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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄117
 旅行最終日前日の朝。
 海人達はゆったりと散策を楽しんでいた。

 レザリアの観光案内は彼女が吟味を尽くしたとっておきのルート。
 海人希望の工房やアトリエの見学もたっぷりと取り入れ、余裕も残した珠玉の予定。
 そして実際に海人達も一切の不満なく楽しんでいた。

 が、どれほど楽しかろうが予定通りの行動だけというのは少し面白みに欠ける。 
 ちょっと気になった店を覗いたり、何もせずその場の空気を楽しんだり。
 観光とは、そういった多少の予定外があった方が楽しい。 

 なので、レザリアは最後に王都そのものをのんびり丸一日楽しんでもらう日を設けていた。

 無論何もしないわけではなく、あくまでも海人達の自由意志で好きな所に行ってもらうだけ。
 場所について説明を求められれば答えるし、一休みする時にはお勧めの店を提案したりもする。
 そして夜には本日唯一の予定として、レザリアが王都一と確信する料理店を予約済みだ。
 
 程良い解放感が得られ、締めくくりの一日としては良いはず。
 レザリアはそう判断して今日の日程を決めていた。

「となると、あの店は子供には人気なのか」

「ええ。あの色々な造形が子供には人気みたいです。
正直、味考えると値段高いと思うんですけどねぇ……」

 先程買ったパンを食べながら、レザリアは海人の問いに答える。

 このパン、味はさして美味くない。
 一応それなりに美味いが、この王都には他に美味い店がいくらもある。
 値段と味のバランスだけを考えれば、この店は選択肢に入らない。

 が、この店は王都でもそれなりの人気を誇っている。

 最大の理由は、他所ではあまり見かけない多様な造形。
 亀の甲羅を模した物や、鳥の羽を模した物、はたまた花を模した物など。
 それらが定型のパンばかり作っている他の店よりも目を引き、特に子供に人気なのだ。

「人間、特に子供は目新しい物が好きだからな。
そして子供が興味を持てば、買ってやりたいと思うのが親の情だろう。
それに、王都に住んでいる人間や観光客ならあの程度の金額は気にすまいしな。
品揃えを含め、きっちり戦略を立てて商売をしているようだ」

 はむっ、とパンを一齧りして、海人がそんな分析を述べる。

 先程店を見た限り、物自体はどこでも売っている既存のパン。
 その形状を変化させる事で他店との差別化を図り、子供の心を引きつけている。
 品揃え自体も中にリンゴの砂糖煮を入れたような物が多く、意図的に子供に狙いすましている事が窺える。   
 
 その分、海人が食べているプレーンなタイプのパンの質は落ちるが、
割り切って勝てる場で勝負しているというのは、大した話だった。  

「あー……それもそうですねぇ。しかし、なんで他の店は真似しないんですかね」

「あれだけの種類の形状を作れば手間がかかるし、どれも決して作りやすい形状ではない。
安定して客がついている店なら、わざわざやる必要もなかろう。
なにより、このままなら遠からず頭打ちになるだろうからな」

「と、仰いますと?」

「豊富な形状は研究を重ねた証だろうが、あくまで形だけだ。
そして製造にかけられる時間が限られている以上、形状を追求するにも限度がある。
新作を出すペースが落ち始めたら、崩れるのは早かろう」

 最後の一口を見つめながら、海人はそう締めくくった。

 パンの形状は非常に豊富なのだが、いかんせん形のみ。
 色彩については他のパン屋との差異がなく、ほぼ茶色一色だ。
 製造スピードと人目を引くデザインを両立し、かつ味もそこそこの物を短期間で出しているのは大したものだが、
新作を出す早さが仇となり、行き詰まり始めているのが品揃えから見て取れた。

「あー……いくら考えてもパンはパンですからねぇ」

「となると、売上が落ちる前に何らかの変化が必要という事ですか」

「でも、味は一朝一夕でどうなるもんでもないからねぇ……」

「いや、一時的な延命だけなら割と単純な対策で可能だと思うぞ?」

『へ?』

 何気ない海人の答えに、女性陣が声を揃えて首を傾げる。

「私の故郷だと一般的な手法だが……雫、そのチョコレートを半分くれるか?」

「ほいほい、どうぞ~」

「ありがとう。例えばこのパンをこうして……」

 言いながら、海人はパンの加工を始める。

 初めに指先に発生させた魔力を使い、食べかけのパンを丸くカット。
 それを一度膝に置き、雫から受け取ったチョコレートを両手で包み込む。
 数秒後海人の掌が開かれると、そこには粉々に砕け散ったチョコレートが乗っていた。
 
 そして砕けたチョコレートを使い、パンの上に絵を描いていく。

「わ、かわいい!」

 完成したパンを見て、雫が歓声を上げる。

 パンに描かれたのは、気持ちよさそうに伸びをしている一匹の猫。
 材料の都合かかなり簡略化されているが、それでも猫とはっきり分かる。
 それでいて写実的な猫ではありえない、独特の可愛らしさがあった。

 それを見て、レザリアが感心したように頷く。   

「なーるほど、他の食材で飾りつけすれば変化がつけやすくなるって事ですか」

「そういう事だ。ついでに言えば、これだと味もごまかしやすい。
無理に良い小麦を使わんでも、全体としてはそれなりの味になる。
むしろ、あまり良い小麦を使っては勿体ないかもしれんな」

「確かに、チョコとか味強いですからね」

 ふむふむと頷くレザリア。

 どれほど良い小麦を使おうと、パンの味は繊細だ。
 チョコレートのような味の強い物と組み合わせてしまえば、どうしてもそちらが勝る。
 ならば、多少質の落ちる小麦を使った方がコストが抑えられて合理的だ。 

「ちなみに海人さん、他にはどんなのがあるんです?」

「生クリームやカスタード、後はジャムやゼリーなどを使ってカラフルにした物もあったな。
興味があるなら、屋敷に帰ってから作ろうか?」

「お願いしまーす♪」 

「にしても、カイト様さっきどうやって加工したんです?
パンは魔力の刃でしたけど、チョコレートは無理では?」

「ん? ああ、別に大した事じゃないぞ?」

 レザリアに問われると、海人は掌の上に魔力を発生させた。

 直後、魔力が中心に棒を通した球状に代わる。
 そこからさらに球の部分が複数の刃に代わり、ゆっくりと回転を始めた。
 刃の回転はみるみる加速し、瞬く間に球状に見える程の速度に達する。

 そこで海人は回転を止め、魔力を体内に戻した。

「とまあ、こんな感じで粉々にしたわけだ。
切れ味はたかが知れているが、それなりに便利……ん?」

「……カイト様、これ超難しいんですが」

 掌の上に歪な回転をする奇妙な魔力のオブジェを発生させながら、レザリアは肩を落とした。

 海人がパンの加工に使った魔力刃ならば、レザリアにとっては朝飯前。
 切れ味こそ知れているが戦闘において使える場面は多く、重宝しているのだ。 
 
 が、チョコの加工に使った技術は、難度が段違いだった。
 あそこまで精緻で小型な造形の物を作り、綺麗に回転させるというのは至難。
 両掌で包み込んで中身が見えないとなれば尚更だ。 
 
