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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編。
というわけで番外編です。
珍しくはないネタになります。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


コスモさん

雫の場合2パターンあったりします。
酔い方も一応設定用意してますが、比較的穏便なのはシリルだったりします。

牛丼……トッピングも味付けも色々ありますけど、ちょっと難しいかもしれません。
つゆだく、卵の黄身、紅しょうが……作者の中ではこれ以上がないのです……。


次話ですが、おそらく更新は次の次になると思います。
かなり進んでいるものの、今週ちょっと予定が立て込んでいるもので。
最新話の修正は、次回になると思います。
このままならおそらく微修正と若干の加筆、ぐらいになると思いますが。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。





 番外編



 深夜、とある森の中。
 鬱蒼とした高い木々が生い茂り、光源は空に輝く満月のみ。
 そこかしこで魔物の吐息が聞こえ、時折遠くから遠吠えが響く。
 挙句の果てには、耳を澄ますと闇の中から断末魔と咀嚼音まで聞こえてくる。

 シェリス・テオドシア・フォルンは、そんな場所にいた。

「あの、レザリア? 聞いていいかしら?」

「もぐもぐ……なんでしょシェリス様」

 おずおずと問いかけてきた主に、食事の手を止めて振り向くレザリア。

 薄暗いため分かり辛いが、その表情は実に自然体。
 質問するような何かがあっただろうか、そんな顔である。

「正直、私最近あんまり進歩している気がしないの。
もちろん前に比べればマシだろうけど、まだまだ貴族のお嬢様の御遊び護身術の域は出てないと思うわ」

「ま、そりゃそうですね。まだそこまでしっかり鍛錬してませんし。
でも、最近進歩してないってのは勘違いですよ?」

「実際そう思うんだもの。で、そんな未熟者がなんでこんな所にいるのかしら?」

 声を潜めながら訊ねるシェリス。

 今いる森は、シュッツブルグの中でも有数の危険地帯だ。

 理由の一つは、魔物。個々は特筆すべき点はないが、集団で襲ってくると洒落にならない魔物が多種生息している。
 一匹に見つかると即座に集まり、かつ仮にそれを迅速に殺しても仲間の血の臭いを嗅ぎつけて寄ってくる連中でもある。
 ついでにいえば、一種族だけ単体でも危険な魔物が生息しており、捕捉されたが最期、並の冒険者なら食い殺される。

 もう一つの理由は、生態系。
 食虫植物どころか、食魔物植物が繁殖しているのだ。
 言うまでもなく餌は選ばないので、人間も食われて溶かされる。
 一応罠にかかるのを待つタイプしかおらず、その罠もちゃんと観察すれば一般人でも分かるレベルだが、
周辺の魔物を警戒しながらなので、中堅どころの冒険者でも気を抜くと危ない。
  
 まして、深夜。
 周囲が見えにくい上に、魔物が活発化する最悪の時間帯。
 普通に考えれば、こんなところに来るのはただの自殺志願者である。

 おまけにこの森はこれといってめぼしい物がなく、ただの危険地帯。
 稀少な植物もなく、高値で売れる魔物もいない。
 来る利益が何もないのだ。  

「そりゃ鍛練の一環だからですよ。
これからいつどんなとこに行くか分からないんですし、こういう場所にも慣れておきませんと。
そんなに心配しなくても、何かあればあたしが守りますよ」

 からからと笑うレザリア。

 それなりに危険な森で、深夜を生き抜く。
 お守り付きとはいえ、実戦慣れしていないシェリスにはなかなか効果的だ。
 食われないよう、僅かな手がかりを見落とさぬ注意力と迅速に分析する観察力が身に付きやすい。
 なにより、見えない恐怖に慣れておけば目前の敵には動じにくくなる。

 とはいえ、それは緊張感をもって行わなければ意味がない。
 ゆえにレザリアは大事な言葉を付け加えた。
  
「まあ――――間に合えば、ですけど」

「ちょ、ちょっとぉぉぉぉっ……」

 思わず大声で抗議しかけたシェリスだったが、咄嗟に声を潜めた。
 魔物が跋扈する深夜の森で叫べばどうなるか、すぐに思い出したのである。

「お、なかなかの反応。でもちょーっと遅かったですね」

 齧っていた干し肉を飲み込むと、レザリアは立ち上がる。

 気配探知の網を広げるまでもなく、周囲は大量の殺気に満ちていた。
 深夜に活性化した魔物達が、常にない音を聞き逃さず確認に訪れたのだ。
 そして、数が少ない為エサと判断したのである。

