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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編+最新話誤字修正。
というわけで番外編です。
時間軸なし、というか多分どこにも該当しないネタになります。
当然ながら、本編とは繋がりようがない無関係の話になります。
現在の作者の食欲の産物ですので、矛盾等あるかもしれませんが、寛大な心で読んでいただけると幸いです。

それと、最新話の御指摘いただいた誤字を一カ所修正いたしました。
御指摘ありがとうございました。

では、コメント返しさせていただきます。


コスモさん

ええ、まだ息抜きレベルの仕事です。
なお、残念ながら彼女には爵位継承権がないので、この後も大変です。

海人とシェリスが結ばれるルート……一番確率が高いのはあれですね。
過去の無垢だった頃の海人が転移してシェリスと出会う。
それならまあ……勝率と呼べるものは出てくるかと。

ロボット三等兵さん

普通に立ってるだけでも同性の心をへし折るローラです。

ライラックさん

楽しんでいただけているようで何よりです。
ちなみにコーヒーですが、実は初登場時も飲んでいます。
あと、第十部前まではどう飲んでいるかは書いてないはずです。
そして、一般流通してるコーヒーでも香りの良さはあります。
このあたりから想像すると、また楽しんでいただけるかもしれません。

飛べないブタさん

海人の影響は受けてますが、本編シェリスは二十歳過ぎてます。
つまり、あれはシェリスの教育係の影響です(笑)


次話ですが、それなりに順調です。
気を抜くと一カ所妙に甘ったるくなっていくのが悩みどころですが。
どうにか調整しつつ仕上げていきたいと思います。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。








 番外編



 唐突だが、シリル・メルティは意外に料理上手である。

 戦場で現地調達した食材の調理は勿論、平時の家庭料理もそつなくこなす。
 流石にルミナスには及ぶべくもないが、一般的な傭兵よりはずっと上手い。
 もっと言えば、女性全体の平均も間違いなく超えている。

 特に優れているのは、その盛り付け。
 美にこだわりの強い彼女が行う盛り付けは、まさに高級料理店の如し。
 色彩豊かな食材を組み合わせたそれは、食べるのが勿体なくなる者もいるほどだ。

 味についても申し分ないが、こちらは盛り付けと比べると落ちる。
 かっちり固めた基礎技術で作られた料理の味はなかなかなのだが、
見栄えに気を取られすぎるせいでどうしても一定以上の味にならないのだ。

 とはいえ、シリルの料理は見た目美しく味もそれなり。
 あまり作らないが、傭兵団の仲間にも好評であり、シリルもそれなりの自負があった。

「ぐぬぬぬぬっ! よ、よもや全力で作って惨敗するとは……! それも、よりにもよってお姉様の判定で……!」

 ギギギッと歯を食いしばるシリル。

 彼女の前には、精魂込めて作り上げたポークソテーが乗った皿。
 ほうれん草、にんじん、マッシュポテトが付け合わせもあるが、各一口ずつ食べられた後があるのみ。
 なまじ完璧な盛り付けであっただけにいかにも食べ残された感が強く、あまりに物寂しい。
 ちゃんと最後まで食べて、と料理が泣いているような印象さえ受ける。
 
 そんなシリルの皿の横には、綺麗さっぱり空になった丼。

 まるで洗ったばかりのように何も残っておらず、丼が輝いているかのような印象さえ受ける。
 ご飯粒は器にくっつきやすく、つい先程まで濃い茶色のタレがたっぷりとかかっていたのに、だ。
 
 丼の方を作った人物――海人は、軽く頬を掻きながら呟く。

「いや、これはどー考えても運の勝利だと思うが。まさかルミナスがここまで気に入るとは思わなかったし」

 いかにも大満足、といった表情でお腹を撫でているルミナスを見て、海人は苦笑する。

 事の発端は、いつも通りの諍い。
 海人がシリルをおちょくり、彼女がやり返し、それに海人が返しと繰り返した末の喧嘩。
 普段なら殴り合いになるところだが、今日はたまたま料理対決という事になったのだ。

 が、勝ったとはいえ海人はあまり実感がない。

 海人が料理対決に持ち込んだ最大の理由は、朝から仕込んでいた料理。
 魔法による火なので安定はしていたが、火加減が重要なのでこまめに見ていたのだ。
 シリルとの殴り合いに時間を取られ、まして気絶などした日には全てが台無しになりかねなかったのである。
 
 ルミナスが気に入るだろうと思って作っていた物なので勝算はあったが、
彼女の好みを知り尽くし、最善を尽くしたシリルに圧勝してしまうのは想定外だった。
 
「あー、シリル? あんたのも美味しいわよ? いや、お世辞じゃなく、本当に。
でも、今回はちょっと分が悪いわ……」

 項垂れているシリルに、ルミナスがそんな言葉をかける。

 事実として、シリルの料理は美味かった。
 表面は香ばしく中はジューシーな、ソテーの火加減。
 味付けは塩胡椒だが、どちらも丁度良く肉の持ち味を引き出していた。
 付け合わせも、口直ししつつ味にメリハリをつける見事な物。
 なにより、全てルミナス好みに仕上げてあった。

