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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編+最新話誤字修正。
というわけで、番外編になります。
定番ネタで特に珍しくはない話です。
それと、最新話の御指摘いただいた誤字の修正を行いました。
御指摘くださった方々、誠にありがとうございました。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


コスモさん

うーん、ちょい違います。
ですが、どちらも関わりは大きいです。
ケルヴィンについては、まあその通りですよね(笑)

ローラの小さな失敗……書くのは難しいかもしれません。

 さん

そんな打算も含まれていたかもしれません。

 さん

相性は良いので、軽く会うだけで効果は十分だったりします。
実際にどこまでやるかはさておき。

シャオさん

とりあえずまだです、とだけ。
どちらも養殖には色々ハードルがありますので。


最新話の修正方針固まったので、次話に取り掛かりました。
色々頭抱える箇所はあったものの、修正しても次話には影響なさそうなので。
次話の合間に修正考える感じで頑張りたいと思います。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。










 番外編



 海人の屋敷の地下室。
 床が半ば紙で埋め尽くされたその有様は酷いと言う他ない。
 その紙一枚一枚が世界をひっくり返す叡智の種であろうが、惨状は惨状である。
 
 が、海人でさえ気にし始めたそれを、まるで意に介さぬ者もいた。
 
「ちょ、ここでその配置はキッツ――――みゃあああああああっ!?」
  
 雫が悲鳴を上げると同時、ボゥンと爆発音が響く。
 それに続くように、美しくも切なげで物悲しいメロディーが流れ始めた。
 まるでコントローラーを前にがっくりと項垂れる雫の心を示すかのように。

「あー……そのコースか。ギミックが初見殺しなんだよなぁ」

 画面の映像を見ながら、海人がずずっとお茶を啜る。

 雫がやっていたのは、レースゲーム。
 海人製ではなく、海人の世界の大手メーカーの製作である。

 流石と言うべきか、基本的には面白い。
 グラフィックの見事さもさる事ながら、何よりも優れているのは操作性。
 リアルさなど知った事かとばかりに快適かつ爽快な操作性を追求し、
操作に慣れてくると180°ターンすら造作もなくこなせるようになる。

 が、その自由さ溢れる操作性のせいで、高難度が凄まじい事になっていた。

 極めて良好な操作性ゆえに、コースさえ覚えてしまえば通常のコースのクリアは楽勝。
 やる事はタイムアタックぐらいしかなくなり、ライトプレイヤーの飽きが早い。
 それを防ぐ為、という名目でスタッフの悪戯心に満ち溢れた高難度が用意されたからだ。

 毎周コースが変わるなどというのは序の口。
 周回遅れになった競合車両の自爆による巻き添え失格。
 ランダムにころころ変わる天気の横風による強制コースアウト。
 満タンの体力でようやく生きて抜けられる、隙間ないダメージゾーン。
 その他多様なギミックが容赦なくプレイヤーに襲い掛かり、完走すら許さない。 

 雫が沈んだのは、コース特有の天気である雷雲。
 出現パターンは存在するものの、高頻度で現れるそれの下に入った瞬間落雷で一発アウト。
 ついでに言えば雫の遊んだコースは競合車両が多く、避けようと思ってもすぐに避けられるとは限らない。
 運が良ければ、あるいは慣れれば邪魔な競合車両だけが落雷で破壊されるのだが、初見では大体落雷で自分が即死する。

 かくいう海人も、初見ではバックした瞬間背後にあった雷雲によって葬られた苦い経験があった。

「ってか、これホントに海人さん作ってないんですか? 
この嫌がらせ具合、どう考えても根性腐った人間が作ったとしか思えないんですが」 

「正直でよろしいが、濡れ衣はよろしくないな。誓ってまったく関わっておらんぞー?」

 遠慮とか躊躇という言葉を投げ捨てた雫の頬を強めに引っ張る海人。

 実際、この上ない濡れ衣であった。
 そもそもこのゲームの発売は、海人が小学校低学年の頃。
 今の海人を見たら泣き叫びそうなぐらい純粋無垢で可愛げのあった時代である。

 嫌がらせまがいなこんなゲーム、作っていたはずがない。

「ふぉーいうふぉふぉふるははへふよー? ふぇも、ふぉんふぁんひゃふれははっはんひゃふぁいへふか?」

「いや、これはかなり売れたし、それで続編開発が早々に決定したらしいぞ。
難しいのはあくまでも高難度だからな。通常の難度で遊ぶ分には、若干飽き易いが爽快感がある良いゲームだ。
それに、高難度の中でもコースの解放が段階を踏んでるから、時間かければクリアは可能だしな」

