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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。
というわけで番外編です。
微妙に珍しいネタかもしれませんが、色々粗いです。
それと、御指摘いただいた余計な読点を一カ所削除いたしました。

では、コメント返しさせていただきます。


コスモさん

描写ないですけど、授業の時に一通り顔は合わせています。
ぶっちゃけ、時間の都合さえ問題なきゃ受けない理由がないので。

アメリカンなボリュームの料理……実は本編でやる可能性大です。

 さん

そこまで楽しんでいただけたなら作者としても嬉しいです。
推測は可能だと思いますが、今後分からないままの方が面白く思える箇所が出るかもしれません。
ローラの話は、一応次話でもちょろちょろ出てくる予定です。

ホセさん

ん~、疑似体験自体は可能ですが、おそらく海人がやる事はまずないでしょう、とだけ。
迂闊に答えるとネタバレが絡んでしまうので、ご容赦を(汗)



次話ですが、比較的明るめの話になりそうです。
ちょいちょいと仕込みは入れてますが、多分全体としては暗くなりません。
色々調整は多いですが、気合い入れて頑張りたいと思います。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。









 番外編



 唐突だが、天地海人という男は本来規則正しい生活には向いていない。

 最大の原因は、彼の一番の趣味であった研究作業。
 一度動き始めれば己の気が済むまでとことん突き詰め、一日のスケジュールがそれで埋まるのが当然という性質。
 それでいてその桁違いの集中力とトチ狂った才能ゆえに、己の体調がどれほど悪化しても気づかない。
 幾度も繰り返した徹夜の果てに睡魔に負け、ついでに高熱でぶっ倒れるなどという事もある程だ。

 が、彼のこれまでの人生を振り返ると意外に規則正しい生活であった時期が長い。

 幼い頃は、母である月菜の教育。
 息子に対し優しくも厳しかった彼女は、徹夜なぞ許さなかった。
 あとちょっとだけと言いつつ、見事に徹夜した息子には鼓膜を破らんばかりのお説教。
 こそこそと隠れて夜中に研究室に向かう息子を捕まえ、白かった肌が真っ赤になるまで尻叩き。
 家を空けている間に徹夜を繰り返した馬鹿息子には、剛毅な夫でさえ震えあがるようなお仕置き。
 それゆえに、結果として規則正しい生活を送っていた。

 大きくなってからは、妻であるエミリアの教育。
 月菜と違って彼女は海人の徹夜にもある程度理解は示したが、それも常識的な範囲。
 ある程度は大目に見ていたものの放置する事はなく、適度な場面で止めていた。 
 止め方も基本は優しかったものの、大体は最終的に約束を忘れた夫への罰として体罰が採用された。
 流石の研究馬鹿も研究室の天井やドアとキスしたり、椅子ごと無重力体験なぞしたくなかったので、
これまた結果として規則正しい生活の時が多かった。

 そして現在は歯止めこそ不在だが、そもそもの研究への情熱が見る影もない。
 基本的には昼夜を忘れるどころか、朝昼晩三食の時間をきちんと忘れず守れる程、余裕がある。
 加えてあまりのめり込みすぎると周囲に心配をかけるという自覚がある為、自発的に規則正しい生活を送っているのだ。
 
 とはいえ、それはあくまでも結果。
 海人としては別に規則正しい生活を送る努力をしているつもりもない。
 研究への情熱が戻れば、砂城に竜巻が直撃したかの如く軽々吹っ飛びかねない事だ。

 ゆえに―――――今の海人は、物凄く居心地が悪い思いをしていた。

「雫、拙者は言ったな? ゲームをするのは構わんが、時間は守れと」

「は、はいぃ……」

 静かに諭す刹那の前で、大人しく正座している雫。
 その体は殺気をぶつけられているわけでもないのに、ガタガタ震えている。

「今朝の鍛錬の時間は六時だった。お前が寝たのは何時だ?」

「ご、五時です……」

「睡眠時間一時間か。まあ、それで問題ないならとやかくは言うまい。
が、今日の朝の組手の結果はどうだった?」

「……か、開幕直後にぶっ飛ばされて、そのまま気絶して熟睡しました」

 穏やかにも聞こえる刹那の問いに、雫は怯えながら答える。

 慌てて跳ね起きて朝の鍛錬に間に合ったまでは良かった。
 素振りなどの基礎を渾身の精神力でこなし、姉の疑念をギリギリ免れながら、
組手の時間までは睡魔に負けず辿り着いたのだ。 

 が、流石に組手ではごまかしようがなかった。

 普段でさえ、全神経集中してようやくまともに応戦できる相手。
 襲い来る睡魔に加え、寝不足による不調が重なり、見事に初撃で吹っ飛んだ。
 どうにか最後の力を振り絞って受け身はとったものの、力尽きて熟睡してしまったのである。
 
 薄れゆく意識の中で、姉の絶対零度の視線を感じながら。

「そうだな。見事に熟睡していたな。拙者が足を掴むまで起きないほどに。
まあ、その後完全に目を覚ますまでの速度は悪くなかったが」

(危険感じた直後にあの川にぶち込まれりゃ誰だって目が覚めるよ! 逆に永眠するかもしんないけどね!)