 ルミナスとしては、海人の料理を食べる前に勝負が決まった気さえしていたほどだ。

 ――――が、海人の作った丼物はその印象を見事に消し飛ばした。

 口に含んだ瞬間漂う、食欲をそそる香り。
 むっちりとした皮、とろりとした脂、しっとりとした肉が奏でる食感の三重奏。
 豚肉とは思えない食感でありながら、旨味は豚のそれが強烈に主張し、脂は妙にさっぱりとしている。
 上にかかっていた醤油ダレも豚の味の相性が抜群で、御飯がいくらあっても足りない程。
 丼の縁に彩られた青菜はやや苦味があったが、それが僅かな脂のしつこさを綺麗に洗い流し、
肉と米を食べて青菜という循環を食べ終えるまで繰り返させる循環を作り出していた。

 そのせいで、気付いたらシリルの皿に戻る事も忘れて完食してしまっていたのである。

「うう、私のお姉様への愛をたっぷりと込めた料理が、こんな根性悪の料理に敗れるなんて……」

「はっは、悔しがるのはともかく負け犬の遠吠えはみっともないぞ? ま、とりあえず君も食ってみろ」

 そう言うと、海人はシリルの分の丼を用意し始めた。
 綺麗に粒の立った白米がこんもりと盛られ、その上に厚めに切った肉を乗せ、
周囲に軽く茹でた青菜を敷き詰めていき、最後にとろみをつけたタレを軽くかける。

 あっという間に出来上がったそれを軽く睨み付けていたシリルだったが、程なくして観念したかのように丼に手を伸ばした。
 そして豚肉を掴もうとして、軽く驚く。
 箸で掴んだ瞬間、ふわりと身が崩れたのだ。

「あら、かなり柔らかいんですのね」

 少しばかり感心した様子で一口口に運び――――シリルは目を見開いた。

 味については決して劣ってはいないが、食感が大きく違う。
 心地良い食感であるのも事実だが、それ以上に体験した事のない食感だ。
 どこまでも柔らかく、口に入れた瞬間からとろけていく。
 柔らかく仕上げた豚肉料理はいくらもあるが、ここまでの柔らかさは初体験だった。

 これなら、新し物好きなルミナスの判定で負けるのも無理はない。
 
「なるほど……食感がおそろしく魅力的ですわね。というか、豚肉ってこんなに柔らかくなりますのね」

「時間をかけて蒸せば、肉の旨味は維持しつつ、脂は適度に抜け、食感もこうなる。
火加減間違えると台無しだからそれなりに気を遣う必要はあるが、難しくはない。
味付けもそう複雑ではないから作りやすいぞ」

「へえ、蒸すのかぁ……あれ? そういやあんた朝からかれこれ5時間ぐらい作業してなかったっけ?」

「だから時間をかけて、だ。作り方はともかく時間がなぁ……」

 ぼやきながら、昔の記憶を思い出す海人。

 この皮付きの豚肉を使って作る料理は、海人の父の好物だった。
 少なくとも、誕生日はこれが食べたいと海人の母におねだりするぐらいには。

 が、海人の両親は夫婦揃って仕事で家を空ける事が多く、時間の確保が難しかった。
 それでもどうにか前日にボロボロで帰ってきて朝から作っている姿は、未だに海人の脳裏に焼き付いている。

 当時はそこまでして作らなきゃいけないのかな、と思っていたものだが、

(……なるほど、こうも食いつきが良いと作り甲斐があるな)

 当時の母の気持ちを、海人は今更ながらに少し理解していた。

 たっぷり食べたのに、まだ目線が残っている豚肉にちらちらと移っているルミナス。 
 悔しさからかペースは遅いながらも一度も丼を置かずに食べ続けているシリル。

 そんな二人を見て、海人は苦笑しながら次の丼を準備し始めた。
        

コメント

まあ、いつもの喧嘩に比べるとかなりマシですよね。平和で
皮付きの豚肉となると…トンポーローだったっけ?なかなか手間がかかる料理を作るもんだw

無垢な頃の海人…つまりおねショタですか。メイド達から暖かみや侮蔑やら色んな視線を受けそうですね、シェリスが。

追伸
ifネタとして、もしも海人が転移したら体が子供の頃に戻っていたら…というのはいかがでしょうか?
[2018/07/30 06:18] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


更新ありがとうございます。彼の規格外っぷりは今更ですけどね。
[2018/08/01 23:49] URL | ロボット三等兵 #- [ 編集 ]


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