ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編+番外編セット。
皆様お久しぶりです、無事帰国いたしました。
遅ればせながら、番外編と番外編セットです。
番外編の方はあまり珍しいネタではないと思います。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


 さん

リレイユ可愛く思ってもらえたようで嬉しいです。
本編でも登場場面少し増やしたいんですけどねぇ……。

コスモさん

まあ、珍しいネタじゃないですからね。
上手い人だったらもっと面白く書けるのかな。

掲示板……あー、ゲイツ視点の話になりそうですね。
本編か番外編かは分かりませんけど、いずれ出ると思います。

 さん

日々の食事で色々慣らされてるリレイユです。
調教が進むと、もっと愉快な事をしてくれるかもしれません。

ロボット三等兵さん

御心配ありがとうございました。
幸いにして大きな問題は起こる事なく帰ってこれました。

ええ、リレイユは飼主達に色々毒されてます。

 さん

翻訳機作れたとしても使いどころが難しいかもですね。
どっかの御令嬢達に知れたらそれこそ面倒ですし。

飛べないブタさん

ペットは飼い主に似て、その上で各々の個性を発揮するものですから。
汚染進行速度はある意味一番かもしれません。



さて、次話ですが海外にいる間ネタだけは溜めたものの、執筆はできませんでした(汗)
執筆再開して割と筆はのっていますが、少し調子が狂っているので完成には若干時間かかるかもしれません。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。





 番外編




 唐突だが、美味しい料理というのは難しい物である。

 レストランの料理であれば、磨き抜いた料理人の技と吟味されつくした食材。
 それらを余さず活かし、素人とはまるで次元の違う味に仕上げる。
 美味い店であれば、一皿一皿がまさしく芸術品。
 例え価格が高くとも、それ以上の満足感を与えてくれる。

 一般的な家庭の料理であれば、家族の舌に合わせた味付け。
 日々材料の質にバラつきがあれど、それでも家の味に仕上げる。
 毎日の事ゆえにありがたみが薄れがちだが、そこには紛れもなく家族への愛がある。

 加えて言えば、日々何気なく使う食材とて数多の先人達が積み重ねてきた歴史の賜物。
 農作物一つとっても、野生の物から安全な、そしてより美味い品種が選ばれ、品種改良を重ねている。
 料理の技術にしても、先人達の試行錯誤を無数に積み重ねた上に今の技術があるのだ。

 過去の人々が蓄積し受け継ぎ続けた知識、そして現在の人々の努力あってこそ美味しい料理があると言えるだろう。

 ゆえに―――――どちらか片方でも欠けてしまえば、一気に味は落ちる事になる。

「…………これ、ちょっと酷すぎない?」

 スープの入った皿を見下ろした雫が、ぼやく。

 魚介がたっぷり入ったトマトスープ。
 数種の貝類に、イカや海老も入った贅沢なスープだ。
 少し高めの値付けだが、この盛りならむしろ安い。

 ―――――そう思っていた。食べるまでは。 
 
 いざ口に入れてみれば、味は悲惨そのもの。
 全ての具材がやせ細り、食べ応えとは無縁といっても過言ではない。
 イカはかろうじてまともな食感であったが、他はあまりに無残。
 貝類にいたっては、元々中身が小さい物を極限まで加熱したとしか思えないほどに小さく、
貝柱っぽい物が僅かに殻に付着するのみ。
 海老にいたってはプリプリ感は欠片もなく、ボソボソ感とザラザラ感が相まって酷い舌触りだ。

 これらの具材はスープの出汁になった結果ではないか、そう思ってスープを飲んでみると、泣きそうになった。

 味自体は、悪いとまでは言えない。
 えぐみなどもあるが、多くの魚介を使った濃厚な味が出てはいる。
 
 が、それを全てぶち壊すレベルで生臭い。
 トマトの香りやニンニクの香りもあるが、それすら打ち消すほどに生臭い。
 それに加えて貝独特のクセも出ており、飲み込むだけでも苦労する。

「流石にこれは、な…………」

 頭を抱えた刹那が、それだけこぼす。

 彼女の前にあるのは、白身魚のソテー。
 香ばしく焼き上げられ、クリームソースがたっぷりとかかったそれは、とても美味そうに見える。
 脇に添えられた付け合わせの野菜も彩り豊かで、見た目に楽しい一皿だ。

 が、味は凄惨の一言。

 クリームソースの出来は良いが、肝心の白身魚が終わっている。
 火の通しすぎで身がボソボソしており、それでいて生臭さはたっぷり。
 ソースをたっぷり纏わせれば多少緩和されるが、焼け石に水だ。

 救いは、付け合わせの出来が良い事。

 甘めに煮つけられたニンジンは程良い旨味と食感に加え、噛めば心地よい香りが鼻孔をくすぐる。
 茹で上げられたほうれん草は単品でこそ大した味ではないが、クリームソースと絡めればかなり美味い。
 極め付けはマッシュポテトで、滑らかな触感に加え、生クリームの濃厚さと絶妙な塩味が秀逸だ。

 本来のメインたる白身魚さえ無視すれば、美味しい料理であった。

『うーん……』

 どうしたものか、と姉妹揃って唸る。

 雫の皿だけなら外れの店を引いたで済んだが、刹那の皿の付け合わせを考えれば腕は悪くないはずだ。
 魚介系が致命的に弱い、むしろメニューに並べるなと言いたくなるレベルではあるが、
注文すべき品を間違えたと考えればどうにか納得できる。

 皿を下げてもらって別の料理を頼みたいところだったが、それをするには懐事情が寂しい。
 出せなくはないが、そうなると予定を変更して今日もいつも通りの野宿になってしまう。  
 美味い物を食べる事もだが、今日は屋根の下で眠る事も目的の一つなのだ。 

