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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
白衣の英雄123

 その夜、海人の屋敷。
 エアウォリアーズの面々が軒並み去った為、そこは昼間とは打って変わって静寂に満ちていた。
 現在明かりが灯っているのはただ一室で、外から見ると物寂しく見える。

 が、その一室の中は穏やかな温かさに満ちていた。

「うーん、相変わらずフェン君可愛いわねぇ……」

 まったりと目を閉じているフェンを見て、ルミナスが呟く。

 姿形の美しさもさることながら、フェンの魅力はその動作。
 飼い主であるラクリアに背を撫でられれば、気持ちよさそうに目が細まる。
 ブラッシングの時は気持ち良さそうにしつつも、ラクリアがやりやすいよう態勢を変える気遣い。
 ブラッシングを終えた後、ラクリアに甘えるようにその膝に頭を乗せる姿もまた愛嬌がある。

 サイズはともかく、仕草が甘えん坊の犬そのまんまなので、なんとも可愛らしいのだ。

「ありがとうございます。すいません、今日はお邪魔してしまいまして」

「別に構わんよ。シェリス嬢の屋敷では君はともかくフェンが休まるまい?」

「はい……この子、かなり警戒心が強いので」

 フェンの頭を優しく撫でてやりながら、ラクリアは小さく頷く。

 この屋敷では腑抜けているフェンだが、他の場所では違う。
 野を駆けている時は当然ながら、シェリスの屋敷でも気を抜く事はない。
 別に誰一人害意は持っていないのだが、どうにも落ち着かないのだ。

 この屋敷でラクリアが側に居る時だけ、こうも腑抜けた姿を晒す。

「ところで、本当に私も御一緒してよろしいんですか?」

 ラクリアは、やや心配そうに尋ねる。

 アンリが昼に海人へ持ち掛けた話。
 海人にもてなされた御礼に、今度は自分達が宴を開き招待したいという申し出。
 それに、よければラクリアも加わってはどうかと誘われたのだ。 

 ラクリアとしては海人と多少付き合いがあるだけの自分は邪魔ではないか、と迷っているのだが、
 
「あー、気にしない気にしない。人数多いから一人増えた程度誤差よ。
ってか、真面目なのはいいけどたまには美味しい物食べて騒いで発散しないと、気分落ち込んじゃうわよ?」

 ラクリアの不安を一蹴するかのように、ルミナスは豪快に笑い飛ばす。

 ルミナスからすれば、ラクリアの心配は杞憂そのもの。
 アンリが招待したという事は、既に勘定に入れた上で話を進めている。
 
 むしろ、御姫様生活から一転して野外主体の生活に切り替わったラクリアの精神が心配だった。
 
 本人が覚悟して決めた事だろうと、生活の落差というのは精神への影響が非常に大きい。
 まして野外の生活ともなれば魔物の襲撃がつきものなので、ゴリゴリ精神を削られる。
 フェンという頼もしい事この上ない護衛がいたとしても、だ。

 自分に厳しいのもいいが、適度に息抜きをしておかなければ何が起こるか分かったものではない。

「しかし、わざわざリトルハピネスを貸切にしての宴か。かえって申し訳ない気がするな」

「今回はかなり頑張ってもらったし、そんぐらい当然よ」

 小さく唸る海人に、笑顔で答えるルミナス。

 今回海人がエアウォリアーズに振る舞ったのはソース焼きそばのみ。
 他の食材はそれぞれの持ち寄りであり、さしたる費用は掛かってない。

 が、そのソース焼きそばのソースの原料が問題だ。

 ルミナスもまだ解析しきれていないが、それでもある程度は見抜いている。
 その中に、この大陸では稀少な香辛料が含まれている事も。
 加えて言えば味の一体感も強いので、長期間寝かせてもいるだろう。
 
 調理する時こそお手軽だが材料費は凄まじく、時間もかかっている。
 金銭に換算すれば、それこそ凄まじい金額になる。

 海人の創造魔法を知らない身であれば、何もお返しをしない方がありえない。
 エアウォリアーズの折衝役を担う事も多いアンリなら、尚の事だ。

「……誰かさんのぼろ儲けに手を貸した手前、少し後ろめたいがな」

 言いながら、海人は部屋の片隅を指差す。
 そこにあるのは、数多の札束を幾度も数え直す怪しげな姿。

「ぐへへへへ……お札、お札、お札が一杯……時間経っても消えない……ふふ、ふふふ……」

「……あそこまで金に執着する性質だったか?」

 顔の造形が崩壊してしまっている雫を見て、海人の表情が引きつった。

 雫は喜怒哀楽が激しく表情も豊かだが、あそこまで崩れた表情は見た事がない。
 普段の雫が野に咲き誇る小さな花とすれば、今の雫は泥沼から這い出ようとしている腐乱死体。
 なまじ普段の可愛らしい表情を知っているだけに、ギャップが凄まじかった。 

