ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。
というわけで番外編です。
定番ですがちょい珍しいネタかもしれません。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


コスモさん

仰る通り、海人は敵に回すと最悪です。
真っ向勝負なら護衛込みでも付け入る隙ありますが、本気ならそもそも姿見せませんし。

御質問に関しては、ネタバレ絡む為伏せさせていただきます。

 さん

御意見ありがとうございます。
確かにそうかもしれません。
ローラの過去自体が色々あるので、偶数章でやるべきではなかったかもしれませんね。
もう少し穏やかな雰囲気を作りつつ進められるつもりだったんですが、我ながら未熟です。

ロボット三等兵さん

駒の種類数とかちょい違いますが、イメージはそんな感じです。



さて、次話ですが、やはり話が重くなりそうです。
色々情報出す予定なんですが、中身が色々アレなので。
適度に軽くできるよう頑張りたいと思います。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。







 番外編




 海人という男は、服飾にさしたる興味がない。

 特に深い理由はなく、単に執着が湧かないのだ。
 一応服自体は高級ブランド品も揃えてはいたが、あくまでも最小限。
 回数は少なかろうが人と会う際にはそれなりの服装を整える必要があるから、買い揃えただけ。
 美人の女性店員に本心からの称賛を受けようが、美形がもったいないと嘆かれようが、
似合おうがなんだろうが着ないのでは買われた服が浮かばれないとバッサリ切り捨てていた男である。
 
 とはいえ、他人を着飾るのであれば話は少し変わる。

「くっくっく……なかなか似合ってるじゃないかシリル嬢」

 今しがた完成した自分の作品を見て、海人はニヤリと笑った。

 可愛らしさを全てに最優先させた服装。
 着た者の体型に絶妙に沿ったそれは、見事に対象の魅力を引き出していた。
 水色の襟付きワンピースは彼女の可憐さを引き出し、若さを加えて可愛らしさを引き立てる。
 黄色の帽子は彼女の快活さを引き立て、今にも駆け回りそうな溌剌とした印象を醸し出していた。
 肩から掛けた蛍光色に近い黄色いバッグも良いアクセントになり、全体の若々しさをさらに強めている。

 が、欠点があった。
 それも、かなり致命的なものが。

「おや、どうしたねシリル嬢? 笑顔でなければ折角の衣装が台無しだぞ?」

「ふ、ふふ、ふふふ……こ、こここここうですのぉぉぉ?」

 ギリギリギリ、と歯を食いしばりながらどうにか笑顔を作るシリル。
 
 一応、笑顔である。
 目に殺意が滾り、つり上がった唇の隙間から見えている白い歯が牙に見える程の凄味が加わったものではあるが、
先程まで海人に向けていた殺意丸出しの憤怒に比べれば、笑顔である。

「ふ、くくっ……す、少し固いな。ぶふっ……も、もうちょっと柔らかくならんかね?」

 時折不自然に身を震わせながら、海人はさらに注文を付ける。 

「お、おほほほほ……こ、これでいかがでしょうぅぅ?」

 瞳に宿る憤怒はそのままに、シリルはさらに笑顔を作る。

 先程よりさらに笑顔と呼べる表情にはなった。
 唇の片方を吊り上げるのではなく両方を吊り上げ、口元は完全に笑顔。
 目尻も引きつりつつも下に下がり、瞳から放たれる殺意の印象が弱まっている。

 代わりに、綺麗な白い歯が今にも喉笛を切り裂かんような輝きを放ってはいたが。  

「う、うむ、そんなものだろぶふっ……! では、次はこのメモの言葉をよ、読み上げてくれたまえ……!」

 今にも倒れそうな程不気味な痙攣をしながら、海人がシリルに折り畳んだメモを手渡す。
 シリルは海人の顔面を蹴り砕きたい衝動を堪えつつメモを受け取り、ゆっくりと開いた。
 
 ―――――数瞬の、硬直。

 シリルはその末に、助けを求めるように周囲を見る。
 
 まず雫。割と仲の良い相手だが、今回はあてにならなかった。
 既に腹を抱えて床に転がり、無言で命にかかわりそうな程激しく痙攣している。
 声を堪えてくれているだけマシ、シリルは己にそう言い聞かせ、視線を動かす。

 刹那は妹と違い割と平静に見えるが、やはりあてにならなかった。
 よく見れば両手が背中に回され、僅かに痛みを堪えている様子が見受けられる。
 おそらく、背中を思いっきりつねっているのだろう。
 助け舟を出す余裕はまずない。
  
 そしてシリルは最後にして最大の望みであるルミナスに視線を移動させるが、現実は残酷だった。
 時折震えている自慢の黒翼が前面を覆いつくし、顔がまったく見えない。
 あれでは助けを求められている事すら分かっていないだろう。