「それなりに必要な能力水準が高いからな。ま、出来たところで手品程度だ。
気にする程の事もあるまい?」

 肩を竦め、海人は淡々と事実を述べる。

 海人がやったのは、要は魔力で作った疑似ミキサー。
 実行には立体を正確に作成し動かす高い想像力と、それを実現する魔力操作技術が不可欠だ。

 が、性能的には小技の域を出ない。

 魔力操作で刃を作っても、強度は知れている。
 チョコぐらいなら問題ないが、鳥の骨でも魔力刃が砕けて霧散してしまうのだ。    
 物を粉々にするなら、それこそ肉体強化してナイフで滅多切りにした方が良い。

「そりゃそうなんですが、ちょい悔しいです」

「負けず嫌いは良い事だ。ちなみに、こんな事も出来るぞ」

 不敵に笑うと、海人は再び掌に魔力を発生させる。

 そして、魔力を変化させて遊び始めた。
 最初に変化したのは、掌サイズの犬。
 声は出なかったが、お手やお座りなどをこなした後、器用に頭を下げて海人の体内に消えていった。

 次に変化したのは、これまた掌サイズの猫。
 今度は一切芸など見せず、ただ眠たそうに欠伸をし、気紛れに後ろ足で首を掻き、飽きたと言わんばかりに身を丸めて眠り始める。
 数瞬後に片目だけ開けると、尻尾を左右にパタパタ揺らしながら消えていった。

 最後に変化したのは、標準的なサイズの鷲。
 海人の右腕にがっしりと掴まり、毛繕いするかのように羽に嘴を突っ込んでいる。
 その後大きく翼を広げると軽く跳躍し、レザリアの肩に掴まった。
 尾羽から海人に繋がる魔力が糸のように伸びており、それを引っ張ると編物が解けるように消えていく。
 
「……カイト様、大人げないってよく言われません?」 

「まことに遺憾ながら。遊び心を忘れないよう心がけているだけだというのにな」

 ジトッとした視線を向けてきたレザリアに、子供っぽい笑みを返す海人。

「海人さんの遊び心って大体根性捻くれまくってますけどねー」

 どの口で言うんだか、と苦笑する雫。

 例えば、ディルステインで対戦する時の遊び心。
 海人は相手の限度を見極めたうえで、おちょくり倒して完勝する。
 策に嵌まったように見せかけ、その実自分の罠に相手を引きずり込むなどして。

 例えば、昔海人が遊び心で作ったというゲーム。
 プレイヤーの心を折らぬ範囲で、ひたすらに翻弄する作りになっている。
 格闘ゲームではステージが襲い掛かり、RPGでは難解な謎解きの直後にトンチ系の謎、
シューティングではたまにボス撃破時の爆発と破片に攻撃判定など、実に根性が悪いのだ。 

「心外だな。この程度で済ませる事もあるぞ?」

 海人はそう言うと、再び魔力を発生させて加工を始めた。

 ただの光の玉がみるみる変化を始め、箱状に変化する。
 そこから箱の形状を変化させ、下半分の内部を空洞化し、上半分をくりぬく。
 さらに上半分の内部に大量の壁面を作り、所々穴を開ける。
 目当ての形状に仕上がったところで、海人は仕上げに小さな魔力の玉を作り箱に放り込んだ。

 そうして出来上がった魔力製のビー玉迷路を海人が差し出すと、

『……なんですかこれ?』

 女性陣は揃って首を傾げていた。

「ん? 見ての通りだが……こっちにはないのか?」

「ええ。あ、この球を転がしてここまで運ぶんですか?」

 いち早く、雫がビー玉迷路の遊び方に気付いた。
 唯一空洞に落ちないようになっている穴に、魔力の玉を運ぶのだと。

「ああ。試しにやってみろ」

「ほいほい。よっ、とっ、とっ!?」

 海人から渡されたビー玉迷路を遊び始める雫。
 
 最初は余裕そうな表情だったが、徐々に変わり始める。
 玉はある程度思い通りに動かせるのだが、落とし穴が厄介だった。
 どう避けるかは分かるものの、ルート取りが難しい。
 僅かな角度でコロコロ転がっていく為、かなりの集中力を要求される。
 
 結局、三回目の落とし穴連続地帯でついに失敗した。

「ああああああああああ! しくじったぁぁぁぁぁっ!」

「残念、最初からやり直しだ」

「地味にハマりそうな玩具ですねぇ。やり方に慣れれば飽きそうですけど」

 レザリアが、そんな感想を述べる。

 面白そうだし雫の反応を見る限り事実面白いのだろうが、いかんせんパターンが決まっている。
 ある程度コツを掴んでしまうと、飽きも早そうに見えた。  

「作り方次第だがな。これだと角で休憩しやすいが、こうして随所を斜めの壁に変えたりすると……」

「にょわあああああああっ!?」

 突然形状を変えた迷路に、再挑戦していた雫が悲鳴を上げる。

 ただ形が変わっただけでも厄介なのに、変わった形は斜めの壁面が増加した高難度。
 一端玉を止められる場所がほとんどなくなっており、繊細な力加減と判断能力の高さが求められる。

 流石と言うべきか、それでも雫は持ち前の反応速度で落とし穴を回避し続けていたが、
終盤で大きく傾けすぎて綺麗に落とし穴へと落ちていった。
 
 恨めしげな雫の視線を受け流しながら、海人はしれっと話を続ける。

「このように難度が上がり、さらに楽しめる。
他にも上からは見えないよう、迷路の一部を隠す手法もあるな」

「なるほど……やりようはいくらでもあるわけですねー」

「ああ。私が子供の頃は友達と色々考えて作ったものだ」

 そう言って、海人は懐かしむように目を細めた。

 最初に雫に作ったビー玉迷路は、海人が七歳の時に作った物。
 同じクラスの友達が作ったそれに触発され、色々と作ってみたのだ。
 友達同士意見を出し合い、全員どうにか十回に一回はクリア出来る程度の物が仕上がった。

 が、海人だけはさらに追及し、百回に一回程度の物を作りだした。
 それが今雫の手元にあるビー玉迷路である。
 あまりの難しさに、早々に友達は投げ出し埃を被ってしまったいわくつきの品だ。

 歴史は繰り返すらしく、雫は早々に脇に置いてしまった。

「ちなみに、海人さんが子供の時はどんな材料で作ったんです?」

「木材だが……そうだな。久しぶりに作ってみるか。
雫、すまんが接着剤と木材それと適当な大きさの玉を買ってきてくれ。つりは御駄賃だ」

「かっしこまりました~♪」

 紙幣を受け取ると、雫はあっという間に走り去っていった。
 人混みをものともせず、するするとかき分けながら。

 大したものだ、と海人が思っていると、ふと視線に気づいた。

「何か用かな、少年?」

 視線の主―――5、6歳の少年に問いかける海人。
 
 が、悪人顔な海人に臆しているのか、恥ずかしいのかなかなか言葉を続けない。
 背後にいる母親らしき人物に促され、少年はようやく言葉を続けた。

「あ、あの……それ……」

「ん? 遊んでみたいのかね?」

「は、はい!」

 我が意を得たり、と力強く頷く少年に、海人は穏やかに笑いかける。

「よかろう、と言いたいが、これは作るのも楽しい。
時間があるなら、自分で作ってみないか?」

「え、っといいんですか?」

「いいとも。どうせ作るつもりだったから、ついでだ」

 控えめながらも意思表示をした少年の頭を、海人は優しく撫でた。
 背後で恐縮しきりになっている母親らしき人物に、気にしなくていいとサインを送りながら。

 ――――が、この判断が間違いだった事を、海人は程なくして思い知る事になる。
 

 