「その……拙者も浮かれる気持ちはよく分かるのです。
同程度の額を手にした事は何度かあるのですが……手元に残ったためしがなかったので」

 傷まし気に、自分の妹を見つめる刹那。

 冒険者時代、刹那と雫は非常に貧しい生活を送っていた。
 刹那はもちろん、雫も仕事で手を抜く事も油断する事もなく、真面目にこなしていたのに。
 報酬が大きい大物狩りすら何度かこなしていたのに、だ。
 
 その原因は、見放されたを通り越して敵対していたと言っても過言ではない金運。

 なぜか、毎度稼ぐ端から金が消えた。
 ある時は金を入れていたバッグを魔物に食われ。
 ある時は激流の川に落ち、バッグごと遥か下流に流れていき。
 またある時は壊滅した村の惨状を見過ごせず、復興資金として提供し。

 ある程度自業自得の側面もあるが、毎回見事なぐらい金は手元に残らなかった。
 雫がまた理不尽になくなる前に散財してやる、と決意するほどに。
 町を出た直後、そこが魔物の群に襲われて完全に壊滅し、金を全て譲り渡したが。

 手元にこれだけ長く大金があれば、理性を失うのも無理はない。

(今更あの程度のお金で騒ぐ必要もないはずなのですけれどねぇ……)

 シリルが、呆れた様子で雫を見つめる。

 雫の喜びようは分からなくもないが、あまりに今更でもある。
 なぜなら、雫は日頃から今手にしている額など霞んで吹っ飛ぶ物を持ち歩いているからだ。
 
 ――――海人が支給している装備である。

 衣服一つとっても、金額に換算すれば何千万という単位。
 一流と呼ばれる武人の本気の斬撃でようやく斬れる強度。
 鎧越しであれば、ルミナスが全力を出しても斬れるかどうか怪しい。
 衝撃は緩和できないらしいが、その軽さを考えればあまりに些細な欠点だ。

 魔力貯蓄用のダイヤモンドにいたっては、いくらになるか見当もつかない。
 輝き一つとっても紛れもない最高峰だというのに、粒の大きさは世界最大級。
 それこそオークションにでもかければ、これ一つで人生幾度か遊んで暮らせる額になる。

 自覚がないというのは恐ろしい。シリルがそんな事を思っていると、海人が口を開く。

「ふむ。しかしこれほどの喜びようとはな。
私のおかげと考えると、これはソース焼きそばの御褒美はなしでも許されるかな?」

 海人は冗談めかして、そんな事を呟いた。

 無論本気ではない。
 約束を破る事は嫌いだし、なにより相手は可愛い護衛。
 ねだられた御褒美も些細な事なので、破る理由がない。

 が、かえってきた反応は劇的だった。

「許されるわけないでしょう!?」

「反応速いな!?」

 札束を抱えたまま一瞬で詰め寄ってきた雫に、海人が思わず目を見開く。

「当然ですとも! あの御褒美がこの程度のお金で消えるなんてありえません!
このお金が原因でそっちが帳消しにされるならこんなお金……お金…………お金ぇ………………」

 札束を頭の上に掲げたところで、雫の手が止まった。
 投げ捨てようとしているらしいが、腕は虚しく振るえるのみ。
 目を閉じた可愛らしい顔を苦悩に染め、ギリギリと歯を鳴らしている。

 が、数秒して雫はカッと目を見開いた。 

「―――――半分は海人さんに献上します!」

「んなことする必要はないが……凄い執着だなぁ」

 ずいっ、と半泣きで札束を押し付けてきた雫を押し返しながら、海人はぼやいた。

「お恥ずかしい……」

 海人の呆れたような感心したような呟きに、刹那が下を向いて縮こまる。
 気持ちは分かるだけに、妹の醜態を叱るに叱れず、恥じ入る他なかった。

「ってか、私としちゃシズクちゃんがそこまで執着する御褒美の方が気になるわね?」

 不思議そうに首を傾げるルミナス。

 雫の環境を考えれば、物への執着は薄いはずだ。
 必要な物どころか、ちょっと欲しいぐらいの物でも海人は創造魔法で作ってくれる。
 無論制約上作れない物は別だが、その種類は非常に少ない。
 