 全ての救いが断たれた事を悟り、シリルは覚悟を決めた。
 メモに書かれた悍ましい言葉の羅列を読み上げんと息を吸い、

「わ、わたちシリルにじゅっちゃ―――――もう限界ですわぁぁぁぁっ!」

「ぶははははぎゃあああああああああああっ!?」
 
 シリルの怒りの拳によって、器用にも爆笑しながら悲鳴を上げる海人。
 笑いが勝ったのか、壁に叩きつけられ床に落下しても尚笑い転げている。

「罰ゲームにしたって限度というものがありますわこの腐れ外道!
よくもこんな辱めを思いつきましたわねぇっ!?」

「くはっ、いや、私もまさかここまでぴったりとは思わぶわっはっはははははっ!?」 
 
 げしげしと蹴り転がされながらも笑い続ける海人。
 それがシリルの怒りを煽りますます蹴られるが、それでも笑い続けている。
 
「……まあ、無理もないな」

 シリルの姿を視界から外しつつ、溜息を吐く刹那。

 事の始まりは、シリルが海人にディルステインでしつこく挑み続けた事。
 今日これ以上続けるのであれば、負けたら罰ゲーム、という条件で挑み続けた結果、
当然のように罰ゲームが課せられたのだ。

 とはいえ、一応合意の上での罰ゲームで海人は一切嘘を言っていなかった。
 シリルに似合う可愛らしい服を着て、簡単な命令を聞いてもらう。
 その単純な罰ゲームは確かに事実ではあったのだ。
 
 ―――――衣装が海人の世界において園児服と呼ばれる、幼児用のものであっただけで。

 ルミナスや刹那であれば痛々しいだけで可愛らしさには程遠く虚言になっただろうが、今回はシリルだ。
 海人ですら実年齢を見抜けぬ幼い容姿と、幼い印象を加速させる海人デザインの園児服が、洒落にならないほどに相性が良すぎた。
 そういう衣装の存在を初めて知った刹那達にさえ、シリルが幼児にしか見えなくなるほどに。

 実年齢二十歳がそんな恰好をさせられて、幼児言葉を言わされる。
 生涯忘れられぬ屈辱の罰ゲームだろう。

 刹那はよくあそこまで耐えた、とシリルに内心で称賛を送っていた。

「あー笑った笑った。あーあー……海人さんボッコボコだねぇ。一応約束通りの罰なんだけど」

「しゃーないでしょ。流石にあれはキッツいわよ。
いや、私も笑ったから偉そうな事言えないんだけども……よくもまあ、あそこまで人おちょくる事に情熱燃やせるわよねぇ」

 しみじみと語る雫の言葉に苦笑しつつ、ルミナスは蹴り転がされる友人に視線を送る。

 彼が罰ゲームは翌日、と言った段階で碌でもない事になる気はしていたが、ここまでやらかすのは想定外だった。
 あの男、たったの一晩でシリルの体型にベストフィットした園児服をデザインし、作り上げたのである。
 ただシリルをおちょくって遊ぶ、それだけの為に。

 才能の無駄遣いも良い所である。

「くぬっ! くぬっ! くぬっ! ええい急所を外すんじゃありません生意気な!」

「無茶苦茶言うな!? 肖像画を残すのは勘弁してやろうと思ってたんだから、そろそろ許してくれてもいいんじゃないか!?」

「そんな事まで考えてましたの!? ええい! 二度とそんな悪魔的思考が出来ないよう根性叩き直してくれますわ!」 
 
「ぬおおおおおおぉぉぉぉっ!?」

 ゴロゴロと転がりながら、さらに勢いを増したシリルの蹴りを回避する海人。
 流石に笑いも収まり、表情に必死さが滲み出ている。

 が、それでも割と余裕が残っていた。

(む……? ……しまったな。クマさんを思いつかぬとは我ながら不覚だった。
まあ、流石にそこまではやりすぎだし、そもそも無理だから構わんか) 

 時折ワンピースの隙間から垣間見えるアダルティなデザインの物を目に捉え、
海人はそんな暢気でド外道で変態な事を考えていた。
   
コメント

シリルの園児服…似合うと可愛いと可哀想が混じって絶妙な笑いが起きそうですね(笑)
後、くまパンはまずいですよ、海人さん!ルミナスにそのタイプの下着が趣味だと思われますよ!(笑)

追伸
昔見た漫画やアニメやゲームの技や魔法などを再現する海人ネタはいかがでしょうか?海人以外が使用してもありですしね
[2018/03/19 07:22] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


誰かその絵を描いてくれる有志はいないのか!?
[2018/03/24 19:29] URL | 飛べないブタ #t50BOgd. [ 編集 ]


更新ありがとうございます。シリルさんは意外といじられキャラですよね。
[2018/03/24 22:55] URL | ロボット三等兵 #- [ 編集 ]


コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://nemuiyon.blog72.fc2.com/tb.php/616-c54e1f69
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

九重十造

Author:九重十造
FC2ブログへようこそ!



最新記事



カテゴリ



月別アーカイブ



最新コメント



最新トラックバック



FC2カウンター



検索フォーム



RSSリンクの表示



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QRコード