ラノベを目指してみよう
グース・カピーこと九重十造が人様を楽しませられるレベルの文章を目指して色々書き連ねる場所です。          軽く楽しく読める話を書ければいいなと思ってます。
番外編セット28



 番外編136



 雫は屋敷の中庭で、くつくつと煮立つ鍋を前に顔をほころばせていた。

 鍋の中身は、おかゆ。
 朝の鍛錬で少しばかり空腹感が強くなりすぎ、
かつ朝食まで若干間がある事から軽く腹に入れておこうと思って作った物だ。
 この程度の量のおかゆでは雫の腹の足しにはならないが、朝食前の前座としては適量である。

 いただきます、と軽く手を合わせ、箸を伸ばす。

「熱っ……! はふ、はふ……!」

 熱々のおかゆが、雫の口内で転がされる。

 特に味付けはしていない、水と米だけの味わい。
 シンプルかつ単調な味わいだが、しっかり味わうとその美味さが良く分かる。

 口に入れた直後に広がるのは、水の儚い甘味。
 上質な水に極上の米が溶け出したその味わいは、なんとも言えぬ滋味に溢れており、
鍛錬直後で若干尖っていた心に安らぎを与えてくれる。

 次いで広がるのは、米のしっとりとした甘味と旨味。
 粒がしっかり残っている為、その味は水に溶けだしたそれよりはるかに強く、先程よりも食事をしていると実感させてくれる。
 かといって味が極端に強いわけではなく、ほのかだがしっかりとした滋味が口に広がっていく。

 ひとしきり味わった後に飲みこむと、残るのは水の後味。
 気を抜けば見逃しそうな程儚い甘味が数瞬残った後、綺麗に消えていく。
  
 とりあえずおかゆの味を堪能した雫は、はふう、と息を吐くと、鍋の脇にある小皿に手を伸ばす。
続きを読む
番外編+番外編セット。
というわけで、番外編と番外編セットです。
番外編の方は珍しくはないネタになるかと思います。
というか、一度似たようなネタをやったような気が(汗)

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


コスモさん

案外現代は悪徳商人はリスク増えてるかもしれませんね。
あっという間にネットで広がる時代ですから。
先日の海外で魚料理の難しさを思い知らされました。
他の料理は美味しいか普通だったのに、魚だけは軒並み……。

ラキスケは……まあ、主人公命の危機になりますし。
刹那と雫しかいなけりゃ回避できますけど、それだと酔っ払うまで飲みそうにないですから。

通りすがりさん

楽しんでいただけたなら何よりです。
今後も楽しんでいただける話を書けるよう頑張りたいと思います。

ロボット三等兵さん

温かいお言葉ありがとうございます。
ちょい執筆の勘が狂いましたが、無事に戻ってまいりました。



次話ですが、概ね調子戻ってきたので、次回かその次には更新できると思います。
長めの話なので調整に時間かかるのが不安材料ではありますが。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。




続きを読む
番外編セット27



 番外編131


 ロンドの酒場。
 それはカナールにある、そこそこ人気のある酒場だ。

 良質な酒と料理が揃い、価格も良心的。
 更には事前に頼んでおけば、特注の料理にも対応してくれる。
 記念日などにはちょっとしたサービスなども行っているため、
繁盛店とまではいかないが、しっかりと固定客を掴んでいる店だ。
 地味なようだが、この競争の激しい町でそれが出来ている店はそう多くない。

 ゆえに儲けもかなりの物と思われがちだが――――実情はそれほどでもなかった。

「お父さん? もう一回説明してもらえるかしら?」

 ロンドの酒場の看板娘、レアーナ・フレグタスが厨房に鎮座する食材を指差す。
 常連客に人気の笑顔はそのままだが、何故か纏う空気が禍々しい。

「……今は祭り中だ。当然、客の気分も良くなってるし、財布の紐も緩くなる。
そこに高級素材を使った料理があれば、飛びつくだろう。
そうなれば儲けものだ。高級素材は元値が高いから他の料理より利益を乗せやすいし、まして今は祭り中だから、
ほんの僅かなら相場より高くても頼む客は多いはずだ」
続きを読む
番外編+番外編セット。
皆様お久しぶりです、無事帰国いたしました。
遅ればせながら、番外編と番外編セットです。
番外編の方はあまり珍しいネタではないと思います。

