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ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
百二十二話微修正+番外編。
122話の微修正と番外編になります。
微修正は、おそらく並べて読んでようやく気付くぐらいです。
番外編の方は思いつきのネタになります。
読み返して色々不満出たので、いずれ同じネタでもう一回書くかもしれません。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


 さん

温かいお言葉ありがとうございます。
海人とローラの絡みは……必要量という事で。

シャオさん

ハリスについては、ぶっちゃけ仰る通りです。
海人がやるかどうかなどはさておき、最善案ではあります。

コスモさん

雫のご褒美は出たらやっぱりか、か捻りなさすぎて分からなかった、になるかと(汗)

ただの荒療治だと微妙かもですね。
まがりなりにもシェリスの兄ですから、教育も相応ですので。

トマト鍋やカレー鍋……食べた事がないです。書くにしても一度作ってみてからですね。



大変申し訳ないのですが、最新話読み返して幾つか失態に気づいたので、少し大手術します。
現状の予定では、大きなところであるキャラの出番削除、シリアス成分減少、コミカル成分増量を考えています。
大きな流れ自体は変わらないと思いますが、修正後を読んでないと次話で混乱するかもしれません。
お手数かけて申し訳ありませんが、修正終わりました際には読み直していただけると幸いです。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。




 番外編


 その日、海人の屋敷を強い寒波が襲っていた。

 肉体強化をしていれば問題ないが、それでも肌がひりつく寒さ。
 地面の草を見れば、一部僅かながら表面が凍っている。

 当然のように太陽は出ておらず、見事なまでの曇天。
 灰色の空は下にある景色を濁らせ、普段は風光明媚な中庭も今は不気味。
 水しぶきが映える屋敷裏の激流も、今は氾濫を起こしそうな危うさにしか感じない。
 
 こんな日は屋敷の中に引きこもり、ぬくぬく過ごすのが最善。
 それこそ炬燵を出して温まりながら蜜柑でも食べるべきだろう。
 
 そのはずなのだが、海人達主従は中庭のど真ん中にいた。

「…………なんで私達はこんな事しとるんだろうな?」

「雫の我儘と、海人殿の甘やかしのせいでしょう」

 白い息を吐きながらぼやく海人に、刹那が冷たい目を向ける。

 原因は、と問われれば明々白々。
 寒い日ならではの美味い料理を楽しみたい。
 そんな雫の我儘を、海人が渋々ながら受け入れたせいだ。 

 おかげで昼食のメニューが急遽変更になり、
寒風吹きすさぶ中、中庭のテーブルを囲んでいる。
 
「それを言われると痛いが、気持ちは分からなくもあるまい。
だから君もわざわざここにいるんだろう?」

「否定はいたしませんが、それだけなら拙者は外に出ません。
最大の理由は海人殿が寒い思いをされているのに、拙者一人屋敷で温まるわけにはいかないからです。
雫一人なら放置しております」

 きっぱりと言い切る刹那。

 雫の食への情熱自体は、認めなくもない。
 寒い中で食べるのが一番美味いはず、だけど肝心の料理が冷えていては台無し。
 そう言って、わざわざこのテーブルの上だけを魔法で温めているのだ。
 常ならぬ巧みな制御によって、必要最小限ギリギリの範囲を。
 しかもより寒い方が美味いはず、と自分は肉体強化をほぼ切っている。
 この情熱、というか執念は一周回って感心する他ないだろう。
   
 が、それに付き合う気があるかと言えば、断じて否。

 よりにもよってこんな寒い日に、外で温かい料理など正気の沙汰ではない。
 すぐに食べ終わる物とはいえ、その間は間違いなく寒いのだ。
  
「……誰とは言わんが、鍛錬で裏の川に叩き込んだ人間の責任もあるんじゃないか?
寒さで頭がパーになったのかもしれんぞ?」

「あの具材が見えていないとでも仰るのですか?
ここ何日か寒かったですから、この為に前もって準備していたのでしょう」

 からかうような海人の言葉に、雫が作業している湯気に覆われた調理台を指差して答える刹那。

 そこにある各種具材の一部は、今日思い立って作れる物ではない。
 どんなに遅くとも前日には仕込みを終えていたはずだ。

 その情熱をもう少し鍛錬に回してくれれば。
 刹那がそんな事を思っていると、料理が出来上がった。
  
 雫はいそいそと盛り付けを行い、手早く盆に乗せると、刹那達の元に駆けてくる。

「はいはいお待たせー! 寒いし急いで食べましょー♪」

 そう言うと、雫は盆の上の物――3種類のラーメンを所定の位置に置く。 
 そして雫が置き終えると同時に、三人同時に手を合わせ、食べ始めた。

「……当たり前だが美味いな」

 醤油ラーメンを軽く啜り、海人が呟く。

 スープと麺、そして多くの具材は海人の世界の名店の物。
 鶏ガラベースのそれは、コクは強いがさっぱりとした味わい。
 そのスープを引き立たせているのが、どっしりとした縮れ麺。
 極上のスープをたっぷり絡ませ、その味を受け止めつつ高めている。
 ネギの香りは食欲をさらに煽り、海苔やメンマも申し分なく、ほうれん草は箸休めに最適。
  