 

 











  
  

   


 
 三時間後、海人はすっかり精根尽き果てていた。

 最初の子供は、問題なかった。
 気弱そうな態度ではあったが、なかなか物覚えが良く、素直で教えやすかったのだ。
 最後には自己流で色々と案を考え、それなりに手応えのある迷路を作っていた。

 問題は、その後。
 いつの間にやら周りで見学していた他の子供がわらわらと押し寄せてきたのだ。
 一人に教えてその後は知りません、というのも気が引けたので教えたのだが、数が多かった。
 しかも最初の子供ほど教えやすい子供ばかりではなかったので、その調整も一手間。
 
 控えめに言っても、海人にはかなりの重労働であった。
 
「……どうしてこうなった?」

「大体カイト様のせいじゃないですかねー」

 ベンチに背を預けて天を仰いでいる海人に対し、レザリアが冷静に指摘する。

 実際、どうしようもなく海人のせいであった。
 途中で断ればいいものを、結局子供がいなくなるまで続けてしまったのだ。
 より正確には、手を止めようとした瞬間子供達の期待に満ちた眼差しに負けたのである。
 連れている親の方は、子供を止めようとしていたにもかかわらず。

「あとはあたしが変に目立ったせいもありますかねー……おかげでおひねり集まりましたけど」

 ぐてっと海人の膝に頭をあずけながら、雫が自嘲する。

 迷路を作る為には、買ってきた木材を丁度良いサイズに加工する必要があった。
 雫にとっては大した手間でもなく、苦無一本あれば短時間で可能な事だ。
 
 なので大した感慨もなく木材を海人の言う通りに加工していったのだが、いかんせんその手際が良すぎた。

 姉には及ばないながらも、天性の才と日々の鍛錬で磨いた技巧は超人の域だ。
 それこそ、常人には苦無を一振りしたらバラバラになっているように見える程に。
 その為、余計な見物客が集まり始め、それが新たな子供を呼ぶ悪循環の一助となった。 

「拙者としては、最大の戦犯はそこで素知らぬ顔をしているポール殿だと思うがな」

 言いながら、半眼をポールに向ける刹那。

 本来であれば、すぐに材料が切れていたはずなのだ。
 所詮実物を見せる為だけに買った材料なので、多くの人間に行き渡るはずがない。
 雫が買ってきた木材が無駄に大きかったとはいえ、だ。
 
 それを思いっきり覆したのが、たまたま顔を見せたポール。
 いらん方向に気を利かせた彼が、材料を買い集めて補充してきたのだ。
 それだけの子供には行き渡らないでしょう、と言って。

「ほっほっほ、申し訳ありません。
一商人としては商売繁盛の兆しは逃せませんでなぁ」

「いえ、ありがとうございます。結果として商売になってしまいましたから。
ポール殿の手配が無ければ、かなり面倒な事になっていたでしょう」

 そう言ってポールに頭を下げる海人。

 流石王都と言うべきか、ビー玉迷路をタダで貰おうとする人間はいなかった。
 全員いちいち海人に礼を言い、材料費と授業料合わせても多すぎる金額を握らせて去っていったのだ。
 
 モラルの高さの証明なのだが、そのおかげで商売になってしまった。
 王都は商売のルールもかなり厳格で、勝手な露店などは騎士に見つかると即撤去される。
 悪質な場合は、罰金が科される事もあるのだ。
 
 海人達ももう少しで指導が入るところだったのだが、ポールが間に入ってくれたおかげで事なきを得たのである。
 そのせいでやめる機を逃し、ついでに騎士達の子供用にも追加で作る羽目にはなったが、感謝すべき事であった。

「いえいえ、御気になさらず。ところで、いっそ本当に商売にする気はございませんか?
あれ程分かりやすい教え方が出来る方なら、先程の迷路だけでなく他の玩具の作り方などでも商売になると思うのですが」

「ありがたい申し出ですが、ちょっとした事情で見知らぬ人間と接する時は警戒心が出てしまうので、接客系は無理なのです」

「おや、楽しんでらしたように思えましたが?」

「子供の笑顔は見ていて楽しいですからね。が、疲れるは疲れるのです。
少なくとも、毎日は不可能ですよ」

 ポールの疑問に、軽く肩を竦めながら答える。

 海人は取り立てて子供好きというわけではないが、それでも彼らの笑顔は微笑ましく思う。
 粘ついた悪意も、おぞましい打算もなく、ただ気に入った物に目を輝かせる。
 その姿は、海人にとっては物珍しく、何より眩い物だった。

 が、それはそれ、これはこれだ。
 海人の心の奥深くに根付いている警戒心の対象は、子供も例外ではない。

 僅かな小銭と引き換えに海人をナイフで刺そうとしてきた少年がいた。 
 親から受け取った爆弾入りのプレゼントを海人に渡そうとした少女がいた。
 自分が最初に死ぬとも知らず、海人の部屋の前に毒ガス発生器を置いた子供がいた。 

 警戒心を緩めるなど、出来ようはずがない。
 当然、高まり続けるそれに疲弊しないはずも。

「ふむ……では、今回は諦めさせていただきましょうかな」

「筋金入りですので、完全に諦めた方が労力の無駄にはならないかと」

「義父の教えですが、一流商人の条件の一つは、諦めの悪さだそうです」

「あの方は割と素直に引き下がってくださいましたが」

「おや、珍しいですね。まあ、ファニルが生まれて以来丸くなられましたので、そういう事もあるかもしれませんな。
若い頃にはとある国の女王陛下に気分でキャンセルされた品を押し売りに、王城に殴り込んだ方なのですが」 

「よく生きてましたね!?」

 なんでもなさそうに語るポールに、雫が驚きの声を上げる。

「オーガスト殿も御一緒だったのと、なにより女王陛下がその気概を買われたのだとか。
まあ、その夜に面目を潰された近衛騎士団に夜襲をかけられたそうですが」

「……ハロルド老も大概無茶苦茶やっとる人だなぁ」

 しみじみと呟く海人。

 流石の海人も、国家元首の元に殴り込みをかけた経験はない。
 敵陣に生身で突っ込む事など、考えた事すらなかった。
 敵陣を遠方から吹き飛ばした事なら、山のようにあるが。

「カナールの長老方は皆様似たり寄ったりですよ。
それだけの方々なので、後進たる我々は思いきりが足りないとよく叱られております」

「ポール様もかなり無茶苦茶やっておられますけどね。
商品受け取ってから値引き要求してきた馬鹿伯爵を護衛蹴散らして殴り倒したとか」

「はっは、どの話かは分かりますが、誇張かつ曲解されておりますな。
何やら虫の居所が悪かった護衛が私に絡み、それを払った結果商品が壊れただけですとも。
ですが受け渡し後だった事と、わざわざ仕入れた商品を台無しにした詫びとして、
寛大な伯爵様は代金を二割増しで支払って下さったのです」