 闇の中に蠢く数多の目に、シェリスが思わず悲鳴を上げた。

「……こ、こんな数……」

「ん~、確かにちょっと多いですね。すみませんけど、限界まで肉体強化してそこに立っててください」

「そ、それはもうしたけど……」

「迅速な行動、良いですね。じゃ、そのまま維持してください――――何があろうと」

 レザリアはにっ、と笑うとシェリスへと踏み込む。
 そして、シェリスの服を掴んだ。     
   
「へ……?」

「んじゃいくよ木っ端魔物共! 我が主の威力、とくと御堪能あれ!」

 言うが早いか、レザリアはシェリスを掴んだまま魔物の群へと突撃した。

 同時に大きな蝙蝠型の魔物が多数突っ込んでくる。
 いわゆる吸血蝙蝠だが、血を吸うだけでなく肉を噛みちぎりもする連中。
 それに向かって、レザリアは投げの要領でシェリスを振り回した。

「きゃあああああああっ!?」

 悲鳴と共に、シェリスの足が蝙蝠の群を的確に薙ぎ払う。
 
 たかが足が当たっただけ、と言うなかれ。
 その足は脆弱であっても魔力で限界まで強化された足。
 それを振るったのは体術においては達人と言える戦士。

 ゆえに、シェリスの足の軌道上にいた蝙蝠たちは根こそぎ蹴り殺された。

「あっはっは! まだまだいくよー!」

 叫ぶやいなや、レザリアは今度は狼型の魔物に向かってシェリスを振るう。

 今度のシェリスは足を掴まれており、自然上半身が狼たちの眼前に晒される。
 間近で魔物の凶暴な面相を見たシェリスが更なる悲鳴を上げるが、同時に彼女の腕によって魔物達が薙ぎ払われていた。
 レザリアの巧みな調整により、シェリスの腕だけが魔物達の鼻っ面を引っ叩いたのだ。
 それによって出来た隙を狙い、レザリアは魔物達の渦中へと突撃した。

 今度はシェリスの両手を掴み、彼女の踵で魔物達を薙ぎ払う。
 シェリスの悲鳴はさらに激化したが、戦果はやはり軌道上の魔物皆殺し。
 最初に来ていた魔物達は怯み始め、シェリスに悲鳴に釣られてきた魔物達も警戒してか様子を窺っている。

「よーっし! もうちょっとの辛抱ですシェリス様! 一緒に頑張りましょう!」

「待って! 確かに私も頑張ってるけどこれおかしいできゃあああああああああっ!?」
    
 有無を言わさず再びシェリスを振るい始めたレザリアに、痛切な抗議の声はかき消された。











 二十分後。そこには汗を拭っているレザリアと、息を切らして突っ伏しているシェリスの姿があった。

「いやー、何とか追い払えましたねー。これでしばらくは襲われないですよ」

「そ、その前に、なんで私がぶん回されたのかを教えてもらいたいのだけど?」

 弱々しいながらも、強い怒りのこもった視線でレザリアを睨み付けるシェリス。

 どう考えても、先程の戦いは嫌がらせにしか思えなかった。
 レザリアならば自らの手足で戦う方が、余程強いはずなのだ。
 肉体強化のレベルが段違いなので、どう考えてもシェリスをぶつけるより威力が高い。

 わざわざシェリスをぶん回して戦う理由など、あるはずがなかった。
 
「単純な話ですよシェリス様。振り回されて気持ち悪くはなっても――――痛くはないでしょう?」

「そりゃ痛みは……!?」

 人差し指を立ててにんまりと笑うレザリアに、シェリスが思わず目を見開いた。

 そう、あれだけの魔物を自らの肉体で粉砕しながら、シェリスに痛みはない。
 言われた通り限界ギリギリの肉体強化をしていただけで、衝撃を逃がしたりもできなかったというのに。
 少し前であれば間違いなく痛みに顔を顰めていたのに、だ。

 それの意味するところは一つ。

「ちゃーんと進歩はしてるって事ですよ。まだまだですけど、肉体強化のレベルは上がってます。
まだまだ課題は山積みですけど、悲観する事はありません」

「……そう、なのね」

「そうですそうです。
ついでに言えば、仮に成果が出てなかったとしても落ち込んでる暇ありません。
夜が明ける前に森を出るところまでが鍛錬ですからね。
下手に気を抜くと、植物にもぐもぐされちゃいます」

「ええ、頑張るわ」

 気楽に恐ろしい事をのたまう部下に、シェリスは力強い頷きを返した。
 成果が出ている事が分かったのであれば、俯く理由はないと。

 ――――この後、数える機も失せる程命の危機が訪れるとは、知る由もなく。

コメント

ちょうどいいから色んな意味で利用させてもらったって所かな?
しかし、彼女らが鍛えるにしては優しいレベル…何でしょうね、これでも

追伸
この世界の三大珍味ネタはいかがでしょうか?
[2019/11/25 07:40] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


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