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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。
というわけで番外編です。
思い付きなので矛盾等あるかもしれませんが、本編とは無関係という事でお願いいたします。
ネタ自体は定番系です。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


コスモさん

なんだかんだでメイベルはレザリア可愛がってます。
なお、メイベルが狙ったターゲットがレザリアに向く事はないです。
レザリアも美人ですがメイベルの誑し込む技量が凄まじく、彼女に目が向く前に視線奪います。

吸血族のハーフについても、飛翼族と同様の3パターンです。
ただし、受け継がれる率はこちらの方が高いです。


次話ですが、おそらく次回更新できると思います。
前章終盤絡みの話が多めになってしまいますが。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。







 番外編



 海人は友人の怒鳴り声を聞き流しながら、黙々と昼食を食べていた。

 味の方は、御世辞抜きに美味い。
 かつて大好きだった母の料理よりも上かと思う程に。

 例えば、色彩豊かなラタトゥイユ。
 野菜の食感はしっかり残しつつも、きっちり味が染みている。
 全身に染み渡るような滋味と、楽しい食感がなんとも魅力的だ。

 あるいは、鮮やかな緑がなんとも爽やかな枝豆のスープ。
 豆のスープならではの濃密さはそのままに、味わいはなんとも軽い。
 食欲をそそる香りに釣られて飲んでみると、期待通りの味と予想外に軽い後味に驚く逸品だ。

 メインである牛のステーキも、馬鹿にならない。
 断食じみた生活の直後にこれは、と思ったのは食べるまでの事。
 赤身肉であるがゆえに味は濃密だが、くどさがなく食べやすい。
 
 極めつけが、御飯。
 物自体は、炊き立ての米の上に醤油をかけた大根おろしを乗せただけ。
 それだけなのだが、ステーキとの相性が抜群に良く、食べる手が止まらない。

 まだ食べていないが、デザート兼口直しらしいレモンシャーベットも楽しみだ。
 思わず、素直な感想が口をつく。
 
「ふむ、やはりエミリアの料理は美味いな」

「……それはありがとう。でも、その言葉が出てくるって事は、最初っから私の話聞いてなかったわね?」 

 ピキピキと頬を引きつらせ、エミリア・クレアラントは拳を握る。

 美味いと言われた事自体は、素直に嬉しい。
 天地海人という男は御世辞などいう性格ではなく、味覚も確かだからだ。
 
 が、ここで称賛が出てくるという事は、実に三十分近くがなり立てていた説教を聞き流されたという事である。

 健康に悪い生活を改める事の利益。
 海人でも妥協できそうな改善案の提示。
 それらここ数日時間を見つけて練り上げた説教の内容を、全て。

「三徹明けの私に説教する方が悪い。聞き流される事なぞ目に見えてるだろーが」

 食事の手は止めぬまま、海人は淡々と反論する。

 今の海人は、実に三日の徹夜明け。
 久方ぶりに興が乗った研究だったので、一気に仕上げたのだ。
 その分体力も精神力も使い果たしており、到底説教を聞く余裕などない。

 悪びれた様子が一切ない海人に、エミリアは半眼を向ける。

「こんだけ美味しいモン用意されたら、人として少しは耳傾けようって気になるもんじゃない?」

「これだけ美味い物を食わされたら、なけなしの注意力も全部食事に向くな」

 御馳走様、と手を合わせる海人。
 彼の前に用意された食事は、綺麗になくなっていた。
 野菜もスープも肉も、全て跡形もない。
  
「お粗末様でした。んで、何か言う事ないの?」

「心配と食事ありがとうごさいます。以後改善するよう善処するかもしれません」

「あっはっはっ、素直に礼言う事と嘘言わない事だけは褒めてあげるわよ~~?」

 身を乗り出し、海人の頬を引っ張るエミリア。
 割と力を込めている為、海人の顔は面白いぐらいに歪む。

「ぢょ、ふぉんふぉうにふぉのふごぐいふぁいんふぁが!?」

「痛くしてんだから当然よ~~?」

 目に涙を滲ませ始めた海人に、にっこりと微笑みを向けるエミリア。
 表情とは裏腹な心情を示すかのように、その手の力はさらに強まっている。

「ふぁがった! ふぁがったふぁらやめふぇふれ!」

「よろしい。んで、今回やってたのはあれ? どんな物なの?」

 海人の頬から手を離すと、エミリアはテーブルの隅にある物体に目を向けた。
 海人が地下室から出てきた時、抱えていた物だ。 

「いったたた……別に、大したもんでもない。ただの全自動掃除機だ」

「ああ、あの床とか掃除するロボットか……デカくない?」

 一瞬納得しかけたものの、すぐに首を傾げるエミリア。

 海人の全自動掃除機は、一般のそれと比べても倍近いサイズだ。
 これではソファの下などは掃除出来そうに思えない。

「既存の物を一歩進めたんでな。
完璧には程遠いとはいえ、多機能だからどうしても大きくなる。
折角だし、試運転といこうか」

 言うが早いか、海人はテーブルに置いてあった自分の作品に手を伸ばし、スイッチを入れた。

 円筒状の躯体の上部に緑色のランプが灯り、稼働し始める。
 すると木製の大きなテーブルが、みるみる綺麗になり始めた。
 埃一つ残さないばかりか、丁寧な水拭き乾拭きまで行っているのだ。
 しかも縁など掃除しにくい箇所に差し掛かると、にょきっと小さなアームが出て掃除をする。
 