 二人が悩んでいると、なにやら厳つい男が声をかけてきた。

「お客さん、俺はこの店の店長なんですが……お口に合いませんでしたかい?」

「申し訳ありませんが。この付け合わせは美味しいのですが、魚介が……よろしければ、味見していただけますか?」

 そう言って、刹那は自分の皿を差し出した。
 店長は持ってきたフォークでそれを食べるが、ただ首を傾げるのみ。

「むぅ……こりゃ魚介独特のクセなんですがねぇ」

「それは違います。鮮度と処理さえ確かなら、こんな臭いは出ません」

 確信を持って、刹那は断言する。

 この料理の臭みは、独特のクセなどという可愛いものではない。
 血抜きが満足に行われたかも怪しい、そんなレベルの物だ。

「うちの処理がおかしいと?」

「このレベルだと、最大の問題は仕入れ段階かと。
ただ、こちらの処理自体も問題はあると思いますが」

「というと?」

「このアサリ……? アサリですよね?」

 少し自信なさげに、刹那が尋ねる。

 殻の特徴は紛れもなくアサリなのだが、中身が判別がつかない。
 縮みすぎてアサリらしき特徴がある、アサリっぽい何かとしか言いようがないのだ。

「ああ、間違いなくアサリですが?」

「砂が残っています。おそらく、砂抜きが十分ではないのでしょう」

「砂抜き?」

「……あの、まさか砂抜きをご存じないのですか?」

 一瞬絶句し、刹那が思わず問いかける。

 ヒノクニと比べるとこの大陸は魚介の扱いが発達していないが、それでも砂抜きは珍しい知識ではない。
 少なくとも、これまで訪れた他の町では砂抜きしていないアサリに当たった事はあまりなかった。

 唖然とする刹那に、店主は不思議そうに首を傾げる。

「アサリってなぁ、よっぽど運が無きゃ砂が入ってるもんでしょう?」

「…………雫、お前はやり方を覚えているはずだな?」

 どうやら本気で言っているらしいと悟り、刹那は雫に話を向けた。

 本当ならば刹那が直々に指導したいところだったが、生憎長年家事を禁じられた身。
 腕前は勿論、知識量も妹である雫には遠く及ばない。

「そりゃね。というか、他の処理も気になってきたよ。
店主さん、ちょーっと厨房見せていただいてもよろしいですか?」

 にっこりと、だが有無を言わさぬ気迫で問いかける雫に、店主は慄きながらも頷く。
 問題のある処理はしてないはずなのに、とこの期に及んで思いながら。

 そして翌朝――――店には平謝りする店主と、ズタボロになった商人の姿があった。

 海から遠く、農畜産を主体とするこの村。
 長らく村の中のみで生活が完結しており、訪れる客など税を徴収に来る役人ぐらい。
 外部との交流らしい交流が始まったのは、ここ十年ほどの話だ。

 特に海産物については誰も詳しい者がおらず、持つ知識の大半は地面に転がっている商人経由。
 そこにつけこみ、この商人は状態の悪い魚介を安く買い付け、この村に高く卸していたのだ。
 あまり余所者が訪れる土地でもなく、長らくその事に誰も気づかなかったのだが、刹那と雫によって見事にバレた。
 それを知らぬ商人がいつも通りに卸しに来たところで、刹那と雫が叩きのめしたのである。   

「ぐ、うぅ……お、俺は悪くない、仕入れるのに物の良し悪しも分かんねえ馬鹿が悪いんじゃねえか……」

「黙れ下衆が」

 冷たく言い捨て、刹那が商人の股間に拾った石を直撃させる。
 超人の膂力で放たれた石は、往生際の悪い男を問答無用で沈黙させた。
 痙攣して泡を吹きながら気絶しているが、刹那はその冷たい眼光を緩めない。

 容赦のない姉に軽く肩を竦めると、雫は店主に向き直る。
   
「ま、これからはちゃんと疑わないと駄目ですよ? 
今回あたしが教えたのだって、量的には基礎にすらなっちゃいないんですから」

「ああ! だが、あんたらにゃ感謝してもしきれねえ!
せめてもの詫びと礼だ! この村自慢の牛を使った、うちのステーキ是非食ってってくれ!
勿論お代はいらねえ、昨日の分もだ!」

「いえ、そこまでしていただくのは……」

「俺の気が済まねえんだ! 頼む! 絶対にがっかりさせねえから!」

「……そこまで仰るのであれば」

 店主の気迫に根負けし、刹那は仕方なさそうに承諾した。

 結果から言えば、承諾して大正解であった。

 二人に出されたのは、魚介料理とは雲泥の差のステーキ。
 驚くべき分厚さでありながら、焼き加減も塩加減も見事の一言で、臭みは一切ない。
 それどころか香ばしい香りが食欲をそそり、いくら食べても食べ飽きない程。
 付け合わせもやはり見事で、肉と交互に食べると手が止まらない味わいであった。
 
 最後にはお土産として干し肉もたっぷりと貰い、宝蔵院姉妹は笑顔で村を後にした。

 ――――よもや、その日の夜襲ってきた魔物にお土産と財布を食べ尽されるとは思いもせずに。


コメント

ああ、悪徳商人の話ですか、いるところにはいるもんですよ。…現代にもね
昔、何かの漫画で言ってました、料理は食材の鮮度と下拵えで大体が決まるって…

追伸
酔っ払って皆で雑魚寝状態の時に起こったラキスケ等の悲喜こもごもネタをいかがでしょうか?
[2018/05/14 06:45] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


更新ありがとうございました。無事の帰国お疲れ様です。
[2018/05/17 23:39] URL | ロボット三等兵 #- [ 編集 ]


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