 まして、これだけ執着している札束を投げ捨てようとするほど。
 いかなる御褒美なのか、気にならないはずがなかった。  

「そう大したものでもない。色々手間がかかるから面倒ではあるがな」

「にゃっはっは。海人さん直々っての加味すれば、このお金も吹っ飛ぶんじゃないですか?」

「まあ、研究の手を止めた時間を損失と考えればそうかもな?
とはいえ日常の延長でしかないし、実際に動く時間も短い。
そう考えればそれが吹っ飛ぶほどではなかろう」

「いやいや、ここ何日か色々調べてましたよね?
正直頼んだあたしが申し訳なくなるぐらいに」

「御褒美である以上、きっちり仕上げさせてもらうとも。
それにこれは後々にも役立つからな。調べておいて損はない」

「……二人共、わざと焦らしてるでしょ?」

 半眼で二人を睨み付けるルミナス。

 海人も雫も、質問に答える時は割と率直だ。
 それがこうも核心を語らず、そのくせ推測の為の情報は増やす。  
 どう考えてもわざとやっているはずだった。

『バレたか』

 揃って、ペロっと舌を出す主従。
 それに対しルミナスは仕方ない、とばかりに溜息を吐き、

「ったく……で? 王都で食べた美味しい料理の再現でも頼まれたの?」

 にっこりと、さりげなく言葉の爆弾を投げ込んだ。
 が、海人は慌てる様子もなく、自然に言葉を返す。
 
「ん? 君に王都に行った事はまだ話してなかったと思うが?」

 内心を完璧に押し隠したまま、海人は首を傾げる。

 王都の話は、そのうちルミナスとシリルには話す事になると思っていた。
 なにしろ実質同居しているし、二人共勘が鋭いので隠し通すのは至難。
 無理に隠し通すよりは、適当な所で自分からバラした方が良い。

 が、流石にただのカマかけでもこれほどの早さは想定していなかった。

 ルミナス達は、仕事から一直線に帰ってきたはずなのだから。
 エアウォリアーズの情報網で何かを掴むにしても、もっと後だと思っていたのだ。

 加えて、ルミナスのカマかけの本命は海人ではない。
 顔は海人の方に向いているが、視線は別の人間に向いている。
 より高確率でボロを出すであろう人間に。

「ちょっとね。で、当たってんの?」

 にっ、と笑いつつ、横目で宝蔵院姉妹の表情を確認するルミナス。

 そこにあったのは、驚愕。
 さしたる変化ではないが、小さく目が見開かれている。
 表情にも慌てて動揺を押し殺したような強張りが見て取れた。
 位置関係で、ラクリアからは見えていないが。

 ルミナスの確信を悟りつつも、海人は気を取り直して会話を続ける事にした。

「いや。食べ物というのは当たっているが、王都は関係ない。
正直なところ、当日見てのお楽しみといきたいところだが……」

「ふっ……分かってますとも御主人様。この雫は、器の広い美少女。
無論、喜びを分かち合う慈愛精神も持ち合わせております」

 海人の目配せを受け、雫は大仰に答える。
 先程までの動揺をかき消さんとするかのように。

「だそうだ。明日君らにも出すから、その時のお楽しみだな」

「お楽しみ、でいいんですね?」

「材料に関しては。腕については……最大限努力はする、としか言えんなぁ」

 からかうような雫の言葉に、軽く肩を竦めて答える海人。

 雫に求められた御褒美。
 その材料については、そこまで大きな問題ではない。
 カナールに行って良い物を揃え、その仕込みもおおむね順調。
 ひたすら鮮度が求められる食材についても、明日買いに行く予定だ。
 かつて一流店で食べた物に比肩しうる物が揃う。

 問題は、腕。
 その料理は腕次第で味に天と地ほどの差が生まれる。
 材料が良ければ十分食える物にはなるが、腕があれば全身が蕩ける程の美味。
 要求されてからかつての記憶を元に修練を積んではいるが、その域はまだまだ遠い。
 
「御安心を。御主人様があたしの為に貴重な時間を費やしてくださった事実。
雫にとってはそれが何よりの御褒美にございますれば」

 言い終えると同時に恭しく、そして仰々しく一礼する雫。

 真摯な響きの声音同様、その動作は優雅そのもの。
 滑らかで、かつ一切のぶれなく流れるように頭を下げている。

 まさに忠臣の鑑と呼ぶべき完璧な一礼は一瞬部屋を静まり返らせたが、
 
「……あの、シズクさん。札束握りしめるのはやめた方がよろしいかと」

 ラクリアのおずおずとした指摘により、瞬く間に室内は笑い声で満ちた。
 



 





 
  





 翌日の朝。シェリスは屋敷の応接間で、とある客人と相対していた。

 予約もない唐突な来訪にもかかわらず、その男に悪びれた様子はない。
 ローラの淹れた紅茶を優雅に啜り、なにやら満足そうにうなずいている。

「ふむ、いつもながら見事な腕だ。是非うちの従者にも仕込んでもらいたいが……」

「申し訳ありませんが、予定が詰まっておりますので」

「毎度それだな。まあ私としても今更期待はしておらぬ」

 ローラのにべもない態度に気を悪くする様子もなく、男は再び紅茶を含む。

 その姿は、控えめに言っても見栄えがする。
 ピシッと整えられた、ロマンスグレーの髪。
 端正な作りに深い皺が刻まれ、形容しがたい威厳と深みのある顔立ち。
 最上の素材を用いて仕立てられた衣服によってさらに引き立てられた、鍛え抜かれた肉体美。
 なにより動作一つ一つが優雅であり、極めて高い気品が漂っている。