「しれっと言いますよねー」

 笑顔でとぼけるポールに、含みのある笑顔を向けるレザリア。

 確かにポールを含め、現在の四大商会会長は先代に比べれば大人しい。
 創業者たる先代達は十把一絡げの商人の身から、無茶を繰り返す事で人より大きく抜きんでた傑物達。
 そんな彼らに比べれば、かなり安定した人生を歩んでいる現会長達がいざという時の行動力に欠けるのは事実だ。

 が――――多くの商人にとっては、寝言である。

 状況によっては貴族に喧嘩を売る事を躊躇わぬ商人など、滅多にいない。
 大商会の後ろ盾があったとしても、貴族には国家権力という後ろ盾があるのだから。
 入念な下準備により完全敗北が皆無となれば、尚の事だ。

「まったくっすね。ポールさんの護衛は俺も一回で懲りたっつーのに」  
  
「おや、ゲイツ殿。お久しぶりですな」

 背後から声をかけてきたゲイツ・クルーガーに、ポールはぺこりと頭を下げた。

「お久しぶりっす。本人に直渡しが条件なのに、あちこち動き回んないでくださいよ」
 
「む? となると今回引き受けて下さったのはゲイツ殿でしたか」

「ええ。丁度こっちに用事があったんで、ついでです」

 はい、とゲイツはポールに持っていた紙を渡す。
 ポールは慣れた様子で紙にサインをすると、ゲイツから荷物を受け取った。

(……厳重な封だな)

 ポールが開封し始めた物を見て、海人は軽く目を細めた。

 物は、複雑な装飾が施された鍵付きの金属製の箱。
 しかも鍵穴が三つも存在し、全て開けなければ開封できない仕様だ。
 ちょっとやそっとでは到底壊れそうになく、こじ開ければ確実に発覚する。
 大商会の会長へとなれば不自然でもないが、随分と厳重である。

 あまり関わるべきではないか、と海人は腰を上げようとした瞬間、

「おおおおおっ! 久しぶりのファニルの手紙! ああ、どれほど待ち焦がれただろうか!」

 ポールの恍惚とした叫びに、思わずズッコケた。

 気を取り直してポールを見てみると、彼の足元には開封されて地面に放り投げられた箱。
 そして彼の手には、可愛らしいデザインの便箋と手紙があった。
 
 手紙を貪り食いそうな形相で読んでいるポールに、海人はおずおずと話しかける。
  
「……あの、娘さんからの手紙になぜそんな厳重な封を?」

「ただの郵便物では輸送途中で傷がついてしまうかもしれないでしょう!?
愛しい娘からの手紙が破れなどしていたら、私の心も張り裂けてしまいます!」

「いやまあ、もっともっちゃもっともなんだぜ?
普通の手紙だと扱い結構雑だからな。それこそ、便箋通り越して手紙が破れてる事もある」

 ポールの勢いに気圧されている海人に、ゲイツが捕捉する。

 郵送業者も様々だが、どこも通常の手紙だと扱いが雑になる事はままある。
 なので特に大事な手紙などはしっかり封をして、信頼出来る冒険者に運んでもらう事は決して珍しくない。
 流石に、家族からの手紙にポール程厳重な封をして送る者は稀だが。
 
「そうか……で、お前は王都に何の用事だったんだ?」

「ああ、今度式の相談兼ねて王都でスカーレットとデートする予定なんだが、どっか良い店ないかと思ってな。
今んところ、最有力候補は≪エレガンス・タイム≫の支店なんだが」

「完成してればそれでいいんじゃないか? 夜は夜で高級料理店だろう?」

「むしろそっちが難物でな。噂の≪フェリシテ≫に一度行ってみたいみてえなんだが……予約が半年待ちなんだと。
昼に良い店行かねえと、折角のデートが片手落ちだ」

 はあ、と肩を落とすゲイツ。

 婚約者にせがまれて使える限りの伝手を使ったが≪フェリシテ≫の予約は入れられなかった。
 一番有効そうな伝手を使ってさえ、半年待ちが限度。
 人気店だから仕方ないとは分かっているのだが、物悲しい気分だった。

 幸か不幸か、その落ち込み具合ゆえに眼前の観光客集団がさりげなく視線を背けている事には気付かなかった。  

「ふむ、ゲイツ殿。そのデートはいつですかな?」

「丁度一週間後っす」

「ならば丁度よかった。来週の商談が一つ先方の都合で先延ばしになってしまいましてな。
予約を取っていた≪フェリシテ≫の席が空いてしまうのです。代わりにいかがでしょう?」

「いいんっすか!?」

「ええ。早目の結婚祝いという事で」

「ありがとうございます!」

 勢いよく頭を下げるゲイツ。
 ポールはそれに対して軽く手を振ると時計を確認し、慌てて仕事に戻っていった。
 その背中を見ながら、海人はふとゲイツに問いかける。

「そう言えばゲイツ、具体的にいつ頃にしたいとかは決まっているのか?」

「ん~……一応半年後目安のつもりだが、スカーレットの都合次第だから分からねぇや。
式上げた後新婚旅行も行きたいし……俺の方はいくらでも調整利くんだがなぁ……」

 心底悩ましそうに、ゲイツは答える。

 ゲイツとて多忙だが、冒険者であるがゆえにその気になれば時間を作るのは容易い。
 極論、依頼を受けさえしなければいつでも時間は空けられるのだ。

 が、彼の婚約者たるスカーレットはそうもいかない。

 なにしろ、シェリスの屋敷の料理長。
 日課の料理に加え、急な来客への料理にも対応しなければならない。
 下拵えまで含めると、その忙しさは予定をみっちり詰め込んだ時のゲイツ並なのだ。 

「そうか。とりあえず、場所と客次第ではシリル嬢の誕生会でやった催しをやっても良いと伝えておいてくれ。
費用も大して掛からんから、結婚祝いとしてこっちで持つともな」