では、急ぎ足ですがコメント返しさせていただきます。


 さん

リレイユ可愛く思ってもらえたようで嬉しいです。
本編でも登場場面少し増やしたいんですけどねぇ……。

コスモさん

まあ、珍しいネタじゃないですからね。
上手い人だったらもっと面白く書けるのかな。

掲示板……あー、ゲイツ視点の話になりそうですね。
本編か番外編かは分かりませんけど、いずれ出ると思います。

 さん

日々の食事で色々慣らされてるリレイユです。
調教が進むと、もっと愉快な事をしてくれるかもしれません。

ロボット三等兵さん

御心配ありがとうございました。
幸いにして大きな問題は起こる事なく帰ってこれました。

ええ、リレイユは飼主達に色々毒されてます。

 さん

翻訳機作れたとしても使いどころが難しいかもですね。
どっかの御令嬢達に知れたらそれこそ面倒ですし。

飛べないブタさん

ペットは飼い主に似て、その上で各々の個性を発揮するものですから。
汚染進行速度はある意味一番かもしれません。



さて、次話ですが海外にいる間ネタだけは溜めたものの、執筆はできませんでした(汗)
執筆再開して割と筆はのっていますが、少し調子が狂っているので完成には若干時間かかるかもしれません。
毎度遅筆ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

では、今回も数多くの方の御来訪ありがとうございました。
気が向いた方は『続きを読む』で番外編をお楽しみください。


続きを読む
番外編セット26



 番外編126



 海人は、屋敷の地下室でパソコンと向かい合っていた。

 やっているのは、先月見出した理論の論文作成。
 これを活用すれば既存の電池よりもはるかに薄型軽量で発電効率も比較にならない太陽電池が出来上がる。
 住宅の屋根は勿論壁面にも張る事が可能で、一軒家の屋根全面に張るだけでも、
夏場の冷房や冬場の暖房の電力消費すら余裕で賄える代物だ。
 環境の変化にも強く、風雨は勿論激しい温暖さにもビクともしない汎用性まで持ち合わせている。
 しかも製造に稀少材料を必要とせず、コストも安く大量生産も容易と良い事尽くめだ。
 
 これが世に出れば巷で騒がれている電力の問題など、ほぼ解決するだろう。
 
 全人類の福音、そう言ってもおかしくない程の論文を作成しながらも――――海人の顔は暗い。

 ほんの数年前までの無邪気で優しい色はそこになく、あるのは無情のみ。
 喜びも、怒りも、悲しみも、何もかもが消え失せた、十代の少年とは思えぬ無機質だけである。
 
 ふと、海人が手を止めキーボードの左脇に置いてある携帯電話に目を移す。
 先程まで怒鳴り声がうるさかったそれから、いつの間にか息切れするような音が響いていた。

 溜息を吐きながら、海人は電話を手に取る。

「失礼、あまりにも聞き苦しい雑音だったので聞いていませんでした。
それで、御用件は何でしたか?」

「若造ぉぉぉっ! 貴様これだけの事をしておきながら罪悪感がないのか!?
今すぐあの新会社を解散し、新薬の特許全てを公開して他の会社に使用権を与えろ!
貴様の勝手な行動でどれだけの人間が路頭に迷うと思っている!」

 電話口から激しく響く、怒鳴り声。

 自分の母国語ではないその醜い声に一瞬使い慣れた言語で返してやろうかと思うが、
海人は小さく肩を竦めながらも相手の母国語に合わせて答えた。

続きを読む


プロフィール

九重十造

Author:九重十造
FC2ブログへようこそ!



最新記事



カテゴリ



月別アーカイブ



最新コメント



最新トラックバック



FC2カウンター



検索フォーム



RSSリンクの表示



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QRコード