 が、シェリスはそれに目を奪われる事もなく、むしろつまらなそうに口を開いた。

「それで、今日は何の御用ですか――――御父様」

 溜息を吐き、シェリスは父――クラーク・ディーガ・フォルンに問いかける。

「そこまでしつこくしたわけでもないのに、問答無用で絞め落とされた恨み言、ではない。
先日は大して見れなかった愛娘の顔を見に来ただけ、というわけでも無論ない。
さて、何だと思うシェリス?」

「先日の続きであれば、もう一度絞め落とすまでですが?」

 きゅっ、と右手で何かを締めるような動作と共に微笑むシェリス。

「分かっている。お前がああも強引に話を終わらせたのだ。
ならば相応の理由あっての事だろう。父として、この国の公爵としてその判断は信じるに値する」

 穏やかに警告するシェリスに動じる事もなく、クラークは愛娘の懸念を否定した。

 シェリスの行動の信頼性は、これまでの実績で嫌になるほど実証されている。
 どれほど強引だろうが、どれほど型破りであろうが、その先にあるのは国益。
 一見性急に見える手段であっても、事情を知ればそれが最善だと納得せざるを得ない事ばかり。
 
 ならば、早々に対話による説得を諦めて父を絞め落とした事にも相応の理由がある。
 現段階では迂闊に理由を語る事すら慎まねばならない、そう判断した理由が。
 
 ゆえに、クラークは王都の救世主達については当分触れるつもりはなかった。

「では、後継者問題でしょうか? 
ようやくハリス兄様ではなく、アレク兄様に継がせる気になりましたか?」

 冗談めかして、シェリスはクラークに問いかける。

 基本的に、シェリスとクラークの意見は一致する事が多い。
 どちらも国益、ひいては領地の民の利益を最優先に考える為だ。
 
 が、フォルン公爵家の後継者問題については、意見が対立している。

 クラークが推すのは長男ハリス・ヴォルゼイド・フォルン。
 シェリスが推すのは次男アレク・ドルティール・フォルン。

 この対立については爵位継承まで延々続く。
 そう確信しているがゆえの冗談だったのだが、 

「……正直、悩むに足る理由は出来たな」

「あら、意外ですね? 長子継承の原則を覆す程ではない、と常々仰ってましたのに」

 思わぬ言葉に、目を丸くするシェリス。

 長子継承は法で定められてはいないが、暗黙の原則だ。
 評価が同等であれば、どころか目立った問題がなければ、ほぼ確実に長子に爵位が継承される。

 クラークは公爵としては柔軟な思考だが、それについてはかなり頑固だった。  
 目立った問題がない以上、次のフォルン公爵はハリスである。
 シェリスの反対をそう言って却下し続けていたのだ。
 その年月、実に七年以上。 

 それがここにきてどんな心変わりか、とシェリスは父の言葉を待つ。 

「……ハリスの欠点は今更言うまでもないな?」

「ええ。極度に人との衝突を嫌う点です。
ですから、私は前々から公爵には向かないと申し上げています」

 俯く父に、冷たい目を向けるシェリス。

 一応、シェリスは兄であるハリスに悪感情は持っていない。
 穏やかで気弱ではあるが、学問における努力と能力は並々ならぬものがある。
 その人格ゆえに人望もそれなりに厚く、忠臣と呼べる者も一人二人ではない。
 人間としては十分に優秀であり、敬意を払うに値する兄だ。
 
 が、同時に次期公爵としては論外とも考えている。

 というのも、優しすぎて他者との衝突を嫌いすぎるからだ。
 争いが生業とも言える貴族、それも公爵という地位にはあまりにも適性がない。
 いざという時に断固として戦えぬ貴族など、自分ばかりか領民まで不幸にするだけだ。

「それでも必要な時がくればやれる、そう思っていたのだが……」

「何かありましたか?」

「最近はハリスにも仕事をそれなりに振っているが、やはり非情な決断が出来んようでな。
その関連で対応が遅れ、業務に支障が出ている」

「……一応、内容をお聞かせ願えますか?
ハリス兄様でなくとも同じ、という可能性もなくはないので」

 頭痛を堪えるシェリスの求めに応じ、クラークはハリスに振った仕事の内容を語り始める。

 そして始まる、ダメ出しの嵐。
 環境が変わったなら栽培する農作物を変更する検討は不可欠。 
 いくら味が良くなっても、近隣の魔物が凶暴化する肥料など許していいはずがない。
 根深い問題が絡んだ対立で両者をただ宥めても、無意味どころか後の問題を大きくするだけ。
 あっさりきっぱりばっさりと、次から次にハリスがすべきだった判断を端的に並べていく。
 