「シリルの誕生会……? あ、俺が仕事でいなかった時か」

「ああ。作ろうと思えば色々な形を作れるから、要望がある時は前もって相談してくれ」

「ちなみに詳細は?」

「スカーレット女士が知っている……が、私としては当日のお楽しみが良いと思うぞ?」

「へえ? そんならそうさせてもらうか。ってか、毎度世話になってばっかで悪いなぁ……」

「んなもん気にするな。毎度大した事はしていない」

 申し訳なさそうにするゲイツに、海人は軽い調子で笑った。 

















 その夜、とある王国の酒場。
 傭兵団エアウォリアーズの一部は、そこで酒盛りをしていた。
 遠からず始まる大仕事、その景気づけに。

 が、支払いは団長持ちだというのに、彼らの顔色は喜色満面ではなかった。
 
「……悪くねえ酒なんだけどなぁ」

「ああ、悪くない酒だが……美味かったんだよなぁ、あん時の酒」

 男二人が愚痴り、揃って溜息を吐く。

 今飲んでいる酒は、決して悪くない。
 きっちりと管理の行き届いた、それなりの品質の酒。
 それを適温で出しており、香りも味も申し分ない。

 普段なら満足できたのだが、少し前に飲んだ酒の味が良すぎた為、どうしても比較してしまう。

「いつまでもぐちぐち言ってんじゃないの。あれはシリルの誕生祝いだっての忘れた?」

 ルミナス・アークライトが呆れた様子で男達を諭す。

 男達は他の隊の隊員なので、本来ならあまり口煩くは言わないのだが、
折角の宴会で開始から愚痴り続けているのを見ては、流石に黙っているわけにもいかない。

「分かってますよぅ……ああ、つまみも悪くねぇのに味気ねぇ……」

「そんなに美味かったのか?」

 第一部隊所属の男が、問いかける。
 件の誕生祝いには、彼を含めた第一部隊隊員は参加できなかったのだ。

「そりゃあもう! あんだけ美味ぇもん食ったのは久々だったぜ!」

「くっそー……副隊長の誕生祝いに参加できなかったばかりか、美味いもんまで食い逃すとは……」

「しゃーないでしょ。あんたらがイナテアの方潰してくれたのは感謝してるわよ。シリルもね」

「ええ。この手で全員首を叩き落としたかったのは事実ですが、
貴方達がやってくれなければ相当面倒な事になってたはずですもの。これでも感謝してますのよ?」

 話を向けられたシリル・メルティがそう言って部下に微笑みかける。
 空になったグラスに、酒を注いでやりつつ。

「感謝はありがたいですが、それ含めてもちっと惜しいですね。
ってか、どこの店でやったんです?」

「カイトの屋敷」

「……あの超怖い人ですかい」

 先程まで好奇心に目を輝かせていた男の勢いが、目に見えて衰えた。
 仲間が絶賛する味がどんなものなのか気にはなるが、命は賭けたくないとばかりに。

「何もしなきゃ大人しいっての。馬鹿でかい声でダメージ与えた挙句、濡れ衣で罵倒したりしなきゃね」

「いやまあ、確かにあれは俺らが悪かったですけど。それにしたって即抹殺はないと思いません?」

「流石に殺す気はなかったでしょ、多分。瀕死の状態で認識改めるまで拷問はしたかもしれないけど」

「もっと怖いんすけど!?」

「ってか、俺らからするとこいつらの言う事の方が信じがたいんすけど。
あの人、うちの隊長の話にも普通に付き合ってくれてましたし、
誕生会じゃ気前良いだけじゃなくて俺らへの当たりも柔らかかったっすよ?」

 ビールをグイッと飲みながら首を傾げる、第三部隊所属の男。
 
 今話題に上っている男と第三部隊は、それなりに縁がある。
 隊長であるケルヴィンの色恋絡みの相談に乗ってくれ、その後も色々世話をかけたからだ。
 その際の対応で面倒見の良さと気配りの細かさが知られており、元々平均的に評価が高かった。
 
 それをさらに高めたのが、先日のシリルの誕生会。

 シリルと同じ団というだけで招待されたそれは、料理も酒も全てが上物。
 どれを飲み食いしても外れらしい外れがなく、前々から入念に準備していた事が窺えた。
 
 そしてなにより、招待主としてあちこち回っていた時の態度が好感を抱かせた。
 客が楽しんでいるかさりげなく確認し、会話を持ち掛ければ自然な態度で応対。
 しかも傭兵特有の品に欠ける話題にも、むしろ興味深そうに乗ってくる程にノリが良かった。

 ルミナスやシリルの友人とはいえ、傭兵相手にあそこまで初見で打ち解ける人間は滅多にいない。
 
「だよねぇ。近場に酒無くなって探してたら、わざわざ倉庫から予備も持ってきてくれたぐらいだし。
むしろあんたらが相当失礼こいたんじゃないの?」

 先日の事を思い返しながら、第二部隊の女性が第一部隊の男を睨む。

 宴も終盤になった時には、大量に置いてあった酒も粗方尽きていた。
 最後に一杯ぐらい残ってないか、と探していたら、件の男がわざわざ倉庫から一本持ってきてくれたのだ。
 酒を切らしたお詫びついでに、ちょっと良い物をどうぞ、と付け加えつつ。
 
 そういう男が、いきなり多少の事で凶行に及ぶとは思えない。

「否定はしねえ、否定はしねえんだが……!」

「単に極端なのよ。基本はシリルの誕生会の時の認識で問題ないわ。
本気で怒り狂わせたら、捕まる前にさっさと自殺した方がいいと思うけどね。いや、マジで」

『極端すぎません!?』

 声を揃えて慄く者達に、ルミナスは思わず苦笑する。

 無理もない反応ではあるが、紛れもない事実だ。
 海人は普段こそ寛容すぎるぐらい寛容な男だが、敵には人権を認めない。
 町中で喧嘩を売ってきた男達を原形を留めないレベルで洗脳し、なんら悪びれない男だ。
 もっと言えば、それですら治安維持の善行と言って憚らず、丸くなったとのたまった事もある。
 そして、いま判明している情報だけでもエアウォリアーズ総力で対処できるかすら怪しい戦力の保持者だ。

 本気で怒り狂わせてしまえば、まず間違いなく楽には死ねない。

「心配せずとも、普通にしていれば何も害はありませんわ。
根性が根腐れしてはいますが、せいぜいおちょくり倒される程度ですわよ」

 アホらしい、とばかりにシリルはミルクを飲み干す。

 性質の悪い男ではあるが、普通に相対している分にはなんら害はない。
 誰かをおちょくり倒すのにしても限度は弁えているし、万一見誤っても素直に頭を下げる男だ。

「そうね。確かめたいなら、同席したげるから今度一緒に酒でも飲んでみれば?
私とシリルがいれば、最悪は避けられるはずよ」

「お、そりゃ楽しそうっすね。カナール辺りだと良い店多いですし」

「ケルヴィン隊長の礼もまだだったし、支払いうちの隊で持ちますかね」

「ぬうう……死にたかねぇが、興味はある……よぉし、男は度胸じゃい!」

(……軟着陸の一環としちゃこんなもんかしら。自覚するにも、一気じゃキツいもんね)

 グラスを傾けながら、ルミナスはそんな事を思う。

 この流れに持って行った理由は、他ならぬ海人の為。
 シリルの誕生会で確信できた、彼の隠れた願いを叶えるためだ。
   
(本当に、ささやかな願望なんだけどねぇ……)

 想い人のこれまでの人生を想像し、ルミナスはそっと溜息を吐いた。

  
   
   
 

















 夕食を終えて宿に戻ってきた海人は、バルコニーで夢現の護衛姉妹を見つめていた。

「十分に満足できたようだな、二人共?」
 
「いや、ホント美味しかったですぅー……」

「ええ……まさか、あそこまで美味い料理があるとは……」

 はふぅ、と姉妹揃って艶めかしい吐息を吐く。

 今日行ったのは≪フェリシテ≫の料理長がかつて務めていたという、二百年の歴史を誇る伝統料理の店。
 
 その入口で紹介状を渡して通された先は、さながら宮廷。
 床全面をきっちりと覆いつくす、緻密な模様を刻まれた柔らかな絨毯。
 確かな仕事と長年の丁寧な手入れのおかげで、風格に満ち溢れたテーブル。
 天上からその存在感を主張する、煌びやかなシャンデリア。
 そしてきっちり正装を着込み、きびきびと働く従業員たち。
 今回の旅行で行ったどの店よりも、高級感に満ち溢れていた。 
 