 程なくして海人達の所にやってくると、食器をアームで持ち上げ掃除。
 そして掃除が終わると元の場所に戻し、そのまま掃除を再開した。

「へえ、物感知してどけて掃除してくれるのね。便利そうじゃない」

「いや、その程度なら徹夜する必要すらなかったぞ?」

 エミリアの称賛に海人は軽く肩を竦めると同時、テーブルの掃除を終えたロボットが再び動き始める。

 各所から出したプロペラを回転させてテーブルから浮き上がり、床に着陸。
 その後上中下段に三分割した後、さらに細かく分かれて床の絨毯を掃除し始める。
 ある群は床のゴミを徹底的に吸い取り、ある群はその後絨毯の毛足を整えていく。

 小さくなった体を活かし、ソファの下なども余さず、徹底的に。

「床に限定さえしない、と。流石と言うかなんというか……」

「本番はこれからだ、エミリア」

 海人が不敵に笑うと同時に、床の掃除を終えたロボット達が次なる動きを始めた。

 ロボットは合体して上中下段の三分割の状態まで戻ると、今度はさらに形状を変える。
 無骨とも言える元の形状には程遠い、可憐な姿。
 様々な掃除用具を持った、妖精の姿に。

 そして、背中の羽から噴き出した風で三匹の妖精が天井へと浮かび上がり始めた。

「はいぃっ!?」

 驚くエミリアの前で、さらに掃除は進んでいく。

 エアコンや照明に取りつくと、埃を丁寧にふき取り、綺麗にし始めた。
 動作もえらくリアリティがあり、まるで頑張り屋の妖精が懸命に掃除しているかのようだ。
 手際は、まさしくプロフェッショナルと呼ぶに相応しいものだったが。

 程なくして掃除が終わり、今度こそロボットは元の位置で元の姿に戻った。

「えーっと、質問いい?」

「なんだ?」

「なんで妖精? ってか、最初からあの形状じゃまずいの?」

「流石に上の方で小型のロボットが動いてると害虫みたいだからな、ちょっと改良してみた。
が、妖精状態は浮遊方法の都合上燃費が異常に悪くてな。なる時間は最短になるよう調整してある。
というか、そうしないと途中で四畳間の掃除でさえ途中で墜落するんだ」

「こないだ、人型ロボット難しいって言ってなかったっけ?」

「そう思ったのなら成功だな。あの妖精は浮遊しているし、動作のパターンも少ない。
動作のクオリティには凝ってみたが、まあちょっと精巧な自動人形程度だ」

「ふーん……ちなみに、売り出す予定は?」

 興味深そうに訊ねるエミリア。

 妖精部分は正直不要だが、他の機能は魅力的だった。
 一度スイッチを入れれば全自動で掃除してくれる。
 割と忙しいエミリアには、ありがたい事この上ない。 

 なのでかなり期待を込めていたのだが、海人の答えは冷たかった。

「ない。使い方があまりに面倒すぎるし、なによりここでしか作れんパーツが満載だ」

「使い方が面倒?」

「うむ。詳細なデータを入力した部屋しか掃除出来んのだが、それが手間でな。
簡略化は一応可能だが、家具一つとっても一つ一つ地下の立体スキャナーに読み込ませなきゃならん」

「ちなみに、いいかげんなデータ入力するとどうなるの?」

「基本はエラーで止まるか家具が破壊されるかだが、
あまりに酷いと妖精時の浮遊用装置に仕込んだ自爆装置が作動し、部屋が吹っ飛ぶ。
ついでに言うと盗難防止用に仕込んだから、分解どころか破壊しても爆発する。
作った私でも外せんし、それ抜きにすると一から設計やり直さなきゃならん」

「……それ、あんたも使えなくない?」

「一応この食堂と地下の研究室のデータは入力してある。
面倒すぎて、他の部屋のデータを入力する気はないが」

「またアホな物を……」

「ふん、そのアホの所以外に避難場所がない馬鹿に言われたくないな。これで何度目だ?」

「うぐっ……仕方ないじゃない。どう考えてもここ以上に安全な場所ないし」

「とやかく言うつもりはないが、もっと間隔を空けるようにしておけ。
この屋敷に無傷で入れると知れ渡る事が、どれだけ危険か分からん君でもあるまい?」 

「はいはい。分かってますよーだ」
  
 軽い調子で返すエミリアに、海人は溜息を吐いた。

 最近はすっかりエミリアの避難場所になっているこの屋敷だが、これはかなり危険な状況だ。
 エミリアが無傷かつ無制限でここに出入りできると知れれば、狙われる頻度は桁が変わる。
 そうなれば、これまでのように生きていく事は不可能。

 にもかかわらず、エミリアは気にした様子もない。
 分かっていないはずはないというのに。
 
 ――――海人は、気付かない。

 エミリアが、なぜこの屋敷に入り浸っているのか。
 幾度諭しても、改めるどころかむしろ悪化させていくその理由に。 

 なにより――――もっとも簡単で効果的な解決策を行おうとさえしなくなった自分に。

 気付いてもらうまで大変だった、そうエミリアに愚痴られる未来など、今の海人は想像すらしていなかった。
  
コメント

ふむ、海人を落とすために一歩一歩丁寧に心の壁を削っていったんでしょうねぇ。正直かなり苦労したんだろうなぁ。
滅茶苦茶苦労して作った自動人形が妖精型とは大分苦労したんですね。なんというか、魔法が使えたらなって何度か思ってそうですねw

追伸
季節の変わり目ネタはいかがでしょうか?
[2019/09/09 14:04] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]

質問
番外編セットの36は、いつになったら目次に反映されるのでしょうか?
[2019/09/10 00:46] URL | 舜舜 #- [ 編集 ]


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