 試しに具体的な解決策を語らせれば、これまた小気味よく現実的な手法を述べる。
 反発はどうする、と尋ねても公爵家の持つ権力はそういう時の為にあるとばっさり。
 先祖代々育ててきた作物、長年かけてようやく生み出した肥料、対立の過程で生じた少なくない犠牲、
全体の益の為に不可避であればそういったものすら踏み躙る。
 例えそれで愛する民達に背後から刺される事になろうとも。
 それをしないのであれば、そもそも貴族など不要である、とさえ。

(……惜しい。あまりに惜しい……なぜお前は、男に生まれてきてくれなかった)

 シェリスと会話しながら、クラークは嘆く。

 能力と人格を見れば、シェリスはフォルン公爵家随一の傑物。
 冷徹に現実を見据える目、そこから最善を導き出す知、そして民への深い慈愛。
 クラークの本音としては、彼女以上に次期フォルン公爵に相応しい人間はいない。
 
 ――――性別が男でさえあれば。

 この国では、女子の爵位継承権は認められていない。
 どれほど優秀な女子であろうと、爵位継承権が与えられるのはその夫と息子だけ。
 これは法で定められた規定であり、変えたければ法そのものを変える必要がある。
 
 これまでクラークは法を変えるべく密かに散々手を尽くしてきたが、全ては無駄に終わった。
 建国以来一度たりともいじられた事すらないその規定は、どの貴族も変える気がない。
 むしろ爵位継承権の拡大は余計な混乱を招く、と厭う者が多いのだ。

 シェリスの正体を喧伝すれば賛同者も出るだろうが、それは最悪レベルの悪手。
 シェリスがこれまで必死に築きあげたものを台無しにしかねないのに、得られるものはあまりに少ない。

 何百回目になるかさえ忘れ果てた口惜しさを押し殺しつつ、クラークは話を終えた。
  
「……こんなところだ。結論は、聞くまでもなさそうだな」

「ええ。やはり次期フォルン公爵はアレク兄様にすべきでしょう。
そのレベルの案件でそうも判断が遅いのでは、話になりません」

「が、アレクもアレクで問題がある事は知っているだろう?」

「思慮が浅く、行動が短絡的な点ですか? 
前々から申し上げている通り、そこをハリス兄様に補っていただけばいいでしょう。
幸いにして、アレク兄様も己の欠点の自覚はおありですから」

 クラークの言葉に、あっさりと答えるシェリス。

 アレクを推してはいるが、シェリスは彼が完璧だとは微塵も思っていない。
 アレクという男は決断力と判断力に優れている反面、行動が性急すぎる欠点がある。
 その場にある情報内では最善の判断を下せるのだが、そもそもその情報が足りてない事が多い。

 例えばその昔、往来で少女を泣かせていた借金取りを正義感からぶん殴った事がある。
 褒められた事ではないが、幼い少女の胸倉を掴み上げて脅す光景を見ては、無理もない。
 
 が――――その借金取り、実はほとんど非がなかった。

 利率は良心的、金を貸した経緯も少女の父から商店への融資を頼み込んできた為。
 返済が滞っても契約を元に店を取り上げるのではなく、現実的な経営計画を練り提案していた。 
 それらの厚意を無にして妻子を置いて夜逃げした為、少女の父の居所を吐かせようとしたのだ。
 しかも最初は自分を悪魔呼ばわりする少女を辛抱強く説得しており、激昂したのは家族までをも罵倒された為。

 そして、周囲の反応をきちんと見ていれば借金取りに非がない事はすぐ気付けたはずだった。
 なにしろ、周囲は一様に借金取りへ同情的な視線を向けており、少女に対しては怒りを向けていたのだから。

 結果、アレクは直後にクラークの拳と共に真実を叩き込まれ、借金取りに平身低頭謝罪する羽目になった。
 
 そういう事が積み重なった結果、現在のアレクは一応己の欠点を自覚している。
 自覚してなお残っているあたり筋金入りだが、それでも周囲の言葉に耳を貸す度量は身に着けた。
 ハリスならばアレクに必要な情報を与え、最善の結果に繋げる事が出来るだろう。
 性格は対極ながら仲は良いので、十分可能性はある。