 が、真に驚くべきは出てきた料理。 
 
 出てきた料理の名前自体は、さして珍しくない物ばかり。
 名前だけが同じ料理ならば、カナールでも食べられる。
 もっと言えば、実際に食べた事もあった。

 しかし、食べてみればまるで別物。
 同じ名前を付けていいのかと思う程に、味の次元が違った。
 
 前菜は、鮮やかな色彩の野菜をふんだんに使ったテリーヌ。
 野菜自体もさることながら、所々散りばめられている海老の甘味がそれらの旨味を引き立てていた。

 スープは、黄金色に輝きを放つコンソメスープ。
 ストームドラゴンの尾骨と牛肉から取ったというその味わいは、軽快にして重厚。
 するりと喉を通り後味は綺麗に残らないのに、一口で恐ろしい満足感があった。
  
 魚料理は、白身魚のポワレとクリームソース。
 香ばしく焼けた皮目が食欲をそそり、淡白な味わいの身がほんのりと酸味を利かせた濃厚なソースと絡み合い、絶妙な味わい。
 ソースは付け合わせの野菜との相性も抜群で、野菜嫌いでも美味しくいただけそうな味わいに仕上がっていた。

 肉料理は、レスティア牛のステーキに赤ワインソースをかけた物。
 一見すると生肉に赤ワインソースをかけたようにしか見えないが、実態は焼いた肉の塊の中央部分のみを切り出した贅沢な一品。
 ほんのりと温かい肉の旨味が最も活性化した部分のみを用いたそれは、ソースなしでも食べられる程に旨味が強い。
 だがソースと一緒に食べる事で、それぞれの味と香りが絡み合い、至福のマリアージュを生み出す逸品だった。

 デザートは、レモンのシャーベット。
 ただそれだけの極めてシンプルな一皿だが、味は極上。
 重厚だったコース料理の後味を綺麗に流しつつ、爽やかさだけを残す逸品だった。

 最初から最後まで一切隙が無く、最後には店の雰囲気による緊張すら消し飛んで料理に集中してしまう程だった。

「ふっふっふ、ご満足いただけたようでなによりです♪」

「確かに、あのレベルの店はそうそうあるまいな。
唯一の欠点は、少し酒が進みすぎる事かね」

 どうだとばかりに胸を張るレザリアに、海人は冗談めかした感想を述べる。

 美味い料理についつい酒が進みすぎてしまい、今は少し体が火照っている。
 肉体強化で酔いを瞬時に覚ます事も出来るが、楽しんだ後としては少々無粋。
 なのでのんびりと夜の空気を楽しみながら酔い覚ましをしているのだが、これが心地良かった。

 夜風は冷たいが、凍える程ではない。
 むしろ火照った体が適度に冷めていく感覚が、なんとも言えぬ快楽。
 深呼吸するとやや体が冷えすぎるが、それも一時の事。 

 もしこういった時間も計算尽くであるなら、まさに至れり尽くせりだ。

「贅沢な時間だな……」

「ですねー。ちょっと食べすぎてお腹苦しいですけど……けぷっ」

「欲張って食べすぎるからだ馬鹿者」

(うーん優しいねえ、セツナ様は)

 ころんと転がる雫を呆れたように見下ろす刹那を見て、そんな事を思うレザリア。

 彼女の実姉も姉貴分も、刹那と比べると容赦がない。
 特に姉貴分の方は常在戦場を旨としているので、食べ過ぎで寝っ転がろうものなら蹴っ飛ばされる。
 というか、実際に何度か蹴っ飛ばされた。
 
 もっとも、いずれも実姉の巻き添えでそこが戦場になる数秒前だったので、恨みはない。
 蹴っ飛ばされなければ、それこそ腹が膨れたまま焼死体になりかねなかったのだ。

 そんなありふれたかつての記憶を懐古していると、ふと刹那が口を開いた。   
     
「……海人殿? どうかなさいましたか?」

「いや、昼程ではないが、夜も十分活気が感じられると思ってな。
これまであまり気にして見ていなかったが、夜の明かりはなかなか想像力を刺激される」

 刹那に答えながら、海人は改めて眼下に広がる光景を見下ろす。

 そこにあるのは、すっかり人通りが少なくなった街並み。
 人々の声もほとんどせずに静まり返り、生気が失われたとも言えるだろう。

 が、今の海人には強い生気が感じられた。

 夜空で煌々と輝く月や満点の星々。
 それを鏡映しにしたかのように、地上にも強い光がある。
 暗闇の中、存在を主張するかのように輝く家や酒場などの明かりが。

 これまであまり意識した事はなかったが、これは想像力を刺激される光景だった。

 大仕事を終えた打ち上げで、職人達が宴会をしているかもしれない。
 仕事を終えて帰ってきた父親が、妻子の笑顔に癒されながら酒を飲んでいるかもしれない。
 夕食を早々に終えた人間が、明日の予定を確認しているかもしれない。

 明かり一つ一つに、いかなる情景があるのか。
 ついついそれを想像してしまう。

「そんなもんですかねー。あたしなんか夜景が綺麗だな―ぐらいにしか思いませんけど」

「私も昨日まではそんなものだった。昼間の一件が刺激の呼び水になったのかもな」

 雫に答えつつ、自己分析する海人。

 昨日までの王都観光は、町を楽しむものだった。
 住んでいる人々の営みも当然目に入るが、印象は弱い。

 が、今日のビー玉迷路の件は、王都に住まう人々とのふれあいだった。

 無邪気に目新しい玩具を作る子供達。
 海人に礼を言いつつ、我が子を微笑ましそうに見守る親達。
 仕事で通りかかった親が、帰ったら子供に教えたいと作り方を聞きに来る事もあった。

「なんだかんだで結構楽しそうでしたもんね、海人さん」

「はっは、ああも大袈裟に喜んでくれればやりがいも感じるとも」

 昼間の騒動で見た光景を思い返す海人。

 自分で作ったビー玉迷路を、心底楽しそうに遊ぶ子供達。
 海人に申し訳なさそうにしつつも、我が子の笑顔についつい頬を緩めるその親達。
 恐ろしく疲れたが、その甲斐はあったと思える光景だった。

(……海人殿)

 海人の横顔を見て、刹那は痛まし気に目を細める。
 
 昼間の事を思い出す彼の横顔は、非常に優しげだ。
 普段の皮肉気な空気は鳴りを潜め、ただ穏やかな空気だけが漂っている。
 純粋に楽しい時間だったのだろう、そう思わずにはいられない程に。

 だからこそ――――哀れでならない。

 本当にささやかで、ありふれた望み。
 きっとそれはどれほど願っても手に入らず、むしろ真逆の状況にばかり追い詰められた。
 その果てに今や望みは心の奥底に封じられ、自覚すら出来なくなっている。  
 
 かといって、自覚する事が幸福とも言い切れない。  
 望みを捨て、忘れ去り、それでようやく海人は自分の心を守れた。
 その可能性が非常に高いからだ。

 なにより、自覚してしまえば海人の身は確実に今より危険に晒される。

 そんな答えの出ない問いに頭を悩ませていると、ふと横から視線を感じた。  
 怪訝そうなそれに数瞬後に納得の色が現れ、そして、

「……なにかあったか雫?」

「いーえ、なんでも。所詮お姉ちゃんはお姉ちゃんだったなぁ、と思っただけだよ」
 
 呆れたような表情を苦笑に変え、雫はころんと再び横になる。

 そしてその直後――――王都に大きな破砕音が響き渡った。

『なっ……!?』

 全員、慌てて音の方向へと駆け寄る。
 
 そこにあったのは、巨大な光の狼が建物に向かって前足を振り下ろす光景。
 歴史を感じさせる建物が瞬く間に瓦礫と化し、その中にいたらしい人の悲鳴が響き渡る。
 そんな声に感情を動かす様子もなく、狼は再び前足を振り上げるが、今度は横から飛んできた巡回の騎士が弾き飛ばした。
 すると狼は標的を変更したらしく、今度は駆けつけた騎士達へと襲い掛かる。
 当然騎士達も応戦するが、狼の表面が余程硬いのか武器がほとんど通っていない。
 重量のあるハンマーで叩き潰そうとする騎士もいたが、直撃しても僅かに動きを止めるのみ。
  