 しれっとほざく姉に、心の中で猛抗議する雫。

 熟睡して数秒後、雫は刹那に右足を掴まれた。
 それで慌てて目を覚ますも、時既に遅し。
 戸惑い慌てる妹に構う事なく、刹那は妹を激流の川に叩きこんだ。

 寒い季節、それも朝早い時間帯。
 そんな時に寝ぼけた状態でこの国の三大急流の一つに叩きこまれたのだ。
 並の人間であれば成す術なく溺れ死んでいる。

 が、自分に非がある事も分かっている為、抗議はあくまでも心の中に留めた。

「お前も年頃で遊びたい盛りなのは分かる。
が、海人殿の御厚意でたっぷりと遊ぶ時間はあるはずだ。
にもかかわらず、徹夜をしてまで時間を伸ばしたかったか?
これほどまでに自由にさせていただいて、なお足りぬ。お前はそう言うのか?」

「あうぅ……違いますぅ……」

 穏やかな口調の中に潜む圧倒的な威圧感を受けながら、どうにか言葉を絞り出す雫。

 不満なぞ、あるはずがない。
 護衛とは本来拘束時間が長い職業だが、ここの自由時間は極めて多い。
 実質海人が外出する時以外は自由時間と言っても過言ではないレベルだ。
 最近では地下で自由にゲームをさせてもらえるので、制限もついていない。

 今回はRPGのラスボスがやたら手強く、エンディングも長かったせいで時間を読み誤ったのだ。
 あと少しで勝てる、そんな場面が何度か繰り返され、最後に感動的なハッピーエンドが美麗なグラフィックで流れて思わず見入ってしまった。
 言い訳にもならない話だが、現在の環境に不満があるわけではない。
 
 刹那もそれは重々承知で責め立てている。
 もっと自制心を持て、立場を忘れるな、と。

 なまじそれが分かるだけに、雫としては耐える他ない。
 姉の言葉は、反論の余地もない正論なのだから。
 くどくどと続いていく説教も、きっちり心に留めねばならない。
 それがどれほど苦行であったとしても。

 そんな雫から離れた場所で、海人もまたダメージを受けていた。

(……み、耳が痛い……精神的にキツイんだよな、これは)

 立場は全く違うが、刹那の言い分は海人がかつて幾度となくぶつけられた内容だ。

 ちゃんとその為の時間は確保しているのに、なぜ守れないのか。
 どうしてその場の欲求を優先して約束を破ってしまうのか。
 何度も何度も、繰り返し聞いた内容だ。

 ついつい、当時の自分と重ねて雫に同情してしまう。

(……とはいえ、ありがたい話なんだがな。こう言ってくれる人間がいるという事は)

 刹那達には聞こえないよう、こっそりと溜息を吐く。

 耳に痛かろうが何だろうが、刹那の言葉は心配から来ている。
 鍛錬とはいえ、組手である以上命の危険が伴う。
 万全の状態で臨まず、何かあったらどうする。
 長々続いている刹那の説教は、進むにつれそんな本音が透け始めていた。

 言ってしまえば愛情の発露――――かつて海人が家族から健康を心配されていた時のような。

 そんな雫に若干羨ましさを感じつつ、海人はそっと自分の耳を塞いだ。
 それはそれとしてやっぱり耳に痛い話は聞きたくない、と。 
      
  
  

 
  

  
コメント
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[2018/06/25 03:31] | # [ 編集 ]


つまり、海人は刹那の雫への説教が耳に痛いのと同時に説教してくれる人がいる雫を羨ましく感じている、と。…まあ、失ったんだからなおさらでしょうね。

追伸
精進料理ネタはいかがでしょうか?
[2018/06/25 06:58] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


この世界ではモニター長時間とかでも目悪くならないんですか?
例によって魔法とかそっち系で無問題とか?
[2018/06/25 13:30] URL | #- [ 編集 ]


更新お疲れ様です。
案外雫に言い聞かせつつも主の耳にも叩き込んでいるのかもと思ったけれど、
刹那ではそれは無いか。
ルミナス当たりだと耳ふさいだ瞬間飛び火するイメージしか浮かばないw

暑い時期に入りますがご無理をなさらぬように・・・
[2018/06/26 16:14] URL | #mHdfaKpc [ 編集 ]


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