルで習得しているのがアンリだ。
 アンリならば、鞭を使えばシリルを翻弄して槍の間合に持ち込ませず、かつ弓も使えない絶妙な距離を保つ事もできる。

 今のシリルならそんな彼女相手にも勝機は見込めるが、やはり分は悪い。

「ルミナスさんには言われたくないっすね。普通に勝つでしょ?」

「そりゃあこれでもあの子の上司ですからね。負けるわけにはいかないでしょ?」

 からからと笑うルミナスに、アンリは半眼を向ける。

 アンリからすれば、ルミナスの方が余程ぶっ飛んでいるのだ。
 アンリは言ってしまえば、相手の不利な武器を選び、その有利を活かして勝つだけ。
 常に有利を取れるのだから、負ける事が少ないのは当然だ。

 が、ルミナスは剣と体術のみでそんなアンリを圧倒する。

 槍で挑めば薙がれようが突かれようがその剛剣をぶち当てて相手の動きを止め、その一瞬で自分の間合に持ち込む。
 鞭で挑めば自分に当たる軌道を見切って的確に鞭を斬って射程を短くしながらすたすた歩いてくる。
 弓で挑めば矢を片っ端から払われ、酷い時は片手で払った矢を高速で投げ返してくる始末。

 アンリとの技量差でシリルが槍で挑めば勝てるのではないか、というのも甘い。

 シリルの槍術は凄いがそれでも粗がないわけではなく、隙はある。
 というより、どれほど見事な槍術であっても動く以上は何かしらの隙が生じてしまう。   
 優秀な戦士でもまず見つけられず、見つけられたとしても突けない隙ではあるが、そこをしれっとぶち抜くのがルミナスである。
 
 世の中つくづく上には上がいる、そんな事を思っていると、アンリはふとある事に気付いた。

「……ルミナスさん。シリルさん、さっきから穂先全然使ってませんね。
いや、受け流しとかには使ってるっすけど……薙ぐ時も柄だけですし、突く時も石突側だけしか使ってない……」 

「あー……それね」

 アンリの疑問に、ルミナスは言葉を濁した。

 シリルが穂先を斬撃や刺突に用いない理由は、分かりきっている。
 というより、あの槍がどれほどイカれた超性能であるか知っていれば、誰でも分かるはずだ。

 もし穂先を使えば、ケルヴィンは色々と大変な事になってしまう。
 刃が武器に当たれば、最低でも次の仕事は代替武器、最悪は彼の結婚資金も消滅。 
 ケルヴィンの体に当たれば最低でも防具に穴、最悪串刺しであの世行きなのだ。

 極めて強力かつ有能な武器だが、それゆえに組手においては強烈な制限がついてしまうのである。

「うーん、実力差あるとはいえ、あんまナメられすぎてんのもケルヴィンが気の毒になるんっすけど。
ってか、シリルさんの性格上明らかにおかしいような……」

「……そのへんはあんま気にしないで。使わないのはケルヴィンの為だから」

「自分はいいっすけどね。ケルヴィンもそのうち気付くっすよ?」

 ボコボコに殴られているケルヴィンを見ながら、アンリが答える。

 頭を使うタイプではないとはいえ、ケルヴィンも優れた武人。
 シリルが穂先をまともに使っていない事など、遠からず気付くだろう。
 そして性格上、その理由を聞かずに収まるとは思えない。

 アンリが流すだけでは、あまり意味がないのだ。

「なんとか抑えてくんない? 多分、次の仕事で分かると思うから」

「ほほう、ますます気になってきたっすねぇ……なーんか忘れっぽくなる物があるといいかも」

「……分かったわよ、今度帰ったら自作の果実酒一瓶あげるわ」

「お、悪いっすねぇ。んじゃ、ちょいと打ち合わせを」

 アンリはにんまりと笑うと、声を潜めてルミナスと密談を始めた。
 ケルヴィンの怒りを霧散させ、そのままうやむやにしてしまう為の悪だくみを。 

コメント

あ~…あの槍はかなり強力だから仕方ないといえば仕方ないですね。ただ、それを味方とはいえ他人に教えるわけにはいかないだけで。

追伸
馬肉ネタはいかがでしょうか?
[2018/02/05 06:29] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


更新お疲れ様です。
いつも楽しみにしております。
これだけスペックのおかしい槍だと二つ名とか付きそうな気もしますが、
この金属や槍に名前の候補や予定などはあるのでしょうか?(海人命名以外で)

良くも悪くも武器は消耗品だから、名前は付かないと言われればそれまですが・・・・・・。
[2018/02/06 16:47] URL | #mHdfaKpc [ 編集 ]


更新ありがとうございます。ケルヴィン君は可哀想なひとですね。
[2018/02/11 11:30] URL | ロボット三等兵 #- [ 編集 ]


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