 そうやって戦いが進んでいる間に、今度は別の所からも悲鳴が響いた。
 海人達はすかさず上空に飛んで状況を確認するが、

「なんて数……!」

 眼下の光景を見たレザリアが、思わず言葉を失う。

 王都のあちこちで、形状こそ違うが狼と同じような光の獣が暴れ回っている。
 巡回の騎士も対応しているが、なにもかもが足りていなかった。
 光の獣一匹に対し、3人の騎士でかかってようやく膠着状態。
 巡回している数では、到底王都全域をカバーする事など出来ない。

 思わずレザリアが下に降りようとするが、その前に海人が彼女の襟首を掴んだ。

「何するんですか!?」

「……あの獣共に騎士達がかかりっきりになっているが、不意打ちを仕掛ける人間が見当たらん。
何者か知らんが、王都の壊滅が目的ならここで動かん理由はあるまい」

 殺気すら滲ませて抗議するレザリアに、海人は静かに分析を語った。

 あの光の獣の正体は掴めないが、魔法によるものである事は疑いようもない。
 規模と効果からして古代遺産だろうが、それならば高確率で使用者がいる。
 そして使用者の目的が王都の壊滅であるならば、機に乗じて騎士を襲わぬ理由がない。
 騎士達はかろうじて拮抗させているだけで、不意打ち一つで容易く均衡は崩れるからだ。
 術者が動けないにしても、仲間なり金で動く人間なり手段はいくらでもある。

 それをしないとなれば、最も確率が高い目的はただ一つ。
 
「陽動!?」

「確証まではないがな」

「となると……本命は王城かっ! ありがとうございます! カイト様達は避難を!」

「お、おい……!」

「御心配なく。今日は幾つか手札揃ってますんで、こっちも王城も対処できます!」

 振り向く事もなく、レザリアの姿は夜の闇に消えていった。
 
 その背から視線を切り、海人は無属性魔法障壁で足場を作ると、
抱えていた刹那の腕を離れて再び眼下の光景に視線を戻す。

 壊れた建物から寝間着姿で慌てて飛び出す人々。
 転んで親と繋いでいた手が離れた子供を叩き潰さんと襲い掛かる獣の前足。
 それを身を挺して庇いつつ、親へと子供を投げ渡す騎士。

 先程までの静かな活気は鳴りを潜め、今や阿鼻叫喚の地獄絵図だった。
 
(……馬鹿な。何を考えている)

 さっさと逃げるべき、海人の理性は冷徹にそう判断していた。

 今回の旅行で王都に多少執着が出来たのは事実だが、それだけの話。
 命を賭けて戦う程の思い入れではなく、失われたところでそこまで惜しくはないものだ。
 加えて、執着を感じたのも所詮は海人の実態を知られていないからこそである可能性が高い。
 
 それでいて、危険度はこれまでこの世界で海人が参加した戦いとは段違いだ。
 
 仮に変装して参加したところで、その姿自体は多くの人間に目撃される。
 騎士団の御膝元で正体不明の強者が暴れ回って、何ら詮索されないはずがない。
 シェリスの手配で逃れる事は出来ても、存在の記憶自体は多くの人間に残ってしまう。
 揉め事を極力避けたい海人にとっては、絶大なリスクだ。

 そもそも、逃げない理由がない。
 無辜だろうが何だろうが、顔も知らぬ他人の死に心痛めるような良心の持ち合わせはない。
 そのはずなのだから。

 なのに――――逃げる為の足が動かなかった。

 そんな海人の様子を見て、刹那は静かに歯噛みする。

(……どこまで、どこまで世界は海人殿を苦しめるっ……!)

 海人の反応は、刹那にとっては当然の事。
 
 なぜなら海人の無自覚な望みは――――多くの人々との交流。
 
 だからこそ、警戒心が強いにもかかわらず、人と打ち解けるのは早い。
 極力人と関わらぬ生活をしながら、いざ人と関わると社交的になる。
 自分で思っているほど、海人は人間に失望していないのだ。
 
 そんな海人が、目の前で起きようとしている大虐殺を見逃せるだろうか。

 答えは、否。
 一人二人ならまだしも、この数は海人にとって重すぎる。
 過去の経験だの、冷静な判断だの、そんなものを蹴っ飛ばす程に。
 そればかりか、心の奥に潜む無自覚な願望を自覚させてしまうだろう。

 あるいは、この世界に来る前の海人だったら、違ったかもしれない。
 どこにどんな敵が潜んでいるか分からない、そんな環境であれば、
数多の無辜の民を見捨てる事も出来ただろう。
 
 しかし、この世界に現状海人を狙う敵はいない。
 むしろ好意的に見る人間が多く、それゆえに本来の気質が強く現れている。
 徐々に甘くなっているのではなく、剥がれなかった仮面が剥がれつつあるのだ。 
    
 本来悪い事ではないのだが、今に限っては最悪である。
 刹那が歯軋りしていると、雫が静かに口を開く。

「ま、端から時間の問題だったからね」

「雫……?」

 呼びかける姉に軽く片手を振ると、雫は静かに海人に語り掛けた。 

「海人さん。ただ見ていられない、そう仰るのであればあたしが貴方の耳を塞ぎ目を閉じます。
そのまま、避難もさせましょう」

「……」

 微動だにせぬまま、海人は無言で雫の言葉に耳を傾ける。

「実際、さっさと逃げるのが最善です。
レザリアさんは自分達で対処するって仰ってましたし、顔も知らない他人ばかりの王都に義理もありませんからね。
読み違って壊滅してもあたしらの知ったこっちゃないですし、誰にも責められる謂れはありません」

 穏やかに、諭すように雫は語り掛ける。

 逃げたところで、誰も責めはしない。
 これだけの事態となれば、己の命を優先するのは当然。
 どれほどの力があったところで、対処しきれるとは限らない。
 上空から見る限り、獣がいるのは王都内部のみなので、外に逃げれば安全だろう。
 
 王都から逃げる、それが最善の賢明な判断だ。
 
「その上で伺います――――――助けたいですか? 王都の人達を」

 海人の背中に、重々しく問いかける雫。

「かつて貴方を苦しめた人達のように、いずれ石を投げるかもしれない人達を。
代わりなんていくらでもいる普通の人達を。目を逸らしさえすれば惨殺されても気にならないであろう人達を。
今後の自分の生活を脅かすリスクを背負ってまで、助けたいですか?」

 真摯な口調で問いかける雫に、海人は呻いた。

 否。そう答えるのが正解だ。
 王都の人間にはこれといった義理もなく、命をかけて助ける理由はない。
 ましてかかるのは自分の命だけではなく、刹那と雫の命もだ。
 天秤にかけるまでもなく、王都全員の命が軽々と吹っ飛ぶ。