 だからこそ、シェリスはアレクを推す。 
 最高ではなくとも、及第点の統治が行えると判断して。

「まあ、な……が、もう少しだけ様子を見たい。
知っての通り、もうじきハリスの子が生まれる。そうなれば変わるかもしれん」

 にべもないシェリスの言葉に、クラークは静かに言葉を返す。

 本音はシェリスの言葉に傾きつつあるが、まだ一縷の希望がある。
 
 それが、ハリスの第一子誕生。
 その程度の事で今更変わるものか、と人は言うだろう。
 その通りだとクラークも否定はしない。

 だが、第一子の誕生は人にとって非常に大きな事件だ。

 子が生まれた途端、強い責任感を感じる人間は珍しくもない。
 毎晩飲み歩いていた遊び人が、勤勉な働き者になる事すらあるのだ。

 ならばあるいはハリスも、そんな希望は残されている。
 
「……お好きなように」

 溜息を堪えつつも、シェリスはクラークを冷瞥する。

 実はハリスが結婚した時も、同じような会話になった。
 結婚して守るべき者が出来れば、あの優柔不断も改善されるかもしれないと。
 もし上手くいかずとも、相手がしっかりしているのでハリスの尻は叩いてくれるだろう。
 そんな、希望的観測ながらもシェリスが一応引き下がれる説得をしてきたのだ。

 ――――が、現実はそうはならなかった。

 ハリスの性格は変わらず、妻もしっかり者だが夫を立てて殊更に主張はしない。
 一応妻が時折忠告する事である程度マシにはなったが、根本的には変わらぬまま。
 妻から離れれば、たちまち変わらぬ地金が露呈する。
  
 今度も同じ結果だろうが、気の済むようにすればいい。
 極端に差し迫った問題ではないので、クラークの納得を待つ時間はある。

 ただし、釘は刺しておく事にした。

「ですが、継がせるならばアレク兄様の意識改革も必要です。
その教育の時間を考えれば、さして猶予はない事はお忘れなく」

「分かっておる」

「それは良かったです――――で、それとは別の理由もあるようですが、なにか?」

「当然、お前の事だ。先日よりは幾分マシになったが……気負いすぎておる。
理由までは分からんが、少しゆっくりして力を抜け」

「…………今までが気を抜きすぎていたのです。
戒めの為にも、自ら引き締める必要があります」

 労わるようなクラークの言葉を、シェリスはゆっくり頭を振って否定する。

 王都の一件は、あまりに重かった。
 実際に情報を知るまで、楽観していたと言う他ない。
 よもや最古参メイドが三人もいて収拾不可能な事態が起きていたなど、想像もできなかった。
 海人達がいなければ、王都の人口が激減していたなど。

 そして海人達がいたのは、完全な偶然。
 それも自分の善意が、感謝が裏目に出た結果。
 海人が許してくれたから問題ない、そう納得できる話でもしていい話でもない。

 海人という頼りになりすぎるカードが現れた事で、気が緩んでいた。
 平穏と平和を望む彼に、依存しすぎていいはずがないのに。

 ゆえに、今のシェリスは己を厳しく戒めていた。
 油断なく、無駄なく、己の全てを絞り出して最善を求め続けるべく。

「愚か者。我が屋敷の者達すら、先日のお前を見て慄いていたのだぞ。
折角作り上げた仮面が剥がれかかっている。由々しき事態であろう」

 クラークは、あえて厳しい口調でシェリスを諫めた。

 シェリスの実態を知る者は、この国ではほんの一握り。
 他の者は理想的な、気高くも慈愛溢れる聖女のように思っている。
 それは実家の使用人達ですら例外ではなく、むしろ彼らこそが一番信じ込んでいた。

 そして、その聖女の仮面は現状極めて有効に働く。

 気高くも慈愛に満ち溢れ、争いを厭うというその評価。
 そんな彼女の実態が謀略暗殺なんでもござれの超武闘派など誰も想像しない。
 まして国益の為なら虐殺も容認しかねない≪傀儡師≫だなどと、夢にも思わないだろう。
 
 今のシェリスの動きがまるで表沙汰にならないのは、この仮面の効果も大きい。
 にもかかわらず、先日シェリスがクラークの屋敷にやってきた時は、それが壊れかけていた。 
 殺気こそ出ていないが、周囲を圧する強烈な気迫が出ていたのだ。
 何があったのだろう、と使用人達が例外なく不安がる程に。

 自覚する事で少し落ち着くことを期待しての言葉だったが、

「それは反省せねばなりませんね。では、今の心持ちのまま仮面を被り直すとしましょう」

「……頑固者め」

「御父様ほどではありません」

 苦々し気に唸る父に、シェリスはきっぱりと言い捨てる。
 結論が変わるはずもない、そう断言するかのように。

 どう諭したものか、とクラークが頭を悩ませ始めた時、ローラが口を開いた。

「僭越ながら、よろしいでしょうか? 公爵様」

「なんだ?」

「シェリス様はアホ――もとい未熟なので、言葉による説得は難しいでしょう。
むしろ言葉を重ねれば重ねる程意固地になる馬鹿――頑固者ですので、悪化します。
であれば、別のアプローチが必要かと」