 雫製であるチャーシューと煮卵も、悪くはない。
 しっかり時間をかけて煮つつも、肉らしい食感は残したチャーシュー。
 それは噛みしめると心地良い歯応えと共に、抜群の肉汁が滲みだす。
 煮卵も半熟ながらしっかりと味が染みており、実に美味い。
 とろとろの黄身を麺に絡めて食べると、堪えられない美味さだ。

 厳しく言えば雫製の物が他とのバランスは欠いてしまっているが、自宅で食べるなら御愛嬌だ。

「まったく……はふはふ……こんな寒い中ズズー……わざわざ外で食べる気が知れん……まあ、美味いが」

 塩ラーメンを啜りながら愚痴る刹那。

 黄金色のスープの味は、申し分なし。
 動物系と魚介系を合わせたその味は、淡麗でありながら重厚。
 舌の上を滑るかのように強い味が広がり、飲み込むと後味は爽やか。
 細めのストレート麺との相性も非常によく、ついつい手が止まらなくなる。
 海人の世界でもトップレベルの名店。その呼称に恥じぬ味だ。

 乗っている具材は雫製のチャーシューと煮卵のみだが、これも悪くない。
 スープの風味を極力壊さぬよう、どちらもあっさりとした味付け。
 格別に味を高める事もないが、邪魔もしない。
 むしろ軽快な味わいに飽きぬ為のアクセントとして機能している。
  
「あっはっは! 美味しいならいいじゃん! ずずー……ん~! 美味しいねぇ!
明日も別のラーメン食べよっかなぁ!」  

 満面の笑みで味噌ラーメンをかっこむ雫。

 スープと麺は、やはり文句のつけようもなし。
 濃厚な出汁と味噌の味わいに辛味を利かせたスープは、重厚そのもの。
 中毒性の高いその味わいは、それだけ飲んでも丼一杯飲み干してしまいそうな程。
 中に入っている太めの麺もその味わいに負けず、しっかりと受け止めている。
 そればかりかバターを溶かして濃厚さを増しても、ものともしない。

 上に乗っている具材は、雫の作った野菜炒め。
 香ばしさを最優先して炒めたそれは、単品では味が薄い。
 食べられない事はないが、そこまで美味くはない物だ。

 が、スープに野菜炒めをつけ込んだ瞬間、変貌する。

 スープの濃厚さが加わった野菜炒めの味は、まさに暴虐。
 恐ろしく食欲をそそる香りと濃厚な味わいが口の中で暴れ回る。
 そこに麺をかっこむと、こんなに美味くていいのだろうかと思う程の美味。
 味は濃厚、香りはたまらない香ばしさ、食感は野菜のシャキシャキと麺のもちもち。

 味噌ラーメンはかなりのボリュームがあったが、みるみるうちに消えていく。
 そうして雫が食べ終わるとほぼ同時、海人と刹那も食べ終わった。  

『御馳走様でした』

 揃って手を合わせる三人。
 その表情は雫だけでなく、海人と刹那のそれも満たされた印象を受ける。
 
「んっふっふ、どうでした?」

「ま、確かに美味いな。屋敷の中で食ってもここまで美味くはなるまい」

「……冷えを我慢する価値のある味である事は、認めよう」

 雫の問いに海人はあっさりと、刹那は渋々と答える。

 今日のラーメンの味わいは、ラーメン自体もさる事ながら、この寒さが大きく影響していた。
 身を切る程に寒い中、火傷しそうになるほど熱々のラーメンをかっこむ。
 これこそが最大の調味料であり、他では得られぬ味わい。

 雫が強引に押し切り、主君と姉を引っ張り出したのも頷ける味だった。 

「んもー、素直じゃないなぁ……なんて気の利く護衛だ! とか良い妹を持った!
とか遠慮なく言ってくれていいんですよ?」

 むふー、と胸を張る雫。
 その姿は控えめに言っても自慢げであり、苦情なぞ想像もしていなさそうだ。
 
「そこまでではないな。やはり寒いのは大きい」

「ですね。やはりこんな日に外に出るものではないでしょう」

「えー……そんなぁー……」

 主君と姉からのダメ出しに、目に見えて落ち込む雫。
 そんな雫に対し、海人は何気なく言葉を付け加える。 

「――――が、たまにはこういうのもいい、というのも事実だ。
後で御褒美に白玉ぜんざいを作ってやろう」

「やったー♪」

 海人の甘い言葉に、雫は軽く飛び上がった。
 一瞬前までの落ち込んだ表情など、どこかに吹き飛んだかのように。

 そんな雫を見て、海人と刹那は揃って苦笑した。 
 周囲の気温とは真逆の、温かい眼差しを向けながら。
  
コメント

寒い中で熱々の料理を食べればさぞかし旨いでしょうねぇwまあ、味以外の補正がないとは言い切れないでしょうが。
ラーメン以外にもうどん系とか良さそうですよね、月見や天ぷらとか

追伸
熱々のお出汁が染みた変わりダネもあるおでんで晩酌をする海人とルミナス達…的なネタはいかがでしょうか?
[2020/01/20 06:15] URL | コスモ #Y2SfxCmk [ 編集 ]


ちょっと寒い中で喰う、あったかい物は美味いだろうが、

くっそ寒い中で喰う美味いものは苦痛の方が大きいんでないかと
この辺り北国の人の実感を聞いてみたいものよね
[2020/01/20 21:05] URL | #7xIPwYi. [ 編集 ]


雫は可愛い妹を見てる気分になるから好き
[2020/01/21 03:42] URL | #- [ 編集 ]


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