 だが、口に出そうとすると――――胸をかきむしりたくなる衝動と共に、声が出なくなる。

 それでいいはずがない、と。
 そんな事を正解だなどと認めたくない、と。
 とうに消えたはずの何かが、心の奥底で叫んでいる。

 荒れ狂う激情のあまり、僅かに瞳が潤み始めた海人に雫は言葉を続けた。

「―――――いいんですよ、海人さん。昔とは違うんです」

 ふわり、と雫は海人を背後から優しく抱きしめる。

「いついかなる時も、あたしは貴方の味方です。
何を敵に回そうと、どんな苦境に陥ろうと、あたしは死ぬまで味方します」

 歌うように、誓うように、雫は覚悟を述べる。
 雇われた時から、一切変わらぬその意思を。

「だから―――――我儘、言っていいんです。
弱くなっていいんです。甘くなっていいんです。
それで足りなくなった分は、あたしが埋めてあげます」

 ぎゅっ、と海人を抱きしめる腕の力を強める雫。

 雫は、知っている。
 海人に、非道外道のそしりを免れぬ非情さがある事を。
 散々憎まれ、呪われ、苦しみ、その果てに身に着けたであろうそれは、強烈極まりない。
 必要を感じれば、どれほどの屍山血河を築こうが眉一つ動かさないだろう。 

 だがそれでも、相手に非を感じなければ、あるいは必要を感じなければ――非情になれないのが海人だと。
 
 どこを見渡しても敵ばかりで、味方など誰一人いない。
 そんな環境に長年置かれても、根本が変われなかったのだと。
 それを自覚できず、ただ非情になったと思い込んでいるだけである事を。

 自覚出来ないままであれば、それで良かった。
 違和感は感じても、余計な揉め事に巻き込まれず平穏に暮らせたのであれば。
 最高の幸福ではなくとも、その次ぐらいには幸せでいられたはずだからだ。 
 
 だが、自覚してしまったのであれば――――言うべき事があった。 
  
「今度は、一人じゃないんですよ」

 優しく、忘れないで下さいと囁きかける雫。
 甘さが許されなかった頃の海人とは違い、今は一人ではないのだと。

 その言葉の意味を噛みしめていると、海人の手が握りしめられた。
 手の主の方を見ると、刹那が柔らかく微笑みながら、海人の顔を覗き込んでいる。
  
(……情けないな、本当に。散々諭され、結局何も分かっていなかった)

 歯を食いしばり、海人は天を仰ぐ。

 最後までついていく。
 同じような言葉は、刹那にも何度か言われた。
 その言葉の温かさに心癒されながら、そのありがたさを、重みを理解しきれていなかった。
 あるいは二人の覚悟さえも、まだ甘く見ているのかもしれない。

 こんな馬鹿な男が、ここまで慕われる事があっていいのだろうか。そう思う。
 ましてや、自分の我儘に付き合わせて命を懸けさせていいのだろうか、とも。 

 それでも、こんな自分を支えてくれると言う人達がいるのなら。
 何があっても一人にはさせないと言ってくれる人達がいるなら。
 自らの危険を顧みず背中を押してくれる人達がいるなら。

 ――――もう一度だけ、馬鹿な自分を肯定してみよう。そう思えた。

「ならば二人共、化物退治だ。付き合ってくれるな?」

 強い決意と共に放たれたその言葉に、刹那と雫は力強い答えを返した。

 
コメント

更新お疲れ様です
今回は次回は次回はと延びましたが更新無理だと言った貰えれば、いくらでも待てる位本編楽しく読んでるので今後も気長に楽しみにしてます
[2019/04/29 05:11] URL | #- [ 編集 ]


ここからの無双は前提としてお人よしチートの暗黒面が見事に出てきたか。

読んでいるほうとしても毎回主人公たちと侵略者がつぶしあって恩恵が欲望のままふんぞり返っている豚貴族共にいくってのは読了感に影響出ますからねー

まして自分たちと関係がほとんどない連中の不毛な防衛戦なら尚更ですね。

ところで章の話数的にもここでエアウォリアーズを出したことといい局面解決後の第二幕が気になるところですね。
[2019/04/29 12:05] URL | シャオ #xDU5tAck [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2019/04/29 12:40] | # [ 編集 ]


この国の上位の人達は不意討ちに弱いんだろうかってくらい、後手に回ってますねぇ。まあ、それだけ相手が上手だったって事でしょうが。
さて、目覚めた海人達がどういうふうに敵を片付けるか楽しみです。

追伸
唐繰人形や操り人形ネタはいかがでしょうか?
[2019/04/29 15:00] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


噛ませ犬ルミナス、見せ場を宝蔵院雫に奪われるw

やっぱ作者、ルミナス嫌いだろw
一番つきあいは長いけど長いだけで毒にも薬にもなってないし
(最初期の他のキャラがいない時は除く)
この間はシリルですらヒロインクラスの見せ場をもらえたのに
ルミナスって基本、解説役がギャグ要員だよね?w

この世界で最初に海人を受け入れた他にルミナスって何をしたっけ?
[2019/04/29 20:19] URL | #nmxoCd6A [ 編集 ]


次話がとても楽しみな展開で、今からわくわくしています。
[2019/04/29 23:38] URL | #- [ 編集 ]


難しいといった理由がわかった
後半のために必要だったけど前半は完全に内容もクオリティも番外編だこれ
パンかおもちゃのどちらか一つで良かったのでは?
[2019/04/30 12:06] URL | #- [ 編集 ]


ずっと読んでますが相変わらず面白く毎回楽しみにしています。続けていることに感謝を。無理せず更新お願いします。
[2019/05/03 01:33] URL | #- [ 編集 ]

いよいよ、英雄らしく・・・・
今回は一段と続きが気になる所で、、次回って感じですね。
平成最後の更新お疲れ様です。

令和になっても引き続き、白衣の英雄応援しております!
出来れば、月2ぐらいの更新になってくれればなーっと思いつつ(苦笑)

この章では、色々な登場人物の視点で海人が多くの人に囲まれる生活に
憧れてる面にフォーカスされてますね。
王都の危機を救う、謎の白衣の英雄現るって状況、非常に楽しみです。

その内、傭兵団への手助けで一緒に仕事をする場面なんかも、、、、
かなーり先だとは思いますがあったりするのかなと妄想しております。

朝昼夜と寒暖差が激しいのでお体にはご自愛ください。
[2019/05/04 10:28] URL | 星見 #- [ 編集 ]


書けるかな?
何か、感想を書くと「不正な投稿です」って出るんですが?

これは、届くかな?
[2019/05/05 14:08] URL | 飛べないブタ #t50BOgd. [ 編集 ]


本当は、見捨ててしまえば良いんだろうけど、それが出来なくて悩む海人だから、好きなんですよ。
[2019/05/05 14:12] URL | 飛べないブタ #t50BOgd. [ 編集 ]


>かつて貴方を苦しめた人達のように、いずれ石を投げるかもしれない人達を。
雫の言うとおり、助けた人から化け物を見るような目で見られるかもしれなくても、助ける事を選んだ海人。次回が楽しみですね(^^)
[2019/05/05 14:13] URL | 飛べないブタ #t50BOgd. [ 編集 ]


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