「貴女実は罵倒隠す気ないわよね!?」

 淡々と、申し訳程度に言葉を取り繕いつつ罵倒するローラに振り向き、シェリスが抗議する。
 そんな娘の様子を見て、クラークの口元が軽く吊り上がった。

「ふむ、別のアプローチとは?」

「難しい事ではありません――――考える暇がない程忙しければいいのです」

『……は?』

 虚を突かれたように、クラークとシェリスが揃って目を丸くした。
 そんな父娘の反応を気にした様子もなく、ローラは静かに言葉を続ける。

「なまじ仕事に多少余裕があるからこそ思いつめるのです。
であれば、眼前の仕事以外の事など考える事が出来ないようにすればいい。
しばらくその状態が続けば、何を思い詰めていたのかも忘れるでしょう。馬鹿ですから」

「ついに取り繕う素振りすらなくなったわね!?」

 もはや遠慮の欠片もなく罵倒してきた部下に、思わずシェリスは叫んだ。
 その姿が父から見ればどう映るか、考える事すらなく。

「ふむ……であれば、ハリスのせいで溜まった仕事を持ってくるとしようか。
そうすればシェリスの状態を改善しつつ、業務の速度を正常に戻せる」

 名案だ、とばかりに大きく頷くクラーク。

「それでよろしいかと」

「微塵もよろしくないわよ!? 私今でもかなりいっぱいいっぱいなのよ!?」

「泣き言が言える間はまだ余裕があるという事です。
とりあえず、言葉を発せなくなるまで頑張っていただきましょうか」

 普段と変わらぬ無表情で、非情な宣告をするローラ。
 完全に本気である事を確信し、シェリスは慌てて言葉を紡ぎ始める。

「ちょ、無理! 今回は洒落にならな――って、御父様なぜ退室なさるんです!?
しかも足取りがえらく軽いようですが!? え、まさか本当に私がハリス兄様の後始ま――――」

 シェリスの言葉を遮るように、クラークの姿がドアの向こうに消えた。
 愕然とした顔でドアを見つめていたシェリスの肩が、ポンと叩かれる。

「御父上の許可もいただけた事ですし、頑張りましょう」

「いやあああああああああああああああっ!?」

 淡々とした無情の宣告に、シェリスが絶叫した。




 









 

 昼。海人達の姿がカナールにあった。

 時間が時間なだけあり、非常に賑わっている。
 通りを歩けば呼び込みの声があちこちから響いており、なんとも騒々しい。
 屋台を回りながら何を食べるか悩むカップルもいれば、一人ゆったりと紅茶を楽しむ老紳士もいる。
 煌びやかなアクセサリーに目を輝かせた直後、値札を見て膝から崩れ落ちた御夫人などもいた。
 
 そんな中、一角異様な空気に包まれている店があった。

「店主殿。もう一声、もう少しだけまかりませんか?」

「いやいやいや、この品質のもんこれ以上値下げは出来ねえよ。
ガーナブレストの港から最速で届いた極上の貝類。生でも最高に美味い鮮度だぜ?」 

 ずい、と身を乗り出す刹那の迫力に、店主の背中を冷たい汗が伝う。

 今相対しているのは、最近カナールで恐れられる値切りの鬼神。
 紛れもない美女でありながら、その美貌より値切りの技で名が知れ渡る怪物だ。
 品の良さを見切り、時間などあらゆる価格に繋がる要素を見切り、最後に売り手の心を見切る。
 そして誰も損を感じぬギリギリの値切りを行い、悠々と去っていく。
 技は悪辣だが、取引相手としては上々でもある。
 
 が、店主とて譲れぬものがあった。

 今日揃えた貝類は、月に一度あるかないかという最高品質。
 取れた上物を専門業者が味を落とさぬギリギリの温度で冷却し、輸送した逸品。
 実物を見た瞬間、思わず一つ味見で食べてしまった程の物だ。
 これ以上の値下げは流石に看過できない。
 
「ふむ……この箱三つ全て買い上げる、と言えば?」

「全部っ!? それなら――いやいや、これ以上の値引きは――いやだが、全部売れるとなりゃ――」

 刹那の申し出に、思わず揺らいでしまう店主。

 今回仕入れた貝類はまさに極上だが、それゆえに売れ残りが懸念される。
 値段は品質相応に高く、そして貝類ゆえに品質を維持できる期間は長く見積もっても今日の深夜まで。
 全て買い上げてくれるとなれば、売上的にも魚屋の誇り的にもありがたい。
 この時間までほとんど売れなかったので、不安はあるのだ。