 むにー、と雫の頬を横に伸ばしながら答える海人。
 
 このゲーム、シビアではあるが全面クリアの難度はそこまで理不尽ではない。
 コースにはある程度プレイ可能な条件が存在し、それをクリアできれば次は努力次第という設計になっている。
 高難度も例外ではなく、時間さえ問わなければいつかはクリアできるという水準だ。

 ゆえに、レースゲーム初心者でも根気があればかなりの腕前になれる。
 無論、高難度でタイムアタックをするならば慣れと技量の両方が不可欠だが。

「ふぉふぉう……あはひはら?」

「今は手間取るだろうが、コース覚えれば楽勝だろうな。続編の方は分からんが」

 肩を竦めつつ、海人は雫を解放してやった。

 雫なら、このゲームのクリア自体は容易。
 元々ずば抜けた反射神経の持ち主であり、今はゲームの操作にも慣れている。
 努力すればちゃんとクリア出来るという理念で設計されたゲーム程度、さしたる障害ではない。

 雫を苦戦させたいのであれば、もっと悪意に満ちたゲームでなければならないのだ。
  
「続編はそんなに難しいんですか?」

「続編の方は……まあ、スタッフが加減を誤ってな。
売れるには売れたんだが、苦情が殺到してそれ以降そこが出したゲームの売上が激減した」

 ふ、と遠くを見る海人。

 思い出すのは、続編発売日翌日。
 面白かったので、学校に行って友達と話そうと思ったら、クラスがお通夜状態。
 お年玉をはたいたのに最初のコースすらクリアできない、と嘆く少年少女の悲嘆で埋め尽くされていた。
 
 原因は、言うまでもなく難度調整のミス。

 前作の高難度をクリアしている前提でゲームが作られ、それゆえに最初のコースで心折れた少年少女が続出した。
 なまじ基本操作を覚える為のチュートリアルだけは簡単にクリアできるようになっていた為、余計に。
 前作の評判を聞いてやってみよう、と思った人間が多かった事も拍車をかけた。

 操作が楽しい、と思った直後に前作オマージュの落雷で即死したのでは、無理もないだろう。 
 そこを潜り抜けても二周目以降は周回遅れによる自爆巻き添えの危機が待っている。
 そして最後の最後に待ち受けるのは、コースレイアウト完全変更。
 えげつない事に小まめな方向転換だけでなく、唐突に現れる雷雲も警戒しなければならない。
 しかも三位以内に入らねば失格だというのに、CPU操作の車はコースを知っているかの如く突っ走っていく。
 前作とは違い、落雷で脱落する事もないまま。

 これで、チュートリアル後最初のコースである。 
 その後のコースがどうであるかなど、言わずもがな。
 楽しんでいたのは、悪意しか感じない大量極悪ギミックにむしろわくわくした少数の変わり者だけである。

(……今思えば製作者だけでなく企画通した会社の正気も疑うが、一応面白いは面白かったんだがなぁ……)

 当時のクラスの空気を思い出し、海人はひっそりと溜息を吐く。

 大失態をやらかしていたのは事実だが、続編のグラフィックは目覚ましく向上し、方針も前作を踏襲していた。
 段階を踏んで、努力していけばいずれは誰でもクリアできるようになる、その方針を。
 最初の段階が前作高難度完全クリアだったので盛大に失敗したが、言い換えれば前作をやりきった人間なら多少なりとも楽しめたはずなのだ。
 あるいは続編が出るまで前作を遊び続けていた人間が多ければ、違った未来もあったかもしれない。

 言いようのない虚しさに海人が黄昏ていると、雫がにんまりと笑った。 
  
「ほほう。海人さんがそこまで仰るゲームなら、是非やってみたいですね。
サクッとこっちクリアしてそっちもやっちゃいますんで、楽しみにしといてください」

「そうさせてもらおう。ま、頑張りたまえ」

 不敵な雫に苦笑し、海人は再び研究作業に戻った。
 少しだけ、雫が続編を楽しかったと言ってくれる事を期待しつつ。
 
 そして一週間後――――雫は、見事海人の期待に応えた。
コメント

続編は楽しかった(大苦戦して叫んでないとは言っていない)、ですかねぇw
まあ、たま~に有りますよね、どう考えても難易度とかの調整ミスな作品って。
しかし、この海人がマ○オメーカーをやったらどんなえげつないステージを作るのか…

追伸
もつ鍋ネタはいかがでしょうか?
[2019/11/11 07:45] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


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