 しかしそれでも更なる値下げは躊躇われる。
 そう思った瞬間、店主の横に軽快な音を立てて札束が叩きつけられた。
 先程店主が提示した額より、僅かながら少ない額が。

「これでいかがでしょう?」

「……無駄にしないできっちり食ってくれるんだろうな?」

「無論いつも通り、美味しく、ありがたくいただきます」

「ぬぅぅ……ええいこっちの負けだ! 毎度ありぃっ!」

 乱暴に札束を掴むと、店主は三つの木箱に追加の氷を入れて紐で括る。
 そして、それを刹那に手渡した。

「ありがとうございます」

 たっぷりの貝類が詰まった木箱を、刹那は満面の笑顔で受け取る。
 先程の間での気迫はどこへやら、そこにあるのは純粋な喜びだけ。

 思わず、店主の口から言葉が漏れる。

「またどうぞー!」

 店主のそんな言葉を背後に浴びながら、刹那達は店の外に向かう。
 さして広くない店内をかき分けるように進む中、ラクリアが呟く。

「……勉強になりますね」

 ふむふむ、と若干興奮した顔で頷くラクリア。
 
 現在のラクリアは流浪の身。
 資金源は主に、偽名で登録した冒険者としての仕事。
 それとて良い依頼は往々にして地元の冒険者に回され、かつ元々ランクが低い為実入りは悪い。
 肉や魚はフェンが狩ってくれるのでなんとでもなるが、穀類や野菜などは買う必要があり、
それなりに金が必要だというのに、だ。

 ゆえに、刹那の値切り術は非常に参考になった。
 完全再現する自信はまるでないが、幾つか流用できそうな技術はあったのだ。
    
「それはよかった……ん?」

 刹那が振り返ってラクリアに微笑んでいると、背後から拍手が響いた。

「あっはっは! 噂にゃ聞いてたけど、見事な値切りだねぇセツナちゃん!」

 刹那が振り向いた先には、ミッシェルの姿。
 突き出た自分の腹を叩きながら、愉快そうに笑っている。 

「これはミッシェル殿。この時間に外出とは、何かありましたか?」

「ん? ああ、昼間っから酒がぶ飲みしてるお客がいてねぇ……最初は止めようと思ったんだが、
事情を聞くと止めるに止めらんなくてね……そんなら良い酒飲ませて止めてやろうと思って、酒の買い出しってわけだ」

 困ったもんだ、と言いながら紐で括ったワイン瓶を掲げるミッシェル。
 
「いや、それ、酒の量増えるだけで悪循環でしょ。
しかも、追加にしちゃ絶対足りてないですよね?」

 ミッシェルの言葉に、怪訝そうな顔をするルミナス。

 良い酒を飲めば、当然もっと飲みたくなる。
 それこそ酒を止められなくなり、意識を失うまで飲みかねない。
 強いて言えば、一気に酔い潰れて強制的に止まる可能性があるくらいだ。

 が、それにしてはミッシェルが持ってるワイン瓶の本数は少ない。
 並程度の人間を酔い潰すつもりであれば、倍の量を用意すべきところだ。

「ちっちっち、甘いねぇルミナスちゃん。相手とやり方次第じゃ減らせるもんさ。
よければ皆見ていくかい? そっちの貝が台無しになる程の時間はかからないはずだよ」

 人差し指を軽く振りながら、ミッシェルは不敵に笑った。
 その表情は控えめに言っても自信に満ちており、頼もしさすら感じさせる。
 
「……ふむ、手法自体は幾つか思いつきますが、それでも興味はありますね。
皆も良ければ、私としては見ていきたんだが……」

 海人がそう言って周囲を見渡すと、笑顔で頷きが返ってきた。

コメント

更新ありがとうございます!
大好きな作品なので1日遅れても本編更新があるのは嬉しいです
(ローラと海人の絡みがあればもっと・・・)
[2020/01/16 17:30] URL | #- [ 編集 ]


後継者争いですか正直な所最善は、カイトにハリス・ヴォルゼイド・フォルンを後継者にふさわしくなるよう洗脳してもらうのが、一番いいって思いますけどね。

それにしても思慮が浅く、行動が短絡的な点が、問題となると出てきたタイミング的に最重要機密の逆鱗に触れて一発アウトとならないのかこの先が気になりますね。
[2020/01/19 08:05] URL | シャオ #xDU5tAck [ 編集 ]


雫がどうしてもと思う料理…貝類を使うとなるといくつかは絞れますが、特定は難しいかな?
公爵家の跡取りかぁ…色々隠して海人に荒療治させればどうとでもなりそうですけどね(笑)

追伸
トマト鍋やカレー鍋ネタはいかがでしょうか?
[2020/01/19 18:07] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


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